陽動振り飛車

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陽動振り飛車(ようどうふりびしゃ)は将棋戦法の1つ。広義では相居飛車模様から一方が振り飛車に転じる作戦の総称。狭義では相矢倉の出だしから5手目▲6六歩に主に後手が用いる作戦を指す。戦法の命名者は加藤治郎。英語名称はFeint Ranging Rook。

概要[編集]

相居飛車模様から、振り飛車に転ずることは相手の意表を突く意味が強いが、理論上にも有利な側面がある。相手が相居飛車であると想定した場合、相居飛車に適した囲いである矢倉囲いを志向するのが一般的である。しかし、矢倉は横からの攻めにはあまり強くなく、振り飛車に対してはあまり適さない。よって、相手が矢倉に囲ってくることを見届けてから、飛車を振るのは理に適った指し方といえる。

しかし、あまりに早く飛車を振ると、相手にも自然に対振り飛車に適した備えを許すことになる。よって、飛車を振るのを極力後回しにし、相居飛車の含みを持たせ続けるのも肝要で、結局は右玉に合流することも多い。有力ながらも、飛車を振るタイミングや、相手の手を待つ手待ちの仕方も難しい為、現在ではあまり指されていない。

しかし、佐藤康光が相居飛車の一手損角換わり模様から先手を持って向かい飛車に転ずる作戦を用いている[1]

相矢倉模様からの陽動振り飛車[編集]

5手目▲6六歩に対してのみ用いることが出来る。△6四歩から右四間飛車を見せ、先手に右四間に備えさせる(その布陣は右四間飛車を参照)。右四間対策の陣形は対振り飛車には適さないので、そこを突くのである(5手目▲7七銀には右四間飛車が通用せず、よって先手に右四間対策の陣形も強要出来ない)。また、対▲7七銀ではいつでも▲6八銀と急戦に用いられる筋が残る[2]

脚注[編集]

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  1. ^ 『将棋世界2010年12』p.56~p.57を参照。
  2. ^ 『消えた戦法の謎』p.55を参照。

参考文献[編集]

関連項目[編集]