ポンポン桂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search

ポンポン桂(ポンポンけい)とは、将棋の戦法で対四間飛車への急戦のひとつ。古典定跡の中の一戦型で、富沢幹雄が生前好んで指したことから富沢キックとも言われる[1]

概要[編集]

△ なし
Shogi zhor 22.png
91 81 71 61 51 41 31 21 11
92 82 72 62 52 42 32 22 12
93 83 73 63 53 43 33 23 13
94 84 74 64 54 44 34 24 14
95 85 75 65 55 45 35 25 15
96 86 76 66 56 46 36 26 16
97 87 77 67 57 47 37 27 17
98 88 78 68 58 48 38 28 18
99 89 79 69 59 49 39 29 19
Shogi zver 22.png
▲ なし
第1図 ▲4五桂まで

第1図の要領で▲4五桂と歩頭に桂を捨てるのがこの戦法の急所であり、居飛車側の陣形は図のような5七銀左型の舟囲いである必要はない[2]。以下、△4五同歩▲3三角成△同桂▲2四歩として居飛車が桂損ながら飛車先を突破する。なお、▲4五桂に対して△5一角と逃げられる場合(4一飛型など)や△1五角と逃げる手が△3七角成の先手となる場合(左銀ではなく右銀を5七に活用している場合など)、▲3三角成に△同銀と飛車先を受けながら取り返せる場合など4三銀型以外には仕掛けが成立しない[3]

△1五角の筋を警戒しなければならない場合には事前に▲1六歩と突くか、後手が6四歩−5三歩型で6四の歩が浮いていれば▲5五角と出る。▲5五角に対しどのように6四の歩取りを受けても振り飛車の囲いは何かしらの傷を作ってしまいやすく、5五の角の利きで3七の地点を受けられる為▲1六歩を省略出来る[4]。ただし、▲5五角に△6二飛と出来る場合は例外で▲5五角は成立しない[5]

また、▲3七桂に対して振り飛車が△3二銀、△5四銀、△4一飛、△3二飛と▲4五桂に備える手もあり得る。△3二銀に対しては5七に駒が居ない場合、▲6六角として次に▲5七角−▲2四歩を見せて△4三銀(△2二飛を作る)を強制してから打開する手法がある[6]。△5四銀には▲2六飛−▲3五歩△同歩▲4六銀と角頭攻めにシフト出来[7]、この筋は△3二銀、△4一飛に於いても応用出来る。また、△3二飛には▲4六歩−▲4五歩の仕掛けを狙える。

先に桂損をするので飛車先を突破しても代償を得るのが難しく、玉の遠い振り飛車穴熊には天敵と言って良いほど勝ちにくい[8]が、対美濃に対しては満足な受けもなく、第1図で先手必勝である。また角交換によって3三に跳ばせた桂を捌かれる展開はマズいので、4五で駒がぶつかる展開を避ける為に▲4六歩を突かないことも肝要である[9]

振り飛車からの反撃策は居飛車・振り飛車側の陣形によっても様々である。右銀を5七に活用する形では▲2四歩に対して△6四角と打つ筋は有力で[10]、それ以外には2四に飛車がいるタイミングで△4六歩と突き▲同銀△4五桂から△3三角を含みにする指し方もある。

藤井システム対策として[編集]

居飛車側の左銀の位置に拘らない急戦の為居飛車穴熊の出だしから合流することも出来、藤井システム対策としても用いることが出来る[11]。藤井システムは居玉で構えている為▲3六歩−▲3七桂が△6二玉−△7一玉と見合いになる可能性が高く、この急戦が通常よりやりやすい意味がある(振り飛車の玉が8二に入城出来ない)[12]

脚注[編集]

  1. ^ 『パワーアップ戦法塾』
  2. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.141
  3. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.142
  4. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.153
  5. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.151
  6. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.142
  7. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.148
  8. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.142,p.147
  9. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.141
  10. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.156
  11. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.141
  12. ^ 『杉本昌隆の振り飛車破り』p.143

参考文献[編集]