二十四の瞳 (映画)
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『二十四の瞳』(にじゅうしの ひとみ)は1954年の松竹大船撮影所製作の日本映画。壺井栄の小説『二十四の瞳』を原作とし、木下惠介が撮った叙情性あふれた作品。反戦のメッセージを女教師と教え子のふれあいの中に描き日本映画が誇る傑作である。1987年、朝間義隆監督によってリメイクされた。
この映画のオープンセットを活用したテーマパーク「二十四の瞳映画村」が香川県小豆島にある。
あらすじ
1928年(昭和3年)、大石先生は新任の女教師として小豆島の岬の分教場に赴任する。一年生12人の子供たちの受け持ちとなり、田舎の古い慣習に苦労しながらも、良い先生になろうとする大石先生。
ある日、大石先生は子供のいたずらによる落とし穴に落ちてアキレス腱を断裂、長期間学校を休んでしまうが、先生に会いたい一心の子供たちは遠い道のりを泣きながら見舞いに来てくれる。
しばらくして、大石先生は本校に転勤する。その頃から、軍国主義の色濃くなり、不況も厳しくなって、登校を続けられない子供も出てくる。やがて、結婚した先生は軍国教育はいやだと退職してしまう。
戦争が始まり、男の子の半数は戦死し、大石先生の夫も戦死してしまう。また、母親と末娘も相次いで世を去る。
長かった苦しい戦争も終わり、大石先生はまた分教場に戻り教鞭を取ることになる。教え子の中にはかつての教え子の子供もいた。その名前を読み上げるだけで泣いてしまう先生に、子供たちは「泣きミソ先生」とあだ名をつけた。
そんな時、かつての教え子たちの同窓会が開かれる。その席で、戦争で失明した磯吉は一年生のときの記念写真を指差しながら、全員の位置を示す。 真新しい自転車を贈られ、大石先生は胸が一杯になり、涙が溢れてきた。その自転車に乗って大石先生は分教場に向かう。
1954年版
二十四の瞳 | |
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監督 | 木下惠介 |
脚本 | 木下惠介 |
製作 | 桑田良太郎 |
出演者 |
高峰秀子 天本英世 笠智衆 田村高広 |
音楽 | 木下忠司 |
撮影 | 楠田浩之 |
配給 | 松竹 |
公開 |
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上映時間 | 156分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
- 1954年9月14日に封切られた。
- 同年キネマ旬報ベストテン1位(同年2位は同じく木下監督作の『女の園』。『七人の侍』が3位)、ブルーリボン賞作品賞、毎日映画コンクール日本映画大賞を受賞。『七人の侍』の上位につけた件は木下の評価が低かった頃は同時代批評の不明として引き合いに出されることが多かったが、現在では『女の園』は別として、いずれ甲乙つけがたい日本映画の金字塔が同じ年に誕生したという位置づけが一般的である。
- 1955年度ゴールデングローブ賞 外国語映画賞受賞。
- 2007年デジタルリマスター版がリバイバル上映された。
キャスト
- 大石先生…高峰秀子
- マスノ…月丘夢路
- 松江…井川邦子
- 早苗…小林トシ子
- 磯吉…田村高広
- 男先生…笠智衆
- 大石先生の母…夏川静江
- 男先生の妻…浦辺粂子
- よろずや…清川虹子
- 飯屋のかみさん…浪花千栄子
- 校長先生…明石潮
- 大石先生の夫…天本英世
- ちりりんや…高原駿雄
- 松江の父…小林十九二
- 小林先生…高橋とよ
子役には、1年生役と、その後の成長した6年生役のため、全国からよく似た兄弟、姉妹を募集。3600組7200人の子どもたちの中から、12組24人が選ばれた。また、大人になってからの役も子どもたちによく似た役者を選んだため、まるで劇中で本当に子役たちの成長を見るかのようである。撮影は学校休暇を中心に、1953年春から1954年春に及ぶ。24人は撮影終了後も「瞳の会」と称して時おり同窓会を行い、木下監督の葬儀にも多くが参列した。
スタッフ
1987年版
キャスト
- 大石久子先生…田中裕子
- マスノ…紺野美沙子
- 松江…高木美保
- 早苗…野沢直子
- 磯吉…川野太郎
- ミサ子…音無真喜子
- 小ツル…神津はづき
- コトエ…渡辺多美子
- キヨ…左時枝
- 男先生…坂田明
- おなご先生…友里千賀子
- 大石民(先生の母)…佐々木すみ江
- 大石正吉(先生の夫)…武田鉄矢
- 大石大吉(先生の長男6年)…圓山哲也
- よろず屋…あき竹城
- 飯屋のかみさん…乙羽信子
- 校長先生…松村達雄
- チリリン屋…浦田賢一
- 楽士…鈴木ヒロミツ
- ナレーション…渥美清
スタッフ
関連項目
木下恵介監督の名作「二十四の瞳」を、当時の子役や出演者、スタッフらの証言をもとに検証することで、作品が現代へ何を問いかけているかを探ったノンフィクション。
外部リンク
- 二十四の瞳 リバイバル上映の公式サイト