大学受験

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大学受験(だいがくじゅけん)とは、大学短期大学を含む)の入学試験を受けること。世界各国で大学に相当する教育機関へ入学する際にはさまざまな取り決めが存在しているが、学力試験を通じて入学者を選抜するケースが多い。世界的にはアメリカにおけるSATのような統一試験のスコアによる選抜が多く、日本のように個々の大学で入学試験を課す国は非常にまれである。

なお本節では大学のほか、学士を取得できる省庁大学校についても取り扱うこととする。

世界の大学入試[編集]

国名符號順に列記する。

日本の状況[編集]

本節では日本の状況に関して述べる。なお大学入試の多様化が進んでいる現在では、推薦入試やAO入試の導入だけでなく、一般入試も大学によって特徴が大きくなっている。各大学が毎年「入学者選抜要項」を作成し、インターネット等を通じて広く配布しているので、これらを入手することが必要である。

受験資格[編集]

飛び級生徒を除き、該当区分年度前年度の4月1日(大学入学年の4月1日)時点で、18歳以上であれば受験資格がある。この条件を満たしていれば、日本の法令上は、各々の大学が個別に入学資格を認定し、受験の機会を与えられる。しかし日本国内の大学は学校教育法第90条第1項に基づき、次のいずれかに該当しているのを条件としている(文部科学省「大学入学資格について」を参照)。

  • 高等学校または中等教育学校を卒業、もしくは卒業見込みの者。
  • 通常の課程における12年の課程(通常の課程以外でこれに相当する学校教育を含む)を修了、もしくは修了見込みの者。
  • 文部科学大臣(以下「大臣」)の定めるところにより、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者。具体的には学校教育法施行規則第150条における、次の各号のいずれかに該当する者。
  1. 外国において学校教育における12年の課程を修了した者、またはこれに準ずる者で大臣の指定した者。
  2. 大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者。
  3. 文部科学省の定める基準を満たす、修業年限が3年以上の専修学校高等課程(高等専修学校)を卒業、もしくは卒業見込みの者。
  4. 国際バカロレア資格などに全科目合格した者(昭和23年文部省告示第47号第20~22号)のほか、大臣の指定した者。
  5. 高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験。旧大学入学資格検定(大検)を含む)に合格した者。
  6. 法第90条第2項の規定により大学に入学した者であって、当該者をその後に入学させる大学において教育を受けるにふさわしい学力があると認めた者。
  7. 個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、18歳に達した者[1]

私立大学の一般入試[編集]

入試日程[編集]

私立大学の一般入試は、1月下旬頃から3月上旬頃に実施する場合が多い。受験機会は、1回から数回までと大学によって幅がある。学部・学科を違えての学内併願を自由にできる場合もある。連続した数日のうち任意の1回から2回以上受験可能な試験日自由選択制を採る大学もある。この方式を採る大学の一部は、1回の受験料で何回でも受験できたり、2回目以降は受験料を減免したりしている。3月に入試を行う大学もかなりあり、2月から3月にかけて毎週入試を実施している大学もある。入学試験方式の名称は大学によって異なり、多彩である。

1990年代後半以降は少子化などの影響で受験者が年々減少しているため、前述のように受験日程を増やしたり、本学のみならず地方都市(都市部にある予備校などを会場として利用)にも受験場所を設定している。またセンター入試の結果で合否を判定する枠も設定している。

入試科目[編集]

外国語国語数学地理歴史公民理科の教科のうち、1教科から3教科で受験できる場合が多い。文科系学部では外国語、国語、そして数学、地理歴史、公民から1科目が課される大学・学部が多く、理科系学部では外国語、数学、理科が課される大学・学部が多い。
外国語は、英語が主流である。英語以外にドイツ語フランス語を選択できる場合もある。
国語は、現代文のみ、現代文古文現代文古文漢文の3通りがある。これら3科目の融合問題が出題される場合もある。但し近年は古文・漢文の出題する学校は減少傾向にある。
数学は、文科系学部では数学I数学A(一部の大学では数学II数学Bも課せられることある。)が、理科系学部では数学I、数学II、数学III、数学A、数学B、数学Cが試験範囲となるケースが多い。
地理歴史および公民は、世界史日本史地理政治・経済などから1科目選択するケースが多い。世界史や日本史はほとんど全ての大学・学部で選択可能である。哲学科がある大学では倫理が選択できるなどの多様性もある。
理科は、物理化学のほか、生命科学医学関連の学部や学科などでは生物も選択できる場合が多い。また、地学が選択できる場合もある。学部によっては2教科課せられることもある。
「総合科目」という複合的・科目横断的学科試験を課したり、小論文作文)を実施したりする大学もある。
指定された3科目を受験し、点数の高い2科目で合否を判定する大学や、指定した科目を1.5倍にして得点計算する大学もある。
解答方式はセンター試験でも採用されているマークシート方式が主流となっているが、英語、数学、国語では一部記述問題も設定されているケースも多い。
特殊な形態
欧米の学校制度を踏まえた、年2回入学卒業が可能なセメスター制を採用する大学が近年増えている。これにより、4月入学以外に、10月入学が可能となる大学もある。そのため、秋期入学者用の入試を行う大学もあり、これを9月入試等と呼ぶ。この方式を、1994年東洋大学工学部が国内で初めて採用した。
関西大学文学部では、「漢英入試」(漢文+英語)が採用されている。
慶應義塾大学総合政策学部環境情報学部では、「英語または数学または英語および数学+小論文」が採用されている。この入試では、「英語+小論文」、「数学+小論文」、「英語+数学+小論文」のいずれかを選択できる。
共立女子大学では、「EQIQ(エクイック)入試」が採用されている。これは、「EQ=情動能力」+「IQ=知的能力」:「EQIQ=総合人間力」をいう。
国際基督教大学では、アメリカの大学入試であるSATを模した独自の方式が採用されている。
聖心女子大学では、「プレゼンテーション入試」が採用されている。
東洋大学経営学部会計ファイナンス学科では、自己推薦入試で「公認会計士・税理士挑戦者入試」(商業高等学校で学習する簿記と一般教養)が採用されている。

学部の途中年次に入学する試験(編入学試験)[編集]

選考実施の時期は 夏季から9月、2月から3月にかけて行われる場合が多い。12月に実施されるケースもあり、選考時期として統一された時期はない。短期大学高等専門学校専修学校専門課程(専門学校)の卒業者及び卒業見込み者、4年制大学2年次修了者などを対象に編入学試験を行う大学も多い。編入学試験の試験科目は、語学・専門科目・面接という場合が多い。理系学部では、理数系科目が追加される場合もある。試験は各大学や学部の独自問題で行われる。工学部等では、高等専門学校等の同一専攻の卒業見込み者を対象に、推薦編入学制度を採用している場合も多い。私立大学が系列校や提携の短期大学、短期大学部に対し推薦編入学枠を用意している場合もある。

大学相当の省庁大学校について[編集]

本節で述べる7つの省庁大学校に置かれる8つの課程は、独立行政法人大学評価・学位授与機構により大学の学部相当の教育を行なうと認定された課程である。これらの課程を卒業した者には、申請により同機構から学士学位が授与される。これらの課程に在籍する方法は2通りに大別される。

採用試験(国家公務員試験)[編集]

以下の4施設4課程に在籍するための試験は国家公務員試験であるため、「○○大学校学生採用試験」と呼ばれる。したがって在籍者の身分は国家公務員であり、授業料はかからず支給手当がつく。そのため、身分や卒業後の進路の点で大学とは異なる。

入学試験・入学者選抜試験[編集]

以下の3施設4課程に在籍するための試験は「入学試験」(国立看護大学校のみ「入学者選抜試験」)と呼ばれるが、大学入試センター試験は用いずに独自の試験を実施している。在籍者の身分は公務員ではなく学生であり、授業料が必要な点で大学と同様であるが、卒業後の進路は各課程の目的に応じた特色がある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 近年では、入学資格の個別認定を行っている大学が増えている。また日本国内の外国人学校を卒業した生徒に対し、個別認定という形で受験資格を与える大学もある。

ウィキブックス(Wikibooks)[編集]

外部リンク[編集]