メン・イン・ブラック
メン・イン・ブラック(Men in Black、MIB、黒衣の男、ブラックメン)は、UFOや宇宙人などの目撃者・研究者の前に現れ、警告や脅迫を与えたりさまざまな圧力や妨害を行う謎の組織とされ、実在するしないに関わらず、その存在自体が一種の都市伝説や陰謀論となっている。
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概要 [編集]
メン・イン・ブラックが現れるという報告や噂の多くは、1950年代および1960年代に登場しており、その中でも最初のものはUFO・超常現象研究家のグレイ・バーカー(Gray Barker)が1956年に出版した『彼らは空飛ぶ円盤を知りすぎた』(They Knew Too Much About Flying Saucers)だとされる[1]。バーカーは故郷で起きたフラットウッズ・モンスターの事件をきっかけにオカルト業界に入り、UFOや超常現象に関する記事を寄稿していた。
1953年に、UFO雑誌を出版しUFO調査団体も率いていたアルバート・K・ベンダーが、突然「私は空飛ぶ円盤の背後にある秘密を知ったが、そのために黒い背広と帽子の3人の男たちから『これ以上円盤のことを書くな』と脅された」と主張し、団体を解散した。バーカーの本は、このベンダーの遭遇した事件を描いたものである。ベンダーの証言は、当初は言外にアメリカ政府の介入があったことをほのめかしたものであったが、後に語った証言ではUFO目撃談のうちの超常現象的な部分が混ぜ合わされたような話へと変化している。
「黒服の男たちに脅された」という主張を始めるよりも以前に、ベンダーは1947年にワシントン州で起きた「モーリー島事件」(Maury Island incident)の取材を行い報告を雑誌に載せているが、この事件にもすでに「黒服の男」が登場している(当時、ベンダーはこの件について懐疑的だった)。モーリー島事件は、漁師のハロルド・ダールが息子とともにピュージェット湾に船を出していた際に複数の空飛ぶ円盤を目撃し、うち1機がトラブルを起こして部品を落とし、その破片がダールの船に当たって船の損傷と船に乗っていた飼い犬の死をもたらしたという事件だった。
翌朝、黒い背広を着て黒い1947年型ビュイックに乗った男がダールの家を訪問してダールを近所のダイナーに食事に誘い、その席で事件について沈黙を守るよう警告したという。ここでは、後のメン・イン・ブラックの噂に出てくる典型である「浅黒い肌の、もしくはどこか外国人風の顔色の3人の男が、黒いサングラスに黒い背広を着て、黒いセダンに乗ってやってくる」がまだ完成していないが、その原型はすでに現れている[2]。
外見 [編集]
報告によって詳細は異なるが、多くの証言では、未確認飛行物体や宇宙人を目撃した後に、目撃者の家や職場に黒の背広に黒ネクタイ、黒の革靴を履き黒いソフト帽をかぶり黒レンズのサングラスを着用した姿(つまり上から下まで黒ずくめ。白の部分はワイシャツのみ)、黒塗りの大型セダン(ビュイック、キャディラック、メルセデスベンツなど)に乗って2人あるいは3人組で訪れ、「未確認飛行物体や宇宙人の目撃を他言しないように」との警告や脅迫を行ったり、脅迫のためか目立つように目撃者の家の写真を撮影したり、家の近くをうろつきまわるとされる。
また、1980年12月にイギリスにあるNATOのウッドブリッジ基地で未確認飛行物体が目撃された際には、黒服の2人組の男性が、近隣の住人に「未確認飛行物体を目撃したか」という点だけを確認して回ったケースも報告されている[誰によって?]。
彼らの顔つきはアジア人的であるという報告が多く、車やその他すべての衣類や持ち物が新品そのものであるという証言も多い。なお、これらの車にはナンバープレートがついていないケースや、ナンバープレートはついているものの、偽造されたものなのかそのナンバーは登録がないというケースも報告されている。また、彼らとともに、全くの無音で飛行する「黒いヘリコプター」が目撃されることもある[誰によって?] 。
言動 [編集]
たとえ訪問された目撃者以外に未確認飛行物体や宇宙人の目撃者がいない場合でも、なぜか目撃者の家や職場を特定し、訪れるケースが多数報告されている。また、「エネルギーが切れる」と言って立ち去る、機械的な直線的な歩き方しか行えなかったり、目撃者の家において出された飲み物のストローや、デザートのスプーンの使い方がわからないなど、人間が日常生活において通常ついているはずの知識が欠如していることが多いため、「地球人の格好をした宇宙人ではないか」と言われることもある。
1960年代にアメリカ空軍やNORADの身分証明書を示した人物による、未確認飛行物体や宇宙人の目撃者に対する脅迫事件が多発したため、FBIが遭遇者に対して本格的な調査を行ったところ、遭遇者に示された身分証明書に記された名前の人物が存在しなかったり、実在の人物ではあるが空軍やNORAD勤務ではなく、別の政府機関に勤務していたというケースも多かったという報告がある。
被害 [編集]
また、彼らの忠告を無視した結果、「殺害するぞ」と再警告を受けたり、目撃者の自動車が故意の当て逃げ事故に巻き込まれたという報告もある。しかし、これらの事例について警察に通報したにもかかわらず、警察官が来なかったり、来たという記録そのものが故意に消されていたという報告も存在するだけでなく、1965年にテキサス州で報告されたケースでは、未確認飛行物体を目撃した警察官の元に目撃直後に現れ、口止したという報告もある。
日本における目撃例 [編集]
中山市朗と木原浩勝の著書『新耳袋』の「黒い男たち」という章で、日本においてもUFOを撮影した人物の元に出現し、暗躍している事例が記されている。撮影した写真をネガごと廃棄する事で失踪という最悪の事態を免れた目撃者の証言もある。
また、中山の著書『妖怪現わる』には、昭和50年代に、北海道で直立する蛙のような、河童にも見える生き物の写真を撮った者の所に出現し、その後接触した撮影者が消息を絶つという事例も記されている(同時に大阪で同様の生き物を撮影した人物が消息を絶つ事例も掲載しているが、その人物がメン・イン・ブラックと会ったかは不明)。当時は矢追純一が著書でメン・イン・ブラックを紹介する前だった為、仲間内で「ブラック・マン」と呼んでいたという。
都市伝説 [編集]
アメリカを中心に多くの目撃、遭遇報告が存在するものの、あまりに突飛な内容ということもあり、彼らが実際に存在するか否かという点を離れ、一種の都市伝説と化している。
「もし本当にメン・イン・ブラックが存在しているならば、『メン・イン・ブラック』自身の目撃情報もメン・イン・ブラックは抹消していて、我々が知る事は無いだろう」という意見もあるが、実際に、「(メン・イン・ブラックの)存在を他のものに告げることをしないように」との忠告を受けている矛盾した事例も存在している。
また、都市伝説化によりメン・イン・ブラック自体の存在が有名なものになり、UFOの目撃情報があった場所を訪れたイタリアのUFO研究家マルセル・デバルが、目撃者に状況などを聞いたのが段々誇張して語られていくうちに「UFOを目撃したら謎の人物が訪問してきた」とデバルがメン・イン・ブラックと勘違いされた事例が「UFOと宇宙人 全ドキュメント」(ISBN 4896651219)の中で紹介されている。
映画 [編集]
- 1997年にアメリカでメン・イン・ブラックを題材にしたコメディ映画「メン・イン・ブラック」が製作された。同作のメン・イン・ブラックたちは、地球に渡航してきたエイリアンの監視を行なう秘密組織に所属する、ごく普通の地球人という設定である。映画のヒットにより、このメン・イン・ブラックのスタイルは定着し、他のフィクションでも類似した設定が用いられる事がある。
- 前述の映画が公開される前後に日本では東洋水産から期間限定商品で「麺・イン・ブラック」という名前のイカスミの入ったカップラーメンが発売された。
- 前述の日本での目撃例を記した書籍「新耳袋」を元に怪談新耳袋として、大幅に脚色(ほぼフィクション)する形でドラマ化されている。
関連項目 [編集]
- アメリカ国家安全保障局
- CIA (アメリカ中央情報局)
- FBI (連邦捜査局)
- エリア51
- メン・イン・ブラック (映画)
- プロジェクト・セルポ
- run for money 逃走中 - フジテレビ系列の単発番組。逃走者を確保することのみ目的とする、ハンターのモデル元である。
- あの夏で待ってる - アニメ番組。作品中、キーワードとして「メン・イン・ブラック」というフレーズが良く出る。
脚注 [編集]
- ^ Clark, Jerome (1996). The UFO Encyclopedia, volume 3: High Strangeness, UFO’s from 1960 through 1979. Omnigraphis. ISBN 1-55888-742-3.
- ^ Evans, Hillary (1984), Visions, Apparitions, Alien Visitors, Aquarian Press, Wellingborough, Northamptonshire, ISBN 0-85030-414-8 pp. 138-9.