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横須賀基地 (海上自衛隊)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
横須賀基地全景
逸見岸壁に停泊するいずも

横須賀基地 (よこすかきち、JMSDF Yokosuka Naval Base)は、神奈川県横須賀市の複数の地区に点在し、横須賀地方総監部等が配置されている海上自衛隊の港湾・陸上施設群のこと。正式には「基地」とは呼ばないが、通称として用いられる。

概要

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横須賀基地は、海上自衛隊の基地として最大規模を誇る[1]。横須賀にはかつて旧海軍鎮守府が置かれていた[1]。もともと横浜に置かれていた東海鎮守府が1884年(明治17年)12月15日に横須賀に移転し、横須賀鎮守府に改称された[1]終戦とともに横須賀鎮守府は廃止されるが、基地の各施設や岸壁等は、そのまま米海軍が使用することとなった[1]1952年(昭和27年)8月1日、海上自衛隊の前身である保安庁警備隊が発足すると同時に横須賀地方隊が編成され[2]、かつての旧海軍の敷地を再び使用することとなったが、そのほとんどが米軍エリアのままとなっており、海上自衛隊が使用している旧海軍跡地は敷地面積の3割程度である[1]

横須賀基地は各所に点在しており[1]、総監部庁舎や護衛艦などが係留する岸壁がある「吉倉地区」、自衛艦隊などの各司令部が入り、海自の指揮中枢となる「海上作戦センター」が置かれるほか、主に掃海艦艇、海洋観測艦等が係留する岸壁がある「船越地区」、海上自衛隊創設の地であり[3]、現在は第2術科学校潜水医学実験隊が所在する「田浦地区」などがある。また、米海軍基地内には第2潜水隊群の潜水艦基地がある「楠ヶ浦地区」があり[1]横須賀教育隊が所在している「武山地区」は陸上自衛隊武山駐屯地航空自衛隊武山分屯基地が隣接する場所にある[1]

沿革

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  • 1952年昭和27年)
  • 1953年(昭和28年)
  • 1956年(昭和31年)
    • 1月16日:海上自衛隊術科学校が江田島に移転。機関などの教育は引き続き横須賀で行われるため、「海上自衛隊術科学校横須賀分校」が新設。
    • 3月1日:海上自衛隊横須賀地区病院が久里浜地区(長瀬2丁目)に開設。
  • 1958年(昭和33年)4月1日:横須賀基地警防隊に「横須賀防備隊」及び「剣崎警備所」、「観音崎警備所」が新編。海上自衛隊術科学校横須賀分校が「海上自衛隊第2術科学校」に改称。
  • 1959年(昭和34年)
  • 1961年(昭和36年)
    • 2月1日:「横須賀補給所」、「横須賀工作所」が新編。
    • 3月1日:横須賀防備隊に「水中処分隊」が新編。
  • 1965年(昭和40年)3月1日:横須賀警備隊に「船越分遣隊」が新編。
  • 1970年(昭和45年)3月2日:「横須賀造修所」、「横須賀衛生隊」が新編。横須賀工作所が廃止。
  • 1974年(昭和49年)4月11日:「横須賀音楽隊」が新編。
  • 1977年(昭和52年)
  • 1980年(昭和55年)4月21日:吉倉桟橋完成[4][5]
  • 1982年(昭和57年)4月15日:吉倉桟橋Y-3、Y-4バース使用開始[6]
  • 1985年(昭和60年)7月1日:横須賀水雷調整所が廃止。横須賀水雷整備所が新編[7]
  • 1987年(昭和62年)
    • 4月18日:厚生センター開所。
    • 7月1日:横須賀防備隊が廃止。警備隊の改編。「横須賀基地業務隊」が新編。剣崎警備所が廃止。
  • 1988年(昭和63年)
    • 3月31日:海上自衛隊横須賀地区病院(教育部を除く)が久里浜地区から田浦地区に移転。
    • 4月8日:海上自衛隊横須賀地区病院が共同機関化され、自衛隊横須賀病院に改称。
  • 1998年(平成10年)12月8日:補給整備部門の組織改編。
  1. 横須賀補給所と横須賀造修所が統合され「横須賀造修補給所」に改編。
  2. 水雷整備所と誘導弾整備所が統合され「横須賀弾薬整備補給所」に改編。
  3. 海上自衛隊艦船補給処」が新設、海上自衛隊補給本部隷下に編入。
  • 2010年(平成22年)4月15日:逸見岸壁が完成[8]
  • 2011年(平成23年)3月11日東北地方太平洋沖地震を受け、災害派遣活動として横須賀基地所属の可動全艦艇三陸沖に派遣。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月26日:横須賀警備隊観音崎警備所が廃止。
    • 9月1日:自衛隊横須賀病院教育部が久里浜地区から田浦地区に移転。
  • 2013年(平成25年)1月17日:海上自衛隊潜水医学実験隊が久里浜地区から田浦地区に移転。
  • 2014年(平成26年)2月28日:防衛機能集約のため長浦港の公共埠頭(延長200m、153m、200mの岸壁)を横須賀市長瀬の貯油施設跡地と交換で専用埠頭として取得[9][10][11]
  • 2020年(令和02年)10月1日:自衛艦隊司令部等が関東自動車工業の跡地の新庁舎「海上作戦センター」に移転[12]
  • 2023年(令和05年)1月:大矢部弾庫跡地[13][14]を財務省に移管[15]

配置部隊・機関

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船越地区(横須賀市船越7-73

自衛艦隊司令部等が入る海上作戦センター
船越地区

吉倉地区(横須賀市西逸見町1丁目無番地

逸見岸壁

長浦地区横須賀市長浦町1-43

新井地区(横須賀市長浦町1-1555

  • 横須賀地方隊
    • 横須賀弾薬整備補給所
    • 横須賀警備隊
  • 護衛艦隊
  • 潜水艦隊
    • 潜水艦教育訓練隊
      • 横須賀潜水艦教育訓練分遣隊

楠ケ浦地区(横須賀市楠ケ浦町アメリカ軍と共同使用)

楠ケ浦地区停泊する潜水艦
  • 潜水艦隊
  • 海洋業務・対潜支援群
    • 対潜資料隊
  • 横須賀地方隊
    • 横須賀造修補給所

田浦地区(横須賀市田浦港町無番地

第2術科学校正門

武山地区横須賀市御幸浜4-1

横須賀教育隊全景

アクセス

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船越地区

吉倉地区

新井地区

楠ヶ浦地区

田浦地区

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h 地方隊をゆく横須賀地方隊」『Jシップス』2023年6月。
  2. ^ 横須賀地方隊 - 防衛省・自衛隊 横須賀地方隊について 沿革
  3. ^ 海上自衛隊第2術科学校ホームページ - 伝統
  4. ^ 港湾PC構造物実績集港湾PC構造物研究会
  5. ^ 「ニュース・フラッシュ」『世界の艦船』第285号、海人社、1980年8月、39頁。 
  6. ^ 横須賀地方隊50年史 
  7. ^ 水雷整備所の編制に関する訓令(昭和60年海上自衛隊訓令第21号)
  8. ^ 海上自衛隊横須賀地方隊HP 逸見岸壁完成披露行事(H22.4.15)
  9. ^ 国土交通省所管長浦港湾施設と海上自衛隊久里浜貯油所の相互所管換について2014年2月28日、南関東防衛局
  10. ^ 横須賀港港湾計画平成28年(2016年)一部見直し 横須賀市 p.8
  11. ^ 第34回横須賀市港湾審議会 議事録2014年7月24日、横須賀市 p.8
  12. ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2020年10月1日). "10月1日、海上自衛隊は、海上作戦センターの運用開始記念式典を横須賀市で行いました。". X(旧Twitter)より2020年10月1日閲覧
  13. ^ 所在地は横須賀市大矢部2丁目
  14. ^ 大矢部弾庫の機能は比与宇弾庫・吾妻島弾庫へ移転
  15. ^ 第44回旧軍港市国有財産処理審議会説明資料(令和5年3月30日)財務省関東財務局。2023年7月16日閲覧

関連項目

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外部リンク

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