シコふんじゃった。

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シコふんじゃった。
監督 周防正行
脚本 周防正行
製作 平明暘
山本洋
出演者 本木雅弘
清水美砂
柄本明
竹中直人
田口浩正
音楽 周防義和
おおたか静流
撮影 栢野直樹
編集 菊池純一
製作会社 大映
キャビン
配給 東宝
公開 日本の旗 1992年1月15日
上映時間 105分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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シコふんじゃった。』は、1992年公開の日本映画。監督・脚本は周防正行。主演は本木雅弘

卒業のための単位と引き換えに、廃部寸前の弱小相撲部に入ることになった大学生の奮闘をコミカルに描いたコメディ映画。第35回ブルーリボン賞作品賞ならびに第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。

映画の公開後、監督の周防自身によって小説版も執筆された。

ストーリー[編集]

伯父のコネで一流企業への就職を決めていた教立大学生・山本秋平は、卒業に必要な単位を卒業論文の指導教員である穴山教授に無心したところ、『アルバイト(単位を与える条件)』として、大学相撲部の助っ人として大会に参加することを求められる。穴山研究室に属する大学院生で相撲部マネージャーを務める川村夏子の頼みもあり、秋平は渋々ながらこれを承諾した。

相撲部には留年を重ねた青木富夫しか正規部員はおらず、所属は最下部である三部リーグ。秋平と青木は苦労して5人制の団体戦出場に必要な助っ人メンバーを勧誘し、秋平の弟・春雄と肥満体の田中豊作が加わった。しかし素人集団の悲しさで、大会では全員全敗で惨敗。慰労会でOBから痛罵されたことに秋平は反発し「次は勝ってやる」と言い放ってしまう。秋平たちは引き続き相撲に取り組むことになり、ラグビー経験者のイギリス人留学生・スマイリーを引き入れる。さらに、夏休みには相撲部監督である穴山の実家で合宿を行うが、それはなぜか練習らしい練習もせずに、ひたすら食べては寝るだけという内容だった。合宿も終わりに近づいたころ、秋平たちは近所の小学生相手に練習試合を行う。だが、大人気なく全力で小学生たちと戦う秋平たちの姿を北東学院大学の相撲部員たちに嘲笑され、秋平たちは奮起する。

力をつけた秋平たちは次の三部リーグ戦で見事に勝ち、二部リーグとの入れ替え戦に進むことになった。しかし三部リーグ戦で春雄が骨折しており、秋平も怪我を抱え、7人制となっている入れ替え戦への出場が危ぶまれた。そのとき、春雄に憧れてマネージャーとなっていた間宮正子が出場を志願し、男に扮することにしてメンバーに加わった。試合当日、巨体にさらしを巻いた正子は善戦するも敗れる。だが彼女の姿に相撲部員たちは奮起し、大将戦で秋平が勝ちを収めて教立大学の二部昇格が決まった。

昇格後、豊作は大相撲にスカウトされ、スマイリーは帰国、正子と春雄はロンドンへ留学、青木も卒業。秋平は就職を辞退してもう一年相撲部を続ける決意をする。練習所でシコをふむ唯一の相撲部員・秋平の横に夏子が現れ、二人は向かい合ってシコをふむのだった。

登場人物[編集]

教立大学相撲部[編集]

山本秋平:本木雅弘
教立大学4年生。卒業に必要な穴山教授担当の講義の単位を取るためだけに相撲部に入ることになった。
相撲部に入る前は、シーズン・スポーツ愛好会に所属していた。
青木富夫:竹中直人
教立大学相撲部員。浪人して教立大に入学した8年生で、秋平たちが助っ人で加入するまでは唯一の相撲部員だった。4年間ずっと稽古部屋に住み込んでいる。
相撲が好きで知識も豊富だが、公式戦では一度も勝ったことがなかった(緊張して下痢を催すことが一因)。得意技(自称)は内無双頭捻り
田中豊作:田口浩正
教立大学学生。クリスチャン。高校時代まで友達がおらず、人から誘われた経験も無かった。肥満体を見込んだ秋平の勧誘を受け、相撲部員となる。
体は大きいが気は小さく、立会いではどうしても目を閉じてしまう。
山本春雄:宝井誠明
教立大学学生。秋平の弟。プロレス部に入っていたが、後に相撲部に入る。
かなり細身だが、穴山は春雄の気迫を買っている。女子学生に人気で、追っかけが多数いる。
ジョージ・スマイリー:ロバート・ホフマン
英国スオックフォード大学からの交換留学生。クリスチャン。下宿先の家賃が払えず、稽古部屋への住み込みを勧められて相撲部に加入。
当初はを人前に晒すことを頑なに拒否し、稽古では廻しの下にスパッツを着用し、スパッツ着用が認められない公式戦では不戦敗を続けていた。
間宮正子:梅本律子
春雄に憧れて教立大学相撲部マネージャーとなった。巨体の持ち主。
川村夏子:清水美砂
教立大学相撲部マネージャー。相撲部顧問の穴山教授の研究室に属する大学院生。
穴山冬吉:柄本明
教立大学相撲部の顧問。秋平の卒業論文指導教員でもあり、元学生横綱。秋平に相撲部入部を持ちかける。

その他[編集]

堀野達雄:松田勝
教立大学アメフト部。秋平とは知り合いで、二部リーグ入れ替え戦のメンバーに助っ人として加わる。
倉高(北東のケン):宮坂ひろし
北東学院大学相撲部の主将。
峰安二郎:村上冬樹
教立大学相撲部OB会会長。少々助兵衛である。
穴山ゆき:桜むつ子
穴山冬吉の母。
熊田寅雄:六平直政
教立大学相撲部のOB。初戦で全員全敗した秋平たちを慰労会で激しく罵倒した。
朝井知恵:水島かおり
教立大学相撲部を取材に訪れたリポーター。
林:片岡五郎
相撲大会の主審。
佐藤恒治みのすけ小浦一優、大堀浩一(現:大堀こういち)、和田宣房(現:和田圭市)、手塚とおる三宅弘城、今川杉作、飯田和平秋田宗好ほか

スタッフ[編集]

受賞[編集]

第66回キネマ旬報ベストテン
  • 委員選出日本映画部門第1位/読者選出日本映画部門第1位/監督賞
第35回ブルーリボン賞
  • 作品賞/監督賞/主演男優賞
第16回日本アカデミー賞
  • 最優秀作品賞/最優秀監督賞/最優秀脚本賞/最優秀主演男優賞/最優秀助演男優賞/優秀助演女優賞
第17回報知映画賞
  • 最優秀作品賞/最優秀主演男優賞/最優秀主演女優賞
第7回高崎映画祭
  • 最優秀作品賞/最優秀監督賞/最優秀新人賞
その他

エピソード[編集]

  • 主演の本木雅弘は、周防監督の前作『ファンシイダンス』に続く主役起用であったが、坊主頭の僧侶役の前作に続き、まわし姿を披露した役者根性が高く評価されることになった。
  • 舞台となった大学(教立大学)は名前からもわかるように、周防監督の母校である立教大学がモデルで、実際に立教大学構内でも撮影されている。劇中にはその他にも本日医科大学北東学院大学応慶大学衛防大学波筑大学スオックフォード大学など、実在大学の捩りが多く登場する。
  • 竹中直人演じる青木富夫の名前は、「突貫小僧」の名で小津安二郎作品に出演した青木富夫にちなむ。竹中はその後の周防監督作品である『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』でもこの役名のキャラクターを演じた。
  • 冒頭で柄本明演じる穴山が読み上げるジャン・コクトーの相撲観戦記は1936年の来日時のもので、彼のエッセイ『僕の初旅』(Mon Premier voyage)に収録されている。
  • 間宮正子役は一般からのオーディションで役者が選ばれた。週刊明星月刊明星との合同企画で募集記事を掲載。記事には「映画で本木雅弘と共演出来る」と銘打っていたが、ストーリーや役どころなど具体的な内容は一切記載されていなかった。ただ「極度の肥満体型」「若い女性」のみが応募条件であった。
  • 教立大学相撲部が練習試合で子どもと対戦するシーンで使用された土俵は、栃木県小山市の間々田八幡宮のものである[1]

脚注[編集]

外部リンク[編集]