婚姻届

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婚姻届(こんいんとどけ)は、正式には婚姻届書(こんいんとどけしょ)といい、法務省地方支分部局である法務局の戸籍課が管轄する行政機関への書類である。

法的根拠[編集]

手続き根拠としては戸籍法第74条に規定されている。

条件[編集]

以下の条件を満たす必要がある

  • 男性は満18歳以上、女性は満16歳以上であること
  • 男女双方とも婚姻関係を結んでいないこと
  • 未成年の初婚の場合、未成年の父母のどちらかの承認があること(行方不明等承認が得られない場合には不要)
  • 2人以上の成年の証人がいること(婚姻届に署名・捺印が必要)
  • 双方が直系親族または3親等内の傍系血族でないこと ― 3親等内の傍系親族は、姻族もしくは法定血族であれば(血縁関係がなければ)結婚できる。また、夫の父親と妻の母親、妻の父親と夫の母親などのように、両者の子孫に婚姻関係がある場合でも結婚できる

女性に婚姻歴がある場合、次の条件を満たす必要がある

  • 前婚の終了から6ヶ月が経過していること(再婚相手が前回の離婚相手の場合、前婚の終了後に出産している場合等は不要)

手続き[編集]

概略
役場などで婚姻届の用紙を入手し、証人欄の署名・捺印を受け、且つ必要事項を記入・捺印した上で提出先に出頭し、提出する(証人となる者も提出に立ち会う場合は、その場で用紙を記入・捺印しても可)。
提出先(いずれか1箇所)
  • 夫、または妻の従前戸籍(結婚する前の時点での戸籍)の本籍の自治体の市区町村役場
  • 結婚後の新たな本籍地を管轄する自治体の市区町村役場
  • 夫、または妻の現在の所在地の自治体の市区町村役場
  • 同時に転居する場合、結婚後の住所となる自治体の市区町村役場

(所在地には、住民登録上の現住所の他に、一時的な滞在地も含まれるので、例えばリゾート地の教会で挙式をする場合、 そこの役所でも提出できるわけである。また所在地が海外の時は、最寄りの日本国の大使館・総領事館等の在外公館に提出できる。)


提出書類
  • 婚姻届
  • 結婚前の時点での戸籍謄本または抄本(手続きをする役場が従前戸籍の本籍地の自治体である者の分は不要)
  • 二人の印鑑(一方は旧姓のもの)
海外の在外公館に届ける場合などを除き、現在は1通のみの提出で可としている役場がほとんどである(以前は2 - 3通必要となる場合もあったが、現在は役場で謄本(コピー)を作成する)。
提出後
書類に問題がなければ受理される。届は、即日発効する。
新たに戸籍の筆頭者となる者が従前戸籍の筆頭者でなかった場合、当該者を筆頭者とする戸籍が新たに作られる。新戸籍の筆頭者となる者が既に戸籍の筆頭者である場合は、その戸籍にそのまま配偶者が記載される(離婚分籍をしていた場合がこれに当たる)。結婚後のは、戸籍の筆頭者となる方のものとなる。

その他[編集]

  • 大日本帝国憲法当時は、男性は30歳未満、女性は25歳未満の場合には父母の同意を要すると定められていた。
  • 父母の同意とは、保護者・親権者の同意と同じ意味ではなく、実の父母または養父母のことである[1][2]。父母がおらず後見人が親権者になっている場合は、誰の同意も不要である。父母が証人欄に署名している場合は、別途同意書の添付は必要ない。
  • 婚姻届を提出した後に離婚届を同日に提出することも可能である。また、配偶者の戸籍に養子女として入り嫁または婿となる場合には配偶者の両親を養親とした養子縁組届を添えて提出する必要がある。
  • 夫婦の氏を途中で変更する場合、一旦離婚届を提出し、以前筆頭者でなかった者を筆頭者(以前夫が筆頭者だった場合は妻を筆頭者)とする婚姻届を提出する場合と、筆頭者が配偶者の両親を養親とする養子縁組届を提出する場合の2通りがある。
  • 芸能ニュースなどで初婚の者同士が婚姻届を出したことを「入籍」と言うのは誤り。同じく誤用されやすい「入籍届」も、結婚とは何ら関係ないものである。
  • 婚姻届が偽造された場合であっても、役場の担当者はチェックせず受理せざるを得ないため、偽造婚姻届を提出され知らぬ間に結婚させられ「夫婦」の状態となるケースがある。もし、偽造の婚姻届で結婚させられた場合、家庭裁判所に婚姻無効の調停を申し立てて認められ、さらに役場で戸籍訂正するという面倒な手続きを踏まなければ、「夫婦」状態を取り消すことができない。事件の当事者の代理人からは、なぜ防止できないのか、との怒りの声が聞かれる[3][4]
  • 婚姻届は24時間365日受付が可能である。ただし夜間及び休日等は担当職員が不在である場合が多いため、通用口にいる守衛等に預ける形となる。始業と共に受理される。

脚注[編集]

関連項目[編集]