アイシテル〜海容〜

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アイシテル〜海容〜
漫画:アイシテル〜海容〜
作者 伊藤実
出版社 講談社
掲載誌 BE・LOVE
発表号 2006年19号 - 2007年4号
巻数 全2巻
漫画:アイシテル〜絆〜
作者 伊藤実
出版社 講談社
掲載誌 BE・LOVE
発表号 2010年10号 - 2010年19号
巻数 全2巻
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アイシテル〜海容〜』(アイシテル かいよう)は、伊藤実による日本漫画作品、およびこれを原作としたテレビドラマ作品。漫画版は『BE・LOVE』(講談社)にて2006年19号から2007年4号まで連載された。単行本は全2巻。2009年には稲森いずみ主演で日本テレビ系にて連続ドラマ化された。

また、連続ドラマ版終了後の2010年5月より同誌において続編『アイシテル〜絆〜』(アイシテル きずな)が連載開始され、同年に完結し、単行本化された。2011年には連続ドラマ版の好評と漫画版続編の完結を受け、同名の作品がスペシャルドラマとして放送した。

ストーリー[編集]

主人公・小沢聖子は、愛する夫と二人の子供との幸せな生活を送る専業主婦。しかし、ある時、長男の清貴が何者かに殺害され、その生活は一変することになる。

やがて清貴を殺害した犯人が判明するが、それはなんと違う小学校に通う11歳の男児であった。

登場人物[編集]

小沢家(被害者家族)[編集]

小沢聖子
37歳。専業主婦で、社交的な性格。何不自由のない生活を送っていたが、友人とのランチにも気軽に付き合う社交性が災いして愛息・清貴が殺され、心を閉ざし自我を崩壊させていく。息子を守れなかった罪悪感と、息子の命を奪った裕一への激しい憎悪を抱く。事件後、清貴にかまけて美帆子を孤独に陥れていたことを知り、何処にも「いいお母さん」はいないのだと悟る。やがて清と美帆子の支えで日常の生活をとりもどすが、裕一の苦しみと事件の背景を知り、加害者家族に会いたいと考えるようになる。
小沢清
45歳。TVドラマ版では「秀昭」。市役所勤務の公務員。家族思いで、妻や2人の子供たちに献身的な愛を注いできた。清貴が殺され、野口家に激しい怒りを向けつつも落胆する妻・聖子や愛されていないと反発する娘・美帆子を励まし、家族に笑顔を取り戻すために地道に努力する。しかし、さつきからの謝罪の手紙に再び野口家に対する怒りが再燃し、息子が暴行されていたことに気づかない親失格だから子供が殺人犯になると蔑む。しかし、鑑別所から戻って来た裕一と元通りに暮らすなんて許せないと叫ぶも野口家の人々が元通りに暮らせる筈がないと聖子に言われ、徐々に負の感情が鎮静化してゆく。
TVドラマ版ではその怒りが更に深く描かれており、「個人情報」を理由に加害者の事を何一つ教えないどころか自分たち被害者を足蹴にする裁判所職員の侮蔑的な態度も重なって「あの家族を許さない」と憤慨するまでになる。
小沢美帆子
中学2年生。14歳。母・聖子が弟・清貴ばかりを愛しているのが憎く、また弟の無神経な言動に傷ついており、「あんなやつ消えちゃえばいいのに」と暴言を吐いていたが、その言葉が清貴の死によって現実のものとなったことにショックを受ける。しかしながら、清貴を失い悲しみに暮れる両親と比べると態度はドライであり、家に押し寄せる報道陣に毅然とした態度を取り、「清貴は加害者少年の気に障ることを言ったのではないか」という考え方もしているが、それは的中していた。親の自身に対する愛を感じられず、不満と怒りをぶつけていたが、事件から6年後、写真家・植田純也にプロポーズされ、卒業後に結婚した。2人の仲を知った母に婚約祝いとして自身の育児日記を母にプレゼントされ、やっと両親の愛情を実感できて和解する。
TVドラマ版ではその誕生日の前日、友達らと訪れた喫茶店で偶然、富田との面談に来ていたさつきを目撃してしまうというシーンが追加され、笑顔で振る舞うさつきの姿に激しい敵意と殺意を燃やしていくようになる。
小沢清貴
7歳。小学1年生(テレビドラマ版では小学2年生)。両親に愛され、家族からは『キヨタン』と呼ばれ無邪気な笑顔が愛らしい。しかし、その無邪気さと両親の愛情を独占していたことが姉を傷つけ、また、裕一をも傷つけていた。聖子が外出していた15分の間に裕一によって殺害され、7年という短い生涯を閉じる。当初はトイレに困っていたのを裕一に助けられ仲良くキャッチボールをしたりしたが、お互いに子供ゆえに母親の悪口を許せずに口論となり、殺人事件の加害者と被害者になってしまう。

野口家(加害者家族)[編集]

野口さつき
37歳。夫と私立附属小に通う愛息・裕一との3人暮らしの専業主婦。結婚を機に仕事を辞め、子育てに専念してきた。「子育ては常に自分が試されている」と感じており、子育てに楽しさを感じたことはなく、子育てを「してあげている」という意識を裕一に押しつけ、ことあるごとに冷酷に当たっていた。夫の協力を得られない家庭生活に疲れ、主婦同士で愚痴を言い合えるインターネット上のチャットに依存していたことも災いして裕一が心に負った深い傷に気づくことが出来ず、裕一が殺人事件を起こした時は酷く動揺し取り乱す。裕一の少年鑑別所の入所当初、自分達親に決して心を開かない裕一に不安を覚えていたが、その裕一が連れ去り犯に暴行されていたことを知ってショックを受け、楽しいチャットの時間の終わりになる裕一の帰宅を煩わしく思って暴行被害を受けて帰った日も冷たく切り捨てたことを深く後悔する。本当は優しい息子の姿と家裁調査官・富田の支えで裕一と真正面から向き合い、一緒に罪を償うことも改めて決意する。
TVドラマ版では息子の塾費用を稼ぐためにパートで働く兼業主婦。原作と比べると家庭に特に問題はなく、多少過保護ではあるものの息子を純粋に愛する教育ママとして描かれている。
野口義隆
36歳。TVドラマ版では「和彦」。妻には「義隆君」と呼ばれる。エリート道まっしぐらの商社マン。ひどく冷めた性格で1人で過ごす自由な時間に固執しており、家事や育児はさつきに任せきりである。妻子が自身を大切にしてくれないから、せめて自分自身だけでも己を大切にしたいと主張した。息子の裕一には殆ど興味がなく、裕一が自分に懐いていた幼い頃には煩わしささえ感じていた。裕一が殺人を犯したと知っても顔色一つ変えず、その行動の責任を全部妻に押しつけるが、裕一との面会で父親である自分自身が裕一の中に一切存在していないことに気づき、次第に動揺し始める。自責の念に苦しみマンションのベランダから投身自殺を図った妻を必死に助け、死ぬことは償いにならないと告げる。
TVドラマ版では原作に比べ人間らしい感情が強調されており、さつきの入院や会社のプロジェクトを外されたことに焦りや苛立ちを露わにしている。彩乃の助言でさつきに全てを押し付けたことを後悔し、少年鑑別所にいる息子に面会、久しぶりに親子の会話ができた。
野口裕一
11歳。小学6年生だが、TVドラマ版では10歳の小学5年生であり名前も「智也」に変更された。東京都内の附属小に通うが、常に冷淡、無口で無表情。他人はおろか両親にさえ心を開こうとはしない。そんな頃、あるきっかけで隣学区の小沢清貴を殺害。清貴の殺害事件前夜、トイレを我慢していた清貴を公園に案内した後自宅に誘い、キャッチボールをしたと富田に話す。2年前(テレビドラマ版では半年前)、母さつきの認識ではいつの間にか帰宅したと思われて服を着たままシャワーを浴びてランドセルも教科書もびしょ濡れになっていたことがあったが、母親が事情も聞かず頭ごなしに叱り飛ばされ、それ以来、両親に心を閉ざし始めるようになった。実は家裁調査官の息子・貫が母親に話していた「連れ去り犯」によりレイプされた。
野口裕二
スペシャルドラマ版では「直人」。終盤、誕生した次男。続編『アイシテル〜絆〜』の主人公。兄・裕一に命の尊さと自身の犯した罪を自覚させる切っ掛けになったことを知らず、突如姿を消した兄を思い悲しんでいた。しかし、ネットで裕一の殺人を知った周囲にイジメ被害に遭い、高校時代の友人も色眼鏡で見て離れてしまい、家族は自身を騙していたと蔑み慕っていた兄を憎むようになる。更には、自身の境遇を理解してくれた友人と信じた相手に殺人犯の弟であることを告げ口されて賞を取り消され、その友人とも破綻した。母さつきが真摯に接して兄の殺人とその背景を説明しても、綺麗に飾った作り話だと決めつけて母を見下すばかりだった。

富田家[編集]

富田葉子
裕一の事件を担当する家庭裁判所調査官。自身にも小学4年の息子がいるため、親身になって罪を犯した少年少女の心を開く。裕一と対話していくうちに、裕一の深い心の傷と事件の背景に気づき、力になろうとする。息子・貫から小学校低学年の男子ばかりが連れ去り未遂犯に車に連れ込まれかけたことを聞き、もしや裕一もと彼の心の闇に潜む事件を察する。
富田貫
小学4年生。TVドラマ版では「健太」。葉子の一人息子。ゲームに夢中になって家事を手伝わなかったり、勝手に部屋に鍵を付けたりして喧嘩になることもあるが、母親との仲は良好である。

森田家[編集]

TVドラマ版で追加された。さつきの実家。

森田彩乃
30歳。さつきの妹で独身のフリーター。開放的だが、いい加減かつ享楽的な性格。姉に金をせびりながらバイトや遊び暮らしの日々を送っていたが、根は姉想いであり、小沢清貴殺害事件後は落胆する姉さつきをサポートする。彼氏がいる事が後に判明、プロポーズを受けている。
森田敏江
さつきの母。実家で書道教室を開いていたが、事件がきっかけに悪評を囁かれて生徒が減り、閉鎖を余儀なくされる。娘の子供(孫)が犯罪を犯したとは信じられずにおり、自身も「あの子はそんな大それたことは絶対にしない」と一切信じていない。それどころか「言いがかりをつけて濡れ衣を着せた」と小沢家に敵意を示す。

警察・裁判関係者[編集]

佐伯正志
警視庁捜査一課巡査長。「小沢清貴ちゃん殺害事件」の容疑で野口家を訪問、事件の概要を聴く。パートナーは小泉。
小泉刑事
警視庁捜査一課所属。「小沢清貴ちゃん殺害事件」の容疑で野口家を訪問、事件の概要を聴く。パートナーは佐伯。
菊池刑事
警視庁捜査一課所属。「小沢清貴ちゃん殺害事件」の犯人が少年だと知り、驚く。
宮本
富田とともに裕一の事件を担当する家庭裁判所調査官。初老の男性。富田との面談中に突然取り乱した裕一を制止しようとするが、過剰に怯えられ突き飛ばされる。このことが、富田が裕一の心の傷を明らかにするきっかけとなった。
判事
家庭裁判所の少年の担当判事。

その他の人物[編集]

TVドラマ版で追加された。

正子
ホームレスの初老の女性。数年前に息子を亡くし、息子に似ていた智也に面影を重ねていた。
麻衣子
14歳。美帆子の同級生。妹がいる。
宏美
14歳。美帆子の同級生。
柏木エリ
フラワーショップの店員で、さつきとは信頼できる友人同士。バツイチ、子持ち。
柏木遥
エリの娘。将来は家業を継ごうと考えている。
高橋
裕一が通っていた小学校の教師。さつきに裕一のことを話す。
杉浦理紗
裕一に思いを寄せていた附属小の同級生。
三村可奈子
裕一の幼馴染。

単行本[編集]

テレビドラマ[編集]

アイシテル〜海容〜
ジャンル テレビドラマ
放送国 日本の旗 日本
制作局 日本テレビ
演出 吉野洋
国本雅広
久保田充
星田良子(SP)
原作 伊藤実
脚本 高橋麻紀
吉本昌弘
出演者 稲森いずみ
板谷由夏
山本太郎
川島海荷
嘉数一星
佐藤詩音
田畑智子
佐野史郎
田中美佐子
岡田将生(SP)
水川あさみ(SP)
向井理(SP)
伊東四朗(SP)
音声 ステレオ放送
字幕 文字多重放送
データ放送 連動データ放送(連ドラ版のみ)
アイシテル〜海容〜(連続ドラマ)
放送時間 水曜22:00 - 22:54(54分)
放送期間 2009年4月15日 - 6月17日(10回)
プロデューサー 次屋尚
千葉行利
エンディング MONKEY MAJIKアイシテル
外部リンク 公式サイト
アイシテル〜絆〜(単発ドラマ)
放送時間 水曜21:00 - 22:48(108分)
放送期間 2011年9月21日(1回)
プロデューサー 次屋尚
千葉行利
宮川晶
エンディング MONKEY MAJIK「アイシテル」
外部リンク 公式サイト

特記事項:
連ドラ版の初回・最終回のみ15分拡大(22:00 - 23:09)。
テンプレートを表示

2009年4月15日から6月17日まで毎週水曜日22:00 - 22:54に、日本テレビ系の「水曜ドラマ」枠で放送された(初回と最終回は15分拡大)。ハイビジョン制作キャッチコピーは、「このドラマを全ての母に捧げる」。 国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2009の作品賞グランプリと第47回ギャラクシー賞奨励賞を受賞[1]

その続編として、スペシャルドラマ『アイシテル〜絆〜』が、2011年9月21日の21:00 - 22:48に日本テレビ系で放送された。この冒頭で、小沢秀昭役を演じた佐野史郎がナビゲーター役として、連ドラを撮影していた当時の自身や主役の稲森の思いを語った。

キャスト[編集]

連続ドラマ版[編集]

スペシャルドラマ版[編集]

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

連続ドラマ
話数 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
第1話 2009年4月15日 すべての母親へ捧ぐ家族愛の物語 高橋麻紀 吉野洋 13.2%
第2話 2009年4月22日 禁断の葬儀 国本雅広 13.7%
第3話 2009年4月29日 告白…少年の殺意 吉本昌弘 吉野洋 14.2%
第4話 2009年5月06日 被害者家族への手紙 高橋麻紀 国本雅広 13.0%
第5話 2009年5月13日 意外な真相…息子の秘密 吉本昌弘 久保田充 14.8%
第6話 2009年5月20日 生きてこその償い 吉野洋 13.9%
第7話 2009年5月27日 僕は死刑になるの? 高橋麻紀 久保田充 14.0%
第8話 2009年6月03日 審判の日、全ての真相 吉本昌弘 吉野洋 15.6%
第9話 2009年6月10日 母と母、衝撃の対面 国本雅広 16.6%
最終話 2009年6月17日 2つの家族…それぞれの結末 吉本昌弘
高橋麻紀
吉野洋 18.6%
平均視聴率 14.76%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
スペシャル
放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
2011年9月21日 あの衝撃作の続編、加害者家族のその後を描く。
生きていくことの意味、家族の愛と絆とは…命の重さをテーマに涙と感動を再び
高橋麻紀 星田良子 13.3%

原作との相違点[編集]

  • 原作では被害者家族をメインに描いていたが、ドラマ版では全編を加害者家族の視点で描く。
  • テレビドラマ版では、義隆→和彦、裕一→智也、裕二→直人、清→秀昭、貫→健太と名前が変更された。
  • 原作にはない野口さつきの母・森田敏江と妹・彩乃や智也(裕一)と清貴の姉・美帆子の友人等が設定された。
  • 加害者の少年は、原作では公園に現れて少年を狙う不審者の男性に性的暴行レイプ)されるという過去を持つという設定になっていたが、テレビドラマ版ではホームレスのおばさんに抱きつかれるという過去を持つという設定に変更されている。
  • 加害者少年の判決内容が異なる。
日本テレビ 水曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
キイナ〜不可能犯罪捜査官〜
(2009年1月21日 - 3月18日)
アイシテル〜海容〜
(2009年4月15日 - 6月17日)
赤鼻のセンセイ
(2009年7月8日 - 9月9日)

備考[編集]

関連商品[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 稲森いずみ主演「アイシテル〜絆〜」で殺人犯の兄演じる向井理と共演決定! 岡田将生がその弟役に、シネマトゥデイ、2011年8月8日。
  2. ^ 水曜ドラマでの主演は初めてであり、同局での連続ドラマの出演は「探偵家族」以来約7年ぶりとなる。
  3. ^ 昨年の6月に長男を出産、本作では仕事復帰作であり、同時刻でのドラマ出演は、「ホタルノヒカリ」以来2年ぶりとなる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]