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校内暴力

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

校内暴力(こうないぼうりょく)とは、学校内で行われる暴力行為のことである。校内暴力には、学校における児童生徒間の暴力事件や、教員に対する児童・生徒による暴力行為、学校内の器物損壊、その他の問題も含まれる。

日本で「校内暴力」という場合には、主として管理教育の盛んだった1970年代後半から1980年代前半にかけて、多数の中学校(多くは公立)と一部の高等学校で発生した暴力事件を指すことが多い[1]。校内暴力は、マスメディアで連日のように報道されたので、特定の地域に限らず連鎖的に日本各地で発生し、かつ生徒間では公然と行われることもあった。ただし、1995年以後では小学校でも暴力事件が多発する傾向にある一方で、1970年代後半から1980年代前半においては小学校で深刻な暴力的な問題は発生していなかった(または顕在化していなかった)。

学園紛争など政治的な目的や、生徒会学生自治会などによる事件は除いて考えられることが多い。そのため、大学などの高等教育の場における校内暴力の問題の多発は、少ないと考えられている。

歴史

日本において校内暴力は、管理教育の盛んだった1970年代末期から社会問題として注目されるようになり、暴力事件数にピークを迎えた。

1980年には、中学校を舞台にしたテレビドラマ3年B組金八先生』(第2シリーズ)で、校内暴力が主題として扱われて「腐ったミカン」という表現が話題となった。また、東京都内では中学生による関東番長連合「憂誠会」[注釈 1]などという組織が結成され、世間を驚かせた。この他にも、1984年にも、高校を舞台にしたテレビドラマ『スクール☆ウォーズ』では、オープニング映像でバイクが学校の廊下を走り、窓ガラスが続々と破られ、非行少年が警察に連行されるシーンが登場した他、本編でも暴力事件を起こす生徒が主題として扱われた。

1985年頃を境に沈静したが、代わって学級崩壊やこれまでなかったタイプのいじめの急増など、新たな問題が見られるようになっている。ただし、沈静の裏側には、徹底的な管理教育による生徒への抑圧が行われており、校内暴力の嵐が吹き荒れていた時とは逆に、教師(主に体育会系出身者)による生徒への暴力が行われた背景もある(東京都教育委員会の調査結果によると、1985年度 教師による暴力での生徒の怪我が都内全体で43件発生。1980年度の調査では3件だった)。沈静の過程にかけては歴史的な研究も行われている。

校内暴力の推移

以下、文部科学省が調査した校内暴力の発生件数の推移を示す[2]。ただし、途中で統計方法や調査対象の変更があったため、1996年度以前と1997年度以降、2005年度以前と2006年度以降を比較することはできない。

校内暴力発生件数推移
(1983年度~1996年度)
年度中学校高校
1983 3547768
1984 2518647
1985 2441642
1986 2148653
1987 2297774
1988 28581055
1989 32221194
1990 30901419
1991 32171673
1992 36661594
1993 38201725
1994 46931791
1995 59542077
1996 81692406
校内暴力発生件数推移
(1997年度~2005年度)
年度小学校中学校高校
1997 1304182094108
1998 1528229915152
1999 1509242465300
2000 1331272935971
2001 1465257695896
2002 1253231995002
2003 1600244635215
2004 1890231105022
2005 2018231155150
校内暴力発生件数推移
(2006年度~2017年度)
年度小学校中学校高校
2006 3494 27540 8985
2007 4807 33525 9603
2008 5996391619221
2009 6600393828926
2010 6579387059010
2011 6646354118312
2012 7542354288195
2013 10078 36869 7280
2014 10609 32986 6392
2015 15870 31274 6111
2016 21605 28690 5955
2017 26864 27389 5944


以下、警察庁が集計した校内暴力事件の発生件数と補導・検挙人員の推移を示す[3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14]

警察白書 校内暴力事件数と検挙・補導人員数
(1975年度~2018年度)
年度事件数検挙・補導人員合計小学生中学生高校生
1975 2732688545062379
1976 2301622140532168
1977 1873634343581985
1978 1292676342882475
1979 1208671951411578
1980 1558905871081950
1981 20851046888621606
1982 196189047952952
1983 212587518227524
1984 168371106657453
1985 149260945683411
1986 137652254924301
1987 94728522698154
1988 94325812409172
1989 93926512479172
1990 78022602130130
1991 62517021568134
1992 56716001430170
1993 47012931137156
1994 4941166109274
1995 464100591788
1996 44889783760
1997 57112461117129
1998 66112081093115
1999 7071220115070
2000 994158941422163
2001 848131461175133
2002 67510021688799
2003 71510195893121
2004 8281161251022114
2005 10601385211255109
2006 1100145527133890
2007 11241433271245161
2008 12121478161320142
2009 1124135932124681
2010 1211143429132085
2011 12701506271366113
2012 13091608541414140
2013 15231771701569132
2014 13201545771338130
2015 96711316896796
2016 8329268875187
2017 71778611760069
2018 668724150464110

生徒指導上の諸問題の現状

文部科学省は、2004年8月に「平成15年度における児童生徒の問題行動等の状況について」を発表した。

  • 暴力行為の発生件数(公立の小・中・高等学校)(確定値)
学校内 31,278件(前年度29,454件)6.2%増、学校外 4,114件(前年度4,311件)4.6%減、学校数は5,885校、全学校数に占める割合は15.5%、学校外で暴力行為を起こした児童生徒が在籍する学校は2,668校、全学校に占める割合は7.0%、形態別では,小・中・高等学校いずれも生徒間暴力が最も多く17,827件、器物損壊,対教師暴力,対人暴力が続く。
  • いじめの発生件数(公立の小・中・高等学校及び特殊教育諸学校)(確定値)23,351件(前年度22,205件)5.2%増
  • 不登校児童生徒数(速報値)(国公私立の小・中学校) 126,212人(前年度131,252人)3.8%減
  • 高等学校中途退学者数(公・私立の高等学校)(確定値)81,799人(前年度89,409人)8.5%減

文献(学術文献)

脚注

注釈

  1. 浅草総本部・中野、港、新宿、横浜、川口等に支部
  2. 校内暴力に関する、初出の学術的解説論文

出典

関連項目

外部リンク