サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (アルバム)

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サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
ビートルズスタジオ・アルバム
リリース
録音 EMI・レコーディング・スタジオ(現・アビー・ロード・スタジオ) 1966年12月6日 - 1967年4月1日
リージェント・サウンド・スタジオ 1967年2月9日
ジャンル ロック
サイケデリック・ロック
アート・ロック
時間
レーベル パーロフォン/EMI (UK)
PMC 7027(モノラル)
PCS 7027(ステレオ)
CDP 7 46442 2(リイシュー)

キャピトル・レコード (US)
MAS 2653(モノラル)
SMAS 2653(ステレオ)

オデオン・レコード (日本)
OP-8163(ステレオ)

プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(Billboard 200UKチャート
    ケント・ミュージック・レポートIFPI
  • 3位(オリコン1987年盤)
  • 5位(オリコン、2017年盤)
  • ビートルズ U.K. 年表
    オールディーズ
    (1966年)
    サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
    (1967年)
    ザ・ビートルズ
    (1968年)
    ビートルズ U.S. 年表
    Revolver
    (Capitol)

    (1966年)
    サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド'
    (1967年)
    マジカル・ミステリー・ツアー
    (1967年)
    ビートルズ 日本 年表
    オールディーズ
    (1967年)
    サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
    (1967年)
    マジカル・ミステリー・ツアー
    (1967年)
    テンプレートを表示

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)は、イギリスにおいて1967年6月1日(木)に発売されたビートルズの8作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム[注釈 1]

    解説[編集]

    概要[編集]

    本作品は1966年11月6日から129日以上かけて制作された。当時の英国盤はモノラル盤とステレオ盤の2種類が発売された。1967年のグラミー賞でも最優秀アルバム賞ほか4部門を獲得した。また、このアルバムからアメリカではキャピトル独自の編集が行われなくなり、内容が統一されるようになった[注釈 2]

    イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、1967年6月から1968年2月の間で23週連続、計27週間第1位を獲得し、ランクインは148週連続、201週滞在した。450万枚以上のセールスを記録した。アメリカの「ビルボード」誌では、15週間連続第1位を獲得し、1967年度年間ランキング第10位、1968年度年間ランキング第6位を記録した。「キャッシュボックス」誌では、14週間連続第1位を獲得し、1967年度年間ランキング第5位、1968年度年間ランキング第35位を記録している。現在までにアメリカで1,100万枚以上のセールスを記録している。全世界では3,200万枚以上のセールスを記録している。

    このアルバムはビートルズ中期の実験的なサウンドの集大成として語られることが多い。次作『マジカル・ミステリー・ツアー[注釈 3]は、サウンド的にも本作の延長であった。しかしそれ以降サイケデリック・ムーヴメントが沈静化し、ハードロックブルースなどが台頭しつつあった時代の変化に対応し、以降ビートルズは時代に合わせた表現をするようになる。

    また、本作はビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』に影響を受けているとされており、ジョージ・マーティンは「『ペット・サウンズ』なくして『サージェント・ペパーズ』はなかった」と後に語っている[1]

    録音に関しては、当初は、1台の4トラック録音機(マルチレコーダー)でのピンポン録音(バウンス・ダウン)を使用し、それが持つ録音機能が上回った場合には、2台目の同録音機を使って、録音されたトラックの音を移し変えて制作していった。ただし、途中(おそらく、1967年に入ってから)で、4トラック録音機を2台同期させて録音する方法が考案されることによって、実質7トラック録音が実現した。この録音は、後の作品にも使われ続け、『ホワイト・アルバム』のある段階で、8トラック録音機が導入されるまで続くこととなる。

    コンセプト・アルバム[編集]

    本アルバムは「世界初のコンセプト・アルバム」といわれる。そのコンセプトとは、アルバムを架空のブラス・バンド「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のショウに仕立てるというものであった。アルバムはオープニングにバンドのテーマ曲「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で始まり、続けて「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」が演奏される。そして最後にテーマ曲がもう一度演奏された後、アンコールの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」で幕を閉じる。

    ただし、上記のコンセプトはアルバムの全曲にわたって徹底されているわけではなく、「実質的な『コンセプト・アルバムとしての概念』は、最初と最後の2曲ずつだけだ」とジョン・レノンは発言している。また、このクラシックの組曲風にするというアイデアは、マザーズ・オブ・インヴェンションが1967年にリリースしたセカンド・アルバム『アブソリュートリー・フリー』がもとになっているといわれる。このアルバムの裏ジャケット一面には、日本ではそれ以前から「歌詞カード」という形で存在していたが、イギリスやアメリカのアルバムでは、それまで概念が存在しなかった「歌詞をアルバムに記載(もしくは封入)する」という事を初めて行っている。これらを含めて、本作品が当時、ジャケット・デザイン等も含めた総合的な作品と評価され、その後の似た形式のアルバムがリリースされるきっかけとなった。

    ジャケットに登場する人物等[編集]

    ジャケットはイギリスのポップアーティストピーター・ブレイクとその妻のジャン・ハワースがデザイン[2]。2人は1968年にグラミー賞Best Album Cover部門)を受賞している[3]

    以下の著名人とアイテムがビートルズの4人と共にジャケットに登場している。ジャケット写真への掲載の際には、EMIのスタッフが本人および肖像権所有者と交渉して掲載許可を得た。

    一番上の列(左→右の順)

    2列目

    3列目

    最前列

    その他のアイテム

      など

    エピソード

    50周年記念アニバーサリー・エディション[編集]

    2017年5月27日にはアルバム発売50周年を記念した2017年に、1CD、2CD、2LP、6枚組スーパー・デラックス・エディションの計4形態のアニバーサリーエディションが5月26日に全世界同時リリースされた[10]。ビートルズのオリジナル・アルバムが特別仕様で再発売されるのは今回が初となる。

    全4形態でのディスク1は、共通してジャイルズ・マーティンによるリミックス・ヴァージョンを収録している。リミックス・ヴァージョンはモノラル・ミックスをベースにステレオ化したものとなっており、ミキシングの差異などは原則モノラル・ヴァージョンに準じている[10]

    2CDのディスク2には収録曲の未発表テイクと「ペニー・レイン」のインストゥルメンタル・ヴァージョン(テイク6)と最新ステレオ・ミックス、「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の前半(テイク7)と後半(テイク26)を繋ぎ合わせる前のヴァージョンと『1+』収録のステレオ・ミックスが収録されている。

    2LPは2CDと同内容である。

    6枚組スーパー・デラックス・エディションはCD4枚とブルーレイ&DVDで構成されている。ディスク2と3にはセッションでの未発表テイクを録音日順に並べて収録している。ディスク4にはアルバム収録曲と「ペニー・レイン」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のモノラル・ミックス、「シーズ・リーヴィング・ホーム」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」の初期ミックスを収録。ブルーレイ&DVDにはアルバム収録曲と「ペニー・レイン」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の5.1サラウンドのオーディオ・ミックスとハイレゾ音源、映像特典として「ペニー・レイン」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のプロモーションビデオ、1992年に放映されたドキュメンタリー・フィルム『ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ』を収録している。

    イギリスのアルバムチャートでは1位を獲得して[11]、同一アルバムとしては50年の間隔を置いての2回目の首位獲得となった。

    収録曲[編集]

    最終的な収録曲の順番が決定されるまでは、このA面の途中からの曲順は、若干異なっていた。

    1967年版[編集]

    アナログA面
    全作詞・作曲: レノン=マッカートニー
    #タイトル作詞作曲・編曲リード・ボーカル時間
    1.サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
    Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニーポール・マッカートニー
    2.ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
    With a Little Help from My Friends
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニーリンゴ・スター
    3.ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
    Lucy in the Sky with Diamonds
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニージョン・レノン
    4.ゲッティング・ベター
    Getting Better
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニーポール・マッカートニー
    5.フィクシング・ア・ホール
    Fixing a Hole
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニーポール・マッカートニー
    6.シーズ・リーヴィング・ホーム
    She's Leaving Home
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニーポール・マッカートニー
    7.ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト
    Being for the Benefit of Mr. Kite!
    レノン=マッカートニーレノン=マッカートニージョン・レノン
    合計時間:
    アナログB面
    全作詞・作曲: レノン=マッカートニー(注記を除く)。
    #タイトル作詞作曲・編曲リード・ボーカル時間
    1.ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー
    Within You Without You(ジョージ・ハリスン)
    レノン=マッカートニー(注記を除く)レノン=マッカートニー(注記を除く)ジョージ・ハリスン
    2.ホエン・アイム・シックスティー・フォー
    When I'm Sixty-Four
    レノン=マッカートニー(注記を除く)レノン=マッカートニー(注記を除く)ポール・マッカートニー
    3.ラヴリー・リタ
    Lovely Rita
    レノン=マッカートニー(注記を除く)レノン=マッカートニー(注記を除く)ポール・マッカートニー
    4.グッド・モーニング・グッド・モーニング
    Good Morning Good Morning
    レノン=マッカートニー(注記を除く)レノン=マッカートニー(注記を除く)ジョン・レノン
    5.サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ)
    Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
    レノン=マッカートニー(注記を除く)レノン=マッカートニー(注記を除く)[注釈 7]
    6.ア・デイ・イン・ザ・ライフ
    A Day in the Life
    レノン=マッカートニー(注記を除く)レノン=マッカートニー(注記を除く)ジョン・レノン(主部)
    ポール・マッカートニー(中間部)
    合計時間:

    50周年記念アニバーサリー・エディション 収録曲[編集]

    各国での販売形態[編集]

    発売日 レーベル 販売形態 カタログ番号
    イギリス 1967年6月1日 Parlophone monaural LP PMC 7027
    stereo LP PCS 7027
    アメリカ 1967年6月2日 Capitol monaural LP MAS 2653
    stereo LP SMAS 2653
    日本 1967年7月5日 ODEON LP OP 8163
    Worldwide reissue 1987年6月1日 Apple, Parlophone, EMI CD CDP 7 46442 2
    日本 1987年6月1日 ODEON CD CP32-5328
    日本 2004年1月21日 Parlophone Remastered LP TOJP-60138

    関連文献[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    [ヘルプ]
    1. ^ 英国の過半数を占めるブルーカラー労働者は給料日が毎週金曜日なのでイギリスにおけるレコード発売日は基本的に金曜日。しかし本作は6月初日に発売したので「発売日が木曜日になった」と考えられている
    2. ^ ただし最後の「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」はアメリカ盤ではカットされており、厳密な意味ではオリジナル通りであるとは言い難い。
    3. ^ イギリス・オリジナル盤のフォーマットは2枚組EP盤(『EPコレクション』においてCD化されている。)であり、アメリカでのフォーマットはキャピトル独自の編集によるLP盤であった。なおCD『マジカル・ミステリー・ツアー』はアメリカ編集のアルバムをCD化している。
    4. ^ オリジナルの写真がCDブックレットに掲載されている。
    5. ^ EMIの判断によって塗りつぶされた旨がブックレットに記載されている。オリジナルの写真もCDブックレットに掲載されている。
    6. ^ 撮影後に脇に除けられたヒトラーの写真がCDブックレットに掲載されており、このときの未発表写真は流出して海賊盤に用いられた。
    7. ^ (上の旋律から)ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン
    8. ^ a b c この演奏時間には「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の最終部分に収録されている「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」( Sgt. Pepper Inner Groove)も含まれている。
    9. ^ a b 映像作品集『1+』(2015年に再リリースされた『ザ・ビートルズ1』に付属のボーナス・ビデオ)に収録された映像を音源化したもの。

    出典[編集]

    [ヘルプ]
    1. ^ Crowe, Jerry (1997年11月1日). “'Pet Sounds Sessions': Body of Influence Put in a Box”. Los Angeles Times. http://articles.latimes.com/1997/nov/01/entertainment/ca-48891 2018年11月13日閲覧。 
    2. ^ Inglis, Ian (2008). “Cover story: magic, myth, and music”. In Julien, Olivier. Sgt. Pepper and the Beatles: It Was Forty Years Ago Today. Ashgate. ISBN 978-0-7546-6708-7. https://books.google.com/books?id=vZ-SB57WBo8C. 
    3. ^ For the 1968 Grammy Awards see: 10th Annual GRAMMY Awards”. GRAMMY.com. 2014年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月14日閲覧。 For the first rock LP to receive Album of the Year see: Glausser 2011, p. 143
    4. ^ The man who created the world’s most famous drum-skin”. shada.plus.com. 2017年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月14日閲覧。
    5. ^ a b Sullivan, James (2007年3月25日). “Where's Brando?”. The Boston Globe. http://archive.boston.com/news/globe/ideas/articles/2007/03/25/wheres_brando/ 2018年11月14日閲覧。 
    6. ^ a b Bennett, Greg (2007年5月31日). “Shooting Sgt. Pepper. Daily Mirror (London). https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/shooting-sgt-pepper-479035 2018年11月14日閲覧。 
    7. ^ Harry, Bill (2000). The John Lennon Encyclopedia. Virgin. ISBN 978-0-7535-0404-8. 
    8. ^ Miles, Barry (1998). The Beatles: A Diary. Omnibus Press, London. p. 236. ISBN 978-0-7119-6315-3. 
    9. ^ 「ビートルズ名盤の謎 岡崎の学芸員解いた!」 2010年7月2日付中日新聞夕刊。
    10. ^ a b ビートルズ、『サージェント・ペパーズ』50周年記念エディションの発売が決定”. NME Japan. New Medium Enterprises (2017年4月5日). 2017年4月7日閲覧。
    11. ^ Official Albums Chart Top 100”. Official Charts Company (2017年6月2日). 2018年11月14日閲覧。

    関連項目[編集]

    外部リンク[編集]