たかなみ (護衛艦・2代)
たかなみ | |
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基本情報 | |
建造所 | 住友重機械工業追浜・浦賀工場 |
運用者 |
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艦種 | 汎用護衛艦(DD) |
級名 | たかなみ型護衛艦 |
建造費 | 644億円 |
母港 | 横須賀 |
所属 | 第2護衛隊群第6護衛隊 |
艦歴 | |
発注 | 1998年 |
起工 | 2000年4月25日 |
進水 | 2001年7月26日 |
就役 | 2003年3月12日 |
要目 | |
基準排水量 | 4,650トン |
満載排水量 | 6,300トン |
全長 | 151m |
最大幅 | 17.4m |
深さ | 10.9m |
吃水 | 5.3m |
機関 | COGAG方式 |
主機 |
IHILM2500ガスタービン × 2基 川崎スペイSM1C × 2基 |
出力 | 60,000PS |
推進器 | スクリュープロペラ × 2軸 |
最大速力 | 30ノット |
乗員 | 175名 |
兵装 |
54口径127mm単装速射砲 × 1門 Mk.15 Mod12 高性能20mm機関砲(CIWS) × 2基 90式艦対艦誘導弾 (SSM-1B)4連装発射筒 × 2基 Mk.41 VLS × 32セル HOS-302 3連装短魚雷発射管 × 2基 |
搭載機 | SH-60J/K 哨戒ヘリコプター × 1/2機 |
C4ISTAR |
OYQ-9C 戦術情報処理装置 OYQ-103 対潜情報処理装置 |
レーダー |
OPS-24B-1 対空 OPS-28D 水上 OPS-20 航海用 81式射撃指揮装置2型-31B × 2基 |
ソナー |
OQS-5 OQR-2 曳航式 |
電子戦・ 対抗手段 |
NOLQ-3-2 電波探知妨害装置 Mk.137 デコイ発射機 × 4基 |
その他 | 曳航具4型 対魚雷デコイ |
たかなみ(ローマ字:JS Takanami, DD-110)は、海上自衛隊の護衛艦。たかなみ型護衛艦の1番艦。艦名は「高く立つ波」(高波)に由来し、この名を受け継ぐ日本の艦艇としては、夕雲型駆逐艦「高波」、あやなみ型護衛艦「たかなみ」に続き3代目に当たる。
艦歴[編集]
「たかなみ」は、中期防衛力整備計画に基づく平成10年度計画4,600トン型護衛艦2239号艦として、IHIMUに発注され、住友重機械工業追浜工場で2000年4月25日に起工され、2001年7月26日に進水、その後、住友重機械工業浦賀工場において艤装の後、2002年8月20日に公試開始、2003年3月12日に就役し、第1護衛隊群第5護衛隊に編入され横須賀に配備された。
2004年6月6日、館山沖で大規模被害対処訓練中、注排水バルブの操作ミスにより海水が侵入し、ミサイルの発射装置、弾薬庫などが冠水し、10台以上の機器が浸水した。海幕は7月3日にこれを公表し、インド洋への派遣の可否について検討されたが当初の予定通りに派遣されることになった。
同年8月9日、テロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「きりしま」、補給艦「はまな」と共にインド洋に派遣。同年12月まで任務に従事する。帰路の最中にスマトラ島沖地震の発生を受け、国際緊急援助隊派遣法に基づいてタイに派遣され、遺体収容等を行い(自衛隊タイ派遣)、2005年1月11日に帰国した。
2007年5月4日から30日までシンガポール海軍主催の西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)多国間海上訓練に参加。
2008年3月26日、護衛隊改編により第2護衛隊群第6護衛隊に編入された。
2009年10月13日に、大湊基地所属の護衛艦「はまぎり」と共に、第3次派遣海賊対処行動水上部隊を編成、ソマリア沖へ向けて出発し、11月7日から翌年2月20日まで34回計283隻の船舶を警護して、2010年3月18日に帰国した。
2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震発生を受けて海上自衛隊の先陣として東北沖へ急派され、翌12日午後宮城県石巻港近くの岸壁に孤立していた幼稚園児11人を含む135人を救助し、2万余名の被災者に対して食糧供与及び生活必需品の輸送を行った。初動においてレスキュー フロム ザ・シーを実践した[1][2][3]。
同年10月11日には第10次派遣海賊対処行動水上部隊として護衛艦「おおなみ」と共にソマリア沖・アデン湾へ向けて横須賀基地を出航し、翌2012年3月12日に帰国した[4]。
2014年7月15日、第19次派遣海賊対処行動水上部隊として「おおなみ」と共に横須賀基地からソマリア沖・アデン湾に向け出航した[5]。 9月25日、アデン湾においてNATO軍と共同訓練を実施、デンマーク海軍 戦闘支援艦「ESBERN SNARE(エスベアン スナーレ)」とともに通信訓練 、戦術運動、立入検査訓練等を行った[6]。 10月16日にはEU海上部隊と共同訓練を実施、イタリア海軍 駆逐艦「ANDREA DORIA(アンドレア・ドリア)」とともに同様の訓練を行った[7]。 その後、ソマリア沖での海賊対処行動を終え帰途につくが、たかなみ・おおなみ両艦が日本に向け東南アジア付近を航行中に、エアアジア8501便墜落事故が発生した[8]。日本政府は両艦に派遣命令を出し、1月3日から9日までの間、エア・アジア航空機消息不明事案に関する国際緊急援助活動に従事し、1月24日、横須賀に帰港した[9]。
2015年1月3日から1月9日まで国際緊急援助活動に従事した。1月24日に横須賀基地に帰投した。
2016年10月24日から12月15日にかけてニュージーランド海軍主催国際観艦式及びADMMプラス海洋安全保障実動訓練マヒ・タンガロア16に参加した[10]。
現在、第2護衛隊群第6護衛隊に所属し、定係港は横須賀である。
歴代艦長[編集]
代 | 氏名 | 在任期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 | 備考 |
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1 | 後藤大輔 | 2003.3.12 - 2004.2.5 | 東海大・ 30期幹候 |
たかなみ艤装員長 | ||
2 | 高橋政則 | 2004.2.6 - 2005.3.31 | じんつう艦長 | |||
3 | 藤村栄次 | 2005.4.1 - 2007.3.25 | 防大24期 | 海上幕僚監部人事教育部援護業務課 | 護衛艦隊司令部幕僚 | |
4 | 恒益俊春 | 2007.3.26 - 2009.3.24 | 防大29期 | はまゆき艦長 | 護衛艦隊司令部幕僚 | |
5 | 澤口和彦 | 2009.3.25 - 2010.8.9 | ゆうべつ艦長 | 作戦情報支援隊作戦情報第1科長 | ||
6 | 米丸祥一
|
2010.8.10 - 2012.3.29 | 防大26期 | 舞鶴海上訓練指導隊船務航海科長 | 佐世保地方総監部監察官 | 東日本大震災#自衛隊 |
7 | 下野善彦 | 2012.3.30 - 2013.7.31 | 関西大・ 37期幹候 |
誘導武器教育訓練隊研究室長 | 護衛艦隊司令部 | |
8 | 上田裕司 | 2013.8.1 - 2015.3.9 | 護衛艦隊司令部幕僚 | 横須賀基地業務隊本部補充部付 | ||
9 | 樋之口和隆 | 2015.3.10 - 2016.9.5 | 防大32期 | 海上自衛隊幹部候補生学校主任教官 | 護衛艦隊司令部 | |
10 | 坂井喜一郎 | 2016.9.6 - 2017.8.17 | 防大41期 | こんごう副長 | 自衛艦隊司令部幕僚 | |
11 | 筒井大介 | 2017.8.18 - | 防大42期 | いずも船務長 |
その他[編集]
- 2010年9月4日・11日放送のタモリ倶楽部で当艦の装備や艦内の設備等が特集され、当時の艦長や副長ほか多数の乗組員が出演した。
- 浦賀船渠で最後に建造された艦船でもある。
- 映画永遠の0で劇中の回想に登場する航空母艦赤城は本艦を元にレンダリングされたカットがある。
脚注[編集]
- ^ 「海自護衛艦・たなかみが園児ら32人を救助」日テレNEWS24 2011年3月14日
- ^ 「“レスキュー フロム ザ・シー”を念頭に」チャンネル NIPPON 2011年11月10日
- ^ 「“海からの救助” 広く世界に」自衛隊ニュース2012年12月1日防衛ホーム新聞社
- ^ 「[リンク切れ] 海賊対処10次隊2艦が無事帰国」朝雲ニュース 2012年3月15日
- ^ 「護衛艦「たかなみ」「おおなみ」が出国 カナロコ 2014年7月16日
- ^ NATO軍との共同訓練の実施について(PDF)
- ^ EU海上部隊との共同訓練の実施について(PDF)
- ^ エアアジア機捜索に海自護衛艦が参加へ NHKニュース Archived 2014年12月31日, at the Wayback Machine. 2014年12月31日
- ^ アデン湾における派遣海賊対処行動に従事した艦艇の入港について (PDF)
- ^ ニュージーランド海軍主催国際観艦式、ADMMプラス海洋安全保障実動訓練マヒ・タンガロア16及びニュージーランド海軍主催多国間共同訓練ナタヒへの参加について (PDF)
参考文献[編集]
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- 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
- 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
外部リンク[編集]
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