古ノルド語

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古ノルド語(こノルドご、Old Norse Language)、古北欧語(こほくおうご)とは、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派北ゲルマン語に属する言語

目次

[編集] 概要

ヴァイキング時代から中世盛期まで北欧各地で話されていた言語の総称。時系列上、「祖語」の時代と、さらに分化の進んだ後代とに大別できる。

表記は、ルーン文字が用いられていたが、急速な音韻変化によって綴りと実際の発音がかけ離れ、表記が難しくなった為、次第にラテン文字に取って代わられた。

8世紀から10世紀にかけてヴァイキングブリテン島を侵略したことによって、古英語期の英語に影響を与えている。例えば、語頭に sk- をもつ単語(sky, skin, skirtなど)や、語頭に /gi-/, /ge-/ と発音する gi-, ge- をもつ単語(give, getなど)は、殆どが古ノルド語に由来する語である。 また、三人称複数代名詞 "they" も古ノルド語由来の語である。

同じく東欧に進出したヴァイキングも人名などで東スラヴ語に影響を残している。ヘルギからオレグ、イングヴァルからイーゴリヴァルデマールからウラジーミル等である。また、ルーシノルマン人の部族ルス族から取られたとも言われている。

アイスランド語には、現在でも古ノルド語の特徴が色濃く残っている。

北欧神話の文献は古ノルド語で残っているものが多い。

[編集] 音韻論

[編集] 母音

母音音素は、その多くが長母音短母音の組となっている。標準化された正書法では長母音にアキュート・アクセントを付けて表す。中世の写本では、長音の母音はアクセント記号を用いるか、あるいは何も打たないか、頻度は低いが文字を重複させるなど、多種多様な表し方がなされていた[要出典]

古ノルド語の母音
前舌母音 後舌母音
非円唇母音 円唇母音 非円唇母音 円唇母音
短母音 長母音 短母音 長母音 短母音 長母音 短母音 長母音
狭母音 i y u
半狭母音 e ø øː o
広母音 æ æː a ɒ (ɒː)

/y, yː, o, oː, e/ の一部と、/aː/ のほとんどは、それぞれ /u, uː, o, oː, a, aː/ からのI-ウムラウトによって生まれたものである。

/y, yː, o, oː/ の一部と、/ɒ, ɒː/ のほとんどは、それぞれ /i, iː, e, eː, a, aː/ からのU-ウムラウト(en) によって生まれたものである。

円唇後舌広母音の長音 /ɒː/ は古典期の古ノルド語の文章には登場しない。この音はおそらく古ノルド語が生まれた初期の段階にのみ存在し、古典期に至る前に /aː/ に統合されたのだろう[1]

[編集] 子音

古ノルド語には6つの破裂音がある。/p/ が語頭にくることはほとんど無く、/d/ と /b/ は2つの母音の間には現れない。なぜならばこれらはゲルマン祖語における摩擦音異音だからである(たとえば母音間では */b/ は /v/ となる)。/g/ は語中または語末において、それが長子音である場合を除き [ɣ] として発音された。 また[x] は、 /k/ および /g/ が /s/ または /t/ の直前にあるときにとる異音である。

  唇音 歯音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
破裂音 p b t d k g
鼻音 m n (ŋ)
摩擦音 f (v) θ (ð) s (x) (ɣ) h
接近音 w j
流音 r l

[編集] 正書法

古ノルド語の標準化された綴り方は19世紀に創作されたものであり、大部分が音素に従ったものである。

最も大きな変更点は、[θ][ð] とをそれぞれ「þ」「ð」と書き分けるようになったことである(古い文章ではもっぱら「þ」のみが用いられている)。

また上で述べられたように、長母音は古東ノルド語では明示されなかったかあるいは文字を重ねて表されたかであるのに対し、古西ノルド語ではアキュート・アクセントを用いて示された。

その他の音素については、下の表にあるものを除き、IPAの音素記号とおおむね同じ字体であると考えてよい。ウィンen)の修正版 ƿ はヴェンド(en) と呼ばれ、一時期 /u/, /v/, /w/ の音を表すのに用いられた。

表記
/æ/ e, æ
/æː/ æ, ææ, ę
/aː> ɒː/ a, aa
/øː/ ø, øø, ǿ
/θ/ þ
/w/ u, w, ƿ

[編集] 脚注

[編集] 関連項目