入学試験

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受験生から転送)
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入学試験(にゅうがくしけん)とは、学校が入学志願者の中から有資格者を選別するために課す試験のことである。入試(にゅうし)とも称される。

概要[編集]

入学が許可される定員が制限されており、かつ入学志願者が定員より多い場合に定員分だけを選抜するため、または所定の学力を有しているか確認するために、選考試験を実施する場合が多い。

受験(じゅけん)は入学試験のほかに、入社試験公務員試験資格試験などの試験に臨むことを広く意味する。このうち入試は、 進学を目指す試験対策(受験勉強や過去問の分析)、志望校選定、教科選択、入学試験の受験といった一連の活動を伴う。人生を左右する一大イベントであるため、合格を願って寺社に参拝したり、縁起物を買い求めたりする受験生やその保護者も多い[1]

初学年の始期から新入学するための「新入学試験」、初学年の始期を過ぎてから編入学転入学するための「編入学試験」や「転入学試験」、一部大学で実施される飛び入学のための「飛び入学試験」などがある。

幼稚園小学校中学校中等教育学校高等学校高等専門学校大学学部短期大学大学院専修学校各種学校省庁大学校のいずれも、入学試験を課する事例が多い。多くの国で義務教育の公立学校は入学試験を課さないが、高等学校や大学は入学試験を課している。

日本での現状[編集]

大学入試現役合格者数のお知らせ

高校・大学の入学時には、基本的に下級学校の卒業または卒業見込(学校の最高学年に在籍者の場合のみ)が前提になる。卒業していない場合は入学資格試験を受験しなければならない場合が多い。中学校の場合は中学校卒業程度認定試験(中検、中認)、高校の場合は高等学校卒業程度認定試験(高認)の合格をもって、卒業と同等とみなされる。高校・大学では学業やスポーツなどで優れた技能を持つものを推薦入試で採用することもある。大学、大学院。専門学校では、社会人としての経歴(職歴など)を有する人に対して社会人入試を実施する学校も増加してきている。

入学試験を受けることを予定している者、及び入学試験を受ける者を受験生という。学校の最高学年に在籍中の受験生は現役生といわれ、既に学校を卒業した受験生は過年度生といわれる。また過年度生のうち、受験で不合格になったまま卒業し、翌年の合格を目指して予備校や自宅などでもう1年の準備を続けている受験生は既卒生または浪人生と言われる。なお既卒生といえばいったん就職して社会人になって受験を目指している人も指す。

入学試験の多くは1月末~3月前半に行われることが多い。中学受験等では最近では学校側の都合により、12月末頃から翌年1月中旬に実施されることが多くなった。また中学受験では、同じ地域の学校が同じ日に一斉に実施するのが普通である。入試は一般に午前中から行われるが、一部の中学校は午後に実施し、併願が可能な例もある[2]

大学受験等は大学入試センター試験等を除けば試験日が意図的に統一されることはないが、一般入試では私立大学は2月前半、国公立大学の前期日程では2月後半に集中することが多い。

なお入学試験の問題は、数学の問題における数式そのもの、社会科の問題における歴史的事実そのものといった場合を除き、問題を作成した学校等に著作権が生じるとされる[3]。2019年には大学入試センター試験の英語リスニングテスト問題に登場したキャラクター(通称リスニング四天王)について、試験終了直後からコラージュ画像や動画などが次々に制作される現象が発生した[4]

相次ぐ出題ミス・採点ミス[編集]

特に2000年代以降、日本では、各高校・大学の入学試験で、出題ミスや採点ミスが多く判明し、報道されるようになってきている。特に、兵庫県立高校で2009年に行われた入学試験や、大阪府立高校で2013年に行われた入学試験では、多数の高校に於いて採点ミスが判明しており、教育行政や入試制度の根幹を揺るがしかねない事態となっている[5][6][7]

日本以外の入学試験[編集]

日本以外の典型を俯瞰すると、ヨーロッパでは国際バカロレア資格におけるスコアを大学等の高等教育機関の入学試験の要件として課す場合が多い。イギリスでは、A-Levelという試験を大学等の高等教育の入学試験として課している。オーストラリアではYear 12と呼ばれるコースを履修し、その結果受験者に与えられるATARと呼ばれるスコアを元に大学の入学者選抜が行われる。アメリカ合衆国では学科試験、高校の成績と面接、各受験者の特別な才能等、大学ごとに入学者選抜が行われる。同時にアメリカ合衆国の最高水準の大学の入学許可を得るのは、受験(努力して合格する)という範疇を越えており、家柄や先天的知能、天才的才能、誰から推薦状を貰っているかなどといった先天的な部分が大きく影響する(俗にグラスシーリング[8]と呼ばれる)ため、トップレベルの大学への入学が困難である場合が多い。

中国韓国シンガポールなどのアジア諸国においても共通試験や各大学の個別試験などが大学等の入学試験として課される。学歴社会である韓国では、入試に遅刻しそうな受験者をパトカーが送るなどといった光景が風物詩となっている[9]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 合格祈願で人気「オクトパス君」宮城・南三陸、復興のシンボル産経フォト(2019年2月4日)2019年2月16日閲覧。
  2. ^ 【変わる進学 大学入試 新時代へ】中学受験 増える「午後入試」日程集中、同日の併願可能に朝日新聞』朝刊2019年2月2日(第2東京面)2019年2月16日閲覧。
  3. ^ 大学入試の「過去問」 自分のサイトに無断で掲載したら「著作権侵害」になる?弁護士ドットコム 2013年12月5日 2019年2月28日閲覧
  4. ^ センター試験「リスニング四天王」の衝撃 コラ画像、3D化……止まらない2次創作ITmedia News 2019年1月21日 2019年2月28日閲覧
  5. ^ 122校で採点ミス「意識が甘い」と教育長 兵庫県立高校入試産経新聞』2009年4月20日 Archived 2009年4月24日, at the Wayback Machine.
  6. ^ 大阪府立高入試、54校採点ミス 4人の不合格取り消し『朝日新聞』2013年6月14日
  7. ^ 大阪府立高判定ミスさらに2校で 4人を誤って不合格に『朝日新聞』¥2013年6月21日
  8. ^ 「天に手が届くように見えて決して届かない見えざる壁」との意味である。
  9. ^ 韓国の大学入試騒ぎに見る「学歴偏重社会」崔碩栄WEDGE Infinity(2016年11月22日)2019年2月16日閲覧。

関連項目[編集]