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なみえ焼そば

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「杉乃家」で提供されていたなみえ焼そば(2010年7月)[注釈 1]

なみえ焼そば(なみえやきそば)は、福島県双葉郡浪江町で生まれた焼きそばで、ご当地グルメの一つである。浪江町商工会の地域団体商標(2017年より)[3]。太めのが特徴で、具はモヤシ豚肉ラードで炒め、濃厚なソースで味付けされる[4]一味唐辛子を振りかけて食べるのが通な食べ方とされる[5]

歴史

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国鉄(当時)常磐線浪江駅近くの居酒屋「浪江名物元祖焼そば 縄のれん」が1955年昭和30年)に極太の麺を使用した焼きそばを提供し始め、それが浪江名物となった[6]

2008年平成20年)に浪江町商工会青年部が中心となって町興しのため「浪江焼麺太国」(なみえやきそばたいこく)という団体を設立。ナポレオンを意識していて、頭の上にやきそばが乗っている特徴的なファッションの「やきそば太王」を中心に広報活動している。2009年の春より愛Bリーグ北海道東北支部に加盟した。2010年に開催された「B-1グランプリ厚木大会」への参加を果たす。厚木大会では中間発表で12位の好位置につけるが、惜しくも10位までのランクインを逃す。

2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で、浪江町全体が避難指示区域となり、「浪江焼麺太国」のメンバーも避難で離散してしまった。そんな中で参加した2011年に開催されたB-1グランプリ姫路大会では4位入賞を果たし、2012年に開催された北九州大会でも4位入賞となっている。2013年11月9日10日愛知県豊川市で開かれた第8回B-1グランプリでは1位を獲得した。

浪江町を含む福島県浜通りで避難指示が解除された区域が広がるにつれ、浪江町内の仮設商店街や2020年10月に開所した双葉町産業交流センターなど発祥地やその周辺でも提供されるようになっている[7]

2017年3月に浪江町商工会が商標権を取得(詳細後述)。

2025年3月14日に文化庁100年フード「未来の100年フード部門」に認定された[8]

2025年10月より商標権の都合により、本メニューを提供を行っていた事業者が「なみえ焼そば」の名称を外す動きが出始めている(詳細後述)。

提供・商品化

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2011年10月24日に、日清食品からカップ焼きそばとしても販売[9]。売り上げの一部は「浪江焼麺太国」のまちおこし活動の支援に使われる。東北自動車道常磐自動車道サービスエリアで箱入りの商品が販売されているほか、南相馬鹿島サービスエリア(セデッテかしま)では軽食として提供されている[10]

商標権

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一時は偽物が横行[7]したため、浪江町商工会は2017年3月[1]地域団体商標に登録した[3]。商標管理は株式会社浪江商事(業種 / 許認可番号 バー・ナイトクラブ)が受託している[11]

2025年5月になり、商標権を持つ浪江町商工会は、提供する事業者から1社あたり3,000円の登録料と売り上げの2.5%を使用料として徴収することを通知した[1]。同年10月から、この徴収を始めたが、古くから焼そばを提供していた「杉乃家」が徴収に応じずメニュー名を変更した他、賛同せずメニュー名を下ろした店が出ている[1][2]

その後、商工会の動きに対してSNSを中心に批判の意見が殺到し炎上状態に発展した。これを受けて、同年11月14日、浪江町商工会は商標使用料徴収の方針を撤回したことを発表し、既に徴収されていた登録料を返還した。弁護士からの指摘で、現行の商標登録では飲食店内の提供物に対し、商標権が及ばないことが判明したことを理由としている。一方で道の駅などの物販については現行の商標登録で商標権が及ぶとして、支払いを求める方針としている[注釈 2]。なお、名称を変更した杉乃家へは商工会側により謝罪を行い、杉乃家側も謝罪を受け入れたものの、名称については変更した「杉乃家の焼きそば」から変えない方針であることを店主が表明している[13][14][15]

ご当地グルメを活用したまちおこしに詳しい長野県立大学教授の行政学者・田村秀は一連の騒動について「ブランド管理の取り組み自体は必要だが、プロセスに問題があった。商工会は丁寧なコミュニケーションを取るべきだった」と指摘している[16]

宣伝

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地元女子高校生がプロデュースしたNYTS(ナイツ)というアイドルユニットが『恋する焼きそば』を歌い、キャンペーンソングとして、地元の浪江となみえ焼そばをPRしている。B-1グランプリin厚木からNYTS(ナイツ)も参加し、Yahoo!のトップニュースに写真付きで取り上げられるなど、大きくメディアに報道された。このときに、このアイドルユニットが日本で初めて「ご当地アイドル」という呼び方をされた。

脚注

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注釈

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  1. 2025年10月からは「杉乃家の焼そば」というメニュー名で提供しており、「なみえ焼そば」としては提供していない[1][2]
  2. 浪江町商工会が所有する商標権は「第30類」という区分で、食品の販売に関する商標の使用権である。一方、店舗で提供するものに関しては「第43類」という区分であり、商工会はこの区分の商標権を取得していなかった。商工会が商標権登録に向けて動いていた時期は、浪江町の避難指示が解除される前であり、町内に飲食店が1つもない状況だったことから同区分「第43類」を取得できなかったという事情がある[12]

出典

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  1. 1 2 3 4 タダで名乗れない「なみえ焼そば」…売り上げ2・5%徴収、町商工会「PR資金に」”. 読売新聞オンライン (2025年10月11日). 2025年10月15日閲覧。
  2. 1 2 岡本進「看板メニュー「なみえ焼きそば」消える 商工会が商標使用料を徴収 [福島県]」『朝日新聞』2025年10月12日。2025年10月23日閲覧(Paid subscription required要購読契約)
  3. 1 2 商標登録第5934383号 なみえ焼そば(なみえやきそば)”. 特許庁. 2021年3月13日閲覧。
  4. なみえ焼そば”. B-1グランプリ公式サイト (2010年7月21日). 2011年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月13日閲覧。
  5. なみえ焼そば”. 浪江焼麺太国. 2025年9月9日閲覧。
  6. 店の存続をかけて作った焼そば 親子二代に渡って引き継がれる味”. 朝日SALLY ウェブマガジン. 有限会社いまぁじゅ. 2021年3月13日閲覧。
  7. 1 2 「双葉復興へ新たな拠点 産業交流センター開所/元記者 焼きそばで町おこし」『読売新聞』2020年10月2日、朝刊、社会面。
  8. 文化庁「100年フード」に福島県から新たに「なみえ焼そば」と「マミーすいとん」 全国最多の18件認定」『福島民報』2025年3月15日。オリジナルの2025年3月15日時点におけるアーカイブ。2025年5月17日閲覧。
  9. 福島県浪江町のB級ご当地グルメ!「なみえ焼そば」を商品化!!”. 日清食品 (2011年10月17日). 2011年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月13日閲覧。
  10. お食事処”. セデッテかしま. 2021年3月13日閲覧。
  11. 商標について | なみえ焼そば専用」株式会社浪江商事。2025年10月23日閲覧
  12. なみえ焼そば「商標権騒動」の本質」『政経東北』株式会社東邦出版、2026年1月22日。2026年2月3日閲覧
  13. 福島:「なみえ焼そば」 使用料徴収を撤回…町商工会 「説明不足」謝罪、登録料返還へ - 読売新聞 2025年11月14日
  14. なみえ焼そば商標権トラブルで浪江町商工会が方針撤回。町おこしのはずがSNS炎上でブランド価値を損なう #エキスパートトピ(篠原修司) - Yahoo!ニュース(エキスパート)2025年11月15日
  15. 地域団体商標「なみえ焼そば」に関する報道について - 浪江町商工会 (PDF)
  16. 薬袋大輝「記者ノート・「なみえ焼そば」誰のもの 使用料徴収方針が物議」『読売新聞オンライン』2025年12月21日。2026年2月3日閲覧

外部リンク

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