パプリカ (アニメ映画)
パプリカ | |
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監督 | 今敏 |
脚本 |
水上清資 今敏 |
原作 | 筒井康隆 |
音楽 | 平沢進 |
主題歌 | 平沢進『白虎野の娘』 |
編集 |
瀬山武司 神宮司由美 |
製作会社 | マッドハウス |
配給 | ソニー・ピクチャーズ・クラシックス |
公開 |
2006年9月2日(VIFF) 2006年11月25日 |
上映時間 | 90分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『パプリカ』は、2006年の日本のアニメーション映画。監督は今敏、原作は筒井康隆による同名の長編SF小説。
第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品される。また、第19回東京国際映画祭のanimecs TIFF 2006のオープニング上映作品ともなっている。
キャッチコピーは「私の夢が、犯されている―/夢が犯されていく―」
ストーリー
パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。
声の出演
- パプリカ/千葉敦子:林原めぐみ
- 乾精次郎:江守徹
- 島寅太郎:堀勝之祐
- 時田浩作:古谷徹
- 粉川利美:大塚明夫
- 小山内守雄:山寺宏一
- あいつ:田中秀幸
- 日本人形:こおろぎさとみ
- 氷室啓:阪口大助
- 津村保志:岩田光央
- 柿本信枝:愛河里花子
- レポーター:太田真一郎
- 奇術師:ふくまつ進紗
- ウェイトレス:川瀬晶子
- アナウンス:泉久実子
- 研究員:勝杏里
- 所員:宮下栄治
- ピエロ:三戸耕三
- 玖珂:筒井康隆(特別出演)
- 陣内:今敏(特別出演)
スタッフ
- 原作:筒井康隆
- 監督:今敏
- 企画:丸山正雄(マッドハウス)
- 脚本:水上清資、今敏
- キャラクターデザイン・作画監督:安藤雅司
- 作画監督補佐:井上俊之、井上鋭、三原三千夫
- 原図協力:末武康光
- 色彩設計:橋本賢 (DR TOKYO)
- 美術監督:池信孝
- 美術監督補佐:東地和生
- 撮影監督・CGディレクター:加藤道哉
- 編集:瀬山武司(瀬山編集室)、神宮司由美 (DR TOKYO)
- 演出助手:吉野智美
- タイトルデザイン:イナガキキヨシ
- 音楽:平沢進
- 音楽制作:ケイオスユニオン
- 音響監督:三間雅文(テクノサウンド)
- 音響効果:倉橋静男(サウンドボックス)
- 効果助手:米原想(サウンドボックス)
- 録音スタジオ:アオイスタジオ、トライスクルスタジオ
- 音響制作:テクノサウンド(中島朋子・丸浩育)
- 支援:文化庁
- 制作プロデューサー:豊田智紀
- 制作担当:橋本健太郎(マッドハウス)
- アニメーション制作:マッドハウス
- 配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
- 宣伝プロデューサー:後藤優
- アソシエイトプロデューサー:二方由紀子(マッドハウス)、森島太朗
- アシスタントプロデューサー:原史倫(マッドハウス)、小川淳
- プロデューサー:丸田順悟(マッドハウス)、滝山雅夫(ソニー・ピクチャーズ)
- 製作:パプリカ製作委員会(マッドハウス、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)
- エンディングテーマ:「白虎野」[1](作詞・作曲・編曲:平沢進)
作品解説
原作者の筒井自身が監督の今敏との対談で映画化をして欲しいと語ったものが実現した。
演出
古谷徹が肥満体の時田役の声のイメージに悩んでいた際、スタッフに「アムロのままでいいですか?」と尋ねたところ、快く了承された。
原作との相違点
- 小説における研究所内での権力争いという構図は後退し、島は所長で乾は理事長として反目しあう程度の関係に置かれている。
- パプリカを助け、その「夢解き」を体験する役割の人物が、映画では粉川に絞られている。また、粉川は大きな権力を持たず一介の刑事にすぎない。
- 映画では乾の科学信奉主義の背景にある、カルト的思想について踏み込んで語られない。同時に、現実を浸食する夢のイメージは氷室による『悪夢のパレード』的なビジュアルに重点が置かれている。
- 映画ではレディオクラブはネット上の存在だが、原作ではラジオクラブという六本木に存在する店である。
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公開・反響
本作はアメリカでも公開されており、公開19週目には興収が87万ドル(当時の円換算(115.5円)で1億円)を突破した。当時のアメリカでは、日本の劇場アニメが興収1億円を突破したのは2005年の『ハウルの動く城』以来2年ぶり(通算12作目)であり、なおかつ成人向けを示すR指定の劇場アニメが興収で1億円を超えたのは2003年に公開された『カウボーイビバップ 天国の扉』及び『パプリカ』の2作品だけであるという[2]。
今敏逝去1年となった2011年8月25日、ドリパスによる追悼企画として『パプリカ』および『東京ゴッドファーザーズ』の連続上映するレイトショーが新宿バルト9にて開催された[3]。また、作品の上映間にはドリパス設立者の五十嵐壮太郎をホストとして、『パプリカ』で主役を担当した声優の林原めぐみが登壇してトークショーが行われた。
受賞
- 第12回アニメーション神戸 作品賞・劇場部門
- 第14回Chlotrudis Awardsベストデザイン賞
- 第25回ポルト国際映画祭Critics' Award受賞
- 第35回モントリオール・ニューシネマフェスティバルPublic's Choice Award受賞
- 第8回ニューポート・ビーチ・フィルム・フェスティバルFeature Film Award受賞
- 東京アニメアワード2007 優秀作品賞劇場映画部門、個人部門音楽賞(平沢進)
エピソード
- 作中の映画館のシーンでは『パーフェクトブルー』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』(いずれも今敏監督作品)が演目として確認できる。歴代今敏監督作品の看板が居並ぶ先、作中にて上映中の「夢見る子供たち」をパプリカ(千葉)が粉川に勧め、入場切符を購入した場面でスタッフロールに切り替わる。後、次期監督作品「夢見る機械」を制作、発表。今本人は完成を見る事は叶わず、制作中に癌で逝去。