LAV-300

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LAV-300
種類 軽装甲車両(LAV)
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
運用史
配備期間 1979年 – 現在
配備先 採用国 を参照
関連戦争・紛争
開発史
製造業者 キャデラック・ゲージ英語版
値段 $USD562,900 (2003)[1]
製造期間 1983年 - 1994年
製造数 103[1]
派生型 バリエーション を参照
諸元
重量 14,696 kg
全長 6.40 m
全幅 2.54 m
全高 2.7m(砲塔含む)、1.98m(車体)
要員数 3+9

装甲 7.62mm弾
主兵装 90mm砲×1、7.62mm機関銃×1
副兵装 40mm発煙弾発射機 2x6
エンジン ターボチャージャー搭載
カミンズ 6 CTA 8.3
ディーゼルエンジン
出力重量比 18.36 bhp/ton
懸架・駆動 6 x 6
行動距離 925 km
速度 105 km/h(陸上)、3 km/h(水上)
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LAV-300(V-300)[2]は、最大15の装備構成バリエーションを持つアメリカ合衆国軽装甲車両(LAV)ファミリー。

概要[編集]

アメリカの民間ベンチャー企業、キャデラック・ゲージ英語版社のプロジェクトとして、CGを用いて設計されたコマンドウの改良型。

最高65mph(105km/h)の速度による高い機動力を持ち、C-5 ギャラクシーをはじめ、C-141 スターリフターC-17 グローブマスターIIIC-130 ハーキュリーズといった輸送機を使用して空輸できるよう設計されている[3]。一部の車両はCH-53E スーパースタリオンでも輸送可能[3]

歴史[編集]

初めて導入したのはパナマで、4つの装備構成からなる12両のLAV-300を購入した[2]

しかし、それらのほとんどは1989年から1990年にかけてのアメリカ軍によるパナマ侵攻のときにアメリカ軍によって接収された[2]

クウェートも1984年に62両の車両を導入したが、多くは火力支援用の構成だった[4]。そのほとんどは、後の湾岸戦争につながる1990年のイラク軍によるクウェート侵攻の際に撃破された[5]

1993年にフィリピンは24両のLAV-300 MK II、12両のLAV-300 APC(装甲兵員輸送車)、12個のLAV-300 FSV(火力支援車両)を発注し、1995年までに納入された[2]。契約費用は1億8,243万USドルだった[1]

1994年にLAV-300は生産を終了し、販売も2000年に中止された[4]

2017年、フィリピンでのフィリピン国軍とテロ組織との戦闘では、フィリピン海兵隊英語版は木製の板と積み重ねられた段ボールを、LAV-300 FSV(火力支援車両)の即席の車両装甲として使用し、フィリピン陸軍コマンドウ V-150M113A2とともに、ISILに触発されたアブ・サヤフなどの過激派グループに対して攻撃を行った[6][7][8]

一般的な付加装甲ほどではないが、非常に臨機応変な応急処置により、手榴弾や40mm擲弾、また、過激派の兵器で一般的な即席爆発装置(IED)に対する耐性が向上し、この戦闘でのフィリピン海兵隊のLAV-300 FSVの損失は1両のみだった。

設計[編集]

装甲[編集]

LAV-300の車体部の装甲には高硬度鋼製装甲が採用され、至近距離、あらゆる範囲、あらゆる角度からの7.62mm口径までの弾丸による衝撃に耐えることができる。

装甲板は、アップグレード可能で、地雷手榴弾の爆発から乗員を保護する。

ステルス性が考慮され、エンジン音やその排熱、振動、赤外線レベルを最小限に抑え、敵のレーダー反射を最小限に抑えられているため、先代のコマンドウと比べ、生存性がさらに強化されている。

機動性[編集]

LAV-300 MK IIは、非常に機動性が高く、水陸両用となっている。

タイヤはラジアルチューブレスで、ランフラットインサートとタイヤインフレーションシステムを装備し、機動性をさらに高めている。

また、LAV-300 MK IIでは、60%の急勾配を登り、30%のサイドスロープでも行動でき、高さ2フィート(60.96cm)の障害物を乗り越えることができる。

エンジン[編集]

LAV-300 MK IIが搭載するターボ過給器搭載カミンズディーゼルエンジンは、停止状態から10秒未満で時速20マイル(32 km/h)まで加速可能で、また、軽油がでなくともJet-A航空燃料灯油などでも稼働する。

6輪のデュアル油圧ブレーキにより、車両は時速20マイル(32km /h)の状態から約40フィート(12m)で停止できる

LAV-300 MK IIの作戦可能範囲は575マイル(925km)。

バリエーション[編集]

指揮車、 装甲兵員輸送車(APC)、対戦車車両、補給車両、救急車、 装甲回収車(ARV)など、15種類の装備構成が存在する[2]

また、LAV-300では次のタイプの武装を選択できる[2]

LAV-300 MK II[編集]

LAV-300 MK IIは、LAV-300の改良版で、1980年代に開発された。

アフタークールタイプのエンジン、前輪6段、ギア比2段の改良されたトランスミッション、より大きな燃料タンクと新型タイヤを備える[2]

採用国[編集]

LAV-300を運用中の国は青、既に退役した国は赤で示す

運用中[編集]

2001年、フィリピンの企業フローロインターナショナルコーポレーション(Floro International Corporation)は、フィリピン海兵隊英語版が使用するLAV-300を近代化する契約を結んだ[10]。また、2015年には別のアップグレードプロジェクトが3450万ペソ(784,000米ドル)の契約で発表された。LAV-300 FSV(火力支援車両)の砲塔システムをアップグレードする[11]

退役[編集]

1990年湾岸戦争でクウェートから鹵獲[12]
イラクによるクウェート侵攻でほとんど破壊された[9]
ほとんどが良好な状態でアメリカ軍によって接収された。

脚注[編集]

  1. ^ a b c V-300/V-600 Commando - Archived 8/2004”. Forecastinternational.com. 2017年7月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Pike, John. “LAV-300/LAV-600”. Globalsecurity.org. 2017年7月30日閲覧。
  3. ^ a b LAV-300”. Deagel.com. 2017年7月30日閲覧。
  4. ^ a b Vehicles in Focus: LAV-300”. Armored Warfare - Official Website. 2017年7月30日閲覧。
  5. ^ Laur, Colonel Timothy (1995). Encyclopedia of Modern US Military Weapons. Berkley: Berkley Publishing Corporation. ISBN 978-0425147818. https://archive.org/details/isbn_9780425147818 2017年7月30日閲覧。 
  6. ^ Images surface of wood armor on Philippine military vehicles fighting ISIS: Could that actually work against an RPG? - SOFREP” (2017年6月9日). 2017年7月30日閲覧。
  7. ^ IN PHOTOS: Military opens Mapandi bridge to media amid heavy fighting in Marawi”. 2017年7月30日閲覧。
  8. ^ These ISIS-Fighting Philippine Tanks Are Clad in DIY Wooden "Armor"” (2017年6月7日). 2017年7月30日閲覧。
  9. ^ a b c LAV-300 Cadillac Gage Textron Light armoured vehicle”. Army Recognition. 2016年3月17日閲覧。
  10. ^ Armor Update”. pmcmssr.tripod.com. 2017年7月30日閲覧。
  11. ^ ngain. “Philippine Marine Corps to upgrade turrets of its armored fighting vehicles - February 2015 Global Defense Security news UK - Defense Security global news industry army 2015 - Archive News year”. www.armyrecognition.com. 2017年7月30日閲覧。
  12. ^ Former Equipment of Iraqi Army”. Archive.org. 2018年7月17日閲覧。

関連項目[編集]

派生元車両
LAV-300からの派生車両
類似車両