1977年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1977年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
ニューヨーク・ヤンキース 3
カンザスシティ・ロイヤルズ 2
シリーズ情報
試合日程 10月5日–9日
観客動員 5試合合計:23万4713人
1試合平均:04万6943人
殿堂表彰者 ヨギ・ベラ(NYYコーチ[注 1]
ボビー・コックス(NYYコーチ)
レジー・ジャクソン(NYY外野手)
ホワイティ・ハーゾグ(KC監督)
ジョージ・ブレット(KC内野手)
チーム情報
ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 2年連続2回目
GM ゲイブ・ポール
監督 ビリー・マーチン
シーズン成績 100勝62敗・勝率.617
東地区優勝

カンザスシティ・ロイヤルズ(KC)
シリーズ出場 2年連続2回目
GM ジョー・バーク
監督 ホワイティ・ハーゾグ
シーズン成績 102勝60敗・勝率.630
西地区優勝

 < 1976
ALCS
1977

1978 > 

 < 1976
NLCS
1977

1978 > 
ワールドシリーズ

1977年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月4日に開幕した。アメリカンリーグの第9回リーグチャンピオンシップシリーズ(9th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、翌5日から9日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース東地区)がカンザスシティ・ロイヤルズ西地区)を3勝2敗で下し、2年連続31回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

レギュラーシーズンで100勝以上を挙げた球団どうしがリーグ優勝決定戦で対戦するのは、前年のナショナルリーグに次いで2年連続3度目[注 2][1]。この年のレギュラーシーズンでは両球団は10試合対戦し、5勝5敗の五分だった[2]。両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは2年連続2度目で、最終第5戦までもつれ込んだ末にヤンキースが9回に決勝点を挙げてロイヤルズを下す、という結果も前年と同じである[3]。また、1勝2敗と追い詰められたあとに敵地で連勝して逆転でシリーズを制したのは、今回のヤンキースがリーグ優勝決定戦史上初めてだった[4]。このあとヤンキースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者ロサンゼルス・ドジャースを4勝2敗で下し、15年ぶり21度目の優勝を成し遂げた。

試合結果[編集]

1977年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月5日に開幕し、5日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月05日(水) 第1戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 7-2 ニューヨーク・ヤンキース ヤンキー・スタジアム
10月06日(木) 第2戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 2-6 ニューヨーク・ヤンキース
10月07日(金) 第3戦 ニューヨーク・ヤンキース 2-6 カンザスシティ・ロイヤルズ ロイヤルズ・スタジアム
10月08日(土) 第4戦 ニューヨーク・ヤンキース 6-4 カンザスシティ・ロイヤルズ
10月09日(日) 第4戦 ニューヨーク・ヤンキース 5-3 カンザスシティ・ロイヤルズ
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(3勝2敗 / 2年連続31度目)

第1戦 10月5日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 2 2 2 0 0 0 0 1 0 7 9 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 9 0
  1. ポール・スプリットオフ(1勝)  ドン・ガレット(1敗)  
  2. 本塁打
    KC:ハル・マクレー1号2ラン、ジョン・メイベリー1号2ラン、アル・コーウェンズ1号ソロ
    NYY:サーマン・マンソン1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ジェリー・ニューデッカー
    [塁審]一塁: ラス・ゲーツ、二塁: ジム・マッキーン、三塁: マーティー・スプリングステッド
    [外審]左翼: ニック・ブレミガン、右翼: ビル・ディーガン
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後3時20分 試合時間: 2時間40分 観客: 5万4930人 気温: 68°F(20°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 F・パテック 1 M・リバース
2 DH H・マクレー 2 G・ネトルズ
3 G・ブレット 3 T・マンソン
4 A・コーウェンズ 4 R・ジャクソン
5 A・オーティス 5 L・ピネラ
6 J・メイベリー 6 C・チャンブリス
7 J・ゼブ 7 DH C・ジョンソン
8 D・ポーター 8 W・ランドルフ
9 F・ホワイト 9 B・デント
先発投手 投球 先発投手 投球
P・スプリットオフ D・ガレット

ロイヤルズは、初回表に2番ハル・マクレーの2点本塁打で先制し、2回表にも二死一・二塁から1番フレディ・パテックの適時二塁打で2点を加える。ヤンキースはこの回終了をもって先発投手ドン・ガレットを諦め、3回表からディック・ティドローを登板させた。しかしロイヤルズは、この回も6番ジョン・メイベリーの2点本塁打で6-0に突き放した。その裏ヤンキースも3番サーマン・マンソンの本塁打で2点を返すが、反撃はこれのみに終わる。ロイヤルズの先発投手ポール・スプリットオフは、9回裏の先頭打者クリス・チャンブリス四球を与えたところでダグ・バードにマウンドを譲ったものの、8.0イニング2失点で勝利投手となった。

第2戦 10月6日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
6回表一死一・二塁、ジョージ・ブレットの三ゴロで一塁走者ハル・マクレーが併殺崩しのスライディングをし、二塁走者フレディ・パテックを生還させる(1分55秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 1 0 0 1 0 0 0 2 3 1
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 2 3 0 1 X 6 10 1
  1. ロン・ギドリー(1勝)  アンディ・ハスラー(1敗)  
  2. 本塁打
    NYY:クリフ・ジョンソン1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ラス・ゲーツ
    [塁審]一塁: ジム・マッキーン、二塁: マーティー・スプリングステッド、三塁: ニック・ブレミガン
    [外審]左翼: ビル・ディーガン、右翼: ジェリー・ニューデッカー
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時19分 試合時間: 2時間58分 観客: 5万6230人 気温: 61°F(16.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 F・パテック 1 M・リバース
2 DH H・マクレー 2 G・ネトルズ
3 G・ブレット 3 T・マンソン
4 A・コーウェンズ 4 R・ジャクソン
5 A・オーティス 5 L・ピネラ
6 J・メイベリー 6 DH C・ジョンソン
7 J・ゼブ 7 C・チャンブリス
8 D・ポーター 8 W・ランドルフ
9 F・ホワイト 9 B・デント
先発投手 投球 先発投手 投球
A・ハスラー R・ギドリー

3回表、ロイヤルズは無死一・三塁から1番フレディ・パテック犠牲フライで1点を先制した。しかしその後、一塁走者フランク・ホワイト盗塁失敗もあり、1点のみでイニングを終える。ヤンキースは5回裏、6番クリフ・ジョンソンのソロ本塁打で同点に追いつき、さらに二死二塁から9番バッキー・デントの適時打で勝ち越す。その裏、ロイヤルズは一死一・二塁から3番ジョージ・ブレットが三塁方向へゴロを放った。三塁手グレイグ・ネトルズはこれを捕球するとまず二塁に送球して、一塁走者ハル・マクレー封殺する。しかしマクレーは併殺でのイニング終了を阻止するため、二塁を踏んでから二塁手ウィリー・ランドルフに向かって倒れ込むようなスライディングを行い、ランドルフに一塁送球をさせないことに成功、その間に二塁走者パテックを生還させて2-2の同点とした。

6回裏、二死一塁となったところでロイヤルズが先発投手アンディ・ハスラーに代え、マーク・リッテルを投入する。ヤンキースは、5番ルー・ピネラが左前打で一・三塁と好機を広げると、次打者ジョンソンが適時二塁打を放ち1点を勝ち越す。なおも二・三塁で、リッテルは7番クリス・チャンブリス敬遠し、8番ランドルフとの勝負を選ぶ。ランドルフは三ゴロに打ち取られたはずが、三塁手ブレットの失策により2走者が生還し、ヤンキースがリードを3点に広げた。ヤンキースの先発投手ロン・ギドリーは2失点で完投勝利を挙げた。

第3戦 10月7日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 4 1
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 1 1 0 1 2 1 0 X 6 12 1
  1. デニス・レナード(1勝)  マイク・トーレス(1敗)  
  2. 審判
    [球審]ジム・マッキーン
    [塁審]一塁: マーティー・スプリングステッド、二塁: ニック・ブレミガン、三塁: ビル・ディーガン
    [外審]左翼: ジェリー・ニューデッカー、右翼: ラス・ゲーツ
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時15分 試合時間: 2時間19分 観客: 4万1285人 気温: 64°F(17.8°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・リバース 1 T・ポケット
2 R・ホワイト 2 H・マクレー
3 T・マンソン 3 G・ブレット
4 R・ジャクソン 4 A・コーウェンズ
5 C・チャンブリス 5 J・メイベリー
6 G・ネトルズ 6 DH J・ラフー
7 DH L・ピネラ 7 D・ポーター
8 W・ランドルフ 8 F・パテック
9 B・デント 9 F・ホワイト
先発投手 投球 先発投手 投球
M・トーレス D・レナード

ヤンキー・スタジアムでの前2試合に続き、ロイヤルズ・スタジアムへ舞台を移したこの試合でも、先制したのはロイヤルズだった。2回裏に一死一・二塁から1番フレディ・パテックの左前打でまず1点を先行し、3回裏には無死一・三塁から4番アル・コーウェンズの一ゴロで2点目を挙げる。ヤンキースは5回表に7番ルー・ピネラの適時二塁打で1点を返したが、その裏ロイヤルズは一死三塁から4番コーウェンズの三ゴロで2点差に戻した。6回裏には二死二・三塁と再び好機を作って、ヤンキースの先発投手マイク・トーレスを降板に追い込み、代わって登板したスパーキー・ライルから代打エイモス・オーティスが二塁打で2走者を還した。ロイヤルズは先発投手デニス・レナードが2失点で完投勝利を挙げ、シリーズ突破へ王手をかけた。

第4戦 10月8日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回表無死一・三塁、サーマン・マンソンの三ゴロで一塁走者グレイグ・ネトルズが二塁へスライディングをせず、送球を乱れさせて打者走者マンソンを生かす(30秒)
ヤンキースの抑え投手スパーキー・ライルが4回裏二死から登板、5.1イニングのロングリリーフで最後まで投げきって勝利投手となる(1分59秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 1 2 1 1 0 0 0 0 1 6 13 0
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 2 2 0 0 0 0 0 4 8 2
  1. スパーキー・ライル(1勝)  ラリー・グラ(1敗)  
  2. 審判
    [球審]マーティー・スプリングステッド
    [塁審]一塁: ニック・ブレミガン、二塁: ビル・ディーガン、三塁: ジェリー・ニューデッカー
    [外審]左翼: ラス・ゲーツ、右翼: ジム・マッキーン
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後0時15分 試合時間: 3時間8分 観客: 4万1135人 気温: 52°F(11.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・リバース 1 T・ポケット
2 G・ネトルズ 2 DH H・マクレー
3 T・マンソン 3 G・ブレット
4 R・ジャクソン 4 A・コーウェンズ
5 L・ピネラ 5 J・メイベリー
6 DH C・ジョンソン 6 D・ポーター
7 C・チャンブリス 7 A・オーティス
8 W・ランドルフ 8 F・パテック
9 B・デント 9 F・ホワイト
先発投手 投球 先発投手 投球
E・フィゲロア L・グラ

この日はヤンキースが先制する。初回表に無死一・三塁から3番サーマン・マンソンの三ゴロで1点を奪い、2回表には二死一塁から9番バッキー・デントと1番ミッキー・リバースの連続適時打で2点を加える。さらに3回表にも無死一・二塁と好機を広げ、ロイヤルズの先発投手ラリー・グラを降板に追い込むと、代わったマーティー・パッティンからも5番ルー・ピネラの適時打で4点目を挙げた。ロイヤルズは3回裏、先頭打者フレディ・パテック三塁打をきっかけに、次打者フランク・ホワイト犠牲フライと3番ジョージ・ブレットの適時三塁打で2-4とする。しかしヤンキースも直後の4回表、二死二塁から2番グレイグ・ネトルズの適時打で3点差に突き放した。

4回裏、ロイヤルズは一死一塁から8番パテックの適時二塁打で再び2点差に迫る。ヤンキースは先発投手エド・フィゲロアをここで諦め、2番手にディック・ティドローを送ったが、9番F・ホワイトに適時二塁打を許し、5-4と1点差に詰め寄られた。その後、二死一・二塁で3番ブレットを打席に迎え、ヤンキースはティドローからスパーキー・ライルへ継投した。ライルは前日も2.1イニングを投げており、今回は試合前半からの登板だったが「やるかやられるかの場面。最後まで投げきるつもりで準備はできていた」という[5]。ライルはブレットを左直に打ち取り、同点・逆転の危機を脱した。5回から8回までの4イニングはパッティンとライルがいずれも無失点で終わらせたが、9回表にはヤンキースが一死三塁の好機を作り、4番手投手ダグ・バードから3番マンソンが犠牲フライを放って1点を加えた。ライルは9回裏も三者凡退で締め、5.1イニングのロングリリーフを無失点で終えて勝利投手となった。こうしてシリーズの行方は最終第5戦へもつれ込んだ。

第5戦 10月9日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回裏、ジョージ・ブレットの適時三塁打でロイヤルズが先制。三塁手グレイグ・ネトルズとブレットの交錯をきっかけに乱闘が発生(3分22秒)
8回表、代打レジー・ジャクソンの適時打でヤンキースが1点差に詰め寄る(51秒)
9回表、ウィリー・ランドルフの犠牲フライでヤンキースが1点を勝ち越し(42秒)
9回裏、スパーキー・ライルがフレディ・パテックを三ゴロ併殺に打ち取り試合終了、ヤンキースのリーグ2連覇が決定(47秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 1 0 0 0 0 1 3 5 10 0
カンザスシティ・ロイヤルズ 2 0 1 0 0 0 0 0 0 3 10 1
  1. スパーキー・ライル(2勝)  デニス・レナード(1勝1敗)  
  2. 審判
    [球審]ニック・ブレミガン
    [塁審]一塁: ビル・ディーガン、二塁: ジェリー・ニューデッカー、三塁: マーティー・スプリングステッド
    [外審]左翼: ラス・ゲーツ、右翼: ジム・マッキーン
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時15分 試合時間: 3時間4分 観客: 4万1133人 気温: 61°F(16.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・リバース 1 F・パテック
2 W・ランドルフ 2 H・マクレー
3 T・マンソン 3 G・ブレット
4 L・ピネラ 4 A・コーウェンズ
5 DH C・ジョンソン 5 A・オーティス
6 G・ネトルズ 6 J・ワーザン
7 C・チャンブリス 7 DH C・ロハス
8 P・ブレアー 8 D・ポーター
9 B・デント 9 F・ホワイト
先発投手 投球 先発投手 投球
R・ギドリー P・スプリットオフ

ロイヤルズは初回裏、一死一塁から3番ジョージ・ブレットの中越え三塁打で1点を先制する。ブレットが三塁へ滑り込んだ際に三塁手グレイグ・ネトルズと交錯し、このときネトルズが左足で蹴りを入れていたことから、ブレットは起き上がるとネトルズに殴りかかり、両軍ベンチ総出の乱闘に発展した。退場者なしで試合再開後、4番アル・コーウェンズの三ゴロでブレットが生還し、ロイヤルズが1点を追加した。ヤンキースが3回表に3番サーマン・マンソンの適時打で1点を返したが、その裏すぐにロイヤルズも4番コーウェンズの適時打で再びリードを2点に広げた。ヤンキースが一死一塁で先発投手ロン・ギドリーを降板させると、2番手マイク・トーレスは後続を2者連続空振り三振に仕留めた。

その後はロイヤルズの先発投手ポール・スプリットオフとヤンキースのトーレスが互いに相手打線を抑え、3-1のまま7回が終了した。8回表、ヤンキースの先頭打者ウィリー・ランドルフが中前打で出塁し、ロイヤルズはスプリットオフからダグ・バードへ継投した。ヤンキースは一死一・三塁とし、代打レジー・ジャクソンの中前適時打で1点差に迫った。その裏、ロイヤルズが二死一・二塁とすると、ヤンキースは3連投のスパーキー・ライルを投入し、クッキー・ロハスを空振り三振させて危機を凌いだ。

9回表、ロイヤルズは第3戦完投勝利のデニス・レナードを中1日で登板させて逃げ切りを図ったが、無死一・二塁と逆転の走者を塁に出した。左打者の1番ミッキー・リバースに打順がまわり、ロイヤルズは前日の先発投手で左のラリー・グラをマウンドへ送った。だがリバースは中前適時打を放ち、二塁走者ポール・ブレアーが同点のホームを踏んだ。なおも無死一・三塁、ロイヤルズはグラを1打者で見切り、右打者ランドルフに対し右のマーク・リッテルを投入した。ランドルフは犠牲フライで三塁走者ロイ・ホワイトを還し、ヤンキースが試合をひっくり返した。このあとさらに三塁手ブレットの失策でヤンキースは5点目も加えた。9回裏、ライルは3日連続のイニングまたぎながらも無失点で締め、ヤンキースが土壇場の逆転でリーグ連覇を果たした。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 殿堂入りは指導者としてではなく、捕手としての功績が評価されてのもの。
  2. ^ リーグ優勝決定戦における100勝球団どうしの対戦は、このあとは2018年のアメリカンリーグ優勝決定戦まで41年間途絶えることとなる。

出典[編集]

  1. ^ David Barron, "In Astros vs. Red Sox, it’s a matchup of the best and brightest," HoustonChronicle.com, October 12, 2018. 2020年12月26日閲覧。
  2. ^ "1977 New York Yankees Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年12月26日閲覧。
  3. ^ Murray Crass Special to The New York Times, "Yankees Capture Pennant, Winning Playoff Final, 5‐3," The New York Times, October 10, 1977. 2020年12月26日閲覧。
  4. ^ Mike Tully, UPI Sports Writer, "Both Steve Garvey and the Los Angeles Dodgers played...," UPI Archives, October 17, 1981. 2021年1月17日閲覧。
  5. ^ Alfred Santasiere III, "Yankees Magazine: 1977 Revisited / Sparky Lyle remembers the magical season that made him a Cy Young Award winner and, more importantly, a World Series champion," MLB.com, June 21, 2017. 2020年12月26日閲覧。

外部リンク[編集]