鎌池和馬
| 鎌池 和馬 (かまち かずま) |
|
|---|---|
| ペンネーム | 鎌池 和馬 |
| 職業 | 小説家 |
| 言語 | 日本語 |
| 国籍 | |
| 活動期間 | 2004年4月 - |
| ジャンル | ライトノベル |
| 代表作 | 『とある魔術の禁書目録』シリーズ 『ヘヴィーオブジェクト』 |
| 処女作 | 『とある魔術の禁書目録』 |
鎌池 和馬(かまち かずま)は、日本のライトノベル作家。男性[注 1]。愛称は「かまちー」[1]。
目次 |
[編集] 経歴
第9回電撃ゲーム小説大賞に『シュレディンガーの街』を応募、第3次選考まで残るも落選[2]。しかし、応募した作品そのものは担当編集者の三木一馬の目に留まり、後に三木から「書いてみないか?」と連絡を受けて執筆を始める[2]。それから1年ほどの間「武者修行」として何本も試作執筆のやりとりと話し合いを続け[2][3][注 2]、さらに6、7回の改稿を重ねて書き上げた作品『とある魔術の禁書目録』で2004年4月にデビュー。第1巻は当初売れなかった時のリスクを考え単巻完結のつもりで書いたが[4]、無名の新人としては快挙とされるほど相当売れたとのことで[5]、その後のシリーズ化が決まった。
子供の頃に小説家の夢を一度諦めており、学生時代も漠然とした将来の夢の中の一つにあっただけで本気で小説家を志してはいなかったという[6]。中学生くらいの時から少しずつ小説を書き始めたが、当時の作品はどれも途中で終わってしまい一度も完成させておらず、きちんと1から最後まで書き上げるようになったのは高校を卒業する頃。武者修行中の原稿も合わせてデビューまでの作品の数々は自宅に眠っている[3]。
[編集] 人物
著者近影は、ほとんどの場合図形の組み合わせで済ませており、デビュー作では「世界一やる気のない著者近影を目指す期待(ゼロ)の新人作家」と自己紹介した。また、「あとがき」はテンプレート方式を取っている。
顔写真・年齢・その他プロフィールも一切非公開。メディア露出が少なく、作品や執筆に関する事以外で自身について語る事もほとんどない。『とある魔術の禁書目録』イラスト担当の灰村キヨタカ曰く鎌池の第一印象は「微妙に体育会系っぽい!?」[7]。また、竹宮ゆゆこは実際に会ってみた感想として「私より年上の人だと思ってましたけど、まさかまだこんなに若い方だったとは…」と語っている[3][注 3]。
その謎に包まれた人物像と後述の速筆等の逸話ゆえに、インターネット上では超人的な都市伝説や正体に関する半ば冗談染みた憶測が様々に飛び交っている[8][9]。
[編集] 影響を受けた作品
夜9時頃に放送されるような映画番組をよく視聴し、少し古めのハリウッドアクション映画を好んでいる[3][10]。特に『ターミネーターシリーズ』、『ランボーシリーズ』、『ダイ・ハードシリーズ』の3作品を最も影響を受けた映画だと挙げ、「絶対に倒せない敵」と印象付ける巧みな演出、強大な敵に逆転勝利する構図、ついてない男が追い詰められ一人で戦う話など、いくつかの要素を参考にしており自身の作風にも多分に影響している[3][11]。また、科学とオカルトが交差する『禁書目録』の作風については『Xファイル』から影響を受けたという[6]。
[編集] 仕事
趣味は「仕事(小説を書くこと)[6][12]」というほど非常に仕事好き。休日でも原稿の執筆やプロットの作成や資料探しをすることが多く[13]、仕事以外の私的な小説を趣味で執筆するほど[14]。
後述のように執筆のペースが早いと評されるが、鎌池自身は特に速筆だとは感じていない。鎌池によれば、普段から思い付いたアイデアや今すぐには採用できないネタ、枝分かれしたエピソード等をパソコンのテキストで保存して大量にストックしており、それらをいくつも組み合わせて一本の話としてまとめたりといった手法を取る事があるため、それで見た目が速く感じるだけだという[6]。
他にも、ノロウイルスに罹りながら執筆し続けた[注 4]、手元に原稿がないにも拘らず「全部頭の中に入ってるんで」と言って行数単位で正確に記憶し打ち合わせを行った[3]など様々な逸話がある。
[編集] 速筆に関するエピソード
執筆ペースが早く、『とある魔術の禁書目録』はデビュー以来、1年に3ないし4冊ほどのペースで刊行されている(とある魔術の禁書目録#既刊一覧を参照)。時には編集のチェックが追いつかないこともあり、周囲からは「人間業とは思えない」と言われる[13]。
- 『とある魔術の禁書目録』第2巻はわずか17日間で完成させた[注 5]。なお、灰村によれば、第2巻の作業のために設定資料を受け取ったところ、編集の手違いで第3巻のプロットが一緒に付いていたという[16]。
- 第5巻の発売前に第6巻の執筆をほぼ終え、さらに第9巻までのプロットが完成していた[17]。
- 毎回必ず本文と共にあとがきの原稿も上がっているため、あとがきを書くのはいつも時間ギリギリだという竹宮は「なんと、異次元…」と驚愕した[3][注 6]。
- 小説の執筆のみならず、原案担当の『とある科学の超電磁砲』においても原案プロットの提出が早い[18]。
- 小説の執筆や漫画の原案プロットに加え、特典小説のSSやゲームの原案シナリオなど複数の仕事を同時に並行作業でこなす事もある[14]が、それでも刊行ペースは一定のままである。
- 2009年4月頃、『ヘヴィーオブジェクト』のあらすじを担当編集の三木に口頭で伝え、「それはアリですね、もし書けたらぜひやりましょう」と返答を受けた後、打ち合わせやプロットなどの手順を5段階ほどすっ飛ばし第1巻の原稿をいきなり書き上げて三木を驚愕させた[19][20]。
- また三木によれば、『ヘヴィーオブジェクト』の第2巻について「書いてもいいですか?」と聞かれ「いいですよ」と答えた数日後、いきなり来たメールをプロットだと思って印刷すると数百枚に及ぶ原稿だったという[20]。
- 締め切りを全く切っていない原稿や打ち合わせ前の次回の原稿を書き上げ持って来る事も多い[21][22][23]。
- 三木が雑誌企画用のオリジナルショートストーリーを依頼したところ、完成した原稿と一緒に締切を切ってない長編を持っていった。[24]
[編集] 評価
雑誌記事などの紹介では上述のような執筆ペースがよく取り沙汰され、「ラノベ界の速筆王子」「ラノベ界の尾田栄一郎」などと評される[25][26]。
伏見つかさは鎌池の印象について、「自分の作品への愛情と仕事への熱意の維持をどちらも高いレベルで実現している」「この人の真似をすることはできないし、真似をしようとしてはならない。今も昔も、この先もずっと敵わない」と語り、「理想の作家像のひとつ」と絶賛している[9]。
成田良悟は「外連味やはったりなど読者を惹き付ける魅力を作家としての攻撃力、設定を固めツッコミ所や隙をなくして生み出す面白さを作家としての防御力」という前提を挙げた上で、鎌池について「攻撃力252で防御力0、高い素の防御力のみで防具を付けずとにかく攻撃力に尖ったパラメータ」と評している[27]。
[編集] 作品リスト
[編集] 小説
- とある魔術の禁書目録
- SF・ファンタジーの世界観を舞台にしたバトルアクション作品。イラスト担当は灰村キヨタカ[注 7]。2004年4月より刊行中で、2011年3月より『新約 とある魔術の禁書目録』と改題しナンバリングリセットされる。2011年12月現在、本編27巻・短編集1巻のシリーズ合計既刊28巻。
- ヘヴィーオブジェクト
- 超兵器が主役となった未来の戦争を描くSFアクション作品。イラスト担当は凪良。2009年10月より刊行中。2011年11月現在、既刊5巻。
[編集] 漫画原作
- とある科学の超電磁砲
- 「とある魔術の禁書目録」シリーズのヒロインの一人である御坂美琴を主人公にした同作のスピンオフ作品。キャラクターデザインは灰村キヨタカ。作画は冬川基。月刊コミック電撃大王2007年4月より連載中。2011年12月現在、単行本既刊7巻。
[編集] ゲームシナリオ
- 拡散性ミリオンアーサー
- 100万人のアーサー王の物語を描くカードバトルRPG。東京ゲームショウ2011で発表されたスマートフォン向けの新作ゲームアプリで、対応OSはAndroid/iOS。発売日・価格は未定[28][29]。
[編集] その他の作品
[編集] 共作
[編集] その他
- 『殺人妃とディープエンド』(『電撃h』収録)
- 『殺人器とネバーエンド』(『電撃hp Vol.37』収録)
- 『謎のその先に』(『電撃コラボレーション MW学園』収録)
- 『灼眼のシャナ』 (2) with "GRIMOIRE"【討滅の獄】(漫画『灼眼のシャナ II』 初回限定版特別付録「GRIMOIRE」収録)
[編集] 未発表
- 『シュレディンガーの街』(第9回電撃ゲーム小説大賞投稿作品)
[編集] 脚注
[編集] 注釈
- ^ 竹宮ゆゆこが「会う前から絶対男の人だと確信していた」と語っており、また他のインタビューや対談等でも鎌池を指して「男」と表記する場面が多数ある。
- ^ 試作のプロットや原稿を書いては没にされる、といった過程をひたすら繰り返したという。三木曰く「殴り合いのようなガチの打ち合わせ」。
- ^ 三木と竹宮によれば、キン肉マンや聖闘士星矢の話題が通じない世代であるという。
- ^ マチ★アソビ vol.3で行われた三木一馬講演会「編集者というプロデューサー」より[15]。
- ^ 第1巻の発売前よりシリーズ化の話があったことから構想済みだったという。
- ^ 『とある魔術の禁書目録』(第1巻:ISBN 4-8402-2658-X)のあとがきによれば、刊行(2004年4月)より3か月以上前の2003年12月26日時点には既にあとがきを書き終えている。
- ^ 新約1巻からははいむらきよたか名義
[編集] 出典
- ^ 『オトナアニメ Vol.19』 「鎌池和馬の作家力と作品力」
- ^ a b c 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』 124ページ。
- ^ a b c d e f g 『とらドラ!VS禁書目録』 「原作者特別対談! 竹宮ゆゆこ×鎌池和馬」
- ^ 『とらドラ!VS禁書目録』 「TVアニメ化記念特別対談 原作者 鎌池和馬×監督 錦織博」
- ^ 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』 126ページ。
- ^ a b c d 『キャラ☆メル Febri Vol.04』 「鎌池和馬 15000字インタビュー」
- ^ “第53回 灰村キヨタカさん”. 電撃文庫エッセイ. アスキー・メディアワークス. 2009年11月13日閲覧。
- ^ 『オトナアニメ Vol.19』 「作家から見た鎌池和馬と『禁書目録』 成田良悟」
- ^ a b 『オトナアニメ Vol.19』 「作家から見た鎌池和馬と『禁書目録』 伏見つかさ」
- ^ 『オトナアニメ Vol.16』 「鎌池和馬10,000字INTERVIEW 「とある」シリーズを生み出した頭脳を探る!」
- ^ 『キャラ☆メル Febri Vol.04』 「最も影響を受けた3本の映画」
- ^ 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』 133ページ。
- ^ a b 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』 142ページ。
- ^ a b 『学園都市白書(クロニクル)』 「巻頭インタビュー 鎌池和馬」
- ^ “1億部突破の電撃文庫で最も売れたのは『とある魔術の禁書目録』”. テンプルナイツ 宮殿騎士団 (2010年5月5日). 2011年8月23日閲覧。
- ^ 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』 132ページ。
- ^ 『このライトノベル作家がすごい!』
- ^ 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』 148ページ。
- ^ 『ヘヴィーオブジェクト ファースト・コンタクトブック』 「〜原作者・鎌池和馬氏インタビュー〜」
- ^ a b 『オトナアニメ Vol.16』 「三木一馬INTERVIEW」
- ^ 三木一馬 (2011年4月29日). “打ち上げ終了。一等景品を錦織監督が射貫き、阿部さん ...”. Twitter. 2011年8月23日閲覧。
- ^ 三木一馬 (2011年5月5日). “俺は今、恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。今日鎌 ...”. Twitter. 2011年8月23日閲覧。
- ^ 三木一馬 (2011年6月1日). “本日は鎌池さんとうち合わせでした! 一言言いたい! ...”. Twitter. 2011年8月23日閲覧。
- ^ 三木一馬 (2011年9月13日). “な、なぜ鎌池さんは「雑誌企画用のオリジナルショートス...”. Twitter. 2011年9月17日閲覧。
- ^ 『日経エンタテインメント! No.174』「作家セールスランキングTOP100」
- ^ 『日経エンタテインメント! No.174』「今旬作家10連発「10年代ラノベ作家」」
- ^ 『電撃文庫MAGAZINE Vol.11』 「電撃作家スペシャルトーク 鎌池和馬×成田良悟」
- ^ “『ケイオスリングス』の安藤武博氏が手がけるスクウェア・エニックス完全新作タイトル! TGS限定ムービーを独占公開!【TGS2011】”. ファミ通App. 株式会社エンターブレイン (2011年9月15日). 2011年9月15日閲覧。
- ^ “【App通信】スクエニがスマホ向けの完全新作カードバトルRPGを発表! シナリオ・鎌池和馬、音楽・ヒャダイン、参加絵師は原田たけひとら50人以上!”. 電撃オンライン. アスキー・メディアワークス (2011年9月15日). 2011年9月15日閲覧。
[編集] 参考文献
- 書籍
- 『このライトノベル作家がすごい!』 『このミステリーがすごい!』編集部編、宝島社(原著2005年3月29日)、初版。ISBN 978-4-8402-4042-0。
- 『とある魔術の禁書目録(インデックス)ノ全テ』 電撃文庫編集部編(鎌池和馬 原作・監修・寄稿)、アスキー・メディアワークス(原著2007年10月10日)、初版。ISBN 978-4-8402-4042-0。
- 対談「小説『とある魔術の禁書目録(インデックス)』を語る」鎌池和馬×灰原キヨタカ(124 - 135ページ)
- 対談「漫画『とある魔術の禁書目録(インデックス)』を語る」鎌池和馬×近木野中哉(138 - 143ページ)
- 対談「漫画『とある科学の超電磁砲(レールガン)』を語る」鎌池和馬×冬川基(146 - 155ページ)
- 『オトナアニメ Vol.16』 洋泉社(原著2010年5月10日)。ISBN 978-4-86248-555-7。
- 鎌池和馬10,000字INTERVIEW 「とある」シリーズを生み出した頭脳を探る!(24 - 31ページ)
- 電撃文庫編集部 三木一馬INTERVIEW(60 - 63ページ)
- 『オトナアニメ Vol.19』 洋泉社(原著2011年2月8日)。ISBN 978-4-86248-679-0。
- 鎌池和馬の作家力と作品力(27ページ)
- 作家から見た鎌池和馬と『禁書目録』 成田良悟(39ページ)
- 作家から見た鎌池和馬と『禁書目録』 伏見つかさ(45ページ)
- 雑誌記事
- 「巻頭特集 アニメ化2大作品、史上最大の激突!? とらドラ!vs禁書目録」、『とらドラ!VS禁書目録』(電撃文庫MAGAZINE2008年11月号増刊)、アスキー・メディアワークス、2008年9月、4 - 25ページ。
- TVアニメ化記念特別対談 Part2「とある魔術の禁書目録 原作者 鎌池和馬×監督 錦織博」(17 - 19ページ)
- 原作者特別対談!「竹宮ゆゆこ×鎌池和馬」(20 - 25ページ)
- 「電撃作家スペシャルトーク そこまでぶっちゃけていいんですか!? 第2回 鎌池和馬×成田良悟」、『電撃文庫MAGAZINE』Vol.11、アスキー・メディアワークス、2009年12月、274 - 277ページ。
- 「SPECIAL INTERVIEW 〜原作者・鎌池和馬氏インタビュー〜」、『ヘヴィーオブジェクト ファースト・コンタクトブック』電撃黒マ王Vol.10 付録冊子、アスキー・メディアワークス、2009年12月、6 - 9ページ。
- 「巻頭インタビュー 鎌池和馬」、『とある魔術の禁書目録&とある科学の超電磁砲 学園都市白書(クロニクル)』電撃PlayStationVol.480 付録冊子、アスキー・メディアワークス、2010年10月、2 - 3ページ。
- 「鎌池和馬大特集!!」、『キャラ☆メル Febri』Vol.04、一迅社、2011年1月、24 - 45ページ。
- 最も影響を受けた3本の映画(32 - 33ページ)
- 鎌池和馬 15000字インタビュー(34 - 45ページ)
- 「特集 560万人の購入データを大調査 売れる作家&マンガ家150人」、『日経エンタテインメント!』No.174、日経BP社、2011年8月、24 - 46ページ。
- 作家セールスランキングTOP100(25 - 27ページ)
- 今旬作家10連発「10年代ラノベ作家」(29 - 30ページ)
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