岐阜基地

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岐阜飛行場
Gifu airfiled.JPG
IATA: QGU - ICAO: RJNG
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 岐阜県各務原市
種類 軍用
所有者 防衛省
運営者 航空自衛隊
開設 1917年
所在部隊 第2補給処
飛行開発実験団
第4高射群
自衛隊岐阜病院
標高 39 m (128 ft)
座標 北緯35度23分38秒 東経136度52分10秒 / 北緯35.39389度 東経136.86944度 / 35.39389; 136.86944
地図
空港の位置
空港の位置
QGU/RJNG
空港の位置
空港の位置
QGU/RJNG
空港の位置
滑走路
方向 長さ×幅 (m) 表面
10/28 2,710×46 アスファルト
リスト
空港の一覧
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岐阜基地付近の空中写真。(1987年撮影の4枚を合成作成)
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

岐阜基地(ぎふきち、JASDF Gifu Airbase)は岐阜県各務原市那加官有地無番地に所在する航空自衛隊の基地、軍用飛行場。日本国内に現存する飛行場では最も長い歴史を持つ。 基地司令は第2補給処長が兼務する。

概要[編集]

航空自衛隊で運用する航空機等の装備品に関する試験を行う部隊、飛行開発実験団を擁している。そのため航空自衛隊が運用する機種の大部分が配備されており、秋の航空祭では異機種混合飛行が見ることができるため、多くのファンが訪れる。

防衛装備庁の岐阜試験場であり飛行開発実験団の拠点という特性上、基地内部には航空機強度試験場などの各種実験装置の他に、川崎重工業岐阜工場(航空宇宙カンパニー)が隣接する。2004年6月には川崎重工最大のハンガーが基地近くに完成しており、C-XおよびXP-1の開発も行われている。

小牧基地航空機動衛生隊の指揮監督を行なう自衛隊岐阜病院も基地内にあり、基地の衛生業務や隊員等の医療を行なうと共に准看護師救急救命士衛生員などの育成や教育なども行なっている。

県内唯一の航空管制・無線保安設備を設けた飛行場[1]であり、岐阜基地内の東側端エリアに専用のヘリポートやハンガーもあるため、県警航空隊はこの施設を県警航空隊・防災ヘリの基地として利用している。

また、2017年7月以降は予約制で「広報館」を公開しており、旧日本陸軍の遺品や零戦返却の写真を展示している[2]

沿革[編集]

  • 1876年(明治9年) - 陸軍第3師団砲兵演習場として設置
  • 1917年(大正6年) - 各務原陸軍飛行場を開設
  • 1918年(大正7年) - 所沢陸軍飛行場より航空第2大隊を移して設置
  • 1945年(昭和20年) - 第二次世界大戦敗戦によりアメリカ軍が進駐開始
    • 10月 - アメリカ軍鉄道司令部の命令により、専用線の敷設工事が行われる[3]
  • 1946年(昭和21年)10月 - 旧滑走路を越えて補給部への専用線が完成[3]
  • 1957年(昭和32年) - アメリカから基地一部返還、浜松基地より実験航空隊と技術研究本部、木更津駐屯地より補給部隊(臨時岐阜補給隊)が移転、航空警務隊の岐阜地方警務隊と岐阜気象隊編成
  • 1958年(昭和33年) - アメリカから基地の全面返還が完了し、岐阜管制隊編成。臨時岐阜補給隊を第2補給処に改編。整備学校分校が開設。基地内専用線が廃止[3]
  • 1959年(昭和34年)- 整備学校分校を第3術科学校に改編
  • 1961年(昭和36年) - 第3術科学校が芦屋基地に移転
  • 1962年(昭和37年)3月30日 - 自衛隊岐阜病院を開設
  • 1972年(昭和47年) - 第4高射群を編成
  • 1974年(昭和49年) - 実験航空隊、航空実験団に組織改編
  • 1988年(昭和63年) - 厚生施設として使用するため、 日米地位協定第2条第4項(b)の適用施設・区域(一時共同使用)として在日米海軍に提供される(施設・区域名: 岐阜飛行場、Gifu Air Base, FAC 4165)[4]
  • 1989年(平成元年) - 航空実験団、飛行開発実験団に組織改編

航空管制[編集]

種類 周波数
GND 275.8MHz
TWR 120.1MHz 122MHz 126.2MHz 236.8MHz 307MHz
NAGOYA GCA 119.9MHz 239.3MHz 335.6MHz
CENTRAIR APP 119.175MHz 121.05MHz 228.4MHz 245.3MHz
CENTRAIR DEP 120.225MHz 227.2MHz
RESCUE 123.1MHz 247MHz

航空保安無線施設[編集]

局名 種類 周波数 識別信号
岐阜 TACAN 1146.0MHz GFT
  • 運用時間は24時間

配置部隊[編集]

航空自衛隊[編集]

補給本部隷下

航空開発実験集団隷下

主な保有機
  • F-2(試作機の4機と量産型2機、現在は新装備の空中実験に供されている)
  • F-4(F-4EJ改の改修初号機のほか、唯一稼働状態にあるオリジナルのF-4EJを保有)
  • F-15J
  • T-4(一号機を含む試作機全機のほか通常の量産型も保有し、テストパイロットの育成にも用いられる)
  • T-7
  • C-1(XP-1用の新型エンジンをはじめ各種テストベッド機として用いられるC-1FTBを保有)

中部航空方面隊隷下

航空支援集団隷下

防衛大臣直轄部隊

自衛隊共同機関

分屯基地[編集]

第4高射群隷下の部隊として滋賀県高島市饗庭野分屯基地三重県津市白山分屯基地を有する。

陸上自衛隊[編集]

基地に隣接した陸上自衛隊の分屯地に第6施設群第369施設中隊などが配置されている。

防衛省(外局)[編集]

防衛装備庁隷下

  • 岐阜試験場(BK117

防衛省(地方支分部局)[編集]

近畿中部防衛局隷下

  • (東海防衛支局)
    • 岐阜防衛事務所(旧装備本部名古屋支部岐阜事務所)

地方自治体[編集]

岐阜県防災ヘリコプター 若鮎Ⅱ号


航空祭[編集]

正門に近い三柿野駅側の歩道橋はイベント時にはこのように混雑する。
岐阜基地航空祭名物「異機種大編隊」
  • 展示機等が有る北地区へは、名鉄各務原線三柿野駅及び六軒駅から徒歩でアクセスが可能であるが、三柿野駅は駅の規模が小さい上に、駅から基地への歩道が狭く、時間帯によっては入場に支障を来す事がある。南地区と北地区の間は有料のシャトルバスが運行される。
  • 航空祭当日は名鉄が快速特急・特急・ミュースカイなどの新鵜沼行や犬山行を三柿野まで臨時の延長運転や増発で対応している。
  • 車でのアクセスも多いため、愛知県側との最寄りの橋である愛岐大橋が混雑する。
  • エプロンが狭く、その割に人が多いため基地内は大変混雑する。少しでもエプロンを広く取るため、飛行展示を行う航空機はタキシーウェイ上で駐機する。しかし、それでも限界があるため、一部の機体は川崎重工業側のエプロンから離陸し、飛行展示を行う。

環境対応[編集]

防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」での対応しており、岐阜飛行場でもこの法令に基づき定時で騒音測定している[5]。また、住宅防音事業は住宅防音工事の対象区域(第一種区域)内に指定以前の1985年(昭和60年)3月18日から所在する住宅・居住用建物が助成対象であり、防衛省東海防衛支局が窓口となっている[6][7]。東海防衛支局の航空機騒音測定地点は2013年(平成25年)度から改正で指定されている第一種区域の6箇所となっており[8][9]、2016年(平成28年)度には屋外用マイクロホンを採用している[10]が、北西方面で隣接する岐阜市でも第一種区域外も含めた独自地点調査[11]での結果を報告している[12][14]

周辺の教育機関の防音工事の際、各務原市の9校については空気調和設備も存在しなかった事から、各務原市立那加第三小学校各務原市立陵南小学校各務原市立稲羽西小学校の3校に対しては2014年(平成26年)-2016年(平成28年)度での計画で防音対策をした際に空気調和設備を追加する事にした。2015年(平成27年度)に空気調和の設置事業費4億円の内、3億円を補助を行った[15]。 また、法令に基づき、各務原市鵜沼朝日町地区の公園が乏しい事から、朝日憩いの広場緑地整備工事を2015年度に行った。朝日憩いの広場の整備により、緑地帯および騒音の緩衝帯として期待されると述べている[16]。そして、基地東側の移転措置により、2009年(平成21年)10月17日に空いた土地に各務原市「生命(いのち)の森」植樹祭を実施していた[17]

また、高さ制限および「航空法に基づき飛行場周辺における物件等の制限及び無人航空機の飛行ルール」も各務原市内では設けられている[18][19][20]。ただし、夜間飛行の実施については、厚木基地での「騒音被害は相当深刻」自衛隊機の夜間早朝(午後10時 - 翌午前6時)の飛行差し止めを東京高等裁判所での判決もあり[21]、夜間飛行計画も2017年4月現在は午後5時30分-午後8時としている[22]

西に隣接する笠松町では、航空機による障害のために防災行政無線デジタル化更新事業において、2015年(平成27年)から2016年(平成28年)にかけての補助を行っている。笠松町側としては木曽川における洪水での避難情報の伝達が必要であるために防災行政無線を重視する声がある[10]

最寄駅[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 厳密には、高山市丹生川町に飛騨農道離着陸場があり、県内の飛行場は2箇所である
  2. ^ “空自岐阜基地の広報館一新 戦争遺品展示”. 岐阜新聞 (岐阜新聞社). (2017年7月2日). オリジナル2017年7月8日時点によるアーカイブ。. http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170702/201707020904_29974.shtml 2017年7月8日閲覧。 
  3. ^ a b c 各務原市資料調査報告書 第40号 99、100頁 2016年3月25日発行
  4. ^ 昭和63年防衛施設庁告示第12号
  5. ^ a b 岐阜飛行場周辺における航空機騒音の測定結果について
  6. ^ 住宅防音事業について、東海防衛支局
  7. ^ 住宅防音事業について”. 総務課. 各務原市 (2014年12月14日). 2017年4月8日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  8. ^ 岐阜飛行場周辺の航空機騒音測定地点図 (PDF)”. 防衛省東海防衛支局. 2017年3月23日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  9. ^ 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律施行規則(昭和49年総理府令第43号)の一部改正について (PDF)”. 防衛省 (2013年4月1日). 2013年6月21日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月18日閲覧。
  10. ^ a b 東海防衛だより2017年Ⅰ号発行号(通巻第30号) (PDF)”. 東海防衛支局 (2017年). 2017年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月8日閲覧。
  11. ^ 航空機騒音に係る環境基準の調査地点図”. 岐阜市 (2016年7月11日). 2017年4月8日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  12. ^ 航空機騒音測定結果”. 自然環境課. 岐阜市 (2016年7月11日). 2017年4月8日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  13. ^ 航空機騒音に係る環境基準について(昭和48.12.27 環境庁告示第154号、最新改正 平成19年環告114)”. 環境省 (2007年). 2017年2月21日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  14. ^ 2013年(平成25年)度から評価指標がWECPNLからLden(時間帯補正等価騒音レベル)に岐阜市での測定方法を変更している。また、東海防衛支局の測定値はWECPNL値と併せてLden値となっている[5][13]
  15. ^ 岐阜基地周辺陵南小学校等防音事業(各務原市) (PDF)”. 東海防衛だより2016年II号(通巻第27号、防衛施設周辺事業). 防衛省東海防衛支局 (2016年). 2017年3月22日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  16. ^ 東海防衛だより2016年I号 (PDF)”. 防衛省東海防衛支局 (2016年). 2016年5月28日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  17. ^ 東海防衛だより第3号 (PDF)”. 防衛省東海防衛支局 (2009年12月). 2017年3月23日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  18. ^ 航空自衛隊岐阜基地からのお知らせ”. 総務課. 各務原市 (2016年11月1日). 2016年12月18日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  19. ^ 岐阜飛行場の周辺における航空法による制限表面について”. 岐阜基地. 航空自衛隊. 2017年3月23日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  20. ^ 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール国土交通省
  21. ^ “自衛隊機の夜間早朝飛行、二審も差し止め 厚木騒音訴訟”. 日本経済新聞. 電子版 (日本経済新聞社). (2015年7月30日). オリジナル2017年4月9日時点によるアーカイブ。. https://archive.is/20170409000252/http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H7G_Q5A730C1000000/ 2017年4月9日閲覧。 
  22. ^ 夜間飛行訓練のお知らせ、岐阜基地. 航空自衛隊。

外部リンク[編集]