専修学校高等課程

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校種および課程 法定の独占呼称 設置者種別
専門課程を置く専修学校 専門学校 国公私立
高等課程を置く専修学校 高等専修学校 国公私立
すべての専修学校 専修学校 国公私立
各種学校 なし 国公私立
無認可校 なし 法定外

専修学校高等課程(せんしゅうがっこうこうとうかてい、英:specialized training college, upper secondary course[1])とは、専修学校において職業教育を実施する後期中等教育の課程である。UNESCO国際標準教育分類 (ISCED 1997) によれば、ISCED-3Cレベルに分類される[1]。専修学校は学校教育法第1条に掲げる学校以外で同法124条の規定を満たす日本の教育施設であり[2]、この課程を設置する専修学校は高等専修学校(こうとうせんしゅうがっこう)と称することができる[3]

概要[編集]

後期中等教育の課程であることから、中学校卒業程度以上を入学資格とする。

修業年限は1年以上で、それぞれの学科で定められている。3年以上の課程を修了した者は専門課程専修学校#課程)に進学することができるほか、文部科学大臣が指定した高等課程[4]を修了した者は大学入学資格が得られる。さらに、技能連携による通信制高校との併修により高校卒業資格を修了時に得られる学校も多い。

専修学校高等課程としては以下に大別される。

  • 「高等専修学校」として、専門課程を置かずに高等課程のみを設置するもの
  • 「〇〇専門学校 高等課程」の名称で、専門課程に併設されているもの

また、美容師養成施設理容師養成施設調理師養成施設電気工事士養成施設、または准看護師学校養成所など、いわゆる養成施設に設置されているものも存在する。

大学への進学[編集]

日本の大学へ入学するには、原則的に高等学校卒業もしくはそれと同等の教育を受けていることが求められる[5]。専修学校の高等課程のうち、文部科学大臣が指定した課程をそれぞれ特定の日[注釈 1]以降に修了した者は、高等学校を卒業した者と同様に大学入学資格が得られる[7][注釈 2][注釈 3]。専修学校の高等課程が、文部科学大臣による指定を受けるための要件はおおよそ以下の通りである[6]

  • (基準)修業年限が3年以上
  • (基準)課程修了に必要な総授業時数が2,590単位時間(単位制・通信制の学科の場合74単位)以上
  • (留意事項)専修学校設置基準を満たしつつ、基本的な普通教育に配慮した教育課程であること。
  • (留意事項)卒業に必要な普通科目(高等学校学習指導要領国語地理歴史公民数学理科英語に即した内容の科目)の総授業時間数が420時間(12単位)以上であること。このうち105時間(3単位)までは、教養科目(芸術、保健・体育、家庭、礼儀・作法など、一般的な教養の向上や心身の発達を図るための科目)で代替できる。
  • (留意事項)上記普通科目を担当する教員のうち相当数が、高等学校の普通免許状を有していることが望ましい。

また定時制通信制高等学校[注釈 4]に在籍しながら、その教科履修の一部[注釈 5]として技能教育施設による教育を受けることができる技能連携制度[8]を利用することで、高等学校卒業と専修学校高等課程修了の両方を満たすことができ、この場合も高等学校の卒業者として大学入学資格が得られる。専修学校の高等課程が、技能教育施設として都道府県の教育委員会による指定を受けるための要件はおおよそ以下の通りである[9]

  • 修業年限が1年以上
  • 年間の指導時間数が680時間以上
  • 技能教育(実習以外)を担当する者のうち半数以上が、担当する技能教育に関する高等学校教諭の免許状を有する(またはこれと同等以上の学力を有する)。
  • 実習を担任する者のうち半数以上が、担任する実習に関する高等学校教諭の免許状を有する(またはこれと同等以上の学力を有する)、もしくは担任する実習に関連のある6年以上の実地経験を有し技術優秀と認められる。
  • 技能教育の内容に高等学校の職業に関する教科に相当するものが含まれており、それに必要な施設・設備を有する。
  • 技能教育を受ける者の数が、技能教育を担当する者の数の20倍以内
  • 科目ごとに同時に技能教育を受ける者が10名以上

統計[編集]

高等課程を置く専修学校は397校に504学科があり、生徒は合計34,077名である(2021年5月現在)[10]

国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局には国立施設としては唯一の専修学校高等課程(あん摩マッサージ指圧、はり、きゆう科、5年制)が設置されており、あん摩マッサージ指圧師はり師及びきゅう師の養成を実施している[11][12]

また公立施設としては以下の6校に高等課程7学科が設置されている[13]

それ以外の390校496学科は全て私立であり、設置者は学校法人(107学科)、準学校法人(258学科)、社団法人(91学科)が多く、個人によるものも16学科ある[14]

学科の統計(令和3年度学校基本調査[14]による)
分野 分類 学科数
工業関係 測量 31
土木・建築 2
電気・電子 2
無線・通信 2
自動車整備 6
機械 2
電子計算機
情報処理 9
その他 8
農業関係 農業 1
園芸 1
その他
医療関係 看護 2 104
准看護 99
歯科衛生
歯科技工
臨床検査
診療放射線
はり・きゅう・あんま 3
柔道整復
理学・作業療法
その他
衛生関係 栄養 173
調理 64
理容 27
美容 64
製菓・製パン 17
その他 1
教育・社会福祉関係 保育士養成 2 12
教員養成
介護福祉 4
社会福祉 5
その他 1
商業実務関係 商業 35 67
経理・簿記 3
タイピスト
秘書
経営 2
旅行
情報 17
ビジネス 5
その他 5
服飾・家政関係 家政 11 55
家庭 2
和洋裁 35
料理
編物・手芸
ファッションビジネス 6
その他 1
文化・教養関係 音楽 14 61
美術 4
デザイン 7
茶華道
外国語 2
演劇・映画 1
写真
通訳・ガイド
受験・補修
動物 1
法律行政 1
スポーツ 1
その他 30
504

高等課程のある専修学校[編集]

北海道[編集]

東北[編集]

  • 長谷柳絮医療福祉専門学校
  • 鶴岡家政専門学校
  • 渟城女子専門学校
  • 福島文化学園造形文化専門学校
  • 郡山学院 高等専修学校
  • 今泉女子専門学校(郡山市)
  • 東日本高等学院(福島市)
  • いわき市立小名浜高等専修学校
  • 赤門自動車整備大学校 3級自動車整備士科

関東[編集]

  • 横浜調理師専門学校 調理師科(神奈川県横浜市[1]
  • 中央自動車大学校 工業高等課程[2]
  • 横浜アカデミー高等部
  • 横浜お茶の水学館高等部
  • 星槎学園高等部
  • 野田鎌田学園横浜高等専修学校
  • 桐生文化服装専門学校
  • 崎村調理師専門学校
  • 渋川家政高等専修学校
  • 小峰服飾専門学校
  • 上岡学園専門学校
  • 斉藤学院専門学校
  • 専門学校安田学院
  • 村田簿記学校(2001年(平成13年)3月経理高等課程廃止、2011年(平成23年)4月東京経営短期大学編入
  • 太田調理師専門学校
  • 竹下文化服装専門学校
  • 日本公務員ビジネス専門学校
  • 平成福祉教育専門学校

東京[編集]

中部[編集]

  • 名古屋工学院専門学校 高等課程
  • ブランド専門学校
  • 愛知建設技術専門学校
  • 東濃ドレスメーカー専門学校
  • 一輝星高等専修学校
  • 学校法人徳野学園北陸ビジネスアカデミー高等課程(2003年(平成15年)募集停止、2005年(平成17年)3月廃校
  • あいち情報専門学校 高等課程
  • 東海文化専門学校(磐田市)
  • 山本学園情報文化専門学校 高等課程(男子生徒はビジネス科のみ。女子生徒は、ビジネス科・調理師科・ファッション科がある。)

近畿[編集]

中国[編集]

  • ネムハイスクール岩国キャンパス
  • ネムハイスクール周南キャンパス
  • 立修館高等専修学校
  • 鳥取県理容美容高等専修学校
  • 倉敷少林寺高等専修学校

九州・沖縄[編集]

大学入学資格取得可能な高等課程をもつ専修学校・学科[編集]

北海道[編集]

東北[編集]

関東[編集]

  • 岩谷学園高等専修学校
  • 厚木高等専修学校
  • 日本産業専修学校
  • 東京国際学園外語専門学校
  • 向陽台大川高等専修学校
  • 大宮文化デザイン専門学校
  • 細谷高等専修学校
  • 生蘭高等専修学校
  • 大和商業高等専修学校
  • シャルム服飾デザイン専門学校
  • 浦和学院専門学校
  • 浦和専門学校
  • 浦和美術専門学校
  • 越生工業技術専門学校
  • 関東高等専修学校
  • 桐蔭情報経理専門学校
  • 熊谷文化服装専門学校
  • 高等専修学校羽成ファッションスクール
  • 国際学院伊奈高等専修学校
  • 国際情報経済専門学校
  • 国立塩原視力障害センター
  • 国立障害者リハビリテーションセンター更生訓練所
  • 埼玉栄北高等専修学校(学校法人佐藤栄学園
  • 山本文化服装学院
  • 市川ドレスメーカー専門学校
  • 市川音楽専門学校
  • 習志野調理師専門学校
  • 所沢文化服装専門学校
  • 小池学園東萌専門学校
  • 彰華学園総合専門学校
  • 正心実業専門学校高等科
  • 西武文理大学附属調理師専門学校
  • 専修学校群馬芸術学園
  • 専門学校小田原ファッションアカデミー
  • 専門学校船橋中山学園
  • 専門学校浜西ファッションアカデミー
  • 川越文化ファッション専門学校
  • 川口文化服装専門学校
  • 川口簿記専修学校
  • 大川学園医療福祉専門学校(学校法人大川学園
  • 秩父家政専門学校
  • 東海学院文化教養専門学校
  • 日本農業実践学園
  • 北光家政専門学校
  • 本庄情報ビジネス専門学校
  • 本木家政専門学校
  • 立野ドレスメーカー専門学校
  • 専門学校野田鎌田学園
  • 瀧澤学園千葉専門学校
  • 群馬自動車整備専門学校
  • 桐生ビジネス専門学校
  • 専門学校国際スクールオブビジネス
  • 国際テクニカル調理師専門学校
  • 国際情報ビジネス専門学校
  • 横浜デザイン専門学校
  • 文化学院芸術専門学校
  • ヨコスカ調理師専門学校
  • 日立工業専修学校

東京[編集]

中部[編集]

近畿[編集]

中国[編集]

四国[編集]

  • ヒューマンビジネス専修学校
  • 愛媛情報専門学校
  • 太平洋学園専門学校
  • 土佐総合学院専門学校
  • 龍昇経理情報専門学校
  • セルボーン高等外語学校

九州[編集]

新規の生徒募集を停止した学校[編集]

東京都[編集]

  • 府中女子専門学校(学校法人文化学園、府中市・2006年(平成18年)廃止認可)[15]
  • 東京航空専門学校 自動車科 / 総合技術科(杉並区・2011年(平成23年)3月閉校
  • 杉並高等専修学校(杉並区・2014年(平成26年)3月閉校)

中部[編集]

近畿[編集]

  • 花王高等専修学校(和歌山市、1970年花王工科学院として設立、1984年に改称、1995年閉校)

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b UNESCO (2008年). “Japan ISCED mapping”. 2022年8月6日閲覧。
  2. ^ 学校教育法(昭和22年法律第26号)の第124,125条
  3. ^ 学校教育法 第126条
  4. ^ 高等教育局大学振興課 (2021年). “(※5)文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧(令和3年10月21日現在)”. 文部科学省. 2022年8月9日閲覧。
  5. ^ 学校教育法第90条第1項
  6. ^ a b 大学入学資格に係る専修学校高等課程の指定に関する実施要項 (pdf)”. 文部科学省. 2022年8月8日閲覧。
  7. ^ 学校教育法施行規則第150条第3号
  8. ^ 学校教育法第55条
  9. ^ 学校教育法施行令第33条・技能教育施設の指定等に関する規則第2条
  10. ^ 令和3年度学校基本調査(確定値)の公表について (pdf)”. 文部科学省 (2021年12月22日). 2022年8月6日閲覧。
  11. ^ 国立専修学校一覧 (pdf)”. 文部科学省. 2022年8月6日閲覧。
  12. ^ 就労移行支援(養成施設)”. 国立障害者リハビリテーションセンター. 2022年8月6日閲覧。
  13. ^ 公立専修学校一覧 (pdf)”. 文部科学省. 2022年8月6日閲覧。
  14. ^ a b 学校基本調査”. e-Stat (2021年12月22日). 2022年8月6日閲覧。
  15. ^ 2018(平成30)年度 学校法人文化学園事業報告書 (PDF)”. 学校法人文化学園. 2022年5月26日閲覧。

注釈[編集]

  1. ^ 「文部科学大臣が定める日」として告示されるもので、指定の日、告示された日とは異なる。通例では指定される課程の最初の修了生が修了する年度の3月1日となる[6]
  2. ^ この場合、高等学校等コードは一律「56000G」となる。
  3. ^ 指定される前の課程に入学した者が、留年などにより「文部科学大臣が定める日」以後に修了した場合には、大学入学資格は得られない。
  4. ^ または中等教育学校の後期課程
  5. ^ 高等学校の課程修了を認めるに必要な単位数の2分の1以内

関連項目[編集]

外部リンク[編集]