職業教育

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職業教育(しょくぎょうきょういく、英語:vocational education)とは、即戦力となる職業人としての人材を育成[1]するための知識技能を習得させるための教育のことをいう。

概要[編集]

明治初年には、職業教育という語の代わりに「実業教育」や「技芸教育」の語が用いられたが、1899年(明治32年)の「実業学校令」の公布以降、「実業教育」に統一された。戦前の職業の概念は、生計費を獲得するための一切の業務従事をさす語で、実業教育は国家社会の存続発展に不可欠な一部分を指していた。従って、「職業教育]の語の代わりに「実業教育」といったのは、公共的立場における一定の選別を意味していた。

第2次大戦後、アメリカ教育使節団報告書が翻訳されたときに、vocational educationを職業教育と訳したため、一時は「職業教育」の語が普及したが、1951年(昭和26年)産業教育振興法が成立すると、産業教育の語にとって代わられた。しかし、昭和50年ごろから第3次産業(特にサービス業)の拡大により、「職業教育」の語が一般的に使われるようになった。

国際条約[編集]

職業教育に関する国際条約に、技術教育および職業教育に関する条約(1989年、ユニセフ)がある。日本はこの条約を批准していない。

職業教育を行う機関[編集]

専修学校[編集]

専修学校は、職業教育に特化して発展してきた経緯があり[1]、専修学校の制度が定められた法律(学校教育法の一部を改正する法律(昭和50年7月11日法律第59号))の制定日(7月11日)は、「職業教育の日」として制定されている[2]

専修学校には、高等学校卒業者を対象に2年間の職業実務教育を施す専門課程専門学校と称する)と、中学校卒業者を対象とした3年間の課程である高等課程高等専修学校と称する)、及び、一般課程の3種類の課程がある。

専門高校[編集]

専門高校では、専門分野を中心に職業教育が行われており、企業の実務において中核を担うべき技術者・技能者、産業の発展を担う実務者を育成する役割を持っている[3][4]。 さらには国際に関する教科でも国際的な社会人を目指す職業教育も行われている。現在では専門教育、一般教育的な面も出始めている部分もある。

短期大学[編集]

短期大学は、学校教育法において「深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成すること」(第108条第1項)が目的とされており、特に女子の高等教育の普及や実践的な職業教育の場としての役割を果たしてきた[5]

高等専門学校[編集]

高等専門学校(高専)は、学校教育法において「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とする」(第115条第1項)と規定されている、主に工学系専門教育を施す5年制(または5年6ヶ月)の高等教育機関で、実践的技術者の養成を主目的として、1962年の学校教育法改正で一条校として追加された。

脚注[編集]

  1. ^ a b 職業教育をになう専修学校30年のあゆみ(全国専修学校各種学校総連合会)
  2. ^ 「職業教育」のあり方見直しを-「職業教育の日」制定にあたって-(全国専修学校各種学校総連合会、会長・鎌谷秀男)
  3. ^ 学校教育法 第51条第2号において、高等学校における教育の目標として、「社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させること。 」とされている。
  4. ^ 第2章第5節3.(1) 初等中等教育の一層の充実のために(平成19年度文部科学白書)
  5. ^ 第3章第4節1.(3) 高等教育の多用な発展のために(平成19年度文部科学白書)

関連項目[編集]