Mk 32 短魚雷発射管

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Mk.46 mod 5 短魚雷を発射するMk.32 mod 15 短魚雷発射管

Mk.32 短魚雷発射管(Surface Vessel Torpedo Tubes)は、アメリカ海軍が開発した水上艦装備の魚雷発射管。324mm口径であり、Mk.46Mk.50などの短魚雷を使用する。アメリカ海軍のほか、日本海上自衛隊をはじめとして、西側諸国海軍で広く使用されており、標準的な対潜兵装である。

アスロック対潜ミサイルなどによって短魚雷を投射できるようになった現代でも、魚雷発射管は安価で信頼性が高いことから装備され続けている。


概要[編集]

Mk.32は、Mk.44短魚雷の実用化とともに、1959年より配備を開始した。ファラガット級嚮導ミサイル・フリゲート(DLG)最終艦以降に建造された、アメリカ海軍のすべての水上戦闘艦に搭載され、近距離での対潜火力を担った。

さらにNATO諸国でも採用され、西側諸国海軍の標準的な対潜兵装となった。運用する魚雷としては、当初はMk.44が使用されていたが、後にMk.46が広く使われるようになり、さらにMk.50Mk.54にも対応した。

アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦装備のMk.32発射管。3連装型である

軽量化を重視してガラス繊維強化プラスチック製となっており、また、水密構造によって内部の魚雷を波浪より保護している。

Mk.32は多くの場合、3本が俵積み型にまとめられた3連装発射管として搭載される。これは通常、艦の首尾軸に並行な状態で両舷に配置されており、発射時には旋回して艦外に指向され、空気圧によって魚雷を射出する。旋回は人力によって行なわれ、魚雷の射出は管側での発射のほか、mod 15からは水中攻撃指揮装置からの遠隔操作も可能となった。

また、ノックス級フリゲートでは、固定型の発射管として両舷に各2門が首尾軸と45度の交角をもって装備されており、これをMk.32 mod 9と称する。これは有線の誘導魚雷を使用できるほか、艦内からの再装填が可能であり、本級の派生型であるスペイン海軍バレアレス級フリゲートでは41本の魚雷が搭載されている。

運用と搭載艦[編集]

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

イギリスの旗 イギリス

イスラエルの旗 イスラエル

イタリアの旗 イタリア

オーストラリアの旗 オーストラリア

オランダの旗 オランダ

カナダの旗 カナダ

ギリシャの旗 ギリシャ

大韓民国の旗 韓国

スペインの旗 スペイン

ポルトガルの旗 ポルトガル

中華民国の旗 中華民国台湾

ドイツの旗 ドイツ

トルコの旗 トルコ


日本での運用[編集]

しまかぜ」に搭載されているHOS-301発射管

海上自衛隊もMk.32を採用しており、当初は輸入品を使用していたが、のちに68式3連装短魚雷発射管としてライセンス生産を開始した。Mk.44Mk.4673式短魚雷のほか、HOS-303では新型の97式短魚雷12式短魚雷の運用が可能となっている。

当初より使用されているHOS-301のほか、改良型のHOS-302が汎用護衛艦あさぎり型から、使用魚雷の変更により開発されたHOS-302Aがむらさめ型より搭載を開始した。HOS-302と302A、さらにDDG用のHOS-302と3バージョンあるが、外観上の目立った違いは特に無く、また、銘盤もHOS-302で統一されているため識別は非常に困難である。なお、ミサイル護衛艦こんごう型搭載のHOS-302より艦内より遠隔操作が可能であると言われている。さらに、ヘリコプター護衛艦ひゅうが型と、これ以降に建造された護衛艦ではHOS-303が搭載されている。

日本では、福岡県渡辺鉄工が生産を担っている[1]

日本の旗 日本


登場作品[編集]

映画・テレビドラマ[編集]

ザ・ラストシップ
架空のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ネイサン・ジェームズ」に搭載されたものが、襲撃してきた架空のアスチュート級原子力潜水艦「アキレス」に対して使用される。
バトルシップ
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」に搭載されたものが、エイリアンの侵略兵器に対する一斉攻撃時に使用され、Mk.46短魚雷を発射する。

アニメ・漫画[編集]

ジパング
第二次世界大戦時にタイムスリップした架空のイージス護衛艦みらい」に搭載されており、CICから遠隔操作することが可能となっている。しかし、漫画版では動かすことはあっても短魚雷を発射することはなく、アニメ版では第1話にて、「みらい」と同型艦の「あすか」がアメリカ海軍との合同演習中に短魚雷を発射しているが、「みらい」の短魚雷発射管が使用されることはなかった。
沈黙の艦隊
ニューヨーク沖海戦にて、ベルナップ級ミサイル巡洋艦フォックス」に搭載されたものが、原子力潜水艦やまと」に対して使用される。
名探偵コナン 絶海の探偵
架空のあたご型護衛艦「ほたか」に搭載されたものが、公開演習終了直前に接近してきた味方に属さない潜水物に対して、威嚇射撃で閃光魚雷を発射するために使用される。エンドロールでは、あたご型護衛艦「あたご」に搭載されたものが実写で登場する。

小説[編集]

亡国のイージス
架空のイージス護衛艦いそかぜ」に搭載されたものが、水中から「いそかぜ」に接近してきた防衛庁情報局(DAIS)の特殊部隊に対して使用される。
映画版では、敵が罠を張って待ち伏せしていることから、「いそかぜ」を秘匿追尾していた架空のおやしお型潜水艦「せとしお」[2]に特殊部隊の投入を中止するよう警告を送るため、主人公たちが「いそかぜ」に搭載されたものを使用する。
ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記
異世界に飛ばされた架空のイージス護衛艦「いぶき」に搭載されたものが、襲い来る邪龍レヴィアタンに対して使用され、97式魚雷を発射する。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞 P340 ISBN 4-7509-1027-9
  2. ^ 同型艦の「たかしお」が役を務める。また、同じ艦名を持つ、おやしお型10番艦「せとしお」が実在しているが、原作小説と映画版が公開された時期では、まだ就役も命名もされていなかった。なお原作小説では、「せとしお」はゆうしお型潜水艦1番艦となっている

外部リンク[編集]