とある魔術の禁書目録の登場人物

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とある魔術の禁書目録の登場人物(とあるまじゅつのインデックスのとうじょうじんぶつ)では、鎌池和馬ライトノベル作品(電撃文庫刊)およびそれを原作とする漫画CDドラマテレビアニメとある魔術の禁書目録』に登場する人物とその能力について解説する。声優は、ラジオドラマ・ドラマCD版、テレビアニメ版で共通。

英語表記は公式サイトより[1]

キャラクター五十音索引

あ行   は行
か行 ま行
さ行 や行
た行 ら行
な行 わ行
他  0 1 2

科学サイド(学園都市)

とある高校

生徒

上条 当麻(かみじょう とうま)
声 - 阿部敦
本作の主人公。学園都市のとある高校に通う、右手に「幻想殺し(イマジンブレイカー)」という能力を持つ少年。
土御門 元春(つちみかど もとはる)
声 - 勝杏里
上条の寮の隣室の住人にして高校のクラスメイト。
青髪 ピアス(あおがみ ピアス)
声 - 川原慶久
上条や土御門の親友で学級委員の高校1年生。本名不明[注 1]
世界3大テノールも驚く野太い声でエセ関西弁を話す、長身の自称関西人。級友からは、友人の上条や土御門と共に「クラスの三バカ(デルタフォース)」の一角として認知されている。登場シーンは3人でオタク談義を行っていることが多く、他の2人以上に豊富なオタク知識や嗜好を持つ。特に好みの女性のタイプを述べた際は、電撃文庫の1ページが半分埋まるほどのタイプを(ショタも含め)列挙した。メイド服似の制服を目当てに、とあるパン屋で下宿している。
小萌に対して一定の価値観を置いており、夏休みの宿題を彼女に褒められたくて全部やったのに、彼女の補習を受けたい一心で全て家に置いてくる。また、小萌の住所を知っているため、作中では「ロリコン」「マゾ」「ストーカー」などと表現されている。その行動ゆえか、4月から一端覧祭までに計43回の職務質問を受けている。
能力はレベルを含めて不明。また上記のように小萌目当てにわざと補習を受けていることもあるため、実際の成績が悪いのかすらわからない。
『超電磁砲』では「天賦夢路(ドリームランカー)」の中でも伝説と謡われるSランカー「BLAU(ブラウ)」として登場。芸能人や超能力者の常盤台組を題材にした卑猥な夢を配布していたことがバレて、美琴から制裁を受けたうえで食蜂に記憶を消された。
姫神 秋沙(ひめがみ あいさ)
声 - 能登麻美子
本作のヒロインの1人。上条のクラスメイトの高校1年生。元霧ヶ丘女学院の生徒。「原石」の一人。
表情の変化が少ない長い黒髪の少女。しかし、全くの無表情というわけでもなく、むしろ一切の攻撃性を感じさせない、安心感を与える顔立ち。初登場時は巫女装束姿。読点(、)を使うべき箇所で句点(。)を使った話し方で表記される。Cカップ。
かつて、自分の能力を恐れた吸血鬼に命を狙われた際に、結果として故郷の住人達を皆殺しにしてしまった過去を持つ。それ以来、能力の弊害を防ぐ術を求め、学園都市に訪れるが、希少能力者であったことから三沢塾による軟禁生活を送ることとなる。その後、吸血鬼を欲するアウレオルスが三沢塾を乗っ取り、互いの目的のために彼に協力していたが、三沢塾の事件で自暴自棄になったアウレオルスに殺されそうになったところを上条とステイルに救出される。
事件後、イギリス清教からもらった「歩く教会」の力を簡略化したケルト十字架で能力を抑えることで、無能力者と判定されて霧ヶ丘女学院を退学させられ、一時的に小萌の家に居候していたが、2学期より上条の高校へ転入した際に学校の寮へ引っ越す。なお、この十字架を持っていたため、大覇星祭ではイギリス清教の魔術師と間違えられてオリアナに襲撃された。
同級生の吹寄とは仲が良く、男子相手にも物怖じしない姿に憧憬を抱いている。
能力は「吸血殺し(ディープブラッド)」。学園都市に来る前から持っており、「原石」の能力の一つ。自分の意思と無関係に、吸血鬼を食虫植物のごとく誘い出し、自身の血を吸った吸血鬼を無差別に灰に帰してしまう。この能力によって吸血鬼が存在することが証明される。
漫画版では原作第2巻の内容が描かれていないため未登場だったが、原作と同じ2学期に上条の高校に転入してきた謎の転校生として登場している。また、コンビニのATMのシーンが上条との初めての会話となっている。
吹寄 制理(ふきよせ せいり)
声 - 藤村歩
本作のヒロインの1人。上条のクラスメイトの高校1年生。
背が高く、巨乳でスタイルがいい少女だが、色気は無い。大覇星祭実行委員に立候補し、全力で活動するなど典型的な仕切り屋タイプ。また、通販好きの健康オタクで、怪しい健康グッズや健康食品などを多く持っている。
クラスメイト(特に男子生徒)からは「対カミジョー属性完全ガードの女」と呼ばれている。「不幸という屁理屈で人生に手を抜く輩は大嫌い」とも豪語している。男勝りな性格からも、上条とは友人的なポジションにいる。
雲川 芹亜(くもかわ せりあ)
上条の高校の先輩。統括理事貝積継敏のブレイン。雲川鞠亜の姉。
底辺校の生徒だが、非常に頭脳明晰な巨乳(Gカップ)の美少女。「けど」という語尾が特徴。貝積のブレインとして様々な情報に精通しており、上条の「幻想殺し」を知っている模様。話術のみで人心の掌握を行い、現在の地位に君臨している。刺激溢れた今の生活を愛しており、刺激の中心になる上条の不幸を面白いと気に入っている。記憶喪失前の上条とは親交があり、彼との関係性を大切にして暗部などのしがらみを持ち込まない関係を保とうとしている。また、上条が記憶喪失になったことも知っている模様[2]。上条への好意や心理戦を得意とするという共通点から、食蜂とはライバルのような関係。上条への好意はかなり強く、食蜂に彼が自分の悪口を言っていたというあからさまな嘘を聞かされた時には普段の冷静な態度が崩れて涙目になり、彼がラブレターをもらって自分の目の前で喜びだした(結局は誤解だった)時には殺意をのぞかせている。
世界中の「原石」を独占しようと企んだアメリカの要人ジョージ=キングダムに対し、貝積の頼みで妹達を使って「原石」達を保護する計画を立案・実行する。また、絹旗にジョージ暗殺を命令した。「人的資源」プロジェクトを貝積と共に潰そうと画策していたが、薬味に騙され黒幕が貝積だと思った土御門と交戦。丸腰にもかかわらず話術と心理的圧迫により圧倒的優位に立つが、魔術を使用した土御門に敗れる。この時に眼球をえぐられ、以後は移植した眼球。「人的資源」プロジェクトが潰えた後、一連の行動のケジメとして土御門を第七学区の鉄橋で「処刑」した。食蜂が自身の記憶に不審を持った際には上条のことを出されたこともあって素直に協力し、彼女が危機に陥ることを見越して入院中の上条を第21学区に向かわせた。
『超電磁砲』にも登場。「ヘソ出しカチューシャ」を名乗り、大覇星祭初日に行われた二人三脚の解説者を務めた。

教師

月詠 小萌(つくよみ こもえ)
声 - こやまきみこ
上条のクラスの担任である化学教師。
童顔と身長135cm[3][4]の容姿からどう見ても小学生にしか見えないが、大学も卒業済みのれっきとした成人女性。足が車のペダルに届かないため、障害者用の車を使っている。その外見に似つかわしくないほど私生活はずぼらで、タバコも吸いビールも嗜む。学園都市の七不思議のひとつになっていたり、一方通行に「不老不死実験の被検体」と揶揄されるほどに実年齢は物凄いことになっているらしく(少なくとも黄泉川よりは上で、地の文では熟女扱いされたこともある[5])、第5巻あとがきでは「最年長ヒロイン」と称された。教え子のことを名字+「ちゃん」(「上条ちゃん」など)で呼び、周囲からは「小萌先生」と名前の方で呼ばれる。
教えることが大好きで教育の機会を取り上げられると酷く傷つくなど、教師の鑑のような人物。出来の悪い子こそ教師が救うべき対象と考え(上条によると「出来の悪い子供を見れば見るほどニコニコの笑顔になる」)、自分の生徒を侮辱されると猛抗議する。その辺りには生徒達も感謝しており、大覇星祭では自分達を侮辱して小萌を悲しませた対戦相手をチーム一丸となって殲滅した。また、姫神や結標のような家出少女などの保護が趣味という、根っからの世話好きでもある。
科学技術が発達している学園都市でも際立つほどのオンボロアパートに住んでいる。また、秒刻みで時間がわかる正確な体内時計を持っているため、家に時計は置いていない。
能力開発の専攻は発火能力らしいが、社会心理学・環境心理学・行動心理学・交通心理学なども専門とする。また、「AIM拡散力場」に関しても豊富な知識を持ち、その知識はしばしば上条を助けている。
黄泉川 愛穂(よみかわ あいほ)
声 - 甲斐田裕子
上条の高校の体育教師。第73活動支部所属の「警備員」の一員。
尻まで届く長さのロングヘアを後ろに縛り、抜群のプロポーションが映える大人の美女であるが、服装はいつも冴えない緑のジャージ姿。「 - じゃん」という語尾が特徴。同僚の小萌とは友達に近い交流を持っているほか、芳川とも昔馴染の間柄。普段は飄々と振る舞っているが、「警備員」としての熱い側面を持つほか、何か問題があると後先を考えずに部屋の整理整頓を始める癖も持つ。教師としては「優等生より馬鹿な生徒の方が面白くて好き」らしく、そういった面々のクラスを担当している小萌を羨んでいる(黄泉川のクラスは優等生ばかり)。
過去に「警備員」として子供に武器を向け殺してしまったため、相手がたとえ上位の能力者であっても子供へ武器を向けないよう自分に制約を課している。その代わり、「あくまで防具」として盾やヘルメットを武器のように使って捕縛行為をする。また、ATM荒らしをした浜面達を捕まえる際には大型特殊車両でカーチェイスをし、却って被害を拡大させるような面もあることから、「シリアスをコミカルに処理する女」と評される。そんな彼女だが、子供のために武器を向けることは迷わない。
芳川から一方通行と打ち止めの面倒を見るように頼まれ、退院した2人を自宅へ引き取る。都市の暗部に堕ちた一方通行が距離を置いた後も彼を気に掛けており、一方通行と垣根の勝負の際にはこれに割って入り、とどめを刺そうとした一方通行を引き止めようとした。
小萌の家とは対照的に、最新設備が満載された教員用4LDKマンションに実験協力という名目で住んでいる。また、電気炊飯器を万能な調理器具として用いており、これで色々な料理を作ることができる。
「警備員」という立場上、『超電磁砲』『一方通行』にもしばしば登場する。
親船 素甘(おやふね すあま)
上条の高校の数学教師。親船最中の娘。
逆三角形の眼鏡に堅いスーツ姿の女性。教師の中でも特にしつけに厳しい人物。自身の損な経験上、美人は得をするということを身をもって知っていることから、美人の恩恵を受けるために化粧や健康管理など色々努力している。
災誤(さいご)
上条の高校の教師。生活指導を担当している。
厳つい顔と巨体からゴリラと描写される。古武術の使い手で、青髪ピアスを一瞬で締め落とすほどの実力を持ち、生徒から恐れられている。落石注意ゾーンで岩盤を両手で受け止めた伝説がある。人間離れした風貌から、五和アックアと間違えて攻撃され、病院送りにされたことがある。

常盤台中学

御坂 美琴(みさか みこと)
声 - 佐藤利奈
本作のヒロインの1人。常盤台中学2年生。学園都市第3位の超能力者(レベル5)。
白井 黒子(しらい くろこ)
声 - 新井里美
常盤台中学1年生。第177支部所属の「風紀委員」。大能力者(レベル4)。『超電磁砲』では準主人公。
茶髪ツインテールの少女。鈴のような声をしており、語尾に「 - ですの」と付けるなどのお嬢様口調が特徴(ただし汚い言葉も平気で使う)。美琴の後輩かつルームメイト。作中では「風紀委員」として事件の表部分に関わることが多いが、「残骸(レムナント)」を巡る事件では主人公格として活躍する。
美琴を「優しすぎる」という理由で慕っており、彼女を「お姉様」と呼び、自身をその露払いとしている。時には相棒として共に戦い、友人としては美琴にも認められているが、友情や尊敬よりも恋愛に基づくものに見える過剰なアプローチをする点は変態扱いされている。『超電磁砲』ではことあるごとに美琴にセクハラを働いては、電撃や格闘技の反撃を受けることが日常的な一面として描かれている。また、中学生にしては布地がかなり少ない下着を愛用する(本人によると「能力の使用に集中できる」)など変に色気を出そうとする節が多々あり、逆に少女趣味の美琴を注意することもある。関連して美琴が心を許している上条に対し嫉妬感を抱いているが、同時に美琴が素直に素の自分をさらけ出せる数少ない人物として認めてもいる。
小学5年生の時から「風紀委員」として活動しており、その能力によって活躍も多いが、越権行為を働き注意を受けることもあり、先輩の固法には頭が上がらない。同学年で「風紀委員」の同僚でもある初春とは公私共に仲はいいが、時折、美琴といい感じになるため、敵意をむき出しにすることもある。
能力はレベル4の「空間移動(テレポート)」。能力の限界値は、距離が81.5m、質量が130.7kgであり、飛距離と質量の間に因果関係はないが、双方が限界値に近いほど精度は落ちる。自身を転移させる際の直線での移動速度は約288km/h。つまり空間移動の連続はおよそ1秒につき1度となる。物質を自動的に押し出して転移するため、転移先に干渉する物質がある場合、板状のものを転移させることで物質を「切る」ことも可能。転移対象は皮膚上に触れているものに限定されるため、箱の中身だけを転移させて取り出すといったことは不可能(箱を転移させて中身を取り出すことは可能)。戦闘では、相手を逆さまに転移させて転ばせる、自身を相手の頭上へ転移してドロップキックを見舞うなどの攻撃をする。また、武器として太股に忍ばせた鉄矢を転移させて、相手の衣服を壁などにダーツのように刺し止める戦法を使う。相手に刺し込むことも可能だが、立場上、相手を必要以上に傷つけないように制限している。
『超電磁砲』大覇星祭編では食蜂に不確定要素とみなされ一時的に美琴の記憶を消去される。初春と美鈴が不審者に襲撃された一件から「書庫」の記録に疑問を持ち、「才人工房」へ向かい食蜂たちを救出、「外装代脳」の権限を使い誘導役として美琴を操っていた警策と交戦し、初春のサポートもあってこれを撃破した。
婚后 光子(こんごう みつこ)
声 - 寿美菜子
常盤台中学2年生。大能力者(レベル4)。
食蜂 操祈(しょくほう みさき)
声 - 浅倉杏美
本作のヒロインの1人。常盤台中学2年生。学園都市第5位の超能力者(レベル5)。
寮監
声 - 尾小平志津香(禁書目録)、生天目仁美(超電磁砲)
常盤台中学の「学舎の園」外の学生寮寮監を務める女性。本名不明。「禁書目録」では初老の女性、「超電磁砲」では若い女性となっている。
薄絹 休味(うすきぬ やすみ)
声 - 升望
常盤台中学1年生。ドラマCDの「科学サイド」パートに登場。
黒子と同じく美琴に想いを寄せており、美琴の全力を引き出せば彼女への恋は叶うという噂を信じ、彼女に決闘を申し込む。
能力はレベル3の「念動力(サイコキネシス)」。副作用として一定限度の電気を遮断する「気力絶縁(インシュレーション)」を用いる[注 2]。念動力の方はレベルが示す程度だが、付加的に発動する「気力絶縁」の方は、電撃を防御したり、辺り一帯を力で包むことで、電気を基点とする攻撃そのものを封じることが可能。

スキルアウト

駒場 利徳(こまば りとく)
声 - 三宅健太
第7学区のスキルアウトのリーダー。
コピー用紙を吐き出すように陰鬱な話し方をする、ゴリラのような大男。そのような外見に反して性格は優しく、無法者の集団でしかないスキルアウトの中では比較的モラルがある人物。
「無能力者狩り」を楽しむ心無い能力者達を粛清するために各地区のスキルアウトを纏め上げて学園都市全域の通信機能を麻痺させ、「警備員」や「風紀委員」が混乱した隙にリストアップした能力者を殺害する計画を進めていたが上層部に知られ「グループ」が派遣されたことで計画は失敗、自らも結標や一方通行と戦うことになる。筋肉を補強する「発条包帯(ハードテーピング)」や薄型の電波撹乱兵器の「攪乱の羽(チャフシード)」、標的に最も適した火薬と弾頭を即興で形成する「演算銃器(スマートウェポン)」を駆使し二人の弱点を突いて善戦するも遂には敗れ、最後に一方通行へ携帯電話の画面に映る被害者(フレメア)の姿を見せ、計画の真意を伝えた後、一方通行の反射能力が生きているのを知りながら彼に向けて銃を撃ち、その反射された弾丸を受けて自決した。
なお、リストアップされた心無い能力者達はこの後に一方通行がすべて粛清した。
服部 半蔵(はっとり はんぞう)
第7学区のスキルアウトのメンバー。浜面の後のリーダーを担っている。
何かと自分を卑下することが多い浜面を陰ながらサポートする。正体は伊賀服部家の末裔であるであり、その出自から影に徹している。駒場や浜面がいた頃は作戦立案が主な役目だったらしい。ダンボールハウスから高級マンションまで様々な隠れ家を多数用意しており、身分を偽装するための道具も一通り取り揃えている。体術や武器術にも優れ、銃も器用に扱うが「初撃必殺」に強い拘りを持つため、それが出来る場面以外では戦闘に参加したがらない。黄泉川に一目惚れしている。
「新約」では駒場に代わってフレメアの世話をしていたが、そのフレメアが「新入生」に狙われ始めたため浜面と共に「新入生」に立ち向かった。
横須賀(よこすか)
第7学区のスキルアウト。浜面らとは別グループ。
対能力者戦闘のエキスパートを自負し、「内臓潰しの横須賀」の異名を持つ巨漢。原谷をカツアゲした仲間が削板に倒されたことで彼に勝負を挑むも、「すごいパーンチ」に敗れる。
『偽典・超電磁砲』「とある自販機の存在証明」にも登場する。削板との対決後も何度もリベンジをかけ、互いを認め合う仲となっているが、削板からは「モツ鍋なんとか」と適当に覚えられている。
現在は削板を打倒するため第6位の藍花に仲介人として雇われており、「藍花悦」のプロフィールを他人に貸し与え、その支援を行っている。

超能力者(レベル5)

一方通行(アクセラレータ)
声 - 岡本信彦
本作の主人公格の一人。学園都市第1位の超能力者(レベル5)。暗部組織「グループ」の構成員。
垣根 帝督(かきね ていとく)
学園都市第2位の超能力者(レベル5)。スクールを参照。
御坂 美琴(みさか みこと)
声 - 佐藤利奈
本作のヒロインの1人。学園都市第3位の超能力者(レベル5)。
麦野 沈利(むぎの しずり)
声 - 小清水亜美
学園都市第4位の超能力者(レベル5)。アイテムを参照。
食蜂 操祈(しょくほう みさき)
声 - 浅倉杏美
本作のヒロインの1人。学園都市第5位の超能力者(レベル5)。
藍花 悦(あいはな えつ)
学園都市第6位の超能力者(レベル5)。容姿、性別、年齢など一切の個人情報が不明で、学園都市でも一切存在を知られていない。そのことを利用し、藍花本人は一切表に姿を現さず、ある事情で苦境に立たされている人物に問題解決のための手段として仲介人を通じて学園都市第6位「藍花悦」の個人情報と身分を貸し与え、第6位を名乗らせており、自らは仲介人に指示を出して対象人物の支援や、演技がばれた際のアフターケアを行っている。問題解決したときにはまた別の人物に「藍花悦」のプロフィールを移動させている。仲介人として雇われている横須賀は第6位の能力があれば直接救済できるといっていたが、本人曰く「自分で解決しないと意味がない」としている。
『人的資源』の騒乱の終局で、暴れている『ヒーロー』たちを制圧していた黒い革のジャケットをまとった少年も「藍花悦」を名乗っていたが、食蜂には「第6位を騙っている」と言われていたため、偽物である模様。能力を使ってはいなかったが戦闘力は高く、『ヒーロー』たち数十人を徒手空拳で鎮圧していた。
新約12巻ではダイヤノイドにて加納神華という少年が「藍花悦」を名乗っていた。
削板 軍覇(そぎいた ぐんは)
学園都市第7位の超能力者(レベル5)。「原石」の一人。通称「ナンバーセブン」。
白い特攻服のような服装の少年。他人が困っていたり傷ついていたりしたら、迷わず助けるような熱い性格。口癖は「根性」。
後述のようにその能力は学園都市の学者さえも取り扱えないほど複雑かつ繊細な力らしく、超能力者(レベル5)に分類できるものかも確信できない能力者であるため世界最高の原石とされている。
アメリカによる「原石」採集に端を発する一件では、牽制目的で学園都市に侵入したオッレルスと交戦するも敗北する。
能力は正式名称も具体的な原理も不明。本人も自分の能力を恐ろしく大雑把にしか把握しておらず、例えば「念動砲弾(アタッククラッシュ)」(掛け声は「すごいパーンチ」)なる必殺技を不安定な念動力の壁に刺激を与えて爆発を起こさせていると解説しているが時間割り(カリキュラム)に沿った理論ではそのような現象は起きない。また、通常の「すごいパーンチ」よりはるかに強力な「ハイパーエキセントリックウルトラグレートギガエクストリームもっかいハイパーすごいパーンチ」や、衝撃を遠方へ飛ばす「超っすごいパァァンチ」がある。その他にも銃撃程度では傷一つ負わず「根性入れりゃ血は止まるし骨だってくっつく」と豪語する驚異的なタフさを見せ、音速の2倍で動き、異世界の力を強引に抑え込むなど、多彩な技や機能を持つ。
『超電磁砲』第5巻特装版『偽典・超電磁砲』の「とある自販機の存在証明」にも登場し、美琴と交戦している。
また、『超電磁砲』では、大覇星祭の開会式で第5位の食蜂と共に選手宣誓を行っているが、途中でセリフを忘れた挙句アドリブを始め大失敗(しかも背後で爆発)している。さらに幻生によって操られた美琴を止めるため上条と共闘した。

その他の学園都市の学生

土御門 舞夏(つちみかど まいか)
声 - 福圓美里
繚乱家政女学校の生徒でメイド見習い。 土御門元春の義妹。
登場する際はなぜか清掃ロボに座っていることが多い。柄の長い掃除道具を使いセンサーを撹乱させて清掃ロボを操っている。「 - だぞー」「 - からー」など、語尾を伸ばした口調が特徴。料理が全くできない義兄・元春の部屋に頻繁に訪れて食事を作っている。そのため、隣人の上条やインデックスとは面識があり、交流もある。元春との関係は彼の言動を見る限り、兄妹の一線を越えているらしく、彼女自身、兄と妹が関係を持つことが好きであるような描写がある。
学校の中でも成績のいいエリートらしく、実地研修のために常盤台中学など、あちこちに顔を出す(そのため美琴とも面識がある)。特に料理の腕前は上条によると「お金を取れるレベル」で、同じく料理が得意な五和に対してライバル心を持っている。メイドについて深いこだわりを持ち、サブカルとしてのメイド像を挙げる元春にはしばしば暴力をふるうこともある。
もともとは孤児で、元春が学園都市に潜入する際に、追及を撹乱する目的で妹役に選ばれた[6]
海原 光貴(うなばら みつき)
声 - 岸尾だいすけ
常盤台中学理事長の孫。大能力者(レベル4)。
美琴に好意を持つ爽やかな少年で、しばしば彼女に付きまとっているらしい。一方で、自分の能力を使ってカンニングを行っていることなどから、努力家の美琴は彼を嫌っている。
能力はレベル4の「念動力(テレキネシス)」。自身を分子レベルで固め、コールドスリープ状態になることが可能。また、定期テストでは、教員のパソコンの画面表面に密かに「能力の膜」を張ってパソコン起動における画面光量や熱量を感知してカンニングを行っている。そのため、本来の成績はあまり芳しくない模様。
なお、作中に登場する「海原光貴」は基本的に本人ではなく、その容姿をまとったエツァリを指す。
エリス=ウォリアー
20年前に死亡した学園都市の少年。シェリー=クロムウェルの友人であり、彼女の使う「ゴーレム=エリス」の由来となった人物。
学園都市とイギリス清教の共同で超能力と魔術を両方行使する人間を生み出す研究の素体としてイギリスを訪れ、イギリス側の協力者だったシェリーと出会う。しかし魔術を行使するや拒否反応が出て重傷を負い、時を同じくして乱入した共同研究に反対する騎士派の襲撃に遭い、シェリーを逃がすことには成功するが自身は騎士たちによって殺害された。
初春 飾利(ういはる かざり)
声 - 豊崎愛生
柵川中学1年D組所属。第177支部所属の「風紀委員」。低能力者(レベル1)。西葛西出身[7]。『超電磁砲』では主要人物の一人。SP初春編では主人公格として活躍する。
黒髪のショートヘアに飴玉を転がすような甘ったるい声色が特徴の少女。頭に造花の飾りの付いたカチューシャを付けており、遠目には頭に花瓶を乗せているように見える。天然なところもあるが、高度な情報処理能力を有し、洞察力も高い。正義感も人一倍強く、暗部組織間抗争の折には偶然出会っただけの打ち止めを守るために、学園都市第2位の垣根を相手に一歩も引かずに対峙したほど。常盤台中学や(黒子と違いまともな意味で)美琴に憧れを抱いているが、若干偏見も混じっている。
同学年の黒子とは「風紀委員」の同僚でもあるが立場的には後輩である。小6の時に強盗事件に巻き込まれたところを黒子に助けてもらったことがあり、比較的仲もよいが、しばしば平然と冷たいジョークを言ったり、喧嘩することもある。
「風紀委員」では主にオペレーターを担当し、情報の収集・伝達等のバックアップを担う。また、超一流のハッカーでもあり、ハッカー達の間では「守護神(ゴールキーパー)」と呼ばれ、その技術は黒子も舌を巻くほど。彼女が構築したコンピュータセキュリティを破るのは至難の技で、データを「防護」するというよりも侵入者を「攻撃」する構成になっている(度が過ぎて黒子に怒られることもある)。能力・身体能力などに劣る彼女が「風紀委員」になれたのはこの特技のためらしい。
能力はレベル1の「定温保存(サーマルハンド)」[8]。触れている物体の温度を一定に保つことが出来るというものだが、レベル自体が低いことに加え、余りにも高温や低温の物体にはそもそも触れることができないため、結果として対象は常温の範囲内の物体に限られている(暖かいお茶を冷まさなかったり、冷たい水をぬるくしない程度)。この制約により、劇中においてその能力が活かされる場面はない。
『超電磁砲』大覇星祭編では偶然「才人工房」と食蜂の関係を示す都市伝説サイトを発見したために彼女の能力によって操られてしまい、その翌日に黒子たちと同様不確定要素とみなされ一時的に美琴の記憶を消去されてしまう。その事実を聞いたうえで、裏方として警策と交戦する黒子をサポートした。
原谷 矢文(はらたに やぶみ)
横須賀が所属するスキルアウトにカツアゲの被害にあった学生。
横須賀の無駄に大きい存在感や、削板の根性論に外れた能力解説といった2人のやり取りにツッコミを入れる。
工山 規範(くやま きはん)
学園都市に住む高校生。
小学生の頃に教職員用パスワードを偶然解除してしまったことをきっかけにハッキングに目覚め、趣味的ハッカーとして暗躍するようになる。「守護神」の噂を聞きつけてそれに挑むも、初春に早々に見破られ「警備員」によって補導された。
フレメア=セイヴェルン
8歳の無能力者(レベル0)の少女。フレンダの妹。第13学区の学生寮に住む。
かつて駒場利徳が「無能力者狩り」から助けて保護し、その姿を携帯電話の画面で一方通行に見せた少女でもある。姉と同じく金髪碧眼で、ゲームやアニメのキャラクターのような派手でフリフリの衣装を着ている。B級ホラーゲームが好きで、グリーンピースが嫌い。「大体〜」と付けるのが口癖。
浜面と一方通行の両方に関わりがある人間という理由で「新入生」に標的として狙われていたため、半蔵に保護されていた。「新入生」による襲撃後は「アイテム」の面々に見守られながら暮らしている。『一端覧祭』前夜祭で迷子になった際、同じく迷子になっていた打ち止めと出会いともだちになっている。
それまでの経緯から、『人的資源』プロジェクトの人造庇護対象として「力点」に選ばれ「ヒーロー」達に追われることとなるが、垣根が連鎖の攻撃を受けたのを見て庇護対象以外の性質を獲得、AIM思考体に逆に干渉し薬味を恋査の内部に叩き込むことに成功する。
雲川 鞠亜(くもかわ まりあ)
繚乱家政女学校の生徒。雲川芹亜の妹。
舞夏のクラスメイトで、黒髪縦ロールに蛍光カラーでスカート丈が非常に短いという「電気街にいそうな」メイド服を着用している、繚乱家政女学校でトップクラスの成績に加え、能力強度・運動神経に幸運をも兼ね備えた完璧美少女を自負しており、ゆえにプライドの崩壊を招きやすい不測の事態や窮地に対する免疫を作るため、自らのプライドに傷がつく行為を率先して行っている。姉に似ず貧乳。
カポエラブレイクダンスポールダンスを組み合わせたオリジナルの格闘術を会得し、両腕両脚を通常の人間の範疇を越えて自在に操れる(本人によれば「右足で剣道できるし左足で槍投げできる」)。
命の恩人である加群の消息を追って「ナチュラルセレクター」が行われるバゲージシティーに潜入していたところで「グレムリン」と学園都市部隊との戦闘に巻き込まれる。戦乱の中円周との戦闘などを経て加群の死を見届け、マリアンの「戦乱の剣」の前に絶体絶命の状況に陥るが、上条の介入により難を逃れる。その後、第23学区での研修中に上条と再会、東京に侵攻した「グレムリン」との戦いに向かう上条たちに同行、飛行機が撃墜されてからはレイヴィニアやレッサーとともに行動していたが、意識を失ったフレイヤを上条から預かり、「死者の軍勢」になりながらも人命救助を行っていた加群とともに戦場を離れた。
能力はレベル2相当の「暴風車軸(バイオレンスドーナツ)」で、自分自身の体が生み出す遠心力を0.5-2倍の範囲で増減させる。ただし、身体構造の強化は出来ないため、全力で攻撃すると自分の体がダメージを負う。
微細 乙愛(びさい おとめ)
学園都市の学生であり研究者。SP上条編に登場。
高校生ながらも、ブレザーが不自然に見えるほどの妖艶な雰囲気を纏った色っぽい少女。戦闘ではを使うが、鞭で敵をいたぶる行為に快楽を感じている節がある。仲間からは「微細博士」と呼ばれ、第22学区に位置する密着微生物の研究施設「火星の土(マーズワールド)」の研究責任者を務めている。また、部下である私設の特殊部隊を護衛として引き連れている。
スタングレネードで相手を翻弄しながら爆音と閃光に紛れて「衝撃を伝導させやすい微粒子」を周辺に散布し、それを自身の能力で衝撃に指向性を持たせている。これにより、全長が1mほどしかない鞭の射程距離を10m以上延ばし、遠く離れた相手を自在に攻撃する戦術を取っている。能力の名称などの詳細は不明。
作中の数カ月前から密着微生物とコンタクトを始め、彼らを火星の過酷な環境から救い出し地球上で保護しようとする。その研究の中でテストのために同種の微生物を作り出そうとして、「演算能力を持たず、外部に流出すれば地球を覆い尽くしてしまうほどの莫大な繁殖力を持っただけの突然変異体」を生み出してしまう。それらは適切に管理していたものの、存在を聞き付けたフレイスと彼女に協力する上条達と交戦し敗れたために、人工変異体は絶滅させられる。その後、密着微生物を救出するためのシャトル発射を計画する。
扶桑 彩愛(ふそう あやめ)
『人的資源』の影響によってフレメアを救うために立ち上がった『ヒ-ロー』の一人。音響系能力を保有する。上半身がビキニ、下半身がぶかぶかのズボンという舞台衣装を着たゲリラバンドの少女。薄着は自分をさらけ出して歌を届けるという意図があるため。貧乳にコンプレックスがある。
巨大スピーカーを搭載した広告トラックを引き連れ、自身の能力と合わせた大音量と衝撃波を駆使して他の『ヒーロー』達と交戦していたが、乱入した麦野の一撃でトラックをすべて破壊されてしまった。
幌河(ほろかわ)
学舎の園にある女学校の一つ・枝垂桜学園に通う女子生徒。
アズミ
学園都市に住む女子小学生。
フレメアと同級生。大人しめの性格をしている。
天埜 郭夜(あまの かぐや)
ある統括理事のブレインを務める中学生くらいの少女。長い黒髪に十二単を纏う純和風な風貌だが、口調は粗野。その体躯は人間離れした「少女漫画みたいな」スタイルであるという。
学園都市が打ち上げている人工衛星「ひこぼしⅡ号」の中にある無重力生体実験室に滞在している。直径20メートルほどの無重力部屋に、半ば監禁されているかのように配属されている。「ひこぼしⅡ号」の主と形容されており、地上からの指示に応じて衛星の管理を行っている。
蜜蟻 愛愉(みつあり あゆ)
食蜂を憎む少女。強能力者(レベル3)。
精神系能力者の頂点に立つ素養を持っていたが、食蜂のスレーブとして時間割から切り捨てられた存在。そのことに悩み本編1年前の8月に入水自殺を図った。本来ならば上条が救出に向かっていたが、彼が偶然食蜂と接触したことで間に合わなかった。その後一命を取り留め、暗部に身を落としてファイブオーバーOSとファイブオーバーを貸与されて彼女の精神を破壊しようと暗躍する。戦闘の末食蜂を拘束することに成功したが、その場に駆けつけた上条と交戦。その後は今まで利用していた暗部組織などによる報復から守るため、少年院に送られた。
能力はレベル3の「心理穿孔(メンタルスティンガー)」。「心理掌握」と同様に脳内の水分を顕微鏡レベルで制御して精神制御を行うが、こちらはカメラと指先で標的を設定する。怒りなどで感情が高ぶると、空気中の水分の圧搾と対象内部からの水分子の抜出によりフリーズドライに似た肉眼で確認できる現象を起こすことも可能。マスターである食蜂と同じ能力開発を受ければ超能力者に達する可能性もあるとされている。
加納 神華(かのう しんか)
学園都市第6位「藍花悦」を名乗っていた少年。小柄で幼い印象の顔立ちで肩まで伸ばしたセミロングの茶髪といった容姿をしている。黒系のフードを頭にかぶっていたが、後にはずすようになる。[9][4]
友人であるフレンダ=セイヴェルンを追って学園都市へ入り込もうとするも、暗部に関わる事態に踏み込もうとしていたため、仲介人の横須賀から学園都市に入るために「藍花悦」をなのることを提案され、以降藍花悦として振る舞っている。フレンダの行方を探るべくダイヤノイドに潜入し、そこで上条と出会うがその際にサンジェルマンと遭遇し、ダイヤノイドの戦いに巻き込まれる。サンジェルマンの目的が自分にあると知ると、周りの人間を逃がすために単独でサンジェルマンに接触する。しかしそこでサンジェルマンから友人のフレンダの訃報とそのときの状況を見せつけられ絶叫し、「上条当麻がいなかったからフレンダが死んだ」というサンジェルマンの言葉に惑わされ上条に対する復讐を決意する。その後上条ではなくフレンダと同じアイテムであった浜面が現れ彼と戦おうとするが、上条がフレンダの部屋から持ち出した自分への誕生日プレゼントと彼女の自分への録音メッセージを聞いたことで「藍花悦」としての身分を捨て、自分の本当の名前を名乗りフレンダの死を利用したサンジェルマンに立ち向かい、上条、浜面、麦野たちアイテムやインデックスとオティヌスとを交えた総力戦の末サンジェルマンを撃破する。一人称は基本的に「ボク」だが、自分の本名を明かしたときには「オレ」を使っていた。
佐天 涙子(さてん るいこ)
声 - 伊藤かな恵
柵川中学1年D組所属。無能力者(レベル0)。

警備員(アンチスキル)

黄泉川 愛穂(よみかわ あいほ)
上条当麻が通う高校の教師。
詳細は先述記載を参照
才郷 良太(さいごう りょうた)
第84活動支部所属の「警備員」。
平時は鈴山高等学校で教師を務めている男性。所属支部は違うが黄泉川と共に行動することもある。
杉山 枝雄(すぎやま えだお)
学園都市の「警備員」。
ステファニー=ゴージャスパレス
学園都市の「警備員」。元傭兵兼暗殺者。モデルのような容姿の女性。
元は学園都市で「警備員」を務めていたが、傭兵となる。傭兵としての駆け出し時代に砂皿緻密に助けてもらった縁から、彼を師として慕っている。砂皿とは対照的に派手な近接戦闘を好み、特注の軽機関散弾銃を用いる。「警備員」の経歴を持つため、能力者に対する考察や対応も優れている。
砂皿を倒した絹旗に復讐するため、トマスの誘いに乗って学園都市を訪れると、重体の砂皿を交渉材料にしようとしたトマスを殺し、絹旗の命を狙う。絹旗の武器である窒素を奪うように戦うが、結果的には絹旗を侮っていたため敗北した。
松定博士亡命事件の前に「警備員」として復帰。同じ「警備員」である黄泉川とはそれ以前から面識があったらしい。12月1日には浜面とともにダイヤノイドに機材を搬入する仕事を請け負っていたところにサンジェルマンの襲撃を受け、その後は新生「アイテム」の面々とともにサンジェルマンたちと交戦した。
亀山 琉太(かめやま りゅうた)
学園都市防空部隊所属の「警備員」。
学園都市で防空パイロットに就くために教員となった人物。第三次世界大戦ではHsF-00を操り、ロシア空軍部隊を圧倒。その後「クレムリン・レポート」発動を阻止するべくエリザリーナ独立国同盟近郊の空域まで進行し、細菌兵器の散布装置を焼き払うが、麦野の「原子崩し」の余波を受けて機体が損壊し不時着した。
麓洞 龍一(ろくどう りゅういち)
学園都市の超音波爆撃機HsB-07のパイロット。バゲージシティへの攻撃でファイブオーバーを守る役割を負うが、マリアンが投じた『ロキの投網』に機体ごと絡め取られる。
手塩 恵未(てしお めぐみ)
工示 雅影(こうじ まさかげ)
第73活動支部所属の「警備員」。

統括理事会

アレイスター=クロウリー(Aleister=Crowley)
声 - 関俊彦
学園都市統括理事長。学園都市の最高権力者。元世界最高最強の魔術師にして現世界最高の科学者。
窓もドアもないビルの中、緑色の手術衣を着て、赤い液体に満たされた巨大な円筒器に逆さまで浸かっている人間。作中では「男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える」と描写される。生命活動を全て機械によって補い、計算上は1700年の寿命を持つ。肉体はほぼ仮死状態に近く、思考の大半も機械で補っている。基本的に生命維持装置から出ることはなく、外から情報を得て指令を出すだけだが、その気になれば出ることもできる。
その詳細は不明だが、「エイワス」や「虚数学区・五行機関」の制御や利用を土台にして「計画」の達成のために行動しているらしく、学園都市中にばら撒いた「滞空回線」で、学園都市内の情報を細かく把握し、その他の組織との微妙なパワーバランスを操るなど、常に何らかの計算を行っている。上条の存在や、一方通行の「絶対能力進化実験」およびそれの頓挫なども想定範囲内に納め、修正、調整によって「計画」自体に大きな影響はないとしているが、度重なるイレギュラーや第三次世界大戦の影響で「計画」に大きな誤差が生じているようである。「計画」のために多大な犠牲をもいとわないが、その一方で甘さを捨てきれない部分もあり、自分の行いが魔神たちのものと変わらないことに苦悩することもある。オティヌスによれば宗教によらない科学の世界を直接扱うことこそがその目的であるとされる。
公には明らかにされていないが、その正体は20世紀最高にして最低の魔術師と言われた「アレイスター=クロウリー」(実在の人物で、本名はエドワード=アレクサンダー=クロウリー)その人。アレイスターの活動したわずか70年ほどで数千年を超える魔術師の歴史が塗り替えられたとまで言われ、現在の魔術師の2割がアレイスターの亜流、何らかの影響を受けている者ならば5割に届くとされる。法の書などの魔道書を記した魔導師でもあり、名実共に魔術師の頂点に君臨していた。魔法名はBeast666。幼少期の経験がもとで魔神たちが作る不完全な世界に失望し、自らが完全な世界を作ることを夢見て「黄金」に入る。真理に近づく過程で結社の崩壊、幼稚な運命論による実の娘の死、妻との離婚などを経験し、自らが魔神となることを拒み「人間」として家族と同じ領域に立ち続けた。しかし、突如として魔術を捨て科学に奔ったため、魔術サイドからは魔術史上最大の侮辱として全世界の魔術師を敵に回すことになった。その後、魔術師討伐組織に追われ、ボロ布同然になっていたところを冥土帰しに助けられ、彼の助力もあって学園都市を創設することとなる。
本名の「アレイスター=クロウリー」を名乗っているが、同時に誤情報も流し、機械によって魔術的探査からも逃れているため[注 3]、一般には魔術師アレイスターと同姓同名の別人か名を騙った偽者と思われている。作中で彼が本人であることを知っている描写があるのは冥土帰しと土御門くらいであったが、第三次世界大戦終戦間際にてロシアに現れ、自らの「計画」を逆算、阻止される可能性を潰すためフィアンマを制裁した際の700秒間を、イギリス清教に探知され、生存が確認される。それ以降はイギリスに対しても完全に連絡を絶っていたが、オティヌスの行為に介入した真のグレムリンメンバーたちが潜む「位相」に侵入し、激情に任せて魔神達と戦闘を開始する。その結果体の3分の1を焼き焦がされるが、肉体の修復を終えあらゆる魔術を撃滅するための闘いを開始する。魔神達が実存世界に現れた際、事前に魔神の一柱であるゾンビを倒し、魔神達の実存世界での活動を可能にする術式に何らかの細工を施し、彼らのパラメーターを操作し、宣戦布告した。僧正を脳幹が倒した直後、「魔神」達を次々と葬る何者かの存在に気づく。
トマス=プラチナバーグ
学園都市統括理事会の一人。
若手で、ゆくゆくはアレイスターの跡を継ごうと考えている成金。
一方通行と「猟犬部隊」の戦いの際に、情報収集のために一方通行に強襲される。その後、一方通行に復讐するため、重体の砂皿緻密を使ってステファニー=ゴージャスパレスを雇おうとする。しかし、万が一のために砂皿の身体に仕込んでいた内臓を停止させる特殊な発信機の存在を彼女に見抜かれた上、それを逆に自身の体内に埋め込まれて死亡した。
親船 最中(おやふね もなか)
学園都市統括理事会の一人。親船素甘の母親。
年齢は50 - 60歳程度。娘からの手作りの贈り物を身に付けるなど、家族想いの女性。
人格者で、理事会の思惑に反して学園都市とローマ正教の全面対決を回避しようとしたり、学園都市の子供達に選挙権を与えようとしたりしている。その為、他の理事会メンバーには良く思われておらず潮岸の牽制を受けている。単純に善人というわけでもなく、かつては「平和的な侵略行為」とも称された話術・交渉術に長けた辣腕家である。
潮岸(しおきし)
学園都市統括理事会の一人。
学園都市の軍事技術分野に縄張りを持ち、理事会の中でもかなり暗部に関わる老人。身の安全を第一にすることこそが趣味という感じで用心深い性格。普段から特注の「駆動鎧」を着込み、部下も離反の可能性を考え「杉谷班」と「美濃部班」に分けている。
「ドラゴン」について知っており、また知ろうしている者の暗殺を行っていた。そのため、「ドラゴン」を知ろうとしている「グループ」を消そうとしたが、親船最中の協力を得た彼らに逆に追い詰められた。最終的にエイワスが現出するきっかけとなる。
貝積 継敏(かいづみ つぐとし)
学園都市統括理事会の一人。
自身も学者であるらしい老人。雲川芹亜をブレインとして雇いこの地位にいる。
「原石」に対する扱いなど、理事会のメンバーの中では善人であり、雲川には甘いと評されている。『人的資源』プロジェクトを阻止しようとしていたが、そのために薬味に疎まわれ、薬味の策略により『人的資源』プロジェクトの黒幕に仕立て上げられ、土御門に襲撃される。
薬味 久子(やくみ ひさこ)
学園都市統括理事会の一人。
外見年齢は30歳程だが、実際は70代の女性。医療関係に明るく、自身も第十三学区の病院で医師を勤めるという顔を持っている。元々は患者からの信頼も篤い名医であったようだが、いつのころからか木原唯一の知的好奇心を植え付けられており、その結果「人的資源」の事件を引き起こすことに繋がってしまった。
『人的資源』プロジェクトの主導者であり、その目的完遂のためにフレメア殺害を目論む。その障害になる新生アイテムを人食ゴキブリを使って襲撃するが失敗して肉体を失う。しかし自らの体をAIM拡散力場を触媒にした濃淡コンピュータに転移させて目的完遂を図る。しかしフレメアが守られる側ではなく守る側になるという決意を固めたことから、フレメアの『人的資源』プロジェクトにおける価値が霧散し、上条の「幻想殺し」によって脱落した。間もなく意識を取り戻すものの、フロイラインによって自らの存在を限界ギリギリまで捕食されることになる。

AIM思考体

風斬 氷華(かざきり ひょうか)
声 - 阿澄佳奈
本作のヒロインの1人。上条たちの通う高校へやってきたインデックスが学園都市で出会った初めての友達。
巨乳の眼鏡っ娘で、温厚かつ引っ込み思案な性格。姫神も、霧ヶ丘女学院在籍時に名前だけは知っていた。初登場当時は、学園都市における謎の存在である「虚数学区・五行機関」の正体を知るための鍵という情報以外、一切が謎に包まれていた。その正体は、膨大なAIM拡散力場がもたらす「"人間がいる"と思わせる」物理的情報の集合体、つまり人の姿となった「虚数学区・五行機関」そのもの(=AIM拡散力場の一部。端的に言えば「超能力の塊」)である。そのため、実際の街中を闊歩するとノイズが走り、見るものは立体映像と錯覚する。
学園都市に侵入したヴェントへの対抗手段として、アレイスターの策略により人工天使「ヒューズ=カザキリ」に変貌するも、インデックスらの尽力で救われる。第三次世界大戦では自らの意思で出撃し、一方通行と共に大天使「神の力」と交戦する。そして、打ち止めの治療法を模索する一方通行にかつてインデックスが行った歌による治療法を伝えた。
能力は「正体不明(カウンターストップ)」。常人を超える身体能力や再生能力を発揮する能力。詳細なレベルは不明だが、「能力の希少価値」が評価される霧ヶ丘女学院ではトップだった。
ヒューズ=カザキリ
風斬氷華をベースに、AIM拡散力場の集合体(虚数学区・五行機関)を部分的に展開させて構築された人工天使。
「妹達」のミサカネットワークの計算能力(「妹達」の意思に関係なく強制的に計算させている)でコントロールし、打ち止めにウィルスを打ち込むことで、現出する。この状態になると、頭には天使の輪、背には雷光のような翼が生える。また、現出することで界に圧迫を与えるため、魔術師には大きな負荷がかかる。
戦闘力は本物の大天使には及ばないものの非常に高く、強力な雷光のような力を操る。
エイワス
「ドラゴン」と呼ばれる学園都市の最重要機密。ヒューズ=カザキリを核とし、AIM拡散力場を集合させることで現出する。
本人によれば、AIM拡散力場という「濃度の高い食塩水」にヒューズ=カザキリという異物を加えることで「結晶化」したのがエイワスであり、ヒューズ=カザキリとはAIM拡散力場をエイワスという「結晶」とするために調整された特殊な「核」であるらしい。たまに言葉にノイズが混じるが、それはこの世界では「ヘッダが足りない」ために意味を表現できないからだという。人には理解できない青ざめた輝きのプラチナのような翼を使った攻撃で、一方通行の反射を力でねじ伏せた上に黒い翼の力さえも圧倒した。その後、打ち止めの救済法を求める一方通行が意識を失う直前に、禁書目録という言葉を頼りにロシアへ向かうことを促した。
変形機能を持つことが窺える上、幾つかの異なる時間軸ではアレイスターの「プラン」の崩壊を示唆している。
一方通行以外の「グループ」のメンバーには興味がなかったので気絶させるなど興味がないものには完全に無関心であり、風斬にロシアで戦うかどうかの決断を迫る際にはロシアの動向に興味はあるが戦うほどではないとし、自身の存在や人類そのものに対しても関心がないことを示唆している。
フィアンマによると神学や聖書でも説明できず、神の属性からも外れた存在とし、神の定めた運命を切り崩す糸口である異形な天使。なお第7巻および史実より、「魔術師」アレイスターに法の書の内容を伝えた聖守護天使である「エイワス」と同じ天使。伝えた当時の記憶を持っていることから、同じ存在であることが伺えるが、当時の存在の方式が現在のAIM拡散力場を元にする存在とは違うはずのため、完全な同一の存在かは不明。また、完全な魔神である「僧正」によれば「完全な失敗作」とのことであるが詳細は不明。

学園都市の暗部組織

猟犬部隊(ハウンドドッグ)

木原 数多(きはら あまた)
声 - 藤原啓治
都市の暗部組織「猟犬部隊」のリーダー。学園都市の科学者。木原一族の一人。
顔の左半分に刺青がある男で、両手にマイクロマニピュレータを装備している。部下を平然と使い捨てにし、雑草を抜くような感覚で躊躇なく人を殺す残虐な性格(その殺意には敵意が無いため、ヴェントの「天罰術式」が効かない)。一方で優秀な科学者でもあり、かつては一方通行の能力開発にも関わっていた。
自身の肉体で金槌レベルの衝撃を顕微鏡級の精度で行使する技能を持っており、さらに一方通行の能力開発に携わっていたことから、彼の能力や思考パターンを熟知しており、手首を当たる直前で返すという特殊な体術で彼にダメージを与えることができる(当たる直前に手首を返す、つまり手前に引くことにより一方通行のベクトル変換を逆手に取り、一方通行が自分から木原の拳を自らの体に引き寄せることになる)。ベクトルの向きを変えても、すぐにそれに対応するなど、頭の回転も早い。ただしこれは対一方通行の能力専用の戦法であるため、一方通行が能力を使用できなくなると、自身のこの戦法も無効になってしまう。
ヴェントの侵攻(「0930」事件)に際して、アレイスターがこれを迎え撃つためにヒューズ=カザキリの現出を画策。そのため、木原は打ち止めの誘拐及びウイルス「ANGEL」の注入を指示される。打ち止めを守ろうとする一方通行と戦うことになるが、先述の特殊な攻撃によって一方通行にダメージを与えこれを退ける。ヒューズ=カザキリを現出させた後に再び一方通行と戦い彼を追い詰めるが、全演算能力を失った彼に逆に追い詰められ、最期は黒い翼で音速をも超える速さで飛ばされて死亡した。
オーソン
声 - 松尾大亮
「猟犬部隊」の一員である男性。
一方通行から脅迫され車を運転した。一方通行から解放された後冥土帰しの病院へ送られたが、その後の消息は不明。
ロッド
声 - 宮崎寛務
「猟犬部隊」の一員である男性。
一方通行を追跡し第三資源再生処理施設へ向かったが、他の隊員と同じく撃破された。
ナンシー
声 - 牛田裕子
「猟犬部隊」の一員である女性。
一方通行を追跡し第三資源再生処理施設へ向かったが、ショットガンで下顎を吹き飛ばされた上にプレス機で潰されかけた。
ヴェーラ
声 - 茅野愛衣
「猟犬部隊」の一員である女性。同僚からは暗部に似合わない健全な人間だと評価されている。
一方通行を追跡し第三資源再生処理施設へ向かったが、部隊の全滅と仲間の凄惨な姿を目撃し絶望と混乱に呑み込まれながら一方通行に撃破された。
マイク
声 - 小島英樹
「猟犬部隊」の一員である男性。かつて冥土帰しの患者だったらしく、面識がある。
オーソンとインデックスを追跡して第七学区の病院へ向かったが、冥土帰しから忠告を受けた後一方通行に撃破された。
デニス
声 - 松尾大亮
「猟犬部隊」の一員である男性。
オーソンとインデックスを追跡して第七学区の病院へ向かったが、他の隊員と同じく一方通行に撃破された。

グループ

土御門 元春(つちみかど もとはる)
声 - 勝杏里
都市の暗部組織「グループ」の構成員。
一方通行(アクセラレータ)
声 - 岡本信彦
本作の主人公格の一人。学園都市第1位の超能力者(レベル5)。暗部組織「グループ」の構成員。
海原 光貴(うなばら みつき) / エツァリ
声 - 岸尾だいすけ(海原光貴の姿時)
都市の暗部組織「グループ」の構成員。中米の魔術結社「翼ある者の帰還」に所属していたアステカの魔術師。
本名はエツァリだが海原光貴の姿を借りており、海原光貴という表記は基本的に彼を指す。素顔は黒髪に褐色肌の容姿をしている。土御門同様、魔術師でありながら科学サイドにも所属しているので、魔術・科学両サイドの豊富な知識を持っている。普段は爽やかで物腰柔らかい印象だが、腹黒い一面もある。だが、かつての仲間であるショチトルの見舞いに頻繁に訪れたり、魔術の行使のためにトチトリを「利用」したテクパトルに対して激昂するなど、基本的には仲間思いな性格である。「グループ」の一員になった後も余計な被害を出したくないという理由で海原の姿は借りたままであり、「グループ」のメンバーにも偽者であることは明かしているが本名ではなく海原と呼ばれていた。また、自分が魔術師であることも隠していなかった。海原の姿を借りている現在は元同僚のショチトルにも敬語を使うなど常に丁寧な口調で話すが、ショチトルによると組織にいた頃はそんな口調ではなかったらしい。
上条が科学サイドと魔術サイド両方に精通したことで、「上条勢力」という新たな団体ができつつあることを警戒した組織の命令で、学園都市へ潜入し、変装魔術で海原になり済ますことで、内部から上条の仲間関係を壊そうとした。しかし、利用しようとした美琴に惚れてしまい、上条に敗れた時、彼に「御坂美琴とその周囲の世界を守る」よう約束させる。その後、組織を裏切り、陰から美琴を守るため暗部組織「グループ」の構成員となって行動するようになる。その後、上層部がスキルアウトに依頼した御坂美鈴への暗殺計画を上条との約束の借りとして撤回させ、暗部組織間抗争では、変装魔術を駆使して「ブロック」を攪乱し、かつての仲間であり、「メンバー」に潜入していたショチトルと相対した際に、彼女の肉体に仕込まれていた魔道書「暦石」の派生系の原典を引き継ぐことで、彼女の一命を取り留める。後に「ドラゴン」の調査のため、統括理事潮岸のアジトに潜入した際、親船最中に変装して潮岸を欺き、潮岸の元に潜伏していた元同僚のテクパトルとの戦いでは、彼が用いた原典「月のウサギ」を逆利用し、原典の暴走を誘発することで撃退し、2冊目の原典を手にする。
人の皮膚を剥ぎ取った護符を使いその人間に変装する魔術を使う。その際、変装する相手の特徴を一週間かけて調べてから行うようにしている。また、金星の光を黒曜石のナイフで反射し、その光を浴びたもの(無機物・有機物・大きさは関係ない)を構成する全パーツに解体する「トラウィスカルパンテクウトリの槍」のレプリカを武器に用いる。ただし、対象は1度につき1つに限定されるため、複数を相手にするには不向き。ショチトルとの戦いで、魔道書の原典を入手後しばらくは、原典の汚染に苦しんでいたが、徐々に自分のものにしていき、「月のウサギ」の所有者に選ばれた際は「自分は原典に気に入られている」と解釈している。
結標 淡希(むすじめ あわき)
声 - 櫻井浩美
都市の暗部組織「グループ」の構成員。霧ヶ丘女学院2年生。大能力者(レベル4)。窓のないビルへの「案内人」。
長い赤髪を2つに分けており、上半身は胸を隠す程度の桃色の布にブレザーを羽織り、下半身はミニスカートのみと露出度の高い少女。「残骸」の事件後、経緯は不明だが小萌の家に居候している。
他の「グループ」構成員3人がそれぞれ年下の少女のために活動している(土御門→舞夏、一方通行→打ち止め、海原→美琴)ため、彼らをロリコンと揶揄したが、逆に3人からは、「残骸」事件の仲間だった少年たちのために活動しているためショタコンと指摘され、激しく動揺していた[注 4]
かつて自身を転移させた際に座標を誤り、足に重傷を負う。そのトラウマによって自らの能力に怯え、また自分の能力の必然性に疑問を持ち、能力者の少年たちや学園都市外部の科学結社と結託して「樹形図の設計者」の「残骸(レムナント)」を巡る事件を起こす。しかし、黒子に自分の考えを否定され、自暴自棄になったところを実験再開を阻止するために現れた一方通行に倒される(科学結社も「警備員」に壊滅され計画自体も失敗に終わる)。その後、学園都市に仲間だった少年たちを人質に取られてしまい、彼らを救出するため暗部組織「グループ」の構成員となって行動することになる。スキルアウト鎮圧戦では能力が不安定状態でありながらリーダーの駒場と交戦。暗部組織間抗争では、アレイスターの殺害を目論んだ「ブロック」が、その「案内人」である自分との交渉材料として狙った仲間達を守るため、彼らが収容されている少年院に向かい、再び足を負傷するも、過去の恐怖に打ち勝ち手塩を撃破する。
第3次世界大戦後は、一方通行により暗部が解体されたことで、元の日常生活を送っている。
能力はレベル4の空間移動系「座標移動(ムーブポイント)」。通常の「空間移動」と違い、直接物体に触れずとも物質を転移させることができ、距離は800m以上、重量は最大4.52t(ただし1t以上は身体に悪影響が出る)を転移可能と同系統でもトップクラスの能力。本来はレベル5に認定されてもおかしくないが、前述の事故によって自身を転移するのには体調を狂わすほど精神を消耗するためにレベル4止まりとなっている。そのため、相手の攻撃に対し転移で避けることができず、何かを自分の周りに転移することで防御していた。「残骸」の事件で一方通行に敗れたことで、さらに能力が不安定化し、低周波振動治療器を用いて精神を安定させていたが、「ブロック」との戦いでトラウマを克服する。その後は、自身の転移も軽々と行っており、後の「迎電部隊」との戦いでは視界に入っていない位置への転移も行っている。また、自由度の高すぎる能力に基準をつけるため、警棒兼用の軍用懐中電灯を用いている。
グループの連絡係
声 - 野島健児
都市の暗部組織「グループ」の上役を務めていた男性。容姿や本名は不明。
「0930」事件において、一方通行を暗部に引き込んだ都市上層部の人物。非常に丁寧な口調だが、学生の回収運動に動いた保護者代表の御坂美鈴への暗殺をスキルアウトに依頼するなど、学園都市への障害を取り除くためなら手段を選ばない冷酷な人物でもある。

スクール

垣根 帝督(かきね ていとく)
学園都市第2位の超能力者(レベル5)。都市の暗部組織「スクール」のリーダー。
長身・茶髪でヤクザ予備生+新人ホストのような風貌の少年。同じレベル5の麦野をあっさり退け、一方通行の反射を打ち破るなど、非常に高い戦闘力を誇る。性格は非常にきまぐれで自分を「最低の人間」と称するが、一般人には極力手を出さず、脅威にならないと判断した浜面や滝壺を見逃したりしている。一方で、打ち止めを逃がそうとした初春を殺そうとするなど、自分の目的を阻害する存在には容赦しない冷酷な一面もある。
アレイスターの計画の第2候補(スペアプラン)であり、目的は不明だが彼との直接交渉権を得るため、暗部組織間抗争で第1候補の一方通行の命を狙う。一方通行の反射を破るなど善戦するが、自身の能力を解析されて敗北する。その後、止めに入った黄泉川を攻撃したため、激昂した一方通行が「黒い翼」を発現して暴走する。その様を見て自身の能力をより深く理解し、覚醒させるが、「黒い翼」に一瞬のうちに敗れ、瀕死の重傷を負う。
その後はアレイスターの指示で回収され、一命を取り留めるも、脳は3分割されて容器に納められ、潰れた内臓を補うために冷蔵庫より大きな機材を取り付けられた状態(麦野によると「超能力を吐き出すための塊」)となり、後述の「未元物質」を素材として生み出すための道具にされてしまっている。しかし後に、「未元物質」を使って人体細胞を構築する術を獲得し、それによって失われた器官を補い復活した。これにより不死身の存在となり「ヒト」という枠を超える存在となった。その姿は初登場時と比べると遥かに人間離れしていて、体や服も「未元物質」によって作られている為か真っ白になっている。 しかし、未元物質で構成した「カブトムシ05」と呼ばれる戦術兵器が自我を持ち[注 5]、善良なる「垣根帝督」となってからは能力を乗っ取られたため前述のような見た目から以前のような外見に戻った。エイワスからは「垣根帝督」として気にされている。
一方通行や麦野は主導権を握ったカブトムシこそ「垣根帝督」と呼べる存在であり、以前の彼だった人格は「誰でもない者」と述べる。その後はフレメアの「トモダチ(保護者兼ボディガード)」としてこっそり同居する。「人的資源」の一件では「主体を必要としない」という特性を逆手に取られて恋査によって能力に介入されてフレメアを危険にさらしてしまったが、その特性を逆に利用して再起動し、「博覧百科」で上条と共闘して恋査を撃破した。
なお、本来の肉体はフロイライン=クロイトゥーネの代用品として「グレムリン」に持ち去られ、「主神の槍」の材料として利用された。
能力はレベル5の「未元物質(ダークマター)」。この世に存在しない新しい物質(素粒子)を作り出す能力で、それを活用することで既存の物理法則を塗り替えることも可能。能力を発生させると天使のような6枚の発光する翼が形成され、それにより飛行、防御、打撃、烈風を生み出すことができる。またその翼を通過した太陽光を殺傷力をもった光線に変えるなど、かなりの自在性を持つ。麦野の「原子崩し」を受けても即座に再生するなど驚異的な再生力を持ち、物理攻撃に対してはほぼ無敵であるうえ内部で情報伝達を行う電気信号も直結ではなく自由伝達を可能とするため、信号を逆流させても効果はない。物質表面にこびりついた細かな凹凸をなぞることで、その場に残留した情報に形を与えることもできる。さらに、他の物に能力を転移させることもできるようで、「未元物質」が搭載された兵器が登場している。これらの特異性を持ち、数ある超能力の中でも類を見ない異質な能力である。なお、「ダークマター」という名称だが暗黒物質ではなく、あくまで(理論上も)この世に存在しない物質である。
心理定規(メジャーハート)
本名不明。都市の暗部組織「スクール」の構成員。
14、5歳の外見をしているが、ホステスが着るような赤い派手なドレスを着ている少女。格好通りホテルで男性と会うなど、いわゆるホステスのような仕事もしているが、身体は売らず、単に話を聞いてあげるだけという。垣根によると「よくわからん世界」。
暗部組織間抗争では「アイテム」との戦闘で浜面を追い詰めたりしたが、一方通行との戦いでは能力が無意味な相手と考え、垣根に任せて戦線離脱する。結果として「スクール」では唯一無事であり、後の暗部組織の再編に登場している。
能力は「心理定規(メジャーハート)」。標的の他人に対して置いている心理的な距離を読み取った上で、それを元に標的と自分の間に存在する心理的な距離を自由に操ることができる能力。例えば、近しい人物相当にまで距離を縮められてしまえば攻撃ができなくなり、さらに、それ以上の関係に近づけることで、相手の本心を能力で塗り潰すこともできる。しかし、中には「距離が近しいほど殺意が沸く」、「裏切られたことに逆上し、より一層激しい攻撃を仕掛ける」というような人間もいるために、全ての人間の攻撃を封じることができるわけではない。
ゴーグルの少年
本名不明。都市の暗部組織「スクール」の構成員。
頭全体が土星の輪のように金属のゴーグルに覆われており、360度にプラグで刺したケーブルが腰の機械に繋がっている少年。計画の際に、人員を確保するのに利用した「人材派遣(マネジメント)」と呼ばれる紹介屋から情報が漏れるのを防ぐため、「グループ」の護送車を襲撃し「人材派遣」を殺害する(「人材派遣」以外は気絶で済ませている)。暗部抗争で「アイテム」に殺される。
砂皿 緻密(すなざら ちみつ)
傭兵兼暗殺者。紹介料だけで70万と言う実力者。
絹旗に殺された「スクール」メンバーの代用として「人材派遣」を介して雇われた補充要員。学園都市製の磁力狙撃砲で、親船最中の暗殺を試みるが、一方通行らに阻止されて失敗。その後、垣根たちと「アイテム」を襲撃した際に、絹旗の反撃を受けて意識不明の重体に陥る。
その後、一方通行に復讐したいトマスステファニーとの交渉材料にするため回収。生命維持装置に入れられて彼女の元に送られた。
SP初春編では、「警備員」の依頼を受け、衛星誘導車を足止めする為に高架道路を狙撃・破壊した。

アイテム

麦野 沈利(むぎの しずり)
声 - 小清水亜美
学園都市第4位の超能力者(レベル5)。都市の暗部組織「アイテム」のリーダー。
お嬢様タイプの女学生。表向きは面倒見のいい頼りがいのあるリーダーとして振る舞っているが、実際にはプライドが非常に高く、自己中心的かつ逆上しやすい性格。特に激昂すると不良のような下品な口調になる。ただし、浜面と和解後はそういった部分はなりを潜め、あっけらかんとした明るい性格になっている。シャケ弁が好物。年齢については明らかにされていないが、美琴を年下と見下していたことから高校生以上と思われる。浜面に敗北後は右目は機械の義眼、左腕は義手になっている。なお、この義眼は脳と直結しており、ケーブルを繋ぐことで機械から直接情報を受け取れる機能を有している。
8月19日に「絶対能力進化実験」の実験施設の防衛を依頼され、侵入してきた美琴と交戦。フレンダ、滝壺と3人がかりで美琴を追いつめるも能力と地の利を生かされ取り逃がした。直後、研究員を脅して実験の秘密事項を聞き出し、面白がってそのまま放置することにした。『革命未明』編では「スタディ」に自立機動兵器のデータ取得に利用され、その報復のため「スタディ」の本拠地を襲撃、同じく「スタディ」と敵対する美琴を不本意ながら援護することになった(『超電磁砲』にて)。
暗部組織間抗争では垣根と2度戦うが、2度ともあっけなく敗北。その後、保身から情報を流したフレンダを粛清し、「スクール」に挽回するため既に限界状態の滝壺に体晶を使わせようとする。さらにそれに反発した浜面を殺そうとするが、油断から右目を潰され、能力の暴走で左腕を失って敗北する。しかし、能力再利用のためにアレイスターに回収され、冥土帰しが残した「負の遺産」と呼ばれる医療技術で一命を取り留めた。抗争後、復讐のために再び浜面と滝壺を襲うが、浜面の機転によってまたも敗北。その後、(結果的にだが)彼らの逃亡を手助けし、浜面を追うべく自身もロシアへ向かう。ロシアでは体晶による驚異的な力で浜面を追い詰めたが、体晶の副作用で肉体が限界を迎えて自滅。その際に浜面の説得を受け入れて和解し、浜面や滝壺と共に学園都市に帰還した。
新約では絹旗、滝壺、浜面とともにアイテムとして活動しながらも、暗部からは身を引いている。一巻でフレンダの墓参りに行った後、不良たちから逃げて行った浜面と合流する際に絹旗たちとだれが一番早くに浜面を探すかのゲームを行い、その最中で暗部のにおいをかぎつける。捜索中に打ち止めと遭遇し、以前では考えられないほどの寛容さで対応していた。その後上条の部屋で浜面と再会し、フレンダの妹のフレメアと対面したときは第一声に「おまえの姉を殺した女です。よろしく。」と言い放ち浜面に突っ込まれる。さらにそこで一方通行と出会い、元暗部同士自分の罪の清算について述べ合った。六巻で垣根に追われる身となったフレメアを救うため垣根と戦い、ダークマターで作られた妹達に追いつめられる一方通行に死者に対する向き合い方を諭した。七巻でも『人的資源』プロジェクトの中心となっているフレメアを救うためにアイテムを引き連れてヒーローたちの一掃を行った。十二巻ではアイテムのメンバーと浜面を待つついでにダイヤノイドでショッピングに来ており、そこで襲ってきたサンジェルマンと交戦した。このとき、自分の攻撃線上に出入りする浜面を面倒くさく思っており、まとめてレーザーで攻撃しようとして、滝壺に「待ってむぎの待って」(声は平坦だが麦野は戦慄を覚えた)と止められた。
能力はレベル5の「原子崩し(メルトダウナー)」。電子を波と粒子のどちらでもない状態に固定し、自在に操る能力(正式な分類上では「粒機波形高速砲」と称される)。結果として、固定された電子は、ほとんど質量を持たない「壁」として機能し、その「壁」を高速で動かし叩きつけることで圧倒的な破壊を引き起こすことが可能。またこの状態の電子を一定座標でループさせることも可能であり、浜面との2度目の対決ではこの方法で失った腕を能力で補うという手法を見せた。ただし、威力が強すぎるので目標設定は慎重に行う必要があり、自然と発動は遅くなってしまうのが欠点。また、反動も大きく、通常は無意識下でリミッターを設け、自身が傷つかないようにしている。連射性能の低さは「拡散支援半導体(シリコンバーン)」というカード状の道具を通すことで補うことが可能。なお、能力だけでなく身体能力もスキルアウトで鍛えていた浜面を圧倒するほどのレベルにある。
絹旗 最愛(きぬはた さいあい)
声 - 赤﨑千夏
都市の暗部組織「アイテム」の構成員。大能力者(レベル4)。
見た目12歳ほどの女子中学生。言葉にやたらと「超 - 」と付けるのが口癖。その能力より「アイテム」での活動ではもっぱら前線に立つため、かなり戦闘慣れしている。プライベートではB級以下の映画マニア。日ごろから「総合的に見れば超スタイルはいい」と豪語しているが、内心ではメンバーで一番胸が小さいことを気にしている。
『超電磁砲』にて、絶対能力進化計画編では8月19日に単独で美琴が向かったのとは別の研究所に行き、布束を拘束した。天賦夢路編では偶然美琴と遭遇したものの個人的な遺恨はなく、貧乳という同じ悩みを抱える仲間として「巨乳御手」を探すため協力した。
暗部組織間抗争では垣根に敗れ負傷するが、その後はすぐに戦線に復帰し、雲川の依頼でアメリカの要人ジョージ=キングダムを暗殺している。「アイテム」壊滅後は浜面とケンカ友達のような仲(絹旗はあくまで上下関係を主張)となっており、映画鑑賞や滝壺のお見舞いなど共に行動している。新約でもアイテムとして活動しており、ときどきお笑い要因のような立ち位置になる。浜面がいない場合に代わりにツッコミ役に回ることが多く、よく過激な行動に出がちな麦野のストッパー役になったり、話を聞かない麦野と口げんかをしている。
能力はレベル4の「窒素装甲(オフェンスアーマー)」。窒素を自在に操ることができる能力で、窒素越しに自動車を持ち上げたり、弾丸を受けとめたりできる。ただし、射程距離は短く、物を動かす際はある程度まで手を近付けて動かす必要があるため、傍目には怪力であるように見える。また、一方通行のような常に能力が展開された自動防御機能があり、例えば狙撃などの不意打ちであっても彼女には効かない(垣根によると、自動防御は一方通行の演算パターンを参考に「自分だけの現実」の最適化を目的とした「暗闇の五月計画」の副産物らしい)。ただし、窒素が無いと能力を使えないため、非常時に備えて液体窒素を入れた容器を携帯している。また、能力が無ければただのか弱い女の子だと本人も認めている。
フレンダ=セイヴェルン[10]
声 - 内田真礼
都市の暗部組織「アイテム」の構成員。フレメアの姉。
金髪碧眼の女子高生。脚線美が自慢で「結局」「ワケ」が口癖。サバ缶が好物。お調子者な性格をしているが、戦闘においては冷徹な一面も見せる。非常に顔が広く、裏の世界と表の世界を合わせれば、4桁にのぼる知り合いが入るいる。
『超電磁砲』にて、絶対能力進化計画編では8月19日に施設に侵入してきた美琴と遭遇、功績を独り占めするため単独で迎え撃ち話術なども駆使して彼女を翻弄したが、詰めの甘さのせいでミスを犯して敗北。麦野が駆け付けたおかげで難を逃れ、能力の過剰使用で継戦が困難になった滝壺を連れて戦線を離脱した。
暗部組織間抗争では「スクール」に捕まり、保身から「アイテム」の情報をしゃべってしまい、そのことで麦野に殺される。遺体は第10学区の墓地に埋葬される。新約では死後でありながらもたびたびその存在が言及され、一端覧際のときには彼女の姿を模倣した暗部の手先が現れた。第十五学区の上層マンションに秘密の部屋を持っており、そこで麦野や友人の加納たちへのプレゼントを考える場所として使っていた。
戦闘スタイルは、「アイテム」内では唯一能力には頼らず、リモコン式を始め、時限式・着火式の爆弾を武器に用いる方法で、心理戦も併用する。格上の美琴を翻弄させるしたたかさを見せたが、詰めが甘い。
滝壺 理后(たきつぼ りこう)
声 - 洲崎綾
本作のヒロインの1人。都市の暗部組織「アイテム」の構成員。大能力者(レベル4)。
ピンクのジャージを着用している脱力系の女子高生。着やせしやすい隠れ巨乳。他人の名前を呼ぶときは「はまづら」「きぬはた」などの平仮名で表記される。何事に対しても無気力に見えるが、浜面(恋人関係になる以前)を助けるために副作用がある体晶を躊躇せずに使用したりするなど、仲間想いで心優しい性格。趣味は後述の能力による日光浴ならぬ「AIM拡散力場浴」。これには能力を暴走させる必要はなく、ボーっとしている時は大抵他人のAIM拡散力場に身をゆだねている。
危険を冒してまで自分を何度も救ってくれた浜面に対して恋愛感情を抱くようになり、現在では相思相愛の関係になっている。しかし、やや嫉妬深い所があり、浜面が麦野と絹旗に抱きつかれた時には目に見えて不機嫌になった。特にフレメアとは相性が悪く、子供らしく遠慮のない言葉にイラついたり、目の前で堂々と浜面に甘える姿を見ては語気を荒げるほど憤慨している。
暗部組織間抗争では、その能力の重要さから直接「スクール」に狙われるも無能力者である浜面を守るため単身で垣根に挑むが、敗れて脳にダメージを負い、これ以上能力を使えば脳が崩壊すると診断されるほどまで悪化してしまう。抗争後は入院しながら浜面や絹旗と過ごしていたが、退院直後にテロや浜面を狙う麦野の復讐に巻き込まれる。その後、浜面と共に学園都市を脱出してエリザリーナ独立国同盟へと辿り着き、エリザリーナに体内の体晶を回復魔術で取り除いてもらい、普通に出歩ける状態までには回復する。その後、浜面と麦野の和解を経て、2人と共に学園都市に帰還する。
能力はレベル4の「能力追跡(AIMストーカー)」。一度記憶したAIM拡散力場の持ち主を捕捉し、たとえ太陽系の外まで逃れても居場所を探知できる能力。「アイテム」の中核を担っていたほどの能力だが、発動には体晶を服用し、強制的に暴走状態になる必要があったため、自身の崩壊を招く危険性も伴っている。また、能力が完全に開花すれば相手のAIM拡散力場に干渉して他人の能力を自在に制御することで、能力者から能力を奪ったり、強化・改変することも可能となる。この機能は彼女の資質である8人目のレベル5の能力の片鱗である。
浜面 仕上(はまづら しあげ)
声 - 日野聡
本作の主人公格の一人。元スキルアウトの少年。暗部組織「アイテム」の構成員。
電話の女
声 - 村川梨衣
アイテムの上司を務めていた女性。飄々としたノリの軽い性格で、「こいつらと来たら」が口癖。

メンバー

博士(はかせ)
本名不明。都市の暗部組織「メンバー」のリーダー。
白衣を羽織って眼鏡をかけた、いかにも学者然とした中年男性。数式に美を見出しており、そのためには「アレイスターの犬と呼ばれても構わない」と言うほど執着している。馬場の操作する動物型ロボットと共に垣根を襲うが、あっけなく殺される。
「オジギソウ」と称する、空気中の雑菌に付着させた反射合金の粒を武器に用いる。特定周波数で遠隔操作し、相手の細胞を1つ1つ毟り取るような戦い方をする。
馬場 芳郎(ばば よしお)
都市の暗部組織「メンバー」の構成員。
やや小太りの高校生。頭脳派で指揮能力にたけ、収集した情報をもとに綿密な作戦を立ててから実行に移す。学校では人当たりのいい好青年を演じているが、本性は冷酷で他人を見下している。極めて自己中心的な性格で自分の同僚ですら信用しておらず、自らの手柄を横取りされないように単独行動することが多い。
『超電磁砲』では、大覇星祭の最中に美琴を手に入れるために暗躍、彼女に代わって競技に出場していた御坂妹にナノデバイスを打ち込んだものの、食蜂が裏で動いていたこともあって行方を見失ってしまう。御坂妹を探す婚后を卑劣な手で排除したため、友人を害されて怒った泡浮と湾内に手駒のロボットをすべて破壊され、揚句の果てに美琴の逆鱗に触れてしまい潜伏先の電子機器をすべて乗っ取られて閉じ込められてしまった。
安全な隠れ家として見つけた第22学区のVIP用核シェルター(通称「避暑地」)のセキュリティを解除して忍び込み、暗部組織抗争では動物型ロボットを遠隔操作して博士をサポートする。博士の死後、水攻めによってシェルター内に閉じ込められ、食料や酸素、救助などへの不安から錯乱状態に陥る。
査楽(さらく)
都市の暗部組織「メンバー」の構成員。
ダウンジャケットを羽織った少年。語尾に「ね」をつけて話す。
「ブロック」の計画破綻を狙って衛星アンテナを破壊しようとした一方通行に対し、その防衛のため、能力を利用した不意打ちをしかける。しかし、すぐに能力の正体・弱点を見抜かれ彼に敗北する。
能力はレベル4未満の空間移動系「死角移動(キルポイント)」(一方通行による仮称)。他人の背後に回り込む能力。本来ならばレベル4認定されてもおかしくないが、自力で11次元上の理論値を算出できないため、他人の位置情報を元にする必要があり、結果として対象の背後にしか移動できない。
ショチトル

ブロック

佐久 辰彦(さく たつひこ)
都市の暗部組織「ブロック」のリーダー。
クマのような大男。28歳。酷薄な性格で、手塩に反対された人質を使おうとして彼女に気絶させられる。
手塩 恵未(てしお めぐみ)
都市の暗部組織「ブロック」の構成員。表向きは「警備員」としても活動している。25歳。
長身に筋肉質な体格の女性。過去に「悲劇」を経験したことから、計画に加わりアレイスターの命を狙うも、結標との格闘戦の末に敗北する。
山手(やまて)
都市の暗部組織「ブロック」の構成員。
「人材派遣」に関する情報隠匿のために海原を襲うが、逆に彼に殺され入れ替わられる。
鉄網(てつもう)
都市の暗部組織「ブロック」の構成員。
陰気な少女。その能力より裏切り者の探索を担っていたが、海原に右手を爆破され能力を封じられる。その後は、佐久に見捨てられたため不明。
能力は「意見解析(スキルポリグラフ)」。握手した相手の心を読み、名前や年齢などのプロフィールを知ることが可能。

新入生

黒夜 海鳥(くろよる うみどり)
都市の暗部組織「新入生」の構成員。大能力者(レベル4)。
露出の高い黒衣装にフード付きの白いコートをフードの部分だけ被るという格好をしている12歳の少女。絹旗と同じ「暗闇の五月計画」の被験者で、その影響か昔の一方通行に似た悪辣な目つきと言葉遣いを持つ。性格は慇懃かつ残酷。しかし周到な策を練ってから実行に移す慎重さと計算高さも併せ持つ。イルカのビニール人形をこよなく愛するのが趣味。普段慣れていない方面からの侮辱で泣き出してしまう、歯医者を怖がるなど年相応の面も持つ。後述の通り番外個体とは能力的な相性が最悪で、最近ではパシリのように扱われよく絡まれている。
一方通行によって暗部から解放されたことを逆に嫌悪し、闇の世界へ戻るため「新入生」に加わる。そして上層部に対し強力な交渉カードを持つ一方通行と浜面をまとめて排除するため、2人と接点があるフレメアの命を狙い、両者を協力させることで上層部の危機感を煽り、二人の抹殺指令を出させるという計画を企てたが、浜面が乗り込んだ駆動鎧「ファイブオーバー」の前に敗北。最後の力でフレメアを殺そうとしたが、駆け付けた上条に阻止され捕らえられた。その後、フレメア暗殺を防ぐため上条らがハワイ諸島に向かう際に同行させられ「グレムリン」の騒動解決に協力した。
「人的資源」プロジェクト遂行の際に用済みとして恋査に始末されそうになり、居合わせた浜面に共闘を提案される。しかし自分を信じたその言葉を疑ったせいで浜面が重傷を負い、激しい後悔と自責の念に苛まれることとなった。
九死に一生を得たのちは、ずっと浜面を敵視していた心情に、若干の変化の兆しを見せている。
能力はレベル4の「窒素爆槍(ボンバーランス)」。窒素を槍状に固形化して掌から高圧で噴出する能力で攻撃範囲は約3m。絹旗の「窒素装甲」に対して攻撃に特化しており、かつてこの力で研究員達を惨殺したことが「暗闇の五月計画」破綻の原因であった。掌から一本ずつしか出せないため有効範囲と防御の面で劣るという欠点があるが、左右の脇腹に生体サイボーグの腕を無数に装着し、砲口を増やすことで本数や威力を飛躍的に高めることによってレベル4の域を超越している。これにより、数百数千もの発射地点は単なる能力の放出に留まらず群体として一定範囲の気体の流れすべてに干渉することで巨大な窒素の槍を生み出したり、窒素を奪った空間を作り、そこに水素や酸素を雪崩込ませることで爆発を起こすこともできる。体内の電気信号を操作することも可能で、それを利用すれば1週間ほど飲まず食わずでも生存可能らしい。しかし、能力が腕に依存している特性上、サイボーグ内部の端子に異物を詰め接触不良を起こしただけで能力が使えなくなる。サイボーグの制御機構を操作されるため、電気系能力者と相性が悪い。
激情家である一方、非常に理知的かつ柔軟な思考の持ち主でもあり、咄嗟の発想と応用力においては上条にも引けを取らない。聞きかじっただけの知識で魔術の真似事をやってのけるなど、自分の能力だけに頼らないバイタリティと才能も備えている。
シルバークロース=アルファ
都市の暗部組織「新入生」の構成員。
「駆動鎧(パワードスーツ)」の操作・操縦に秀でており、シンプルな二足歩行の人間型から制動が極めて難しい多足歩行の非人間型まで難なく乗りこなす。専用のバンカーには10機以上もの「駆動鎧」が用意され、状況に応じて最適なものを着こなしていくことをポリシーとしている。制裁で顔を焼かれ、仕事の報酬で整形手術を繰り返したことにより元の顔を取り戻した過去を持ち、その経験からヒトの外見や2本の手足による挙動に執着しない思考と感覚を持つに至り、多種多様な「駆動鎧」を巧みに操る根幹となっている。
黒夜と共に、一方通行と浜面の危険性を上層部に知らしめるべく行動し、フレメアを誘拐するが、「ドラゴンライダー」に搭乗した浜面に敗北した。

木原一族

木原 数多(きはら あまた)
木原 幻生(きはら げんせい)
テレスティーナ=木原=ライフライン(Therestina=Kihara=Lifeline)
木原 那由他(きはら なゆた)
木原 乱数(きはら らんすう)
バゲージシティ制圧のために投入された木原一族の一人。「体験」を司る化学物質の研究者。
茶髪の若い男性。「木原」としてはスタンダードな人物で、軽薄な口調と残虐非道な性格の持ち主。作者曰く一族内のランキングは中の下。
第五位のファイブオーバーシリーズの派生研究で脳内分泌物と同じ効果を持つ微粒子をカビに乗せて空気中にばら撒き、人間の精神を操ることを得意とする。本来は対象の感情単発を操作し行動範囲を限定させるという戦術が基本だが、様々な効果を組み合わせて極めてリアルな幻覚を体験させ、さらに複数の人間に同時に見せ且つ相互に影響を及ぼし合う[注 6]といった複雑な幻覚も可能。
反学園都市の上層部を皆殺しにした後暇潰しとしてウェイスランドを幻覚の中で弄んでいた所、似たような幻覚使いであるウートガルザロキの魔術を掛け返されてしまい、双方幻覚の無限ループに囚われ相討ちとなった。
木原 円周(きはら えんしゅう)
バゲージシティ制圧のために投入された木原一族の一人。
年齢は中学生ぐらい、左右にお団子を結った黒髪に、統一感のないセーターやスカートといった服装で、オドオドとした雰囲気の大人しい小柄な少女。スマートフォンや小型ワンセグテレビなど複数の携帯端末機器を紐で首から提げているのが特徴。
仲間意識を口にしたり他人の身を案じるなど木原一族らしからぬ言動が目立ち、「木原」が足りないと評される。幼少期、木原一族を妬む者に誘拐・監禁されていた時期があり、九九も出来ずカタカナも書けないが部屋の中にあったあらゆる物から独自に科学を学び、善悪の区別なくそれらを行使するという純粋かつ最悪の存在になってしまった。
彼女自身は那由他や加群とは違う意味で『木原』が不足しており、それらを思考パターンをグラフ化することで補っており、その中には「木原」だけでなく「上条当麻」なども含まれる。「思考パターンを揃えても同じにはなれない」ことと「他人の思考パターンを使うことで自分の思考パターンが読まれてしまう」という二つの弱点を鞠亜につかれ敗北。気を失った状態で拘束されたがその後の生死は不明。
木原 病理(きはら びょうり)
バゲージシティ制圧のために投入された木原一族の一人。「諦め」を司る研究者。
一族の中でも上位に位置する。変形機能を備えた車椅子に乗っている女性で、眼窩が暗い影に覆われたように描かれることもある。相手を諦めさせることに意義を見出している。
相手が自分を倒して安心したところを襲うために、体を段階に分けて調整している。足には虎を蹴り殺せるまでに脚力を上昇させる駆動式ギプスを装着している。さらに、体内を「未元物質」によって改造しており、心臓を潰されようがコマンド一つで生還し、UMAの推測構造を元に肉体を自由自在に変貌させる。リトルグレイに形状を変化させれば異能力〜強能力程度の「念動能力」も使用できる。ただし、「未元物質」による肉体変化を使いすぎると自分の本来の姿を見失ってしまう恐れがあるため、めったに使用しない。
マリアンと円周にそれぞれ撃破されるも悉く平然と生き残っており、円周を倒し安心しきった鞠亜達を「諦めさせる」べく襲撃しようとするも、かつて「諦めさせた」はずの加群の襲撃をうけ、相打ちによって殺害された。
木原 加群(きはら かぐん)
木原 唯一(きはら ゆいいつ)
木原一族の一人である若い女性。既製品のリクルートスーツと白衣を着用。一国の指導者程度では閲覧できない情報を得る権限を有している。本来はかなり荒っぽく話すようだが、普段は丁寧な口調で会話する。
「ナチュラルセレクター」での戦闘終了後にバゲージシティを訪れ、サイエンスガーディアン側の敗北を告げる。一端覧祭前夜には「木原」の総意を垣根に伝え、「暗闇の五月計画」を応用して自身の知的好奇心を薬味に植え付け、「人的資源」を陰で操っていた。同じ木原である脳幹のことを「先生」と呼び、尊敬している。脳幹が依頼を受けた際にはサポート役として動いている。彼が上里と交戦し瀕死の重傷を負った時には彼の遺言を聞き、既存の「木原」を超えた「唯一」の存在になることを誓う。
木原 脳幹(きはら のうかん)
木原一族に数えられる犬。ゴールデンレトリーバーに演算機を取り付けただけのものだが、人語を介し言葉を話すことが出来、推定で80年以上の寿命を持つ。愛煙家でロマンチスト。本質的には血族には縛られないという木原一族の一端を表している。犬であるにも関わらず、各部へのコネクションの影響力が強い。現存する木原一族の中では最古に当たり、今はもう亡き木原一族の始祖である七人によってただの犬から知性を持つ存在となった。木原一族ではあるが、それなりに倫理観を持っている。同じ木原である唯一から「先生」と呼ばれ、慕われている。「感傷」を知る稀有な「木原」であり何らかの「答え」に至った加群には一目置いており、彼が学園都市を去ってからもその頼みで夜回りを続けている。ただし、加群の教え子のうち自分をさんざんな目に合わせた鞠亜のことは「天敵」と評するほどに苦手。科学サイドながら魔術、さらに魔神についても把握しており、アレイスターの過去についても知ったうえで彼の甘さや人間らしさに好感を覚えている。
アレイスターの先兵として「'対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)」を装備して前線に赴く。アレイスターらの思惑に反する行動をとった者たちを内々に始末しているが、本来の役割はレディリー=タングルロード、フロイライン=クロイトゥーネ、エイワスといった者たちに対する安全弁として機能し彼らを叩き潰すというものである。目下の仮想敵は魔神。その戦闘力は非常に高く万全の状態の魔神の一柱「ゾンビ」を倒すほどである。
自分が捨石とされたことを悟りながらも、上条との交戦で重傷を負った上里の前に立ちふさがる。「対魔術式駆動鎧」が「理想送り」で消失させられてしまうが、「この世界で生きて死ぬ」とただの犬として立ち向かい、滅多打ちにされて瀕死の重傷を負う。自分が倒れることが唯一にイレギュラーである上里を倒させるための一手であることを理解し、救命措置でコールドスリープ状態に入る前に唯一を鼓舞し意識を失った。

その他の学園都市関係者

冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)
声 - 仲野裕
学園都市第七学区にある病院に勤める医師。本名不明。
その容姿から「カエル顔の医者」[注 7][注 8]とも表記・描写される初老の男性。基本的に作中で負傷した人物は、ほぼ全員が彼の治療を受けることとなり、特に上条が最終的に彼の治療を受けて終わるパターンが多い。「 - ね?」など疑問形になる語尾が特徴だが、真面目な場面においてはその限りではない。
切断された腕を縫合痕すら残さず結合したり局所麻酔で心臓手術を行うなど、医師としての腕はズバ抜けており、どんな病気や怪我も治すという(上条の記憶を回復させることができなかったことが、唯一の敗北とされる)ことから、「冥土帰し」の異名を持つ。また「何があっても患者を見捨てない」という信念の下、「必要とあらばどんなものでも用意する」と豪語し、医師として眉をひそめるような技術でも躊躇せず治療に利用する。また、治療後や退院後の患者についても気にかけており、声だけで患者を特定できるほど覚えている。
かつてイギリスの片田舎でアレイスターと出会い、学園都市の創設にも関わる。アレイスターの生命維持装置も製作したため、彼とは個人的な関係にあって敬意も持たれていたが、アレイスターが進める計画が自分の患者(特に一方通行や打ち止め)を不幸にすると見なして決別する。しかし、アレイスター自身については自分の患者であると見捨てないでいる。
「絶対能力進化実験」凍結後は、「妹達」の保護者的役割も兼ねており、雲川が「妹達」の協力を得ようとした際には「冥土帰しの許可が必要」と述べている。一方で、ややズレた恋愛観や価値観を「妹達」に教え込んでいる一面もある。
『超電磁砲』『一方通行』にもしばしば登場し、重要な立ち回りを行う。
妹達(シスターズ)
声 - ささきのぞみ日高里菜(打ち止め)
御坂美琴のDNAマップを用いて作られた体細胞クローン。
ミサカ○○号と呼ばれる(10032号は御坂妹とも)御坂美琴と瓜二つの20000体に加え、制御用個体の20001号・打ち止め(ラストオーダー)、第3次製造計画で生み出された番外個体(ミサカワースト)が登場している。
芳川 桔梗(よしかわ ききょう)
声 - 冬馬由美
「絶対能力進化実験」の研究員で実験管理の中枢を担っていた女性。
実験の凍結後も自分だけ研究所に残り、天井が打ち止めに仕込んだウィルスコードを除去するため、コード解析やワクチンの作成を進めていた。性格は甘いだけで優しくないと自覚しており、かつて、希望であった学校の先生になることを断念した経験がある。
一方通行と協力して天井の計画を破綻させ、自身も命を捨てる覚悟で天井と相撃ちになる。致命傷を受けたが、一方通行と冥土帰しによって一命は取り留め、第12巻で一方通行や打ち止めと共に退院する。その際に、旧友の黄泉川に彼らの面倒を看るように頼み、自身も黄泉川宅に居候しながら職を探している。
友人の抜群スタイルに思うところがある様で(自分のバストは10代後半から70cm後半のまま)、豊胸マシーンなど「肉体を変質させる機器」を買い漁る癖がある。無職になったためかウエストが増えている。
『超電磁砲』『一方通行』にも登場。
天井 亜雄(あまい あお)
声 - 鈴木達央
「絶対能力進化実験」の研究員で実験管理の中枢を担っていた男性。
「学習装置」を用いた人格データの作成が専門で、その前は「量産型能力者計画」に携わっていた。
実験の凍結後に、前々からの借金と合わせて進退極まり、反学園都市の外部組織(科学結社)に加担する。打ち止めにウィルスを仕込んでミサカネットワークを悪用しようとしたが、一方通行に妨害されて失敗し、芳川と相撃ちになる。その後の消息は不明。
郭(くるわ)
半蔵に付きまとっているくノ一の少女。
茶髪に濃い化粧や大量のアクセサリーを身につけ、丈が異常に短い浴衣を着ている。伊賀出身で現代に忍を再興させるため、何かにつけて半蔵を引き込もうとしている。「新約」にて本編に登場。フレメアを守ろうとする浜面に協力した。
杉谷(すぎたに)
統括理事潮岸の側近を務める男。潮岸の警備組織の半分「杉谷班」を任されている。
年齢は30歳ほど。短く刈り上げた頭で、スーツとサングラスを着用している。自らを甲賀の末裔と名乗り、優れた体術と忍者のような相手の裏を突く戦法を使う。特に一方通行との戦いでは、木原の「手首を当たる直前で返す」攻撃を不完全ながらも行っている。
潮岸のアジトで「グループ」と交戦した際には不意討ちで結標を気絶させ、一方通行にはミサカネットワークの遮断で無力化を図る。しかし、一方通行が杖に仕掛けていたジャミング装置によって遮断が無効化され、自身の銃撃を反射されて敗北する。
坂島 道端(さかしま みちばた)
学園都市で美容院を営む男性。
ややいい加減そうな性格をしているがその腕は確かで、その美容院は常盤台中学から学校指定美容院に指定されている。学園都市では珍しくオカルトも信じており、逆に学園都市の存在意義について疑問を抱く一面もある。
丈澤 道彦(じょうさわ みちひこ)
学園都市で働く整備員の中年男性。
自分が製作した駆動鎧「HsSSV-01 ドラゴンライダー」が、第三次世界大戦の早期終結によって倉庫行きが決定したことには安堵と喪失感を募らせていた。
指定の倉庫へ「ドラゴンライダー」の運搬中に浜面が現れ、フレメアを攫ったシルバークロースを追うため車体を盗もうとする現場に遭遇する。そして彼から事情を聞き、「罪の無い少女を闇から救い出す」ことを絶対条件に浜面へ「ドラゴンライダー」を貸し与えた。
恋査(れんさ)
統括理事・薬味の側近である女性のサイボーグ。
普段は薬味と同じ病院で看護師として働いている。製造及び維持に学園都市の予算の一角を使うまでの費用で作られており、人の脳の最小単位である視床下部以外は全て機械で構成されている。この視床下部は今までに何十人もの分がその都度取り替えられ、恋査というサイボーグを動かすための部品の一つでしかない。戦闘能力は極めて高く、超能力者全員が一斉に反抗した時に対する備えとして、背部に展開する『編み棒』の数値制御によりAIM拡散力場を介して削板以外の全超能力者及び半径200m以内の任意の能力者の能力を『噴出点』を自らの脳構造、身体構造を作り変えて生成し、使用することが可能。#040まで視床下部のストックがあり、作中では#028と#029が恋査に搭載された。
上条、垣根との戦闘により、機械の心臓部が完全に破壊された。
#028
淡々とした性格ながら毒舌。高火力の飛び道具を使い、『噴出点』を多用する傾向が強い。
白いカブトムシに干渉してフレメアを誘導、黒夜の能力を使用してフレメア殺害を図り、黒夜と浜面を撃破する。駆けつけた上条を肉弾戦で圧倒するが『幻想殺し』を引き出そうとしたことでマシントラブルを起こし機能停止した。
#029
テンションの高い性格。『噴出点』よりも第一位の能力を使用した肉弾戦に重きを置き、五感よりも演算の結果を重視する。薬味は自身の恩人であり、自らの意思でこの姿になった。
『避雷針』で上条を襲撃、制御を取り戻した垣根とも交戦する。2対1の劣勢の中、『黒い翼』を発現し逆に2人を追い詰めたが、フレメアの干渉でAIM思考体となった薬味を機体に叩き込まれ能力の制御を失う。全身が崩壊しながらも薬味を守ろうとし、ついには『白い翼』をも発現させることに成功したが上条に撃破される。
不願 竜造(ふがん りゅうぞう)
学園都市で働く設計士の男性。
顧客から求められた設計書を作成してそれを提供するというビジネスを行っている。完成するものがいかに危険なものであっても、それを作るのも使用するのも自分ではないため、法の隙間を潜り抜けて報酬を得ていた。しかし土御門舞夏暗殺のための設計書を作っていたことから土御門の恨みを買い、襲撃を受けた。
松定(まつさだ)
学園都市の研究機関に所属する博士。男性。
流体力学の権威と呼ばれる著名な学者。自らの研究成果がもたらす厄災を恐れて学園都市からの逃亡を図るが、「警備員」によって拘束される。しかし『cp-191』を服用して強制冬眠状態となり、具体的な供述を残すことはなかった。
蠢動 俊三(しゅんどう としぞう)
「心理掌握」に執着し、デッドロックを追い詰めると同時に彼らに「簒奪の槍」を与えて食蜂を襲撃させ、彼女を犠牲にしてでも能力のメカニズムを知ろうとしたため、アレイスタ―の指示を受けた脳幹により文字道理粉砕される。爆破された後も生き延び、自らの脳をシャチの脳に接続して復活、蜜蟻を陰で操り再び食蜂を襲撃させた。そのことを察し自らの前に再び現れた脳幹を、30基の「鋼の臼歯」を以て迎撃しようとしたが、己の理解が及ばない圧倒的火力の前に敗北する。
山岳 揚子(さんがく ようこ)
衛星誘導車の運転手を務める女性。

魔術サイド(十字教各宗派・魔術結社・他)

英国(イギリス)

イギリス清教(清教派)

インデックス(Index)
声 - 井口裕香
本作のメインヒロイン。イギリス清教「必要悪の教会」所属の魔導図書館の少女。
ステイル=マグヌス(Stiyl=Magnus)
声 - 谷山紀章
イギリス清教「必要悪の教会」所属の魔術師。
神裂 火織(かんざき かおり)
声 - 伊藤静
本作のヒロインの一人。イギリス清教「必要悪の教会」所属の女性魔術師。天草式十字凄教の女教皇も務める。
土御門 元春(つちみかど もとはる)
イギリス清教「必要悪の教会」所属の魔術師。

王室派

エリザード
英国女王(クイーンレグナント)。
英国国家元首にして、「カーテナ=セカンド」の現保有者。また、王室派の代表であると同時に(名目上)イギリス清教の頂点に立つ存在。国と国民への想いは厚く、自身の3人の娘が持つ「頭脳」「軍事」「人徳」全てを兼ね備える統治者でありながら、お祭り好きでお茶目な面も持ち合わせている。しかし、冗談の度が過ぎて騎士団長や神裂にあきれられることもある。同じく派閥トップのローラとは打ち解けた仲で、クーデターの最中でもふざけ合っていた。
キャーリサのクーデターでは、騎士派に一時拘束されるもローラと共に脱出する。その後、自らの命を捨ててまで英国を守ろうとした娘を止めるため、彼女と対峙し、大魔術「連合の意義(ユニオンジャック)」を発動させ、カーテナの力を9000万人の英国国民に分散させて、カーテナに宿る力を弱めることで彼女に対抗した。
女王・エリザードにモデルは無く、作者の理想の統治者とのこと[11]
リメエア
英国第一王女。
年齢は30代前半くらい。黒髪で左目に片眼鏡(モノクル)を付けている。「頭脳」に秀でた冷静沈着な戦略家。しかし、王女という身分ゆえに人間不信に陥っているため、権力の中にいて自分を知っている人間は一切信用していない。逆に自分を王女と知らない者や動物には素直に接する。
キャーリサのクーデターでは、発生直前に彼女の意図を察して行方をくらませる。そして、裏で自分の信用する仲間にクーデターの真の目的を調べさせ、騎士派に彼女の真意を伝え騎士派の離反を誘った。
キャーリサ
英国第二王女。
年齢はぎりぎり20代後半。豪快で物怖じしない性格をしている。語尾に「 - だし」とつけることが多く、長音が長音符「ー」で表記される口調が特徴。騎士派とのつながりが強く、「軍事」に優れていることから魔術や兵器の扱いにも長けている。
当初は女王の平和路線の政策に従っていたが、フランス政府によるユーロトンネル爆破により、このままでは英国が欧州から孤立してしまい、英国国民に被害が及ぶと危機感を覚える。さらに、科学サイドと魔術サイドの戦争でどちらが勝利しても英国に未来はないと考え、完全独立を目指すべく騎士派を利用し「カーテナ=オリジナル」を用いたクーデターを起こす。
クーデターの真の目的はカーテナ=オリジナルの力を持って英国に敵対する勢力を滅ぼした後、その強大過ぎるカーテナを歴史から抹消するため、たとえ後世から暴君と呼ばれようともカーテナを使用できる王室の血を絶やし、今後新たなカーテナが誕生しないよう現存するカーテナの製造法と2本のカーテナを自分の死と共に消し去ることであった。
「新たなる光」を使ってカーテナ=オリジナルを手中に収めると、自らを新国家元首と宣言し、騎士派に英国各地への侵攻を命令する。その後、バッキンガム宮殿にて、上条や清教派の魔術師達相手にカーテナ=オリジナルの全次元切断術式や攻城戦用移動要塞「グリフォン・スカイ」、さらには大型弾頭「バンカークラスター」を駆使して圧倒するが、女王・エリザードに自分の考えをカーテナ=オリジナルを使用できる「国家元首」という特権階級に縛られたままだと否定され、女王が発動した「連合の意義」によって決起した9000万人の英国国民の抵抗にあい、最後は上条にカーテナ=オリジナルを破壊され敗れた。
クーデター終結後、イギリス全軍を率い、傾国の女擁するフランス軍と一時対峙し、ロシアでは傾国の女と共闘し、フィアンマが召喚したミーシャと交戦した。
大戦以降は恩赦を蹴って、反逆の罪などにより処刑塔に幽閉されている。グレムリン掃討のために一時的に釈放されることになり、北極海へ向かうもダミー情報に踊らされていたため罠により窮地に立たされたかと思われたが生還。そのままロシア成教との戦いを終えたばかりの上条をホテル・エアリアルに攫うが、上条の説得でそれまで行動を共にしていた神裂が彼の側についたため足止めをくうこととなる。
外見のモデルはDS版ドラゴンクエストVのデボラ[4]
ヴィリアン
英国第三王女。24歳。
絵本に出てくるような箱入りのお姫様。国民からは「人徳」に秀でた王女と評されるが、他人を気にするあまり自己主張ができない性格のため2人の姉に比べると王室の切り札と言うには地味な存在で、いつ政略結婚させられるか分からない状態らしい。10年前に誘拐された際、政治的陰謀のために見捨てられかけたところをアックアに救出され、それ以来、彼が英国を去った後も彼のことを気にかけている。箱入りではあるが、自動車の運転免許は取得している。
魔術に関しては武力に応用できる点から身につけることに抵抗があり、発動済みの霊装に触れて操作するぐらいしかできないが、キャーリサのクーデターではインデックスの知識を借りてカーテナ=オリジナルの供給源を断つ働きを見せた。
王室の血を引く者としてキャーリサに命を狙われるが、寸前のところでアックアに救出される。そして、自分を守るために体を張ったアックアや使用人達に影響され、上条らとロンドンに乗り込んだ際は、真っ先にキャーリサの元に乗り込み、カーテナ=オリジナルの圧倒的な力を目の当たりにしても果敢に立ち向かった。
外見のモデルはディシディア ファイナルファンタジーのティナ[4]
シルビア
オッレルスとコンビを組む長身の女性魔術師。聖人。
英国王室派の近衛侍女にして王権神授制のトップに仕える巫女としての役割も担っており、そのため英国国内ではそれなりの地位を築いている。
海外研修中にオッレルスと出会い、彼の馬鹿を見ている内に彼を守る羽目になり、以後、英国から帰国命令が出ているが共に行動している。
『結界』を専門とする魔術師でもあり、シジルを利用してロープの周囲に「天使の力」の壁を展開して空気を抑え込む『手』を作り、聖人の身体能力を以てそれを高速回転させて攻撃を行う。さらに扱う「天使の力」を次々と変えて相生を狙うことで、総体のバランスで神の右席をも上回ろうとする魔術を使う。
レイヴィニアと共にブリュンヒルドを助け、彼女たちと一端覧祭期間中の学園都市を訪れる。グレムリンに先んじてフロイライン=クロイトゥーネを狙うがトールによって阻止される。
グレムリン掃討では、ブリュンヒルドと共にグレムリンの正規メンバーであるヘルと交戦状態に入った。オッレルスから魔神になる機会だけでなく体内の特別な力すら奪ったオティヌスにすさまじい憎悪を抱き、オーデンセで彼女に味方する上条を徹底的に痛めつけるが、自分を止めるために現れたオッレルスが介入したことでオティヌスを攻撃していたブリュヒルデと高速で衝突し意識を失う。

騎士派

騎士団長(ナイトリーダー)
英国三派閥の1つ「騎士派」の長。本名不明。
騎士ゆえに忠実で真面目な人物。しかし、上条とインデックスの言動に耐えかねて剣を抜こうとしたり、女王の気まぐれに思わず暴言を吐いたりしている。また、神裂を騎士団に迎えたいと考えており何かと彼女を誘うも断られている。
アックアとは旧知の仲で、かつては杯を交わすほどの仲だった。しかし、第三王女救出の際にアックアと袂を分かつこととなり、彼との力の差を埋めるべく10年に渡って修練を重ねていた。
ベーオウルフが使用した「返り血により鍛え上げられていく」魔剣と同名の剣である「フルンティング」という霊装を用い、偶像崇拝の理論で「天使の力」を「返り血」に対応させ、大量に圧縮封入することから莫大な破壊力を持つ。また、剣術に特定のパターンの能力を付加する魔術を得意とする他、自分が認識した武器からの攻撃を無効化する「ソーロルムの術式」などの魔術を用いるなど非常に高い戦闘能力を誇る。ただし、武器無効化術式は「肉体の一部」として認識されるものや本人が武器として認識していないものには発動せず、騎士としての忠誠のため英国王室関係者の武装は無効化できないように配慮して設計されている。
キャーリサのクーデターでは騎士派を率いて彼女に加担する。クーデター中は「カーテナ=オリジナル」からの力を得たことで、聖人である神裂を圧倒した。そして、ヴィリアンを処刑しようとした際、因縁あるウィリアムと戦うこととなり、互角に渡り合うが敗れる。その後、リメエアからキャーリサの真意を聞き、彼女を止めるため、上条やウィリアムらと共闘した。
グレムリンの掃討戦では、女王エリザードの指令でキャーリサ、ウィリアムと共に北海の船の墓場(サルガッソー)に赴いた。

ローマ正教

ロシア成教

サーシャ=クロイツェフ(Sasha=Croitsef)
声 - 寺崎裕香
ロシア成教「殲滅白書」所属のシスター。
かなり際どい拘束服を身に纏い、ハンマーやノコギリといった拷問用具を懐に携えている。この拘束服は上司のワシリーサに着せられたもので本人は嫌がっており、周りの評価も散々である。「第一の質問ですが、 - 」「第一の解答ですが、 - 」「私見ですが、 - 」など、文章の趣旨を予め説明するという形式的な独特の口調が特徴。大天使の「天使の力」を丸ごと取り込めるほどの許容量があるという極めて稀な資質を持っている。
御使堕し」の影響を受け、精神が大天使「神の力」と入れ替わってしまい、その時にはミーシャ=クロイツェフと名乗っていた。「御使堕し」以降、近くで魔術が発動していると手が震え、一方通行同様に第三次世界大戦時では胸への圧迫感に変化している。なお、彼女には「御使堕し」時の記憶がない。
天使を降ろした者として彼女を狙うフィアンマの息がかかったロシア成教に追われるが、ワシリーサの協力とヴェントの手引きでエリザリーナ独立国同盟への逃亡に成功する。しかし、エリザリーナ独立国同盟でフィアンマに誘拐されてしまい、「神の力」の召喚儀式に利用されたが、儀式終了直後に逃走する。その後、レッサーと合流し、「ベツレヘムの星」の解体に貢献した。オティヌス討伐作戦ではワシリーサと行動を共にする。
ミーシャ=クロイツェフ(Misha=Croitsef)
「御使堕し」により、サーシャ=クロイツェフの肉体に大天使「神の力(ガブリエル)」の魂が宿った状態。
本来、ミーシャという名前はロシア語でのミカエルを指す「ミハイル」の愛称だが、四大属性の歪みの影響でミーシャと名乗っていた。「問一。 - 」「解答一。 - 」といったサーシャに似た形式的な話し方をするが、丁寧口調のサーシャと違って無機質な口調が特徴。本性を現した以降や再召喚後の姿では、ノイズが混じった人外の言語を話す。普通の聖人でも天使を肉体に宿した時点で肉体が滅ぶのだが、サーシャの肉体がガブリエルと相性がいいために肉体が滅ぶことはない。ミーシャが現れると、空が星のない夜空に変わる。
第三次世界大戦にて、フィアンマにサーシャを媒介にした術式で再び召喚される。利害の一致からフィアンマに協力し、学園都市軍を始め、魔術・科学両サイドの実力者たちを圧倒したが、アックアと上条の介入で弱体化し、一方通行と風斬(ヒューズ=カザキリ状態)によって撃退された。その後、復活し北極海へ進撃するも墜落した「ベツレヘムの星」に押し潰され、海に沈む要塞内部で上条と交戦し、消滅した。
戦闘力は大天使の名に相応しく、「一掃」「水翼」などの強力な魔術を行使でき、フィアンマによると、50%の状態でも一方通行と風斬を上回るという。また、伝令の御使いとして、勘や予兆といった情報をデコイとして加工し好きな方向・距離・タイミングで受信させることで攻撃のタイミングを外させることもできる。
ワシリーサ(Vasilissa)
声 - 本名陽子
ロシア成教「殲滅白書」所属のシスター。サーシャの上司。
性格は不敵にして饒舌であり、目上の地位にあるニコライばかりでなく総大主教、果てはローラやローマ教皇相手でも軽口を叩く。年下のかわいらしい子に目がなく、現在はサーシャを溺愛している状態。かなりの日本通であるが知識がある方面に偏っており、サーシャに際どい拘束服や有名なアニメキャラのコスチュームを着せようとしてその度に嫌がられている。
本人によると「自分が一番強いから」という理由で所属組織のまとめ役となっており、実際サーシャの逃亡を手引きした際は部下である「殲滅白書」の魔術師たちを圧倒し、司教であるニコライをも一方的に打ち倒したほどである。なおワシリーサという名前はロシア民話のヒロインから取ったものなので偽名の可能性が高く、年齢も20代とのことであるが後述の能力から真偽のほどは不明。本人やニコライ=トルストイの話によれば、民話のヒロイン・ワシリーサそのものらしい。
戦闘時にはロシア民話に登場する魔女「一本足の家の人喰い婆さん」を召喚し、魔女の持つ強力な魔術で敵を完膚なきまでに殲滅する。また魔女が管理しているという「命の水」の力によってほぼ不老不死の肉体を持ち、半身を失っても瞬く間に再生するほどの驚異的な再生能力を持ち合わせている。
オティヌス討伐作戦ではサーシャを引き連れてストウリングまで出向いた。総大教主の術式の効果範囲にいたため、術式が破られた後も上条に手出しできなかったがイギリス勢力が彼を攫って行くのを見逃し、その後は彼らを尾行しオティヌスと上条に最後の戦いを直接見届けた。
ニコライ=トルストイ
ロシア成教の司教。サーシャやワシリーサの上司。
ローラによると「ローマ正教とイギリス清教間に争いがあれば積極的に漁夫の利を狙っていくことで知られている狡知の人物」。
現状のままでは総大主教になれないことをフィアンマに付け入られ、第三次世界大戦の引き金を引きロシア軍を指揮していたが、フィアンマに見限られる。そして、利用されたことに怒り、「ベツレヘムの星」に核弾頭を発射しようとしたがワシリーサに制裁された。
クランス=R=ツァールスキー
ロシア成教の総大主教。
15歳くらいという地位不相応とも思われる年齢でありながら、人々の平和を常に案じて活動する聡明さを持っている。線の細い美少年で、その愛らしさはサーシャ一筋であるはずのワシリーサをグラつかせるほど。
第三次世界大戦においてニコライの謀略により軟禁されていたところをワシリーサに救助される。その後フィアンマが倒され、「ベツレヘムの星」が崩壊したことで全教徒に対し終戦を宣言した。
オティヌス討伐作戦では無線機を介して「七つの大罪」を発動させ上条の身体能力を7分の6まで封じたが、こじつけが強引であることなどから論破され作戦には失敗した。
スクーグズヌフラ
ロシア成教「殲滅白書」所属のシスター。
ありとあらゆる性魔術のエキスパートと称され、そのためかレースとレザーで構成された拘束服を着用する妖艶な女。総意としてローマ正教に与することとなり右方のフィアンマの欲するサーシャを捕えるため、それを防ごうとするワシリーサと対峙するが、返り討ちに遭ったらしい。
ブラッシャ=P=マールハイスク
ロシア成教所属の魔術師。
エリザリーナ独立国同盟の前線基地を建設するにあたってそこの住民を強制収容所へ連行する役目を与えられ、護送用トラックのスレイプニルを操っていた。それを見咎めた上条とレッサーによって、鋼の手袋を使った地殻破断を模した攻撃におののき、トラックを見捨てて逃亡した。
ヴォジャノーイ
ロシア成教所属の女性魔術師。
雪を水の槍として飛ばす魔術を用いる。一方通行が入手した羊皮紙の当初の運搬先だったロシア空軍基地跡で、10人程の魔術師とともに一方通行を襲撃する。不完全に働いた反射によってその攻撃は阻まれ、一方通行の反撃によって仲間とともに倒された。

魔術結社

新たなる光

レッサー
英国の結社予備軍「新たなる光」に所属する少女。
年齢は10代前半、髪は先端だけ三つ編みにしてまとめた長い黒髪に赤いカチューシャをしている。ジャケットを羽織っており、スカートの中は直パンツ。またデフォルメされた悪魔の尻尾のような霊装が伸び、普段は太腿へ巻きつける形で収納しているが、感情に合わせてコミカルに振り回すこともある。身長は小柄だが体型は女性的でそれなりに出る所が出ている[注 9]。非常に大雑把かつ飄々とした軽妙な性格で、よくニヤニヤと小悪魔的な笑みを漏らす。その一方で実直な面があり、使命に殉じる愛国主義者であり、戦闘においては不利な状況も厭わず突撃する挑戦的な性格ものぞかせる。口調は基本的に敬語。また後述のような色仕掛けにも抵抗がないなど、下ネタにもノリが軽い。
「新たなる光」最強の実力を誇り、「鋼の手袋」の扱いにも最も長けている。また前述の「尻尾」状の霊装によって、空中でバランス調整することで一気に三階ほどの高さまで達する跳躍力を有する。なお、ロシア入国時には遠距離の物も掴めるように改良された「鋼の手袋」を持っていたが、上条の作戦の犠牲となり大破し、以後は旧来の「鋼の手袋」に戻っている。「新たなる光」の連携戦闘における役割は、その機動性を活かした「敵陣深くへの斥候偵察」。
カーテナの輸送では「ハーフ」として中継役の一人を担い、その際に上条とオリアナに妨害されロンドン中を逃走。結果的に任務には成功したが自ら進んで「ロビンフット」による狙撃を受け粛清されようとするも、上条のとっさの行動によって命を救われた形になる。その後、上条を英国の一員として引き入れることを目論見、ロシアへ向かった上条に合流し行動を共にする。「ベツレヘムの星」浮上の際に逸れてしまうが、要塞内に潜入し偶然合流したサーシャと協力して上条達を遠方から支援した。なお、同行していた際に何度も色仕掛けで籠絡しようと誘惑していたが、行動がズレていたためか全く意味がなかった。
その後、「グレムリン」に対する総攻撃に際して切り札となる「幻想殺し」を確保するため、組織内のジャンケン大会を制し学園都市に入る。乗っていた飛行機が撃墜されてからは上条たちと東京湾で待ち受けるオティヌスの元まで向かった。オティヌスと長い時を過ごした上条が彼女の側につきデンマークに向かってからは自らも海を渡り、その決着を見届けた。
能力実演旅行編SSでは「ショッピングセンター」で美琴と出会い、彼女と協力して都市伝説に絡んだ一連の事件を解決した。
ベイロープ
英国の結社予備軍「新たなる光」に所属する少女。
年齢は18歳ほど、髪は銀髪のショートカット。ジャケットは着ておらず、スカートの中は青いレギンス。「新たなる光」随一の巨乳で背も高い。性格は真面目かつ厳格で、軽率な行動を取るレッサーのことをよく叱っている。
「鋼の手袋」に加え、「知の角杯ギャッラルホルン)」という霊装を所持する。左右の耳に引っ掛けた補聴器に似た器具から二本ずつ真空管が伸びたような外観で、「鋼の手袋」に雷属性を追加する効果があり、無数のルーン文字を伴う緑色の落雷を、弧を描くラインで降らせて絨毯爆撃のように一帯を蹂躙する事が出来る。「知の角杯」使用時はレッサー以上の戦闘力を発揮する。「新たなる光」の連携戦闘における役割は、敵の位置情報を受けて「遠方からの高威力砲撃」。
カーテナの輸送では「ハーフ」として中継役の一人を担い、地下鉄で天草式に包囲され五和と交戦。彼女を退けるも罠に嵌まり、閉鎖された「必要悪の教会」の魔術施設に誘導され戦闘不能となった。
フロリス
英国の結社予備軍「新たなる光」に所属する少女。
年齢は15歳程度、髪は明るい金髪を肩まで伸ばしたショートカット。ジャケットを着ており、スカートの中は赤いスパッツ。飾らない砕けた性格をしている。
「鋼の手袋」の他に、両肩に「」状の霊装を装備している。通常時は小さな羽飾りだが、飛行時はそこから長い金属の骨格を伸ばし、間に光の膜を展開したコウモリの翼のような外観に変形する。それにより低空での高速飛行が可能で、自分の意思で一気に高度10m程度まで上昇することも可能。「新たなる光」の連携戦闘における役割は、敵陣深くへ入り込んだレッサーを「翼による飛行で回収すること」。
カーテナの輸送では「ハーフ」として中継役の一人を担い、神裂に倒され「必要悪の教会」の聖堂に捕縛される。その後、騎士派に拘束され列車によって移送中、侵入してきた上条と遭遇し、2人で脱出するも再び天草式に捕まった。そのため上条を恨んでいる。
ランシス
英国の結社予備軍「新たなる光」に所属する少女。
年齢は10代、髪は茶髪のショートカットを緑のカチューシャで持ち上げ額が出ている。ジャケットは着ておらず、スカートの中は青いスパッツ。胸の大きさは「新たなる光」では最底辺だが美琴よりは上。性格は少々天然気味で奔放。また眠たくなると他人の布団に潜り込む癖があるなど無頓着で、羞恥心も薄い。
自分や他者を問わず精製された魔力に「くすぐったさ」を感じる体質。 紫色の長い「」状の霊装を付けており、敵の各種ステータス異常を引き起こす遠隔攻撃が可能らしい。「新たなる光」の連携戦闘における役割は、状況に応じて広域へ異常攻撃を行って「敵の回避性能を削ぎ落とすこと」。
カーテナの輸送では「キーパー」として始点を担い、ロンドンより30kmほど離れた場所から「ハーフ」を経由させて騎士派へカーテナを送り出した。

明け色の陽射し

レイヴィニア=バードウェイ
英国の黄金系魔術結社「明け色の陽射し」のボスを務める女性魔術師。魔法名はRegunm771パトリシアの姉。
肩にかかる程度の短い金髪に、白いブラウスとスカートに黒いストッキングという服装の12歳の少女。その容姿とは裏腹に狡猾かつ明晰な頭脳を持っており、非常に大人びた口調をしている。人をいじめたりからかうのが好きな嗜虐的な性格で、仕事においては敵に対して一切の容赦をしない。その反面、パトリシアを魔術の世界から遠ざけるような姉らしさや、妹を救ってくれたステイルに礼を言うなど、人間らしい一面もある。またフレメアと口論の末に取っ組み合いをするなどの子供らしい面も。結社の本来の性質ゆえか、フリントロック式の銃を愛用したり科学雑誌を購読するなど科学サイドに対する抵抗が希薄であり、組織の本来の形を取り戻すことやこれからの行く末などについて案じている。辛い物が苦手。ブラを着用しておらず、年の割に胸が薄いことを気にしている節がある。
ブリテン・ザ・ハロウィンの際には「連合の意義」によって自分に分配されてきた「天使の力」を突き返し、第3次世界大戦の「浄化」の際にはドーバー海峡にて黄金の腕を殲滅している。その際、部下達をロシアに潜入させており、北極海から上条を救出し、共に学園都市に現れた。グレムリンがハワイで暗躍しているという情報を上条たちに与えそこに誘い、彼らを騙してグレムリンを釣るための餌として学園都市協力機関27社の離反を誘導する動きを起こさせる。その後、オッレルス勢力と合流し、シルビアと共にブリュンヒルドを救出し、学園都市に向かう。フロイライン=クロイトゥーネを『殺せる体』にする術を持っており、彼女の前に立ちふさがるが駆けつけた上条との戦闘に敗れる。グレムリン総攻撃に際して上条に同行し、東京湾へと向かうが上条の突然の離反を受け、インデックスと共にフレデリシアに向かう。彼女の補助を受け「主神の槍」を生み出し、一生に一度きりほんの一時的に疑似魔神化することに成功したが、カミジョー属性によってインデックスからの補助が途切れたことで槍が暴走し、戦闘不能になる。その後はインデックスのお目付け役として戦場を離れ上条に全てを託した。寄生生物に取りつかれた妹を負って12月3日に単身学園都市に入り込み、上条たちと再会し、自らの命を懸けて妹を救う予定だったが彼らの協力で妹ともども命が助かった。
魔術師としても強大な魔術結社のボスとして君臨するに相応しい技量を持ち、接近戦では魔術剣や四大元素にそれぞれ対応する形に変化する象徴武器を状況に応じて使い分け、遠距離砲撃や火力重視の大規模儀式魔術も得意とする。いつも同じ動作で同じ術式を振るうことで自分自身を魔術的な記号とし、高威力の術式を使用できる。また、本来必要な準備を敢えて省略し、自らの腕と勘を頼りに即席で発動させる火属性大規模魔術「召喚爆撃」による速攻の敵殲滅や、大質量の「天使の力」召喚も得意。大アルカナのフルセットを使い、愚者から世界まで一直線にコンボを決めれば一時的に音速挙動もできる。非常に万能なスタイルの実力者で、聖人の神裂とも互角に渡り合える。新たに寄生生物に対抗するために「カニバリゼーション」の術式を作り上げ、トウモロコシなどのデンプンから作った「果実」と名付けた代替臓器を用意し、それを育てるためにアフリカ版シンデレラともいわれるニャニャブレムブの伝承をもとに作った腐った赤い絨毯のような外見をした「姫君の毛皮」を纏っている。
マーク=スペース
「明け色の陽射し」に所属する魔術師で、レイヴィニアの部下。魔法名はArmare091
他の「明け色の陽射し」構成員同様、黒い礼服にスカーフを巻いた、金髪で20代の男性。上司のレイヴィニアと一緒に登場する事が多く、しばしば彼女のツッコミ兼イジられ役や、機嫌が悪い時の八つ当たり対象となる。毎度のように彼女のわがままに振り回されたり、理不尽な命令で扱き使われるなど、かなりの苦労人である。基本的には丁寧語だが、一人の時は少し荒っぽい口調になることもある。
黄金系ではポピュラーなタロットの中でも、小アルカナ四種の内の「風の十四枚(ソード)」を得意分野とし、それぞれ効果の違う14枚のカードを使い風属性の魔術を行使する。なお、単にカードを一枚ずつ消費していくだけでなく、戦闘している場所をタロットのテーブルに見立てることによって、使い捨てたカードの配置を巨大な陣とする大規模儀式魔術を発動させることもできる。儀式魔術は速度は劣るものの威力が高いため、カードをうまく配置し入念に準備すれば一撃逆転を狙える大規模な「天使の力」の召喚が可能。新約3巻では風以外の属性も含めた小アルカナのフルセットも使えるようになったと仄めかしている。

翼ある者の帰還

エツァリ
ショチトル
中米の魔術結社「翼ある者の帰還」に所属するアステカの魔術師。学園都市の暗部組織「メンバー」の構成員。
浅黒い肌の、彫の深い顔立ちをした少女。死体職人の異名を持ち、死者の魔術に精通している。そのため死者の残留思念を拾うこともある。本来は汚れ仕事とは無縁のポジションにいたが、組織を裏切ったエツァリを粛清するため、変装して学園都市に潜入し、暗部組織「メンバー」の一員として活動する。エツァリの妹弟子のような立場で、彼を「お兄ちゃん」と呼ぶこともあり、ゆえに組織を裏切ったエツァリが許せなかった。
本来の死者の魔術以外に、組織に身体を改造されて、他人の武器を自分の肉体として扱う(自殺させる)術式を用いる。「暦石」の派生系と思われる、動物の皮に文字を記された絵文書形式の魔道書の原典を用いた強力な術式だったが、エツァリとの戦闘中に肉体が限界を迎える。
暗部組織間抗争の際にエツァリと戦うも、先述のように肉体が限界を迎えたため敗北する。しかし、原典をエツァリが継承したために死ぬことは免れ、その後は病院に入院し、ちょくちょくエツァリの見舞を受けている。エツァリが組織を裏切った理由にはあきれているものの、現在の彼の立場を受け入れつつある。
暗部組織間抗争の1カ月前の「学芸都市編SS」では、学芸都市との抗争に参加し、主に後方支援や負傷者の回収任務に就いていた。その任務の中で学芸都市に潜入し孤立していた際、偶然通りかかった佐天と接触し、一時彼女と行動を共にする。その後オリーブに殺されかけた佐天を救い大型救命艇サーモンレッドの情報を教えた後、「雲海の蛇」に乗り最後の襲撃作戦と「太陽の蛇」護衛任務に就き、阻止しに来た美琴と激戦を繰り広げた。最終的には、サーモンレッドを攻撃しようとするテクパトルら同僚の魔術師にトチトリと共に離反して戦い無事阻止するが、その結果制裁を受けることとなり、本編での身体改造に繋がる。
大覇星祭では「メンバー」として活動中、佐天と偶然再会する。偶然「メンバー」のアジトの一つを発見し、内部にうっかり入り込んでしまった佐天を成り行きで救出、背信行為をした警策の真の狙いが美琴であることを彼女に伝える。
トチトリ
中米の魔術結社「翼ある者の帰還」に所属するアステカの魔術師。初登場は外伝「学芸都市編SS」。
ショチトルより若干年上で、同じく褐色の肌の少女。テクパトルの部下であり、ショチトルとは腐れ縁の戦友でよく軽口をたたき合い、特にエツァリに関することではショチトルを茶化すような冗談をよく言う。
ショチトルと同じく組織に身体を改造され、テクパトルが用いる魔術「月のウサギ」に必要な「ウサギの骨」の代わりとして自分の骨が消費される状態にされており、消費された骨は黒曜石に代価されるものの、その際の激痛によって精神崩壊状態にあった。その後はエツァリが「月のウサギ」を継承したことで原典から解放され、以降はショチトルと同じ病院で治療を受けている。
「学芸都市編SS」では、「雲海の蛇」に乗って学芸都市の機密施設内に突入し、学芸都市に奪われていた「太陽の蛇」起動の鍵となる霊装を回収し、脱出する際にショチトルも拾う。その後、最後の襲撃の際にテクパトルの作戦に反発し、離反してショチトルと共に戦うが、その結果制裁を受けることとなり、本編での身体改造に繋がる。
テクパトル
中米の魔術結社「翼ある者の帰還」に所属するアステカの魔術師。初登場は外伝「学芸都市編SS」。
現場での指揮や作戦立案を行い、ショチトルやトチトリの上役にあたる。組織が学芸都市との抗争に勝利したものの、自分達の現状は何も変わらず、これは幹部たちが自分たちの利権を守るための戦いだったと考え、上層部を粛清する。しかし、この行為によって組織の方向性を完全に見失い、事実上組織は壊滅状態にある。
「暦石」の派生形である、「月のウサギ」という数枚の石板状の魔道書の原典を用いた魔術を使う。「ウサギの骨」に見立てたトチトリの骨を飛ばすことで強力な破壊力を持った攻撃を行う。また、自身への原典の汚染を防ぐために防護策などを講じていたが、これが原典に殺される一因となる。
裏切り者のエツァリを粛清するため、トチトリを連れて潮岸の側近の美濃部に成り代わる。計画は狂ったが、偶然にも潮岸とグループの抗争でエツァリと出会い命を狙う。原典「月のウサギ」を用いてエツァリを圧倒するも、彼の機転で自分の魔道書に殺される。

グレムリン

オティヌス勢力
オティヌス
本作のヒロインの1人。魔術結社「グレムリン」のトップ。北欧神話の主神「オティヌス(オーディン)」の名を冠する。オッレルスから魔神の座を奪った、正真正銘の「魔神」。
毛皮のコートの下に黒装束[注 10]、尖った鍔広の帽子という、魔女の如き風貌をした隻眼の少女。「知識」を得るために片目をえぐりだしさらに首をくくったという。えぐりだした「目」は後に湖畔にイーエスコウ城が建設される湖の中に沈められており、これが彼女の魔神化にとって重要なファクターとなっている。最も魔神に近い人物であるオッレルスをして「絶対に勝てない」と言わせる程の力を持ちながら、魔神が持つ「無限の可能性」により50%の確率で失敗するというリスクを抱えており、このジレンマから解放される手段を求めて活動しているらしい[注 11]。成功の100%を手にするため「グングニル」の完成を目指している。死体の要所に黄金を打ち込み「死者の軍勢(エインヘルヤル)」として操ることができ、「槍」の完成によりその術式を「生み出す」極致の象徴として強化、「位相」をそれまでの世界に挟み込むことで全く異なる見え方の世界を作り出し、世界中の人間の生き死にさえ自由に操ることができるようになる。また、「オティヌス」としては1発で惑星の1、2つを削り取るほどの威力をもつ矢を10本放つ「弩(いしゆみ)」の術式と自分を含む対象者を除く世界のすべてを移動させる瞬間移動の術式「骨船」を使用できる。ただし、「骨船」は300〜400kmの誤差が当たり前なうえ、移動中に海に落ちたり山脈に衝突する危険性がある。案外面倒見はよく、インデックスやレイヴィニアと同様で説明好き[注 12]
「船の墓場」での「槍」製造中にオッレルスとフィアンマの襲撃を受け、「妖精化」で魔神として完膚なきまでに敗北を喫する。しかし、実は50:50というどちらに転ぶか定かではない状態のため動きが取れなかったにすぎず、成功か失敗のどちらか100%を手に入れることが真の目的で、何者かに敗北すること自体第2希望だった。よって敗北により失敗の100%を獲得したことで「魔神」として完成し、さらに自らの肉体から「槍」を生み出したことで「魔神」すら凌駕する存在となる。
実は作中の世界にたどり着く前に世界の改変を何度も行っていたという過去を持ち、その結果自分が元居た世界の姿を見失ってしまっていた。仕方なく元の世界に酷似した世界を作り上げ魔神の力を捨てて暮らしていたが、次第にその世界に妥協できなくなり、もともとの「第一希望」の世界に帰りたいと願うようになる。「グレムリン」を組織したのも、完全なる「魔神」の力と「基準点」である「幻想殺し」の力を使って元の世界に帰るという真の目的のためだった。
失敗の100%を手に入れた後は、「幻想殺し」を扱いやすくするべく上条の心を挫くために数え切れないほど世界で押しつぶし続け、上条が精神的に回復してからは10031回もの戦闘を行った。圧倒的な格下を幾度となく相手取ったことが仇となり、自分の方が先に精神的な限界を迎えてしまったため、「幻想殺し」を手中に収めることを諦め、「次の世界」で妥協しようと考え上条の殺害を決意する。自分専用の戦闘パターンを積み上げた上条に成功100%の方向性である「槍」を砕かれはしたものの、残った失敗100%の力で当然オティヌスが勝ったが、瀕死の彼から「幻想殺し」でオティヌス自身の「第一希望」の世界を取り戻すように頼まれる。上条という「元の世界」にいた時ですらいまだかつて現れたことの無かった理解者の喪失がきっかけで、彼の世界を戻してその世界で支えとなるものを見つけたいがため、「妖精化」の弊害に体を蝕まれながらも自分の死を覚悟して「上条当麻の世界」に戻した。魔神のみに作用する「妖精化」を無効化するためには人間へと戻る必要があったため、自分の側につくことを決意した上条と共にデンマークへ向かう。数々の敵の攻撃を退けながら「目」が沈む湖までたどり着いたが、自分自身を許すことができず、自らの死によって世界中を敵に回した上条を救おうとして、限界を迎えつつある肉体で彼に対して魔術を行使する。「幻想殺し」で「妖精化」を破壊されたため肉体はほぼ崩壊してしまったものの僧正の介入により完全には死を迎えることはなく、魔神に最も近しい存在でありながら一切魔術の使えない身長15cmの小人として復活する。当初の予定ではアメリカに引き渡されて収監される予定であったが、小人の脱獄を防ぐことの可能な施設がないことや寿命の概念があるかさえ不明なことから「幸せな世界を眺め続ける」という罰を与えられた。現在は上条の家で生活しているが、同居人インデックスの飼い猫であるスフィンクスに何度も襲われている[注 13]
投擲の槌(ミョルニル)
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。北欧神話の雷神トールが持つ武器「ミョルニル」の名を冠する。
黒い大理石で出来た円柱型の物体という異様極まりない姿をしているが、れっきとした人間であり魔術師。自分の術式を最適化させるためマリアンに改造され現在の姿になったとされる。本名、性別など素性に関するものは一切不明だが、オティヌスによれば少女とのこと。本当の声であるか定かではないが、高いソプラノの声で言葉を発する。
ミョルニルの特性にちなんだ電撃と、体表を箱のように開き内部で召喚した火縄銃などの飛び道具による攻撃を得意とする。最大の武器は自らの名前でもある「投擲の槌」で、莫大な電力を纏い空中を高速旋回することによりソレノイドコイル状の磁場を発生させ、円の内部に帯電した空気を通す事で超巨大な雷撃を発生させる。また、トールが全能の神であった頃の名残で「魔術の杖」の力も有し、魔術におけるあらゆる問題を一つだけ解消できる霊装としての希少な能力を持つ。
自らも形状を変え空中飛行することが可能。これは空中を飛ぶ魔術師に対して絶対の効果を持つ魔術「撃墜術式」の格好の的であるが、その異様な外見により人間であることを見破られることは稀。
上条当麻の生存確認のため打ち上げられたラジオゾンデ要塞に逗留し、宇宙空間から落下することで要塞への侵入を果たした神裂火織を襲撃する。「投擲の槌」で要塞の3分の1を吹き飛ばし神裂を追い詰めるも、正体を見抜かれ「撃墜術式」を唱えられたことで撃墜され、逃走する。
マリアン=スリンゲナイヤー
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。現存する数少ない「黒小人(ドヴェルグ)」。
銀髪の三つ編みに褐色肌の少女。黄金の工具を用いて人間を家具に作り変えたりする。切り札として全人類を殺害するために作られた「戦乱の剣ダインスレーヴ)」も所持しており、鞘から刀身を露出させるだけで狙った相手が恐怖の余り自分で心臓を止めて死ぬほどのとんでもない威力を誇り、完全に抜刀してしまえばとんでもない災害を齎すと言われる。またこの剣を封じる鞘の力で地球の重力と空気中の埃を封じ込み、解き放つことで灰色状の切断ブレードも生み出せる[注 14]。あらかじめ境界を引きその中で刃を振るうことで、様々な宗教において封印された存在を解き放ち終末を再現するという力を持つ。バゲージシティでオティヌスが破壊したが、放棄された「主神の槍」の材料から作られた人間が扱える範囲のあらゆる武器を作り上げる「万象の金ドラウプニル)」によって再生されるも「幻想殺し」によってふたたび破壊された。
黒小人が使う工具の進歩を目指していた頃に加群に接触して友人となる。グレムリン結成後は相討ちによる復讐を止めさせようと組織に引き入れ彼が必要とされる場所を提供したが、止められないと悟るや相打ちになっても生き残れるように支援することを決意。
ある実験の為にウートガルザロキやシギンと共に「ナチュラルセレクター」を警護し、学園都市地上部隊との交戦にとどまらず理論や運命の抜け道すら塞ぐ霊装「ロキの投網」によって航空部隊の迎撃も行っていたが、加郡の死を目撃したことで実験やオティヌスの制止を無視して激昂、「戦乱の剣」で無差別殺人を行おうとするも上条に敗北する。その後、フロイライン=クライトゥーネを確保するため投擲の槌やトールと共に学園都市に侵入するが、上条たちの策で自分の居所が割れたと焦り暴走し始めたためトールによって昏倒させられ戦線を離脱した。
その後は、「船の墓場」で「槍」の調整を行うが、オッレルスによる妨害を受け負傷する。グレムリンを見捨てたオティヌスを始末するため単身で上条たちを襲うが敗北、「投擲の槌」に連れられてその場を去った。
ウートガルザロキ
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。北欧神話の巨人「ウートガルザロキ」の名を冠する。金髪の男性。
炎の写真を見せて炎の痛みを与えるといった、「五感の一つで得た情報を別の五感に移し替える」という幻覚系の魔術を使う。
バゲージシティでウェイスランドの護衛をしていたが、乱数の襲撃を受け重傷を負わされるも、幻覚を掛けて動きを封じた。しかし、似たような幻覚使いである乱数に幻覚を掛け返されてしまい、行動不能となる。
シギン
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。北欧神話の女神「シギン」の名を冠する。
論理の穴埋めを得意とするディベートの達人で、100%確実な「助言」を行うことができる。その能力を自分のために使うことができれば魔神に手が届く可能性すらあるとされるが、魔術師であるかどうかは不明。「助言」によって仲間が成功した時だけ自分の手柄にしようとするため、仲間意識はきわめて希薄。序盤のうちにすでに近江率いる甲賀の部隊に捕らえられていた。
木原 加群(きはら かぐん) / ベルシ
木原一族の一人。魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。北欧神話の英雄「ベルシ」の名を冠する。
短い黒髪の男性。初登場時は白いロングコートと同色のフルフェイスヘルメットで完全に容姿を隠しており、地の文などでは正体が判明するまで「ヘルメットの男」と表記されている。木原一族らしからぬ人格の寡黙で優しい人物だが、手段の正当性を選ばない所や暗部に似た科学実験の考案など、やはり彼も「木原」らしい特徴を持つ。しかし目的のために自身の死を厭わず、各所に様々な気配りをした計画を立てるなど、上条とは違う方向における完璧で潔い主人公とも描写されている。
かつては学園都市暗部に属する臨死体験を専門に扱う研究者で、人の命の普遍的価値を追求する目的で生命を科学的に究明しようとしていた。その結果、人間を安全に殺害し安全に蘇生させる方法を確立し、単純な殺害人数では一族内でも最多(ただし全員蘇生なので実質0人)という記録を作ったものの、このまま研究を続ければ人の命の軽さを結論付けてしまい本来の目的に反すると気付いて研究職を辞退する。その後は一般の教師となり、不登校生徒と接し学校生活へ復帰させる「落第防止(スチューデントキーパー)」の役職を担い生徒達の憧れとなる。だが3年前のある日、その生徒の一人である雲川鞠亜の登校途中に襲撃してきた通り魔の少年を返り討ちにして殺害してしまい、正当防衛と認められるも生徒達のために教職を辞する。さらに通り魔の少年が実際は病理によって通り魔に仕立て上げられた被害者だったと知り、彼の復讐として病理と自分自身を殺害するために学園都市を去った。
マリアンと出会い魔術の存在を知ると、復讐を完遂する手段として独学で魔術師となり、自身の異名の英雄ベルシの持つ決闘剣「ヴィーティング」の伝承にちなんだ、致命傷のみを回避する術式を体に備え、負傷の度合いに応じて攻撃力を増す効果を有する青白い光の剣を生む術式を磨くようになる。「グレムリン」に所属してからは科学者として貢献し、魔術と科学の融合技術創造や作戦立案を担当していた。
バゲージシティではファイブオーバーなどの学園都市側の軍勢を撃破し、円周を一時退ける。その後、病理を襲撃して消耗戦に持ち込み、自身の目的通り相討ちを果たし死亡した。死体は、オティヌスの「死者の軍勢」の一つとなったものの、バックドアとして事前に首に埋め込んだ半導体によって自分らしくない行動を命じられたときにはそれに抗うことができるようになっている。それにより、総攻撃の際にはフレイヤと共に東京襲撃を命じられたものの、人命救助を行っている。
生前、「新入生」を仮想敵とし彼らに対抗するための拠点を学園都市内に準備しており、これが上条やトールのフロイライン=クロイトゥーネ救出に役立つこととなる。
トール
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。北欧神話の雷神「トール」の名を冠する。
直接戦闘手段を突き詰めた結果、『戦争代理人』と呼ばれるほどの実力をつけた戦闘のプロ。経験値の獲得を目的としている。
指先から灼熱のアーク溶断ブレードを噴出する攻撃手段を備えており、これはさらに『投擲の槌』を接続し、永続的に力の供給を受けることで、雷光を最大で2kmまで伸長させることもできるほど(通常使用時は20m)であり常に力の供給を受け続けているため幻想殺しでも消しきれない。これらは足からも噴出できる。また『』の霊装により、橋梁を投げ上げるほどの怪力を振るったり[注 15]、トールの伝承に則った女性限定の変装術も備えている。足からも雷光を発してブースターとして使用することもできる。だがこれらの強大な力はあくまで『雷神』としての特性であり力の本質ではない。
その本質とは単なる雷神としての力だけでなく全能の神としての力である。その力は強大で、オティヌスが『魔神』とならなければ「グレムリン」のトップについていたはずだったほどでありグレムリン内では『旧全能』と呼ばれている[注 16]。「全能神」としての術式は「自分が相手に必ず勝てる位置に地球ごと移動させる」というもので、原理としてはオティヌスの「骨船」に似ている。しかし、確実に勝てるという性質上経験値はほとんど蓄積せず、使用すればするほど自転や公転の誤差が修正しきれなくなるという重大な欠点がある。また、相手との戦闘に直接かかわりのないものは対象外で、魔神の一撃のように世界全体を一瞬で粉砕するような攻撃には太刀打ちできない。
以前から破壊を拡大させる自分の力を抑え込むことのできる上条に目をつけていた。フロイライン=クライトゥーネを救うためグレムリンを欺き、上条と接触し行動を共にする。彼女が「窓のないビル」を出てからは、グレムリンを前線から遠ざけてから美琴を唆して共にオッレルス勢力の前に立ちふさがり、シルビアと交戦。その後、学園都市を出る前に上条と戦闘し、雷神としては敗れたが両腕を骨折した状態ながら全能の神の圧倒的な力を持って彼を降す。バゲージシティの一件で既にグレムリンを見限っており、オッレルスと入れ替わってグレムリンを脱退する。
その後、オティヌスを斃そうと世界中からオーデンセへと終結したグレムリンメンバー全員を「全能神」の圧倒的な能力で殲滅し、上条の前に立ちふさがる。満身創痍の上条を追い詰めるも、弱点を逆手に取られ列車に轢かれてしまい何とか致命傷は避けたものの重傷をって戦闘不能になる。
フレイヤ
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。ぎりぎり女子大生ほどの年齢の妊婦[12]。北欧神話の豊穣神「フレイヤ」の名を冠する。
胎児を安全に出産するための術式を攻撃用に転化した術式を使い、「コール」でブリーシンガメンという宝石を核に北欧神話に登場する怪物たちを生み出す。さらに、生み出された怪物たちは「ブラック」と「ホワイト」の2つに分類され、「シフト」で対になる存在を捕食させることにより怪物を強化することもできる。
母体に魔術を扱うセンスがないため胎児を利用して魔術を使用していると発言していたが、実は妊娠2年を経た胎児こそが本体だった。自分を身籠ったことで周囲の人間から縁を切られ孤独の中で倒れた母親を救うために、自らの意思で母親の意識を乗っ取る。その影響で母親の意識が薄れいずれ死を迎えるという事実を覆すため魔神であるオティヌスを頼る。
グレムリンの総攻撃の際にはベルシと共に東京を襲撃、ムスペルを最も多く撃破した上条の前に現れ交戦を始めるが、美琴に切り札の「地の底這う悪竜(ニーズヘッグ)」を撃破され、インデックスが魔導書の知識によって元々の術式を完成させたことにより胎児から母親に意識が切り替わった。
ロキ
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。燕尾服の老人[13]。北欧神話の悪神「ロキ」の名を冠する。
空一面に偽りの星々を高精度で映し出す術式「ヴィゾヴニルの御膝元」を「船の墓場」上空に展開し、味方にすら現在地を北海だと思い込ませ、誤った情報を受けたイギリスの部隊をダミーに引きつけることに成功する。
ヨルムンガンド
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。少年[14]。北欧神話に登場する大蛇「ヨルムンガンド」の名を冠する。グレムリンの直接戦闘担当。
天の神すら殺す毒の息を模した紫の光球を飛ばす術式を使用する。
日本海上空でロシアの爆撃機編隊を襲撃、直後にステイルと戦闘を開始する。
ヘル
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。無数の皮膚移植が施られた肌を持ち、返り血を浴びたかのような色のドレスを纏った少女[15]。北欧神話のニヴルヘイムの女王「ヘル」の名を冠する。
死者の残留情報から死因を取り出し、武具による死因と入れ替える術式を使う。個人だけでなく物体にも使用することができ、例えば銃殺を焼殺と入れ替えれば弾丸1発で戦艦一つを丸ごと焼くことも可能。
太平洋サイパン沖で補給艦及びそのルートの破壊を行うが、シルビアとブリュンヒルドと交戦することとなる。
フェンリル
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。青年[16]。北欧神話に登場する狼「フェンリル」の名を冠する。グレムリンの直接戦闘担当。
フェンリルの涎が川を作ったという伝説をもとに、龍脈や地脈のような莫大なエネルギーの流れを強引に捻じ曲げて「溝」を作り任意の場所へ受け流す術式を使用する。受け流す過程で様々なものを飲み込むという性質を利用して攻撃に転用することも可能。
アラスカでNORADの弾道ミサイル基地を抑えようとするが、オリアナと交戦する。
イドゥンシフ
魔術結社「グレムリン」の正規メンバー。名前のみ登場[17]。北欧神話の女神「イドゥン」、「シフ」の名を冠する。
サローニャ=A=イリヴィカ
魔術結社「グレムリン」の構成員。ロシア出身の魔術師。
白い肌に金髪で緑を貴重とした衣装に膝上まである革のブーツを履いている。単語に「ちゃん - 」と付けるのが口癖でおどけた言動と裏腹に残忍な性格。
元々ロシア成教に所属していたが、第三次世界大戦後、学園都市とアメリカ合衆国を中心とする体制に不満を抱き、グレムリンに加わる。
レーシー」というロシアの妖精に関する術式を用いる。「レーシーの森」の植物が生成した酸素を吸った生物の精神レベルを均等に整え、支配する。「森の住人」の悪意や敵意を集中させることで「森」から排除されたものの心を外側から干渉して捻じ曲げ、植物の生育を妨げた者への罰として対象の体を麻痺させることも可能。
オーレイと組んで、アメリカ合衆国を掌握しようとしたが、上条に敗北した。
サンドリヨン
魔術結社「グレムリン」の構成員。フランス出身の魔術師。
ダイバースーツに似たコルセットの上に透明なドレスを着用している。
名前通りに「灰被り」に関する術式を用い、失敗があり得ないよう外的要因をすべて排除するほか、ガラスの靴に基づく22.5cm以外の大きさの足の破壊、ダンスの技術を応用した高速戦闘、カボチャの馬車をモチーフとする衝撃波による攻撃を行う。術式の発動にはドレスを着用することが必要で、また夜明けを示されると術が解除される弱点がある。
ハワイへ来た上条達を空港で襲撃するも、レイヴィニアに弱点を付かれて敗北する。その後、制裁としてマリアンの手でテーブルに改造された。
その後、オッレルスによって元の姿に戻されたことで自分の体を組み立て直せるようになり、自らを分解して荷物として学園都市に侵入。麦野に自分の体を作らせ、彼女が分量通りに作らなかったためやや小柄な姿で肉体を復活、「グレムリン」に決定的なダメージを与えるべく上条との接触、フロイライン=クロイトゥーネの「機能」を停止させるため自らの体の材料の余りを提供する。
魔神勢力
僧正(そうじょう)
真のグレムリンのメンバーである日本仏教由来の魔神。干からびた木乃伊のような外見で不動明王の装身具を模した僧衣を身にまとっている。かつて衆生の救済のため厳しい修行の末に即身仏となる道を選んだものの、入定後に貴族の派閥争いに巻き込まれた結果仏の座を与えられることなく葬り去られかけた。その時に魔神となり、役割を与えられることなく力を振るい続ける存在と化す。元は高僧であったためか一度手に入れたものには執着を抱かない性格。上に立った物言いで他人を評価する悪癖がある。隠世に潜み、実存世界の様子を観察していたが、オティヌスが崩壊した直後に干渉を行った結果アレイスターの侵入を許してしまい、「位相」を暴かれたため、実存世界に現れた。実存世界に現れる際に世界の崩壊を防ぐために、自身の存在を無限に小分けすることで世界が許容できるレベルに落としていたが、そのために使用した魔神『ゾンビ』の術式がアレイスターによって細工されていたため、新たなパラメーターを打ち込まれた。アレイスターとは過去に何らかの遺恨あるもよう。
自らが人としての死を迎えた時に周囲にあった「土」を自在に操る術式を有し、土で作った巨大な腕を振るい攻撃する。その際攻撃に利用した土は補充されることがないため、術式行使後に地盤の崩落を引き起こす。ただし、ガラスやコンクリートのように一度加工されたものを操ることはできない。加えて、地面に接している者を探知する能力もある。その真価は一代で仏となったことによる六道交差にあり、内臓が極端に委縮している木乃伊化した肉体を有しているためか、首を折られようが真空や高熱にさらされようが問題なく活動することが可能。時速60km近い速度で走ることができる。
防犯オリエンテーションが行われているとある高校に現れ、上条を呼び出して六道ではない7つ目の道を示す採点者になるよう依頼する。それを断られると学園都市に多大な被害を与えながら、逃走する上条の追跡を開始、警備員や右方のフィアンマの妨害もものともせず追い詰めようとしたが、第23学区にたどり着くとマスドライバーで宇宙空間まで打ち上げられる。宇宙でアローヘッド彗星と一体化、軌道を操って地球に帰還しようとしたが、アレイスターの命令で出撃した脳幹の対魔術式駆動鎧に貫かれ、アレイスタ―に詫びながら死亡した。
ネフテュス
真のグレムリンのメンバーであるエジプト神話由来の魔神。体中に包帯を巻いた左右の瞳の色が異なる褐色の肌の美女。葬儀の場に参列した泣き女を軸に創作された神格で、王の副葬として生き埋めにされた召使たちの集合。神格が形成された経緯から非常に涙もろい。隠世に潜み、実存世界の様子を観察していたが、アレイスターにより、「位相」を暴かれたため、実存世界に現れた。実存世界に現れる際に世界の崩壊を防ぐために、自身の存在を無限に小分けすることで世界が許容できるレベルに落としていたが、そのために使用した魔神『ゾンビ』の術式がアレイスターによって細工されていたため、新たなパラメーターを打ち込まれた。
前述のように集合としての存在であるため自分の力を分割することに特化しているため、パラメーターにより力を奪われた状態でも新たな位相を1回生み出すだけの余力を有している。
僧正に追われる上条たちの前に現れ、魔神同士の戦争を抑えて本当の犠牲を防ぐために僧正の能力についての情報を与える。他の魔神たちとは違い美琴に対しても割と好意的な感情を示している。僧正の敗北後、心の中ではまだまだ神様らしいことをしてみたいという想いを持っていたため、娘々を葬った上里を倒そうとするが位相の力ごと「理想送り」で肉体をえぐられ敗北。エジプト式の木乃伊の特徴として心臓以外の主要臓器を肉体の外に保管してあったためかろうじて復活、上条に上里の出現を警告した。その時にはすでに肉体の大半を失ったことで非常に衰弱しており、最後に残された力で自らの体を作り替え、サンプル=ショゴスが体内から消失したことで体内の脂肪を失い命を落としかけたパトリシアを救い、そのまま消滅した。
娘々(ニャンニャン)
真のグレムリンのメンバーである道教由来の魔神。尸解仙で、名前のとおり少女の姿をしている。丈の短いチャイナドレスを着用し、額には札を貼っている。ノーパン。隠世に潜み、実存世界の様子を観察していたが、アレイスターにより、「位相」を暴かれたため、実存世界に現れた。実存世界に現れる際に世界の崩壊を防ぐために、自身の存在を無限に小分けすることで世界が許容できるレベルに落としていたが、そのために使用した魔神『ゾンビ』の術式がアレイスターによって細工されていたため、新たなパラメーターを打ち込まれた。
指先を変化させ、仙人の武器とされる様々な「宝貝」を作り出す能力を持つ。
ネフテュスと共に上条に僧正の情報を与えたが、脳幹が僧正を殺害したのを知り激情のままに学園都市を壊滅させようとする。しかし、上里の手にかかり新天地への期待に打ち震えながら消滅した。
ゾンビ
真のグレムリンのメンバーであるブードゥー教由来の魔神。全身縫い目だらけの少女。
魔神が持つ無限の力を無限に等分することで、世界にとってギリギリ許容可能なレベルにまで自己をとどめる術式「鏡合わせの分割」を考案した。
サンジェルマンの撃破に前後して脳幹に討たれ、自らがほかの魔神たちに施していた術式を上書きされる。
ヌアダ
真のグレムリンのメンバーであるケルト神話由来の魔神。上里に襲われ「銀の腕」だけを残して消滅。
キメラ、テスカトリポカ、プロセルピナ
真のグレムリンのメンバーたち。上里の手にかかり消滅。

オッレルス勢力

オッレルス
魔神になるはずだった魔術師。北欧神話の神「オッレルス」の名を冠する。
生命力を魔力ではなく特殊な力に変換する「北欧王座フリズスキャルヴ)」を扱う。本来の「北欧王座」に攻撃する機能は無いが、強引に利用し説明できない力として攻撃する。削板を一蹴するほどの実力者だが、人身売買組織に捕まっていた100人近い子供を自宅に保護するなど、温厚かつ気ままな性格。魔神になるチャンスを迎えるが、子猫を助けるために動物病院を探していたことでその機会を逃した。
「原石」を保護するために動いた学園都市へ侵入し、世界最高の「原石」である削板を倒すことで「原石」を悪用しないように警告した。
第三次世界大戦の最中、シルビアと共にロシアに現れ、アレイスターに敗れ瀕死の状態となっていたフィアンマを保護した。反学園都市サイエンスガーディアンの一拠点であるバゲージシティでは右手首を千切られて窮地に陥った上条を救出するためフィアンマと共にオティヌスの前に現れ、彼女が抱える「50:50のジレンマ」を突いてこれを退けた。その後、上条を学園都市まで運び、幻想殺しの正体を彼に告げ、フロイライン=クロイトゥーネの争奪戦後、垣根帝督の内臓を持ってトールに変装しグレムリンに潜り込む。連合軍に「船の墓場」の位置を伝え、モックルカールヴィの破壊とマリアン襲撃を行い、フィアンマと共に自らを囮にして十字教における異教の神を矮小化させる術式「妖精化」を使い、自らを囮として魔神に近い力と引き換えにオティヌスに土をつける。しかし、敗北100%を手にしたオティヌスの反撃にあい敗北する。
その後はオティヌスと上条のどちらか片方が死ぬことでもう片方の性質が大きく変質してしまうことを危惧して、自らの身を挺してシルビアとブリュンヒルドを制止する。しかし「妖精化」を打ち込まれた影響で並みの魔術師未満にまで力が減じた状態で聖人同士の戦いに身をさらした代償で両腕に大きなダメージを受ける。その後のオティヌスとの対話で、自分が彼女の「理解者」になれなかったことにわずかな寂しさを感じる。
シルビア
右方のフィアンマ
レイヴィニア=バードウェイ
ブリュンヒルド=エイクトベル
フィンランド出身の北欧神話系女性魔術師。聖人でありワルキューレ。神裂編SSでラストボスとして初登場。
神裂と同程度の年齢で、長い金髪と色白い肌の女性。羽飾り付きの帽子、膝上丈のワンピースの下に男物のズボンを重ね、肘と膝のプロテクターと防弾ベストという、中世騎士の甲冑を現代の素材で作ったような不思議な印象の服装をしている。クレイモアのような超重量の剣を好む。
十字教の聖人と北欧神話のワルキューレの両方の性質を併せ持つ。ただし、聖人とワルキューレの力は同時には扱えず、どちらか一方の力が強まると一方の力が極端に弱まるという状態にある。3か月ほどの周期で力の増減を繰り返すが、五分五分に拮抗した時は互いの力を相殺してしまうため、周期のうち数日間は両方の力を失い常人並みとなる。
元々は、北欧圏の伝統的な生活をひっそり営むことを目的とする小規模で無害な魔術結社に所属し、そこで平穏に暮らしていた。だが5年前、北欧系五大魔術結社に自身の結社を滅ぼされ、迫害から逃れながら放浪生活を送る。さらに半年前、運悪く力を失う時期に襲撃を受けて五大結社に監禁・拷問される。そこでセイリエと親しくなり彼の境遇を知り、共に脱出しようと五大結社への反攻を決心するが、実行前にセイリエが自殺を図ってしまい絶望する。そして、北欧神話の主神オーディンの力を手に入れ、その力で植物状態のセイリエを蘇生させるべく行動する。
オーディンの持つ北欧神話最強の武具「主神の槍(グングニル)」を再現した全長3m、槍とは言い難い形状をしている霊装を使う。「主神の槍」の様々な伝承を、独自に設計したことで、真価としてあらゆる天候を制御する能力を持ち、純白の落雷や純白の溶岩などの様々な天候や自然災害を出現させて自在に操作することができる。また、「主神の槍」は「最後のルーン」と呼ばれる特殊なルーンを地球の中心核に刻むことで完成する。この「最後のルーン」は原典と同じく破壊不可能。なお、中心核への干渉方法として海洋牢獄の遠隔制御技術を利用したり、そのセキュリティを解除する為にエーラソーンから技術情報を得るなど、準備を整える過程で神裂SS各話の魔術師や魔術設備と接触している。
準備を終えると、北欧系五大結社を壊滅させて復讐を遂げる。その後、出力70%の未完成な「主神の槍」を用いて神裂と交戦する。その途中、神裂から自分を含む数多の聖人の経験から、失った者の蘇生は不可能でありその試みは無意味であると説得されるが、葛藤の末に感情が爆発し暴走。最終的には、神裂にワルキューレの力を半減させられたことで弱体化して敗北し、「主神の槍」や「最後のルーン」を失いイギリス清教に捕縛された。その後、第三次世界大戦での協力で釈放されセイリエと共に平和に過ごしていたが、「主神の槍」関連の技術を狙う「グレムリン」の襲撃を受け、駆けつけたシルビアやレイヴィニアと共闘する。フロイライン=クロイトゥーネ争奪戦では美琴と交戦した。オティヌス討伐時には彼女を憎悪するシルビアと共にオーデンセに向かい、セイリエを守るためにオティヌスを始末しようとしたがオッレルスに止められて失敗する。

その他の組織・無所属

アウレオルス=イザード(Aureolus=Izzard)
声 - 杉田智和
元ローマ正教所属の錬金術師。魔法名はHonos628(我が名誉は世界のために)。
パラケルススの末裔で、かつてはローマ正教で対魔術師用の魔道書を書く「隠秘記録官(カンセラリウス)」を務めていた。そこで先生としてインデックスと出会い、彼女を救うためローマ正教を出奔し、以後、全世界の魔術師を敵にまわす。「無限の生命力」を持つ吸血鬼の「無限の記憶を保つ術」に着目し、「吸血殺し」の姫神を囲っている三沢塾を乗っ取り彼女と協力関係を持つ。その後、三沢塾を魔術で要塞化し、さらにグレゴリオの聖歌隊の技術を応用することで、実現不可能とされていた「黄金練成」を完成させる。発言の冒頭に「○然(必然、当然)」と語を付け、セリフを断定するような口調が特徴。
世界に干渉し、自分の思い通り現実を歪める魔術「黄金練成アルス=マグナ)」を用いる。ビル3棟をまとめて消滅させることも可能なローマ正教の切り札「グレゴリオの聖歌隊」すら簡単に無効化する。良くも悪くも自分の思い通りに現実が歪む(自分が「可能だ」と思えばどんなことでも可能になるが、逆に「不可能だ」と思ってしまえば決して実現しなくなる)ため、首筋にを刺すことで不安を打ち消していた。
インデックスが既に上条に救われていたことを知って自暴自棄となる。上条やステイルの命を狙い、上条の右腕を切断するも、黄金練成の弱点に気付いた彼の演技によって自信を喪失。上条の右手から生えた竜王の顎によって精神を破壊され、同時に記憶と黄金練成の力も失う。その後、ステイルの処置によって顔を変えられて別人となり、表向きは死亡したことになっている。
アウレオルス=ダミー
アウレオルスが「警備装置」として作り出した自身の偽者。テレビアニメ版には未登場。
全体的に小物臭い言動が多く、本物のアウレオルスとは別人のようだが、上条は彼こそがアウレオルスの本質だと推察している。自身は偽者であることに気付いておらず、ステイルに魔術師の本分について酷評される。続けて上条との交戦で負傷。最後に魔術師とは何かを思い出し、ステイルに破壊される。
鎖付きの鏃に触れたものを瞬間的に金へ強制変換する「瞬間錬金(リメン=マグナ)」を操る。
闇咲 逢魔(やみさか おうま)
声 - 中田譲治
神道系の魔術師。
全身黒づくめの強面の男。まるでマフィア関係者のような外見だが、感覚を研ぎ澄ますために平時は閉ざされているその眼は子供のように澄んでいる。右腕に「梓弓」を取り付けた仕込み籠手を装備しており、弦を弾くことで魔術を発動させる。縄縛術の手練れでもある。
想いを寄せる女性の呪いを解くため、魔道書「抱朴子」の知識を求めて学園都市に侵入し、上条の目の前でインデックスを誘拐。その後、上条に敗北したが、「幻想殺し」のおかげで彼女の呪いを解くことに成功する。
オリアナ=トムソン(Oriana=Thomson)
声 - 柚木涼香
「運び屋」として魔術業界では有名なフリーの女性魔術師で、手段を選ばず追手を確実に振り切ることから「追跡封じ(ルートディスターブ)」の異名を持つ。魔法名はBasis104(礎を担いし者)。
極めて肉感的なスタイルを誇り、作中屈指の爆乳(Hカップ)の持ち主。また、巻き髪や極端に露出の多い服装など外見も派手なうえ、言葉遣いでもエロティックな表現を多用し、それらを女の武器として惜しげもなく見せびらかす。
行動の原点には「人のために何かをする」と定め、万人が幸せで価値観の齟齬を生まないような世界を常に渇望しており、その実現のためには魔術・科学どちらに与することも厭わないと考えている。それら悲願達成の為、ローマ正教(リドヴィア)と契約し、大覇星祭の期間中、対聖人用の秘蔵霊装「刺突杭剣(スタブソード)」運搬役の依頼を引き受ける。しかし、オリアナの真の役割はリドヴィアが大規模魔術「使徒十字」を安全に発動できるよう、自身を捨て駒としたうえで「刺突杭剣」の名を寄せ餌とした陽動役であった(運んでいた「刺突杭剣」は模造品ですらない、ただの板きれ)。
後の追跡戦では上条らを翻弄させたが、追い詰められた末の上条とステイルとの決戦においては、あべこべで全く連携しない2人の行動に悪戦苦闘するも激闘の末にステイルを退けると、遂には上条をも追い詰めた。しかし、止めを刺さんと肉弾戦に持ち込んだ際、上条の起死回生のパンチが顔面に直撃。この一撃が致命傷となりオリアナは敗北した。なお、肝心の使徒十字は大覇星祭の影響により未遂に終わった。その後、イギリス清教により拘束されロンドンの処刑塔へ幽閉されるが、学園都市とローマ正教の対立が激化するに伴いイギリス清教と契約しイギリスのクーデターでは上条と共闘した。グレムリンの一斉侵攻時にはアラスカのNORADの弾道ミサイル基地を狙うフェンリルを妨害した。
頭の回転が早く、相手の行動を先読みした知力で戦うスタイル。戦闘及び任務中では単語帳風の簡易魔道書「速記原典(ショートハンド)」を使用する。五大元素を示す文字と色、そして座相法則とページ数の組み合わせで様々な魔術パターンを構築できるが、構築された魔術と同じものは二度と組み上げられず、一定時間が経過すると消滅してしまう。加えて1ページで魔術1回分の使い切りタイプであったりと制約が多いが、その分一つ一つの威力も強力で、さらに詠唱不要と大変便利。他にも逃走経路の道中に貼付けておくことでトラップのような使途も可能と汎用性も高い。また、常に新しい魔術を考案して新たに「速記原典」を作ることが出来るため、即興での補充は問題なく行える。ただしオリアナ個人のポリシーとして1度使用したものは2度使わないようにしている。さらに、格闘術も使用し、接近戦においても非常に手強い。
エリザリーナ
エリザリーナ独立国同盟の建国を主導した中心人物で、その名前の由来にもなった女性魔術師。フランスの「傾国の女」の妹。
不健康なほどに色白く痩身な金髪の女性。表では政治的に、裏では魔術的にエリザリーナ独立のために活躍した実力者であり、魔術師としての腕も相当なものである。魔導師でもあり、部下の魔術師を多く育成し同盟内の防衛戦力に役立てている。
フィアンマが狙うサーシャを匿っていたが、フィアンマの襲撃に遭い、上条やレッサーと共に応戦するが圧倒された。その後、流れ着いてきた一方通行や浜面らを保護し、滝壺を回復魔術で治療した。
ベラッギ、ロンギエ
エリザリーナの側近である二人の大男。
傾国の女
「ヴェルサイユの聖女」と呼ばれるフランスの実質的な国家元首の女性。本名不明。エリザリーナの姉。
妹同様、不健康なほどに色白く痩身な女性。「首脳」や「軍師」などとも呼ばれ、フランスの政治も大統領ではなく彼女が動かしていることからキャーリサからは宿敵として認められている。
ジャンヌ=ダルクマリー=アントワネットなどと同じ、その存在だけで国家を揺るがす「傾国の女」というフランス特有の性質を持ち、それが自身の呼び名にもなっている。ヴェルサイユ宮殿の地下に監禁されているとされていたが、第三次世界大戦が勃発するとドーヴァー海峡にてイギリスとの戦闘に参戦。後にフィアンマの引き起こした混乱を収めるべく、キャーリサと共闘した。
フランスの国家的な霊装「デュランダル」を持ち、霊装にフランス国内の力を流し込むことで音速挙動などを可能としており、騎士団長をも苦戦させる驚異的な戦闘能力を発揮する。他にも遠隔攻撃の魔術を使い、魔術的な知識・判断に優れる一面もみせている。
「占星施術旅団」の老人
かつての占星施術旅団の一員である魔術師の老人。本名は不明。
ロシア成教の一部門に追われた際、窮地をウィリアム=オルウェルに救われ国外脱出に無事成功した。17巻ではウィリアムと再会し、彼に武器の調達を依頼されアスカロンと「盾の紋章」を提供する。第三次世界大戦ではワシリーサからの依頼で自らの人脈を生かして三大宗派の協力関係の結成に貢献する。さらにその後、元占星施術旅団の仲間やとある青年女性らと共に量産型霊装「雷切」を持ってウィリアムの助太刀に加わった。
「コリシュマルド」の少年
かつてウィリアムと共にオルレアン騎士団と戦った少年。本名は不明。
オルレアン騎士団に誘拐されたとある少女を救うべく立ち上がり、その後ウィリアムの協力もあって少女の救出と組織の壊滅に成功する。第三次世界大戦では彼の成長した姿であろう青年が西洋剣「コリシュマルド」を持ってウィリアムの助太刀に駆けつけた。
「ダルクの神託」の少女
ダルクの神託」と呼ばれる特殊な先天的素質を持つ少女。本名は不明。
かつてはその素質ゆえに、ジャンヌ=ダルクの再現を掲げるオルレアン騎士団に実験素体として連れ去られたが、その後とある少年とウィリアムの活躍によって救出される。第三次世界大戦では彼女が成長した姿であろう女性がある青年と共にウィリアムの助太刀に駆けつけた。
ジーンズショップの店主
ロンドンでジーンズショップを経営する20代の男性で、魔術師。本名は不明。初登場はSS2巻。
イギリス清教に所属する正規要員ではないが、魔術師としての実力が高いこともあって「必要悪の教会」の仕事を半強制的に手伝わされている。あくまで自分は民間人で本業はジーンズショップと主張しており、無給で扱き使われていることや手伝いの間に本業が滞ることなどをよくぼやいている。ジーンズに対する並々ならぬ愛着とこだわりを持ち、特に意図的なダメージ加工は大嫌いであるということから、ジーンズを切り刻む神裂には強く憤慨している。ヴァルキリーの攻撃に屈したり神裂を性的な目で見るなどスケベな人物で、たびたび神裂に殴り飛ばされたりツアーガイドの少女に軽蔑されたりしている。魔術師としては、職業柄か縫製や服飾を利用した術式を得意とし、敵の魔術の解析や味方の魔術の支援など補助系の魔術が多い。
神裂編SSではネット通販を始め、客として注文を受けた佐天涙子と知り合いメル友になったことを毎度の如く自慢している。
ヴァルキリー
本編開始前の2月頃にロンドンに出没していた、ジーンズ切り裂き魔。
銀に近い髪の、スラリとした神裂と同世代の女性。肘の上辺りまである手袋や両足の太股まである長いブーツは、白と黒の牛柄である。鋼の胸当てにビキニアーマーを纏う、ヴァルキリー見習い。色香を使って優れた部下を増やし、単身で魔術結社級の力を得ることが目的らしい。ヴァルキリーの神話にちなみ、9体の分身を使って虜にした男性を操る魔術「九人祝い(ナインサポート)」を使う。神裂と戦闘を行っている最中に出番が終了したため、現在の状況は不明。
サンジェルマン
ダイヤノイドに現れた『魔神』を名乗るもの。魔術サイドや一般社会でも有名であるサンジェルマンを名乗っている。上条には自らを「オティヌスの先に立つもの」と名乗っていたが、オティヌスからはサンジェルマンは名前だけの存在で魔術サイドでは「稀代の詐欺師」とよばれ、主に宝石を操りダイヤのキズを治す伝説から炭素を操るだけの魔術師であるとされた。魔神としての振る舞いもアメリカによって中継されたデンマークでのオティヌスの外見と言動を参考にしての演技である。人間の頭にサンジェルマンとしての思想を同期、感染させることで、多数の人間をサンジェルマンに変えることができ、サンジェルマン同士では念話のようなものでネットワークが繋がっている。そのため魔神たちからもどんなに世界の位相を挿んでも新たに湧き出てくる存在として厄介視されていた。所々で黒い丸薬を口にしている場面があり、インデックスとオティヌスの解析で、それが数千数万の微生物を固めて乾燥させたものであり、乾燥機で生命活動を半分停止させた微生物たちが口の中に摂取されることで唾液などの水分で活動を再開させ人体を冒し、サンジェルマンと化すトリガーとなることが判明。サンジェルマンの正体は文字通りの微生物によって感染するウイルスであった。外見は皆燕尾服を着た紳士のような外見で、藍花に接触した個体は金髪にバニースーツとジャケットという女性奇術師の舞台衣装のような恰好をしていた。
炭素を自在に操る術式「シャンボール」による、炭素で作った無数の槍による攻撃のほかに、植物細胞を細分化したうえで統合・最適化して作り出した植物質の猛獣の操作、一酸化炭素の放出、精製した石油やアルコールを引火させる、レーザー状のダイヤモンドカッター、炭素粉末による粉塵爆発といった様々な攻撃手段を備える。
ダイヤノイドで上条に奇襲をかけた後、藍花悦に接触し、彼をキングアーサーの双子の妹であるアンの持つ盾の主と称して彼に傅き、フレンダの死を彼に伝えその原因を「上条当麻がいなかったから」と称して彼に上条への復讐を促す。盾の魔術の才を持つため超能力開発を秘密裏に受けていないという嘘をついて彼に魔術を使わせ副作用で上条との戦いの中で藍花を死なせることで上条の心を折ろうとした。さらに別の場所でグラビトン式の人工重力制御装置を利用し矮星爆弾を生み出し地球を握りこぶし大の大きさに圧縮することで上条の抹殺を謀っていた。しかし、藍花悦が加納神華としての自分を取り戻し、サンジェルマンに反旗を翻したことで上条、浜面、麦野たちアイテムやステファニー、インデックス、オティヌスたちとの総力戦となり、インデックスとオティヌスにサンジェルマンのネットワークを破壊され、加納に殴り飛ばされて敗北する。
戦いの最中に上条からその場その場で都合のいい嘘を記憶にねじ込んでいっていることから思考が支離滅裂で、何一つ行動に合理性がなく、一つのことを一貫して維持することもできない、大仰に考えているようで実際に何も考えていないことを指摘され、まるで呪文のような言い訳と都合のいい解釈を呟いて話が通じないのは相手の方だと決めつけて相手の言葉を拒絶し、かたくなに自分を魔術師を超越し魔神との合流を拒んだ第三の分類を自称し、理解しないものを無能や努力不能者とあざ笑っていたが、実際はその場の感情で言い訳や免罪符を重ねた末に魔神まで引き合いに出しただけの存在だった。また、魔神たちがどれだけ世界を改編したとしてもどこかで必ず出現するという厄介な性質を持つ存在でもあった。

外伝・番外編の登場人物

ヴィース=ワインレッド
黄金系の女性魔術師。SPマーク編に登場。
短いスカートに前の開いたシャツ、左右にそれぞれ黒く長い手袋と白いレースの手袋を付けている。「時間稼ぎ(タイムロス)」という異名を持ち、その名の通り時間稼ぎや足止めを得意とする。黄金系だが雇われのフリーの魔術師。
ソロモン神殿の二本の柱を由来とし、近代西洋魔術の儀式場出入り口にも配置される霊装「ヤッキンボアズ」を自身の両手に対応させることで、手の位置や動作だけで魔術を発動させる。これにより手順を省いて高速化させ、多彩な攻撃を繰り出し速度と手数で攻める戦術を得意とする。ただし、「明け色の陽射し」のような儀式魔術と比べると速度は勝るが威力は劣る。主に用いるのは土属性の「天使の力」だが、他の属性も使いこなせる。
イギリス清教と学園都市に雇われ、制裁開始まで海洋資源調査船「ブルーリサーチ」で「宵闇の出口」の脱出を阻止する依頼を受けていたが、互いに「宵闇の出口」の魔術師だと誤認したためにマーク=スペースと交戦し撃破される。
フレイス
英国の黄金系魔術結社「暗闇を拭う夜明け」に所属する女性魔術師。SP上条編に登場。
年齢は20歳くらい。楽天的かつ大雑把でマイペースな性格をしている。自身の結社の得意分野でもある、タットワの配色を四大元素に応用した四色のカードを使う術式を扱い、火水土風の現象を自在に発生させる。
彼女の結社が扱う前述の術式は、現在の魔術業界では真空管LSIの関係のように高度な技術に取って代わられ時代遅れとなっている。それによって結社自体も衰退し、今では知名度も低くなり存続が危ぶまれている。
衰退した自身の結社を復興させるための宣伝材料を欲して大きな仕事を成し遂げようとしていた所、微細乙愛の作りだした密着微生物の人工変異体の存在を知り、それを絶滅させるべく学園都市に侵入する。その際に「警備員」と交戦中に上条とインデックスを巻き込み、行動を共にする。微細との戦闘を終えた後、腐敗浄化用の霊装を応用して人工変異体の絶滅に成功する。
「赤き洪水」の少女
イギリス人の魔術師の少女。本名不明。神裂編SSに登場。
年齢は10歳位で金髪碧眼に、丈の短い高級なワンピースを着た少女。大航海時代に十字教圏の列強が行った海外侵略が他の文化圏に与えた影響を調べるため、中南米太平洋アジアなどの遺跡を調査して回っている。その一つとしてアップルヒル島の岩礁跡でルーン文字の遺跡を発掘していたところ、魔術を目撃した現地の島民に「島を守りに来た神の使者」と祭り上げられ、周辺諸島から受けた差別と迫害を怨む彼らによって復讐を求められる。島民は説得に応じず、拒否して立ち去れば今度はアップルヒル島が周辺諸島から報復としてリンチを受け滅ぼされる可能性があったことから、苦悩の末に承諾する。
北欧神話の原初の巨人ユミルの血が洪水となった伝承を元にした魔術「赤き洪水(ユミルズオーシャン)」を扱う。体内の血中塩分濃度と海水の塩分濃度を均質化させることにより、偶像崇拝の理論で自身の血流と付近の海流を対応させ、自在に操作することができる。支配下に置かれた海流は赤く変色し異様な粘性を持ち、絡めとった対象の動きを封じる。津波を起こして相手を沖の彼方まで流したり、海中から巨大な塩の杭を生み出して攻撃することも可能。
計画を阻止しに来た神裂と交戦するも敗北。その後は周辺諸島への攻撃を取り止め、自分の誤解を解き平和的解決を図るため、島民の説得を試み続ける。
レアシック
ルーン魔術を得意とする魔術師。神裂編SSに登場。
ロングコートを着た青年。貴重な文化的資料としてのルーン石碑酸性雨から守るため、火力発電所石油コンビナートといった大気汚染を及ぼす施設を破壊して回っている。しかし、環境保護を謳っているものの、ルーン石碑以外の地域の環境汚染には全く意に介さず、その思想は非常に身勝手で独善的。
レーザーによる研磨工作機械を使ってルーンを刻むという戦法を用いる。これにより、通常なら仕掛けるのに時間がかかるような複雑かつ精密なルーンの陣を短時間で大量に配置することが可能。また、術式の詳細は不明だが、両肩を自ら切断し断面から炎を噴出させて跳ぶことができる。
デンマークの製鉄所爆破を目論むも、神裂達に敗れて阻止される。なお、レアシックが懸念していたルーン石碑は、事件後に神裂達が手配したことで博物館などに保護される。
オーレンツ=トライス
イギリス清教から討伐対象に指定されている魔術師。神裂編SSに登場。
不老不死を専門に研究している。レイヴィニアによると、特に野望はなく、単に命を弄ぶのが好きなだけの酔狂な人物だという。魔道書の「原典」の永久自動保護機能を人体に装備する「原典アーマー」を作り出そうとしているが、他者からは理論が既に破綻していると評され、神裂によると「自殺行為」。自身の拠点を「ビフロスト」と称し、通常の手段では行けない特殊な場所に隠しており、地上との接点は宇宙空間を経由させている物資搬入コンテナのルートのみ。
神裂編SS第6話の敵役にも拘わらず、神裂とレイヴィニアに雑魚扱いされ適当に倒された不憫な人物である。
セートルア
北欧神話系の魔術師。神裂編SSに登場。
北欧系五大魔術結社「世界樹を絶やさぬ者」「知を刻む鉄杭」「海より来たる覇者」「神の剣の文字を知る者」「地の中で黄金を鍛える鎚」の一つに所属する青年。北欧系魔術師でありながら十字教の聖人の性質を持ったブリュンヒルドを「混ぜ物ヘル)」という蔑称で忌み嫌い、彼女の存在が北欧神話文化を壊すと危惧する。5年前彼女の結社に総攻撃を仕掛けて滅ぼした後も、生き残り放浪する彼女に対し執拗な迫害を行い続け、半年前には捕縛し拷問にかける。その後、ブリュンヒルドの復讐によって五大結社は全て壊滅し、構成員は一人残らず重傷を負う。
収容された教会で、神裂達の事情聴取に対し五大結社の独善的な主張を力説するも、ブリュンヒルドに通信術式で今までの所業を糾弾され、「主神の槍」が完成間近という彼女の挑発に対し、恐怖で自ら舌を噛み切りかける。
セイリエ=フラットリー
北欧系五大魔術結社に捕らわれていた間、ブリュンヒルドの牢獄へ食事を運ぶ係を務めていた9歳の少年。神裂編SSで初登場。
彼も何らかの理由で五大結社に捕らわれていた人間で、粗末な服を着て鉄の足枷を嵌められている。ブリュンヒルドが精神を閉ざし拷問の効果が半減するのを防ごうと画策した結社の人間から、彼女と親しくするよう脅される。ブリュンヒルドと交流を深め親しくなるが、強い自責の念に駆られ、ついには罪の意識に耐えられなくなって自殺を図る。一命は取り留めるものの植物状態となり、ベルギーの病院で眠り続けていたが、事件解決後の神裂達の調査により、植物状態ではなく結社の魔術師が何らかの回復阻害魔術をかけて眠りから覚めないだけであり、目覚める可能性があると判明する。
新約4巻時点では、入院生活は続いているものの無事意識を回復し平和に過ごしている。
フラック=アンカーズ
魔道書強奪事件を起こした魔術師。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場[18]
アーランズ=ダークストリート
魔術結社「目覚め待つ宵闇」のボス。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場[19]。海底都市ルルイエを浮上させようとしている。
ヴェイズ
「目覚め待つ宵闇」のメンバー。倒れたアーランズの後を継ぎ計画を進める。宝石「トラペゾヘドロン」により、ナイラトホテプ系の術式を行使する[20]
ダッジ、ローティア
「目覚め待つ宵闇」のメンバー。
エミリア=フォーディア
アイリ=ヘクセンフォビアの派遣した魔術師。ダイヤルの付いた刀剣型の霊装を扱う。フリーディアの命を狙った。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場
アイリ=ヘクセンフォビア
ポンド圏の某国の首相。ロンドンの魔術基盤の壊滅を狙う。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場
シンシア=エクスメント
イギリスの「王立天文学研究機関」の長の少女。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場。
テルノア
声 - 石塚さより
元・魔術師の女性。ラジオドラマ(ドラマCD)版に登場。
過去に喉を潰されたため、人工器官を使用している。そのために呪文の詠唱はできないが、周囲の音に魔術的な干渉をすることで魔術を発動できる。「震災術式」を使って学園都市を破壊しようと目論む。

一般サイド

科学・魔術の両サイドに属さない人々。

主要人物の親族・関係者

上条 刀夜(かみじょう とうや)
声 - 乃村健次
上条当麻の父親。
無精ヒゲで軽い性格にも見えるが、どこか理知的な人物。外資系企業の証券取引対策室という精鋭部署に所属しており、月数回海外出張をしているなど、見た目に反してエリート社員。息子に負けず劣らずのカミジョー属性を連発する性質。
息子の不幸体質をとても気に掛けており、当麻を学園都市に入れたのもそれが理由だった。海外出張の際には怪しいお守りやオカルトグッズを買ってきては息子に与えていた。後にそれらの土産物が「御使堕し」を発動させることとなる。
上条 詩菜(かみじょう しいな)
声 - 井上喜久子
上条当麻の母親。
刀夜とは学生時代に知り合った模様。外見年齢は20代後半。美鈴が羨むような瑞々しい肌を、「何の手入れもなく天然で保持している」という。かなり嫉妬深い性格をしており、夫が他の女性と話すたびに顔の陰影が濃くなる。「あらあら」が口癖。SS2では御坂美鈴の家の近くに引っ越した模様。初登場時は「御使堕し」の効果で姿がインデックスに変わっていた。
スフィンクス
声 - 虎太郎
第2巻でインデックスが拾ったオスの三毛猫。以降、上条宅で飼われている。命名はインデックス。
アニメ版での声には、制作スタッフが飼っている猫「虎太郎」(こたろう)の鳴き声が使われている[21]
竜神 乙姫(たつがみ おとひめ)
上条当麻の従妹。
黒髪でベリーショートの少女。典型的な妹キャラクターで、上条当麻を「おにいちゃん」と呼び、懐いている。「御使堕し」の効果で外見が御坂美琴となっていた(アニメ版では本来の姿が写真として登場)。
御坂 旅掛(みさか たびがけ)
御坂美琴の父親。
長身で整った顔立ちという「裏通りが似合う種類の身なりのいい男」。仕事は「世界に足りないものを示す」統合コンサルタントとして、世界中を飛び回っている。
CIAによる「原石」採掘の一件に少し関与し、「妹達」のことを知る。アレイスターとも面識があり、電話で「妹達」のことについて詰問した。
御坂 美鈴(みさか みすず)
声 - 篠原恵美
御坂美琴の母親。
一見すると大学生くらいの姉にも見えるほど容姿は若く、プロポーションも良い。大学に通っているため、名実共にそのまま女子大生に見える。いたずら好きで、娘をからかって楽しんでいる。
大覇星祭で上条家と出会い、娘が当麻を好いていることを知ってからかう。その後、学園都市とローマ正教の対立を受けて子供たちを学園都市から避難させる保護者のグループに入っていたため、学園都市にやってきた際に都市上層部から依頼を受けたスキルアウトに命を狙われる。

日本

一一 一(ひとつい はじめ)
声 - 谷山紀章
美形の男性アイドル。「御使堕し」事件では、土御門の外見が他人からは彼に見えていた。
火野 神作(ひの じんさく)
脱獄した死刑囚。連続殺人犯。
こっくりさんのように、自らナイフで文字を彫り、これを「エンゼルさま」の啓示として従う。この啓示によって28人にも及ぶ大量殺人を犯して逮捕されるが、「御使堕し」事件と前後して脱獄する。相手を襲う際、人が不快に感じる点を突くことで不安心を掻き立てることを得意とする。
脱獄後、上条達がいる浜辺にまで逃げてくる。そこで上条に襲い掛かるがミーシャに撃退され、町へ逃げて偶然にも上条の実家に立てこもる。姿が変化していないことから「御使堕し」の犯人と考えられ、上条達の追跡を受ける。そして上条達に捕まるが、実は二重人格者で、「御使堕し」の影響では中の人格が入れ替わっていたことが判明する。その後、警察に再逮捕された。
アニメ版ではストーリーが大幅に変更されたため、登場しない。
田中(たなか)
上条刀夜と同じ会社に勤める男性。登場時は新入社員で、刀夜とともにロンドンに出張していた。御坂旅掛や原石の少女と出会い、トラブルに巻き込まれる。

ロシア連邦

ソールジエ=I=クライニコフ
ロシア連邦大統領。名前のみ登場。
ディグルヴ
エリザリーナ独立国同盟との国境付近にある集落に住む男性。かつて観光ガイドをしていた経験があり、日本語が話せる。
ロシアに入国していた浜面たちと出会い、浜面の運転するディーゼル車の軽油を交換条件に、体調不良の滝壺に医者を紹介した。その後、侵攻してきた「プライベーティア」に対して応戦しようとする浜面に加勢し、浜面やグリッキンとともに高射砲に乗り込んでプライベーティアを撃退した。

ロシア軍

グリッキン
ロシア空軍に所属していた兵士。
空軍基地の内勤であったが、第三次世界大戦で学園都市側からの攻撃を受ける。敗走途中に凍傷となっていた所、エリザリーナ独立国同盟の前線に近い集落に辿り着き、浜面たちによって保護される。その後、独立国同盟への侵攻作戦においてロシア軍がプライベーティアを派遣すると、自らを見捨てたロシア軍への失望と助けてくれた浜面たちへの恩義から、共に高射砲を操ってプライベーティアを撃退した。
エカリエーリャ=A=プロンスカヤ
ロシア空軍に所属する女性パイロット。第三次世界大戦で、日本海上空で学園都市の誇る防空部隊に翻弄される。
アンツェカ=S=クファルク
ロシア軍に所属する男性兵士。第三次世界大戦で、ロシア中央部で戦車の指揮官を務める。
セリック=G=キールノフ
ロシア軍に所属する男性。第三次世界大戦において、エリザリーナ独立国同盟に派遣されたスパイ。一方通行に捕縛され、拷問を受けて軍の計画を白状する。

アメリカ合衆国

ロベルト=カッツェ
アメリカ合衆国大統領ヒスパニック系の40代男性。高校中退初・独身初の大統領。失言の度に支持率を上げる通称「ミスタースキャンダル」。
「ミスタースキャンダル」の異名通り、ジョークを好む軽い性格だが、大統領としての自覚と正義感を持つ。筋肉質な巨漢で凄みを感じさせるが、知性は感じられず、卑猥で下品な言動も多い。そのためか、出会う人々の多くが大統領本人であると正しく認識できていない。
グレムリンの陰謀をいち早く察し、それに対処するべく「インペリアルパッケージ」を片手に姿を隠しながら調査する。その後、一方通行を助けたことで、上条達と共闘し、『起爆剤』の妨害とその後のトライデントとの戦闘に関わることとなる。
オティヌス討伐作戦時には軍の回線を通して上条の説明を聞き、その説得に応じて参加国の中ではいち早く彼に味方することを決めた。
ローズライン=クラックハルト
アメリカ合衆国大統領補佐官。30代前半の女性。基本的に常識人であるが、目的のためには手段を選ばない冷酷な面も持つ。
行方をくらましたロベルトを捜索する最中、トライデントの襲撃を受ける。その後、黒幕がオーレイだと気づき、交渉を有利に進めるためリンディの確保に動く。
オーレイ=ブルーシェイク
アメリカ有数の資産家にして事業家。あらゆるマスメディアを掌握し、「メディア王」と称される女性。「第3の議院」と呼ばれるほどの影響力を有する。
グレムリンやPMC・トライデントを利用して、アメリカを宗教国家に変えようと目論む。
リンディ=ブルーシェイク
オーレイの娘。カウアイ島ナパリコーストに住む8歳の少女。
母親のオーレイとは不仲で親元を離れて暮らしていた。事件に巻き込まれ、トライデントや海兵隊に狙われるが、上条らの手で救出される。
ハーザック=ローラス
リンディの保護者役。身長2メートルを超える長身のネイティブハワイアン系男性。事件後、リンディの後見人となる。
ジョージ=キングダム
スターゲート計画を指導していた男。CIAを自由に扱える権限を持つ。
「原石」の回収を指示していたが、「妹達」の妨害によって失敗した上に自身も絹旗に襲撃された。
ジェニー
母親と共にオアフ島を訪れていた観光客。5歳の白人少女。偶然ロベルトに出くわす。
エドワード=トーキー
商談のためオアフ島を訪れていた男性。サローニャに操られロベルトを襲撃しようとしたが、一方通行とレイヴィニアによって阻止された。
ウェック=ルナサンド
カウアイ島の子供向けサーフィンインストラクター。お人好しで、トライデントに捕まったスティーブを助けようとしたために自身も命を狙われるが、一方通行たちに助けられる。
スティーブ
ウェックのサーフィン教室の教え子。10歳の少年。

アメリカ軍

バックス=シェルヴァ
海兵隊パールハーバー第三基地の司令官。
ニケ=カノークス
海兵隊パールハーバー第三基地所属の海兵隊員。アフリカ系の男性。基地に突然現れたロベルトをモノマネ芸人だと勘違いする。
アーク=ダニエルズ
海兵隊パールハーバー第三基地所属の海兵隊員。他の隊員たちとロベルトの救出に向かうが、トライデントの攻撃を受ける。
アルフレッド=サードマン
グランドアロー空軍基地の司令官。ハワイ諸島へ救援部隊を送るために行動を起こす。
マーティン=フラワーズ
海兵隊伍長。ロベルトの命を狙いだした同僚からロベルトを救う。
エルート=ラックスシャオロン=ハルヴァード
それぞれ海兵隊軍曹、上等兵。マーティンの意志に同調する。
イングリッド=マーティン
軍曹。ギリースーツを纏った女性。コードネームは「ホワイトライオン」。既婚子持ちの妹がいる。
正規番号を割り当てられていないコマンドで、常に越境作戦に従事する精兵。戦車隊を率いてデンマークのビルンで上条・オティヌスの捜索『北欧の風』作戦を指導する。上条らの拿捕に成功するが、ロベルトの指示により解放し、その後の学園都市の攻撃では一時的に行動を共にした。その後も上条らを監視し続けている。
リンクスジャガー
イングリッドと同じ隊に属するコマンド。本名は不明。

ナチュラルセレクター関係者

サフリー=オープンデイズ
「ナチュラルセレクター」参加選手の一人である総合格闘家。
20歳前後で肩までかかる金髪の白人女性。青系のパーティドレスの上に革のベルトを縛り付けた服装をしている。何事にも爽快感を追求し、後味の悪い展開や状況を嫌う性格。根っからの格闘馬鹿であり、爽快感を極めれば純度の高い感動的な破壊が生まれるという持論を持つ。
異能に頼らない格闘技の力を広く知らしめスポンサーを求めるという単純な目的で大会に参加している。そのため必ずしも大会には固執せず、バゲージシティの崩壊や異能の持ち主との対戦にもあまり動じない。
事件後は鞠亜とメル友になったらしい。
近江 手裏(おうみ しゅり)
「ナチュラルセレクター」参加選手の一人である甲賀のくノ一。杉谷とは別の派閥に所属する。
徹底的な肉体改造によって体格の成長が止まり、ボツリヌス菌を利用した肌の調整なども加えることで外見年齢10歳前後を保っている30代の女性。長い茶髪にチアリーダーのような服装、肩紐の付いた学生鞄を背負っている。陽動として敵の注意を引き付け仲間の任務遂行を助ける要としての役割を担っている。
異能にはあまり慣れていないが、マリアンを手持ちの道具だけで敗走させるなど高い能力を持つ。
ウェイスランド=ストライニコフ
反学園都市サイエンスガーディアンの重鎮を務める老人。ウートガルザロキ共々、乱数に襲撃される。
オーサッド=フレイクヘルム
「ナチュラルセレクター」参加者の一人。2メートル近い巨漢の男性。電磁波攻撃を行うらしい胡散臭い道具を使う。1回戦でサフリーと戦い、敗北する。
ミストレイ=フレイクヘルム
オーサッドの娘。小柄な少女。自称「えむあいびー」の利益優先主義者に誘拐されていた。
エールズ=ビッグアント
「ナチュラルセレクター」参加者の男性。円周によって殺害される。
シャール=ベリラン
反学園都市サイエンスガーディアンに雇われたガードマン。20代半ばの男性。切り替えの早さのおかげで、戦闘後も生き延びることができた。
坂田(さかた)、浅井(あさい)、野洲(やす)
近江手裏と同僚の甲賀の忍。近江と別行動をしていたところ、円周に襲撃される。

上里勢力

上里 翔流(かみさと かける)
「どこにでもいる普通の高校生」を自称する茶髪の少年。その言葉通り11月初頭までは学園都市外に住むごく普通の高校生でしかなかったが、オティヌスが活動を開始し上条が彼女と戦うこととなったことで危機感を覚えた「魔神」たちから「理想送り」を与えられる。その結果、「救い」によって自分が尊敬していた少女たちとの関係性が変化してしまったことに憤り、魔神たちと敵対する。「女の形をしていればなんでも救ってしまう」という性質を自覚し、救った女性たちから向けられる好意も理解している。周囲の変化は魔神たちによって歪められた結果だと考えているが、こういった考え方は彼女たちの心を受け止めることのできない、魔神を盾にした心の弱さの表れだと上条に否定されている。
実戦経験が1カ月に満たないにもかかわらず、その能力を使い、真のグレムリンを壊滅させた。そのまま上条のもとに向かい対話を試みるが考え方を理解されず訣別。パトリシアを救うため一時的に協力したが、その後激突し「幻想殺し」を倒したもののその奥に存在するものに重傷を負わされ、直後に対峙した脳幹とも戦い彼に瀕死の重傷を負わせている。
能力は「理想送り(ワールドリジェクター)」。右手が作った影を起点に発動し、願望の重複によって現世にすがりながら新たな天地を望むものを同時間軸の余剰領域に追放する能力で、対象が魔神であろうと問答無用で「新天地」へと送ることができる。魔神たちは新天地への希望という抗いがたい快感に囚われたまま消滅する。一方で、ブレない筋を持った人物に対してはうまく能力が作用せず、表層から深層へ順に作用するためタイムラグが生じるという弱点もある。新天地を望む魔神たちの夢から生まれた能力であり、誕生の経緯からオティヌスは「世界を巻き込む自殺ごっこ」と魔神たちを揶揄している。
暮亞(クレア)
上里と同じクラスの園芸部員。分厚い眼鏡をかけ髪を2つに縛り白いワンピースを身に纏う少女。むっつりスケベ。
「原石」の一人で、植物に近い細胞でできた肉体を持つ。再生力が高く、「接合」を利用して様々なものを取り込みその性質を利用できる。
獲冴(エルザ)
上里の幼馴染で「魔術サイド」に所属する。キツネ耳にも見えるザク切りの髪の少女。巨乳で料理上手なことは隠したがっている。不良風だが意外と乙女なところがある。
ペットボトルに入れた10円玉を利用して、こっくりさん「のようなもの」を作って自在に憑依させる術式を使う。
絵恋(エレン)
「辿り屋」を自称する「科学サイド」に属する少女。京都弁で話し、ぶかぶかの白衣と礼服を身に纏う。
非公式な科学捜査を生業としている。情報解析を得意とし、相手がどれだけ隠蔽工作したとしても、わずかな痕跡から特定の人物を追い詰め、居場所を探すことができる能力を持つ。

その他

フロイライン=クロイトゥーネ
魔女狩りの時代より、ありとあらゆる拷問を受けても傷も無く顔色一つ変えず、老いることなく生き続けている長身の女性。
科学と魔術のどちらにも分類できない存在で、殺害すら不可能なために「窓のないビル」に閉じ込めるしかなかった。科学の方面からの考察によると、その思考は善悪問わず単純な条件に対する走査の積み重ねで、昆虫をより簡略化させたものでしかない。一方、魔術方面の解釈としては始点でも終点でもない存在で、非常に純粋な存在であるために人間としてはやけに特別であるらしい。そのため、人間の純度を増すことを目的とする十字教の手法では殺すこともできなかったが、理論上では近代西洋魔術の手法で「殺せる身体」へ変貌させることができる。上条とトールの「窓のないビル」への攻撃で外への関心を持ち、ビルから脱走した。
「自分だけの現実」を持たない独自の思考回路を持った生命体で、周辺環境から恐るべき速度で情報を吸収し、その性質を変化させていく特徴を備えている。彼女が「窓のないビル」に閉じ込められていたのは、隔離によって情報を与えないようにするためという理由もあり、性質の変化によって人間の脳を捕食する「機能」を獲得、本来2300年かかるとされる羽化までの時間を短縮するために、「ともだち」になったはずのミサカネットワークを統べる打ち止めに対する堪えきれない食欲を感じ、彼女を狙う。しかし、サンドリヨンの「材料」から作り出された打ち止めの脳のダミーを食したことでその「機能」は完全に停止、同時に副作用で体が小さくなった。また、友達に対する抱きつき癖がついている。
パトリシア=バードウェイ
レイヴィニアの妹。SPステイル編のヒロイン。
12歳の少女。髪や瞳の色は姉と同じで顔も似ているが、性格・言動・表情は姉と違い年相応に純真かつ素直で、泣き虫。レイヴィニアが魔術から遠ざけて守っているため、魔術サイドの存在を知らず平凡な一般人の生活を送る。「明け色の陽射し」のことはサークル活動か何かだと思っている。学校では首席クラスの成績を修め飛び級候補になるほどの天才少女で、様々な機関から研究員として勧誘を受けている。本人は学園都市への入学を希望しているが、レイヴィニアらから止められている。
アラスカルーン解析作業に必要な材料である、バードウェイ一族の血縁者を求めたリチャードに狙われ、彼の工作により「背信者」の認定を受けイギリス清教から追われる身となる。学園都市で孤立していた所をテオドシアとステイルに救われ、2人の奮戦によりリチャードの魔の手から守られた。
SPマーク編では、海洋地質学を専攻していたため油田開発プロジェクトに参加し、「宵闇の出口」の息がかかった計画と知らずに運悪く海洋資源調査船「ブルーリサーチ」に乗り合わせた。
南極調査活動に客員研究員として参加した際に新種の規制生命体「サンプル=ショゴス」に寄生されてしまい、治療施設をたらい回しにされた結果学園都市にたどり着く。そこで上里勢力に保護され、姉が犠牲となる結末を防ぐため彼らに協力を頼む。上里勢力と、一時的に協力した上条の尽力とネフテュスの犠牲によって命の危機を免れた。
イネス
ブラジルリオデジャネイロに住む少女。非常に貧乏な家庭を救うため借金取りと心中しようとしていたが、御坂旅掛と出会って助言を受け、家電ゴミからレアメタルを回収する事業で成功する。
ミュッセ
大型旅客機「スカイバス365」のハイジャックを目論んだフランス人テロリストの一人。
単独で客室に搭乗して行動を起こすが、予定外の事態が連続し混乱する。最終的には上条に倒された。
エーカー=ルゴーニ
大型旅客機「スカイバス365」のハイジャックを目論んだフランス人テロリストの一人。
計画失敗時に予定していた機体の爆破のために、貨物室に侵入する。ミュッセが失敗したために爆破を実行しようとするが、上条とステイルによって防がれた。
キネシック=エヴァーズ
PMCトライデントの指揮官。元フランス海軍参謀で、ブリテン・ザ・ハロウィンの際の対応のまずさを押し付けられて失脚した。
レイモンド=カールマン
PMCトライデント所属の傭兵。
密着微生物
火星に生息していると推測されている知的生命体。
元は地球に生息していた微生物だったが、火星に送られた惑星探査機に付着していたそれが火星の環境に適応し急激な進化を遂げたものと言われている。繊毛が発達しておりその振動で演算し、また群体での並列演算処理と地球からの信号情報を学習することによって、人間に近い高度な思考能力を得たらしい。探査機に搭載された少量の水や酸素ボンベで生き長らえ、探査機のアンテナを使い地球に電磁波を送ることができる。
進化や知性に程度の差があるいくらかの群体がおり、現在では密着微生物同士で内戦状態にあるという。群体の一つは火星から地球の微細乙愛の研究施設へ通信を行っており、彼女に救援を求めている。その他にも、魔術サイドとコンタクトを取った群体や稚拙な電波を飛ばしただけの群体などがいる。
ただしこれらは全て偽装で、小型衛星を使い火星から電波が送られてきたように装って何者かが詐称している可能性もあるというが、真相は明らかになっていない。

脚注

注釈

  1. ^ オティヌスが「上条当麻が世界中の敵になった世界」を作り出し、上条と彼が命をかけて戦うというシリアスな場面ですら本名ではなくニックネームで呼んでいた。
  2. ^ CD付属のブックレットおよび『禁書目録ノ全テ』での表記。登場したドラマCD内では「サイドアーム」と呼称。
  3. ^ 作中では史実と同じく1947年12月1日に没したとされているが、これも彼の情報操作によるものという設定。
  4. ^ 『超電磁砲』では、男子用のランドセルや半ズボンを所持している、男子小学生の尻に獲物を狙う肉食獣のような視線を向けるなど、ショタコンとしての側面が強調されている。
  5. ^ 滝壺が無意識のうちに使用していた「能力追跡」の干渉を受けた結果と考えられている。
  6. ^ 対象同士が同じ幻覚の中で会話を成立させるなど。
  7. ^ アニメのEDクレジットでは「カエル医者」。
  8. ^ 『超電磁砲』では美琴から「リアルゲコ太」と称された。
  9. ^ 美琴からは「チビ巨乳」呼ばわりされている。
  10. ^ 挿絵では前後の露出度が異様に高い水着のような格好として描かれている。
  11. ^ 実際に雷神トールに変装したオッレルスの右腕を切り落とした際に、負の50%が作用して自身の右腕も破損した。
  12. ^ レイヴィニアとは口調まで似ており、『とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』では姿が見えなかったこともあり、同居人である上条でも人違いしている。
  13. ^ 周囲から見れば猫がじゃれついているようにしか見えないが、身長15cmのオティヌスにとっては体長3mのシベリアトラが襲い掛かってくるようなものであるため毎日戦々恐々としている。
  14. ^ 鞘による攻撃は物理法則に従うものであるため「幻想殺し」で打ち消すことができないが、同時に自身の意思で操作することもできないという弱点がある。
  15. ^ 聖人とは違い、その力をスピードに変換することはできない。
  16. ^ あくまで人間が想像できる程度の「全能」で、魔神には遠く及ばない。

出典

  1. ^ キャラクター紹介
  2. ^ 灰村キヨタカ画集『rainbow spectrum:colors』収録の書き下ろしSS「ラブレター争奪戦」
  3. ^ 『とある魔術の禁書目録9』第一章「炎天下の中での開始合図 commence_hostilities. - 2」(49ページ 1行目)
  4. ^ a b c d 灰村キヨタカのサイト
  5. ^ SP 11頁
  6. ^ 新約7巻
  7. ^ アニメ「超電磁砲」第1話中の本人の発言。
  8. ^ 『アニメ「とある魔術の禁書目録」ノ全テfeaturingアニメ「とある科学の超電磁砲」』
  9. ^ 他人の威を借り、正体を曖昧にしていることを象徴しており、後に本当の自分の正体を現したときにはずすようにしたとのこと
  10. ^ ファミリーネームは新約1巻で判明。
  11. ^ 第18巻あとがき
  12. ^ 新約8巻 255ページ
  13. ^ 新約8巻 154-160ページ
  14. ^ 新約8巻 234-242ページ
  15. ^ 新約8巻 281-288ページ
  16. ^ 新約8巻 308-312ページ
  17. ^ 新約8巻 341ページ
  18. ^ 『必要悪の教会』特別編入試験編SS 第2章
  19. ^ 『必要悪の教会』特別編入試験編SS 第3章
  20. ^ 『必要悪の教会』特別編入試験編SS 第5章
  21. ^ 『とあるラジオの禁書目録』第30回より。

外部リンク