胴上げ
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胴上げ(どうあげ)とは、偉業を達成した者、祝福すべきことがあった者を祝うために、複数の人間がその者を数度空中に放り投げる所作をいう。古来の風習としては3回放り投げるものであったが、近年においては回数に限定があるものとはされていない。日本において多く見られる所作である。胴上げされるのは男性であることが多い。
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[編集] スポーツにおける胴上げ
スポーツにおいて勝利(特に優勝)した場合に監督やチームオーナー、功労者などを胴上げすることがある。特に、プロ野球においてペナントレースで優勝するか、日本シリーズで優勝した時にチームで行う監督の胴上げは恒例となっており、新聞等のマスコミ報道では優勝することを象徴的に「胴上げ」と表現することも一般的となっている。
また同じく野球において、優勝が決定した瞬間にマウンドに立っていた投手を胴上げ投手と呼ぶ。
この他、サッカー、ラグビー、駅伝等の競技において優勝チームのメンバーによる監督の胴上げなどが行われる。
また、祝福の他に感謝の意味を込めることもあり、名選手の引退試合や退任が決定している監督の最終試合で胴上げを行う事もある。
1969年の東京優駿(日本ダービー)では、同レースでダイシンボルガードに騎乗し、優勝した大崎昭一騎手がファンに胴上げされるという珍事が発生した。また2007年1月1日に開催されたサッカー天皇杯決勝戦では、優勝した浦和レッドダイヤモンズのギド・ブッフバルト監督は試合後に選手の手で胴上げされ、更にこの試合限りで退任する予定だったため、表彰式の後にはスタンドのサポーターにより再び胴上げされた。
2006年春、WBCで優勝した監督王貞治が胴上げされるのを、ニューヨークタイムズは「日本国の伝統」と報じた(しかし後述の通り、日本以外でも胴上げという行為は存在する)。
[編集] 目前胴上げ
その一方で、目の前で相手チームの監督が胴上げされることは、最大の屈辱といわれている。特にリーグ戦では、成績に関係なく優勝に王手がかかったチームと対戦する可能性があるため、優勝戦線から遠のいていたとしても、負ければ目の前で敵将の胴上げを見せられることになるケースも多い。
[編集] 祝福としての胴上げ
人生の節目における祝福の意味での胴上げが行われることがあり、例えば、ドラフト会議で指名された者や、選挙で当選した候補者・入学試験合格者、結婚式において新郎を胴上げすることもある。
[編集] 発祥
胴上げの発祥は長野市の善光寺との説がある。善光寺において、12月の2度目の申(さる)の日に、寺を支える浄土宗14寺の住職が五穀豊穣、天下太平を夜を徹して祈る年越し行事「堂童子(どうどうじ)」で、仕切り役を胴上げをする習慣がある。この行事は江戸時代初期には記録があり、少なくともそのころから胴上げが成されていたことは確かである[3]。『ワイショ、ワイショの掛声のもと、三度三尺以上祝う人を空中に投げ上げる』と書いてある。『ザ!鉄腕!DASH!!』でこの胴上げを再現する試みがあった。
新潟県糸魚川市(旧能生町)では江戸時代初期から伝わる「裸胴上げまつり」(糸魚川市無形民族文化財)があり、厄よけとして男衆がさらしの褌姿で、厄年の男性などを胴上げするという風習がある。
新潟県南魚沼市の八坂神社では、毎年正月に前年結婚した婿を胴上げする「婿の胴上げ」が行われており、これは戦国時代の武将長尾政景が城下を繁栄させる為、他の地域から来た婿養子を祝って胴上げさせた事が始まりとされる。
[編集] 事故の危険
放り投げる者が確実に支えていないと、胴上げされる者が落下して頭部を強打し死亡したり、脊椎損傷などの重傷を負う事例が発生している。
原因としては、空中に放り投げる回数に誤解がある場合や、放り投げる者が祝いの席であることから酒に酔っており確実に受け止めることができなかったなどがある。
[編集] 事故の事例
- 1999年11月16日に島根県松江市で会社社長が、当該社のアルバイト学生ら5人に胴上げをされた際に落下、その後死亡した。当日は忘年会でアルバイト学生らは酒に酔っていた。5人は過失致死の疑いで書類送検されたが、2000年4月に不起訴処分となった[6]。
- 2007年11月18日、滋賀県栗東市で会社員が同僚らに胴上げされたが畳の床に落とされ、首や背中の骨を損傷し、呼吸不全や寝たきりになるなどの障害を負った末、2008年9月に敗血症で死亡した。遺族はこのときの同僚らを重過失致死容疑で滋賀県警察草津署に告訴した[7]。
[編集] 外国の胴上げ
1927年、大西洋横断飛行に挑戦したアメリカ人女性がフランス、パリで群衆によって胴上げされた。
韓国においても日韓ワールドカップにおいてサッカー韓国代表が胴上げを行っている。また、北京オリンピックで金メダルを獲得した野球韓国代表も、決勝戦後に監督の胴上げを行った。
EURO2008では優勝したスペイン代表のルイス・アラゴネス監督や、同年のUEFAカップで優勝したゼニト・サンクトペテルブルクのディック・アドフォカート監督、2008/09年のUEFAチャンピオンズリーグで優勝したFCバルセロナのジョゼップ・グアルディオラ監督も選手たちに胴上げされている。
[編集] 転用された表現
「持ち上げてストンと落とす」所作が転じて、邪魔となる人間を敬して遠ざけるために、人事異動などで栄転の形で体よく閑職・重要でないポストに追いやることを胴上げと呼ぶことがある。
[編集] 脚注
- ^ 2006年10月23日 朝日新聞
- ^ 2006年10月8日 朝日新聞
- ^ 出典:善光寺鏡善坊の行事解説
- ^ 出典:1992年2月8日 朝日新聞
- ^ 出典:1996年12月10日 朝日新聞
- ^ 出典:2000年4月25日 朝日新聞
- ^ 読売新聞 2008年12月15日14時46分 「定年送別会の胴上げ落下で死亡、遺族が部下3人を告訴」

