クーガー装甲車

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クーガーH
Pierwsza partia 30 pojazdów typu MRAP 4x4 Cougar rozpoczęła służbę w PKW Afganistan.jpg
イラクで作戦中のポーランド軍に所属するクーガー
性能諸元
全長 5.91m
全幅 2.74m
全高 2.64m
重量 全備17.2t[1]
懸架方式 装輪式4輪駆動
速度 105km/h
行動距離 966km
主砲 遠隔兵器ステーション Crows II
副武装 追加式の銃眼
エンジン キャタピラー C-7
ディーゼル
330HP
乗員 2+4名[1]
トランスミッションにアリソン3500SPを使用[2]
搭載量2.72 t[1]
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クーガーHE
Mine resistant ambush protected vehicles.jpg
クーガーHE
性能諸元
全長 7.08m
全幅 2.74m
全高 2.64m
重量 全備23.59t[3]
マスティフ 24.5 t[4]
懸架方式 装輪式6輪駆動
速度 105km/h
行動距離 966km
主砲 遠隔兵器ステーション Crows II
副武装 追加式の銃眼
エンジン キャタピラー C-7
ディーゼル
330HP
乗員 2+10名[2]
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クーガーは、対戦車地雷とIED(即席爆発装置)に対応できるよう設計された装甲戦闘車両である。1輌の単価は4輪仕様で47万5,000USドル、6輪仕様で64万4,000USドルである。

本車はフォース・プロテクションIncによって製作された一連の装甲車の一つで、弾道兵器と地雷の防御を施された車輛である。車体の設計はスパルタンモーターズで完成された[2]。これらの特別な車輛は小火器や対戦車地雷、IEDの使用に対し、特徴的な設計と素材を複合させることで防護しており、広範囲からの攻撃に対しても乗員とエンジン区画の両方を守っている[5]

モノコック構造で、底面がV型成形された車体が機関室に延長されており、車体下方からの爆風の直射を受けながす。本車の二重の空調は、重装備した歩兵イラク摂氏温度37.8度以上の熱で熱中症を起こすのを防いだ。

開発[編集]

クーガーは2004年アメリカにあるフォース・プロテクションIncの小さな開発チームによって設計された。これはアメリカ海兵隊の緊急の要求にこたえたものである。一般に信じられることと反し、本車は南アフリカの車輛ではなく、また、南アフリカとの関連なしにアメリカで開発されたものであり、1950年代からイギリスローデシアおよび南アフリカ国防軍で使用された、車輛の地雷防護技術の進化を基にしたものである。これまでに4,000輌がアメリカ陸軍MRAP(対地雷・奇襲防御)やほかのプログラムから配備された[6]

ロバート・ゲーツ国防長官は、300回以上のIEDによる攻撃をクーガーが受け、死亡した人員がないという2004年の海兵隊レポートに基づき、本車の大量発注を要求した[7]。それ以降、イラクでもクーガーは多数のIED攻撃を受け、数例では犠牲者を出した。イギリスではマスティフAPVとして、RG-31のかわりにクーガーを選定した[8]

アメリカ国防総省には、本車にCrows II(汎用遠隔操作兵器システム)の遠隔兵器ステーションと、レイセオン・クイックキル能動型対RPGシステム、また、フラッグキット6対EFP装甲などを追加する将来的な計画がある。

派生型[編集]

クーガーには2種類の型式があり、4輪駆動または6輪駆動がある。本車は兵員と装備の輸送のために設計されており、IEDなどの爆発物に対応できる。

クーガーHEV(強化工兵車
アメリカ海兵隊によって4輪駆動と6輪駆動が2004年に発注された。
バジャーILAV(イラク軍軽量装甲車
クーガーを基として、イラク陸軍向けにFPIIとBAEシステムズが生産したもの。
クーガーJERRV(Joint EOD rapid response vehicle・統合型爆発物処理即応車輌)
アメリカ陸軍空軍、海兵隊向けの4輪駆動または6輪駆動型。ほぼ200輌が2005年から2006年に発注された。また、他に200輌が2006年後期に発注された。犠牲者に対する大衆の懸念から、アメリカ軍の政治的な主導権を考慮して本車はMRAPと呼ばれた。
リッジバックPPV(防護警備車両)
イギリス軍の4輪駆動バージョン。FPIIの基礎車体にイギリス軍装甲と電装を施した。少数の車輛にはエンフォーサー遠隔兵器ステーションの装備が含まれる。
マスティフPPV(防護警備車両)
クーガー6輪車のイギリス軍バージョン。FPIIの供給する基礎車体に、イギリスのNPエアロスペース社の電子装備と装甲を施して完成させたもの。
ウルフハウンド(重補給支援車両)
クーガー6輪車をイギリス軍が改修したもの。FPIIの供給する基礎車体に、イギリスのNPエアロスペース社の電子装備と装甲を施して完成させている。90輌がMODに発注され、高度に防護された輸送車として供給された。砲の輸送と補給任務に用いられる[9]
MRAP
4輪または6輪形式のクーガー数千輌がアメリカ陸軍と海兵隊に用いられている。3,500輌以上のMRAPが2008年の終わりまでに配備された。
テンペストMPV(地雷防護車輌)
南アフリカ軍仕様の車体を基とした旧型であり、2004年4月から9月にかけ、アメリカ海兵隊の要求に基づいて新造されたクーガーと混同されるべきではない。

使用国[編集]

カナダ陸軍が使用[10]。 - 2009年に5輌が配備、34両が発注された。[11]
248輌のマスティフと、90輌のウルフハウンド、そして157輌のリッジバックが発注された[12][13]
756輌のバジャー四輪駆動型がある。さらに109輌が発注され、総計では865輌となった。
6輌のクーガー6輪駆動型がある。
3輌のクーガーが売却され、おそらくより多数の車輛が配備される[14]
40輌がアメリカから貸与された[15]

配備[編集]

アフガニスタンにおけるポーランド軍のクーガー

クーガーはアメリカ軍イラク陸軍に用いられ、イギリス陸軍でも軍務に就いた。これらの国の任務では、クーガーは多様な作戦に投入された。アメリカ海兵隊アメリカ海軍の建設工兵隊(シービー)、アメリカ空軍のレッドホース(高速展開可能な空軍の工兵部隊)などでは、HEV(Hardened Engineer Vehicle・強化工兵車輛)やen:JERRVs(Joint Explosive Ordnance Disposal Rapid Response Vehicles・統合型爆発物処理即応車輌)として使用された。

イギリス陸軍の派生型であるマスティフは、原型のクーガーと比較し、大型化された貼視ブロックと、兵装の発射孔を、大きな垂直装甲板で防護している。これは、装甲兵員輸送車の役割に関し、特に対象から防御しながら兵員を輸送するときや、兵員の降車時に火力支援を行うときなどのイギリス陸軍のドクトリンと一致している。マスティフの砲塔には、L7A2汎用機関銃FN MAGミニミ軽機関銃、L11A1重機関銃ブローニングM2重機関銃40mm自動擲弾銃。もしくは50mm砲などが装備できる。[1]イギリス陸軍の装甲兵員輸送車というものへの考え方の一面(これはアメリカ軍とは異なる)として、移動中の装甲戦闘車両銃眼から射撃する際に、歩兵の銃火が正確さを保っていられるかどうか、その平均的な能力に疑問が投げかけられたということがあげられる。また、大きな装甲板は、RPGIEDの爆発に対する側面の防護能力を追加している。

イギリス陸軍では初期の地雷防護車輌を運用した。これはテンペストMPVと名付けられた[17][18]2008年11月、イギリス陸軍はイラクとアフガニスタンで用いる、400輌を越えるクーガーを発注した。これは一連の緊急を要する作戦上の需要(UORs)に基づいていた。2007年2月に、最初のマスティフが86輌配備され、さらに22輌の発注が3月に追加された。総計で108輌が配備された。2007年10月、ゴードン・ブラウンは、兵員を地雷と道路脇の爆弾から防護するため、140輌のマスティフと157輌の4輪駆動バージョンのクーガー(リッジバックと命名された)の追加配備を計画していると伝えた[19]

カナダではアフガニスタンの作戦にクーガーを投入した[20]

画像[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]