シャトルバス

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2008 WiMAX EXPO 台北の臨時シャトルバス

シャトルバスとは、イベント空港観光地など特定の目的地を利用する客を効率的に輸送するため短い間隔で運行するバスのことである。この運行形態についてはシャトル運行と呼ぶこともある。英語では単にシャトル (Shuttle) という。運行系統の愛称として「シャトルバス」を用いる場合(後述事例を参照のこと)もある。

概説[編集]

織機(英:shuttle シャトル)のように、短い周期で往復する様子からこの名前がついている。あるいは、ピストンになぞらえて、「ピストンバス」、ピストン運行と称することもあるが、現在の日本語社会ではあまり使用されなくなった。また実際には、往復輸送ではなく一方向運転や循環運転の場合もある。

大量の集客が見込まれるイベント開催時または来客が集中する定例行事の時期に会場と交通ターミナル等を結ぶ臨時型と、集客力のある観光地や施設等を結ぶ常設型がある。鉄道のようなインフラを設けることなく効率的に大量輸送が実現できるものである。同時に通常の路線バスなど日常的な交通機関にまで混雑が波及することを回避できる。

イベント臨時型では、その場で実際の来客状況を判断して調整することが多い。一例として利用が多い時には運行間隔を短くして参加客を捌いたり、終了時刻が遅れた場合にはそれに合わせて運行したり、また利用が少ない場合は運行削減や中止するなどである。空港常設型では、遅れたり早まったりしやすい航空便に合わせて運行できる。

鉄道が災害、事故、工事等で不通の場合、その運休区間を代行輸送するバス(バス代行)もシャトルバスの形態の一つと見なすことが出来る。

臨時型[編集]

国際科学技術博覧会の臨時シャトルバス(1985年)
Jリーグ試合開催時のシャトルバス一例

大量の集客が見込まれるイベント開催時または来客が集中する定例行事の時期(寺社への初詣、彼岸時期の霊園への墓参りなど)に、会場とターミナル(駅、バスターミナルなど)あるいは駐車場等を結ぶ路線。通常運行される路線の大幅増発として、あるいは通常は運行されない区間への臨時路線として運行される。イベント輸送では、より大きな輸送力を提供するため、イベント会場への送り込みには、イベント会場ゆきのみ実車(営業運転)、ターミナル駅などへは回送とし、イベント終了後は、逆の運行として輸送力を確保している。シャトルバス化(頻回、短距離間往復)することで、結果的に(準)大量輸送が可能となる。

バス事業者が主体的(自主的)に運行する場合、路線バスの臨時増発、臨時路線バスとして届け出たうえでの運行が多い。イベントや鉄道代替輸送など、利用者が直接運賃を支払わない場合(イベント主催者が支払う場合を含む)は貸切バス(特定輸送を含む)として運行することが多い。なお、イベントなどの主催者自身が、送迎の対価を受領しないで送迎を行う場合は、自家用バスによる送迎も可能である。

ターミナルを発着する路線は、短時間輸送を行うために会場から最も近い拠点を発着地とする場合が通例であるが、乗り換えの利便性に考慮してやや離れたターミナルからの輸送が行われるケースもある。大都市圏から中長距離を輸送するバス(幕張メッセ東京駅を結ぶ臨時バスなど)もあるが、所要時間や運行本数の観点から言えば本来の「シャトル」の意味合いからは若干離れると考えられる(むしろツアーバスの形態に近いと考えられる)。

会場と駐車場を結ぶ路線は、会場周辺に大規模な駐車場が確保できず会場から離れた場所に臨時駐車場を設けた場合、あるいは会場周辺の道路が狭隘な場合などに運行される。会場周辺に自家用車が乗り入れることにより生じる渋滞を緩和させる効果が期待されており、イベントに伴い発生する渋滞が周辺住民に迷惑となることから、イベント実施者に行政や住民などからこれらの対策を要求されることも多い。 シャトルバスのうち、イベント会場と駐車場や駅ターミナル等を結ぶ路線の大半は途中停留所を設けないノンストップ運行であるが、利便性を考慮して途中に停留所を設けている場合もある。ただこの場合、イベントの規模によっては始発停留所からすでに満員になっている場合があり途中停留所では乗車できないことがある。

特殊な事例としては、1996年から1998年までの3年間、JR茅ヶ崎駅北口ロータリー工事のため、全路線が市役所駐車場に設置された臨時ターミナル発着となり、駅北口から無料シャトルバスが運行していた例が存在する。

日本各地、あるいは世界各地で実施されている形態であり、個別の事例は割愛する。

路線型[編集]

シャトルバス的存在の[CH01]都庁循環(京王バス東

常時交通流動が見込まれる特定区間(たとえば大規模団地やテーマパークと最寄り駅の間、あるいは多少離れた2ターミナル間など)において、「シャトルバス」と称して常時運行されることもある。輸送力の面で言えば例えば路面電車LRTの方が有効であるケースもあるが、インフラ整備が間に合わない場合に高頻度運行のバスで代替されるものであるといえる。

「シャトル」を名乗る主な路線(あるいはそれに準ずる路線)として以下のような事例がある。

このほか、空港において旅客ターミナルが離れた位置に複数設置されている場合(東京国際空港成田国際空港福岡空港など)はこれらのターミナルを循環するシャトルバスを運行することがある。この場合、通常のバス路線同様有料の場合と、空港管理会社が契約主となり運賃無料の貸切扱いで運行される場合がある。

また、マイカーの乗り入れが規制されている地域(乗鞍上高地等)において、あるいはマイカー規制していない地域でも観光地近くの駐車場が不足している場合に、最寄りの駐車場と観光地を連絡するものも存在する。

なお、リムジンバスは空港と市街地を結ぶ「シャトルバス」の一種と言えるが、空港の離着陸本数が少ない場合は航空便に接続した運行のみが行われる場合もあるため、シャトルバスの形態とならないケースも多い。一般客が乗車可能な通学バスも駅と学校を結ぶ「シャトルバス」の一種と言える。

関連項目[編集]