御法度 (映画)

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御法度
監督 大島渚
脚本 大島渚
出演者 ビートたけし
松田龍平
武田真治
浅野忠信
音楽 坂本龍一
撮影 栗田豊通
編集 大島ともよ
製作会社 松竹角川書店IMAGICABS朝日衛星劇場
配給 松竹
公開 日本の旗 1999年12月18日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 4億円(配給収入[1]
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御法度』(ごはっと、英題:Taboo)は、1999年に公開された日本映画大島渚監督。司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」が原作。幕末京都を舞台に、新選組男色の視点から描いた時代劇である。

大島渚の13年ぶりのメガホン、映画『戦場のメリークリスマス』 以来となる監督・大島渚、主演・ビートたけし、音楽・坂本龍一のトリオ復活、松田優作の息子松田龍平の初出演などで話題となった。

第9回淀川長治賞受賞。第1回文化庁優秀映画賞受賞。

概要[編集]

新入隊士の美男剣士加納惣三郎松田龍平)が、同期入隊の田代彪蔵(浅野忠信)に衆道(男色)の世界へ引き込まれ、最初はこれを拒んでいた加納もやがて衆道にのめり込んで、淫乱な妖婦の如くになり、新選組の統制を乱したとして土方歳三ビートたけし)と沖田総司武田真治)によって粛清されるまでを描く。

架空のストーリーであるが、近藤勇元治元年(1864年5月20日の書簡に、隊内で男色が流行したと記されている。また衆道の話ではないが、島原通いで粛清された加納惣三郎という実在の確認できない隊士の逸話が残っており、司馬遼太郎はこれらの話に着想を得ている。

この作品では、六番組組長井上源三郎が中心となる「三条蹟乱刃」もストーリーに組み込まれ、原作の国枝大二郎の役回りを加納惣三郎が代わっている。

考証面では、新選組物では定番になっている浅葱色のダンダラ模様の隊服を用いず、ワダ・エミがデザイン。この黒の隊服の設定は映画版 『壬生義士伝』(2003年)でも用いられた。また太夫の衣装も黒を基調としており、統一感のある美を演出している。奇抜なホモセクシュアル映画と看做されることもあるが、この作品は司馬の原作を生かしながら、映画としての独創も盛り込み手堅い時代劇になっている。この作品がデビュー作となった松田龍平は、高く評価されてこの年の新人賞を総なめし、以後、映画とテレビドラマで活躍している。

大島渚は1995年にこの映画の制作を計画したが、脳溢血で倒れたため延期となり、大島の健康の回復を待って1999年にようやく完成させた。第42回ブルーリボン賞、第42回毎日芸術賞を受賞した。カンヌ国際映画祭に出品したが、時代背景などがヨーロッパ人にはわかりにくく[2]、受賞は逃している。この後、大島の健康状態が再び悪化し、新作のメガホンを執ることなく2013年1月15日に亡くなったため、本作が彼の遺作となった。大島が、生涯最後の25年間で 監督した唯一の作品でもある。

ストーリー[編集]

1865年京都。新選組は新たに隊士を募集した。多くの志願者が集まる中、一際異彩を放つ美少年がいた。加納惣三郎と名乗るその青年は、新選組きっての剣豪・沖田総司をも手こずらせる程の剣の腕の持ち主だった。そして、もう一人、加納と双璧をなす程の剣の腕の持ち主・田代彪蔵の二人が、その剣の腕を認められ、入隊を許可された。しかし、この二人の入隊によって新選組内部の空気は少しずつ変わっていくことになる。田代は衆道(男色)の気を持つ男であり、惣三郎を衆道に引きずり込もうとしていた。隊士の中にも、美男である惣三郎に言い寄る者が現れるなど、隊内の秩序を重んじる土方を悩ませる噂が流れた。そんな中、惣三郎に密かに想いを寄せていた隊士・湯沢藤次郎が何者かによって惨殺される。土方は湯沢の恋敵であった人間が斬ったのではないかと疑い始める。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

サウンドトラック[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 大高宏雄 『日本映画逆転のシナリオ』 WAVE出版、2000年4月24日、224頁。ISBN 978-4-87290-073-6
  2. ^ 日本人にとっては新撰組の存在意義、そして各登場人物のパーソナリティは周知の事実として理解されており、物語の進行が一つの約束事の上に理解できるが、日本の歴史に通じていない欧米人の観客にとっては物語が進行する前提そのものそのものが理解出来ないこととなった。

外部リンク[編集]