親子ゲーム
親子ゲーム | |
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ジャンル | ホームドラマ |
脚本 | 黒土三男 |
演出 | 竹之下寛次、吉田秋生、柳井満 |
出演者 | 長渕剛 |
オープニング | 長渕剛「SUPER STAR」 |
製作 | |
プロデューサー | 柳井満 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1986年6月7日 - 8月16日 |
放送時間 | 土曜日21:00 - 21:54 |
放送枠 | TBS土曜9時枠の連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 11 |
『親子ゲーム』(おやこゲーム)は、1986年6月7日から同年8月16日まで、TBS系列で毎週土曜日21:00 - 21:54(JST)に放送されていたホームドラマである。全11回。
概要[編集]
長渕剛の主演テレビドラマ第3作。
親に見捨てられた弱虫な少年が、暴走族出身の男女が切り盛りするラーメン屋に引き取られて、様々な騒動の中心になる物語である。この擬似家庭の後見人的存在である高年警官は家族と相性が悪く、暴走族出身のラーメン屋の男女との交流の方が親密な人物である。このように、家族や世間から「仲間外れになった」少年や青年や高年が、血縁を持たないながらも同棲して、親密な一家のような関係を作り、喧嘩を繰り広げながらも心を開いていく過程を描いている。
放送批評懇談会主催の第24回ギャラクシー賞(1986年度)にて『選奨』を受賞している[1]。
あらすじ[編集]
「親子3人?即席家族。」[2]
元暴走族の青年、保とその恋人の加代の営む東京・下町のラーメン屋に、ある日父親と麻理男(マリオ)が店を訪れた。父親はタバコを買いに行くと言い出だし行ったきり戻らず、マリオは店から逃げようとするが捕まり、早川巡査に補導された。そして、早川巡査が暫くの間だけという事でこのラーメン屋に置いてもらえないかと保と加代に頼むが、2人は冗談じゃないと断ろうとする。しかし、保と加代は暴走族時代の事で早川巡査に弱みを握られており、結局は麻理男を引き取ることになった。
ところが、マリオは人間不信で人見知りが激しく、ほとんど言葉を発さない上にすぐに大暴れする対人恐怖症を抱えている少年であった。3人で暮らし、ラーメン屋の出前を頼んだりしているうちに保も加代もマリオと打ち解けていくが、このマリオを巡って様々な騒動が巻き起こる。
キャスト[編集]
九十番ラーメン関係者[編集]
- 矢板 保(やいた たもつ) - 長渕剛
- 元暴走族。29歳。東京の下町でラーメン屋「九十番ラーメン」を営んでいる。開き直った性格で、言動の端々に少々乱暴な所を持つが、根は人一倍心優しい人情家。ニックネームはキクラゲ。
- 三石 加代(みついし かよ) - 志穂美悦子
- 元暴走族。30歳。保と共にラーメン屋を営んでいる。気性が烈しく怒りっぽい保をそのつど上手くなだめる良き恋人。ラーメン屋の2階で保と同居している。後に保のプロポーズを受ける。
- 吉田 麻理男(よしだ まりお) - 柴田一幸
- 親から見捨てられた、人間嫌いの弱虫な少年。小学4年生。親は共に子供嫌いだが、世間体を取り繕う為に結婚していた[3]。無言・気難しさ・弱虫ぶりから保とたびたび衝突するが、その中で次第に人の暖かみを知っていく。ゲーム作品『スーパーマリオブラザーズ』の主人公と同名だが、ゲームのマリオは「マ」に高いアクセントが来るのに対し、麻理男の方は「リオ」に高いアクセントが来る。
- 早川 - 植木等
- 59歳。交番勤務の警官。保や加代に麻理男の面倒を見るように頼む。保と加代の後見人的存在で、頻繁に九十番ラーメンを訪れている。
その他[編集]
- 百合(ゆり) - 南果歩
- 信用金庫職員。保がデートに誘おうと何度もちょっかいを出す。
- 大塚 - 石倉三郎
- 早川と同じ交番に勤務する警察官。正義感が強いが、早川巡査に根負けしている。
- 平野(ひらの) - 矢崎滋
- 加代の知人で、秋葉原で電気メーカーをやっている営業マン。一時期、麻理男の家庭教師をしていた。早大出身のインテリであるが、酒を飲むと極端に性格が変わる。九十番ラーメンの常連で、あだ名はレバニラ。
- 早崎文司
- 葬儀屋。九十番ラーメン常連。
- 三遊亭遊三
- 落語の師匠で、九十番ラーメンの常連。
- 沼田爆
- 麻理男の父。第1話で麻理男と共に九十番ラーメンに来店するが、「タバコを買いに行く」と言って麻理男を置いて失踪してしまう。
- 由加(ゆか) - 伊神さかえ
- 第4、6話に登場する保の昔馴染みの女で六本木のお店に勤めている。保は彼女に入れ込んでいたせいで加代と喧嘩になる。ナイスバディらしく、保や平野によく絡まれる。
- 中島 晃一(なかじま こういち) - 村田雄浩
- 保、加代の暴走族時代の友人。第9回にのみ登場。名古屋在住。
- 中島 美穂(なかじま みほ) - 土井千恵子
- 晃一の別れた妻の連れ子。第9回にのみ登場。
- 大原和彦
- 最初は麻理男に絡んでいたが、仲良くなる。
- 石川英明
- 石井寛之
- 山本耕史
- 第1話冒頭、保の出前先でスーパーマリオブラザーズで遊んでいる子供達の中の1人。
- 芳恵 - 野村真美
- 女子大生。第7 - 8話に登場。オープンカーに乗っている。彼女の車がガス欠になっているところを助けてくれてから保と親しくなった。落語の師匠は彼女にセクハラ紛いでちょっかいを出してくる。
スタッフ[編集]
主題歌[編集]
- オープニングテーマ:「SUPER STAR」
製作[編集]
本作の制作の経緯は、主演の長渕は元々「ドラマは嘘の世界。役者はペテン師。その感動も嘘っぱち」と公言していたが、『家族ゲーム』(1983年)にて長渕を起用したプロデューサーの柳井に対し、「俺じゃなきゃ出来ないドラマをやらせて欲しい」と頭を下げた事から製作される事となった[4]。長渕の要請を受けた柳井は「家族が生きるために力を合わせていた『縄文時代の家』を目標にしたドラマ」という理念で製作した[4]。
長渕は本作に対し、「俺は自分のシナリオで生きてきた。今回はそれが画面に出ると思う」と初めて役者を意識した発言をしている[4]。
なお、本作において後にいくつかの作品を共作する事となる脚本家の黒土と初対面している[4]。
放送日程[編集]
話数 | サブタイトル 放送回 | 放送日 | 演出 |
---|---|---|---|
1 | 「スーパーマリオになりたい」 | 1986年6月7日 | 竹之下寛次 |
2 | 「笑え! マリオ・怒れ! マリオ」 | 6月14日 | 竹之下寛次 |
3 | 「スーパーマリオの逆襲」 | 6月21日 | 柳井満 |
4 | 「オトナは嘘ツキ!」 | 6月28日 | 竹之下寛次 |
5 | 「オレのマリオ・私のマリオ」 | 7月5日 | 吉田秋生 |
6 | 「二人の危機・マリオの危機」 | 7月12日 | 竹之下寛次 |
7 | 「マリオが消えた日」 | 7月19日 | 吉田秋生 |
8 | 「俺がマリオに残せるものは」 | 7月26日 | 竹之下寛次 |
9 | 「一瞬マリオが恋をした」 | 8月2日 | 吉田秋生 |
10 | 「マリオの父が来る…」 | 8月9日 | 竹之下寛次 |
11 | 「さよならマリオ」 | 8月16日 | 竹之下寛次 |
- 平均視聴率18.1%(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ社調べ)
エピソード[編集]
- 主演の長渕剛と志穂美悦子は、本作で初めて共演し、映画『男はつらいよ 幸福の青い鳥』(1986年)で再共演した後、1987年に結婚している。長渕と志穂美の結婚が発表された際、ワイドショーでは、本作第10話のプロポーズのシーンが使用された。
- 第6話の乱闘シーンの収録中に、志穂美が手の甲の骨を骨折し、全治4週間のケガを負った。以降の収録では、火傷をしたという設定で包帯を巻いたままで収録された。
脚注[編集]
関連項目[編集]
- TBS土曜9時枠の連続ドラマ
- スーパーマリオブラザーズ - 劇中でプレイ画面が登場する。『スーパーマリオブラザーズ2』が後に登場するが、プレイ画面の描写はなく、音声のみである。
外部リンク[編集]
TBSテレビ 土曜21時枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
花嫁人形は眠らない
(1986.4.12 - 1986.5.31) |
親子ゲーム
(1986.6.7 - 1986.8.16) |
一家だんらん物語
(1986.8.23 - 1986.9.27) |