高等教育

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高等教育(こうとうきょういく)とは、中等教育より上位に位置し、学修の成果として学位やそれに準ずる学術称号が授与される課程、具体的には、大学短期大学および大学院を含む)や高等専門学校専攻科を含む)などで行われている教育のことである。

似通った名称から、高等学校の課程が高等教育を行う課程であると誤認識されることもあるが、高等学校の課程は後期中等教育を行う課程である。

概要[編集]

高等教育というと、一般的に教育段階を初等教育中等教育・高等教育の3つに分類したうちの最上位の教育を指す。

高等教育は、中等教育を修了した者またはそれと同等以上とみなされた者が知識倫理技術などを深く学び、さらにそれらの理論や実践を身に付ける。そのことを通じて、課程を修了した後に、職業人研究者を含む)となるなどして広く社会に、教育の成果を還元する。高等教育を行う学校には、大学(短期大学および大学院を含む)、高等専門学校、その他の教育施設があり、教育施設の中でも学位またはそれに準ずる学術称号を授与する権限を持っていたり、課程の修了により他の機関(日本における大学評価・学位授与機構など)から授与されることに特徴がある。

高等教育は、時代地域によっては、将来の社会を担うエリート養成という役割がある。一方、近年、高等教育は個人能力に応じ、すべての者に等しく開放されなければならないと国際人権規約(社会権規約第13条)により規定されており、高等教育の進学率は上昇傾向にある。現在の先進国では、高等教育進学率が50%以上の国も少なくない。開発途上国では、母語による高等教育が困難であることを理由に、英語フランス語などの非母語を使用している場合もみられる。

各校種の意義は時代、地域によってそれぞれだが、高等教育の目指すものの内容についても議論が行なわれており、ユネスコ高等教育世界宣言(1998年、パリ)などの文書もある。

世界における高等教育[編集]

高等教育の制度は国によって若干の相違があるが、基本的には、大学とその他の専門的教育・職業的教育のための学校とに区別される。

アメリカ合衆国[編集]

アメリカ合衆国では、リベラルアーツカレッジ・大学・コミュニティーカレッジなどが高等教育を担っている。

連合王国(イギリス)[編集]

イギリスでは、大学やカレッジなどが高等教育機関となっている。

フランス共和国[編集]

フランスにおける高等教育機関としては、大学と、専門教育に重きを置いたグランゼコールがある。

日本における高等教育[編集]

日本において高等教育とは、狭義には、学校教育法第1条に定められる学校一条校)のうち、後期中等教育(高等学校)に続く上位の学校種で実施される教育を意味する。具体的には、大学・短期大学・高等専門学校で行われる教育である。

また、広義には、国家国民に対して保証すべき教育(学校教育)のうち、基礎的教育(初等教育: 小学校など、中等教育: 中学校高等学校中等教育学校など)に続く上位の教育であって、一般教育専門教育の双方を充分に行うものを意味する。18歳から30歳までの在籍者数が多く、成人年齢に達した若者世代に対する学校教育という色彩も持っている。「専修学校専門課程」(いわゆる専門学校)のうち、大学に編入学できる課程(修了者に専門士または高度専門士が付与される課程)で行われる教育も高等教育に分類されることがある。

文部科学省のまとめによれば、2003年度の18歳人口に対する高等教育進学率は72%以上(4年制大学41.3%であり、短期大学7.7%、専修学校の専門課程23.1%)となっている。

高等教育機関に分類される教育機関[編集]

学校基本調査[編集]

文部科学省による学校基本調査[1]では、以下の機関が高等教育機関として分類されている。

  • 大学
  • 高等専門学校専攻科も含む)- 高等専門学校には後期中等教育機関である高等学校の生徒と同年代の学生(1〜3年次)が在籍しているが、法的にはこの年次の学生も含めて高等教育を受けているものとみなされている。

文部科学白書[編集]

文部科学白書[2]では、上記に加えて専門学校専修学校専門課程であって修了者に専門士または高度専門士の称号が授与される課程。以下同様)も高等教育の一翼を担うものと位置付けられている。

中央教育審議会[編集]

中央教育審議会大学分科会がまとめた『我が国の高等教育の将来像』[3]においては、大学(大学院、短期大学を含む)、高等専門学校、専門学校の3種が高等教育機関としてあげられている。

文部科学省所管外の省庁大学校[編集]

文部科学省所管外の省庁大学校は、学校教育法第1条に規定される大学ではなく、学校基本調査の対象外である。しかし、省庁大学校のうち、防衛大学校(本科、研究科博士前期課程、博士後期課程)、防衛医科大学校(医学科、研究科博士後期課程)、水産大学校(本科、研究科)、海上保安大学校(本科)、気象大学校(大学部)、職業能力開発総合大学校(総合課程、長期課程)、および国立看護大学校(看護学部、研究課程部)の7校の各課程は、独立行政法人大学評価・学位授与機構により大学または大学院に相当する教育を行うものと認定されており[4]、これらの省庁大学校の卒業者や修了者には、学校教育法第104条第4項第2号の規定に基づき、学士、修士、または博士の学位が同機構より授与される。

日本における高等教育の歴史[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 調査結果の概要(高等教育機関)(PDF:1,220KB)(文部科学省、平成20年度学校基本調査(確定値))
  2. ^ 第4節 高等教育機関の多様な展開(平成19年度文部科学白書、文部科学省)
  3. ^ 我が国の高等教育の将来像(中央教育審議会、文部科学省、平成16年9月6日)
  4. ^ 機構認定の教育施設(各省庁大学校)の課程修了者への学位授与(学士・修士・博士)(独立行政法人大学評価・学位授与機構)

関連項目[編集]