公訴
| この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
| 日本の刑事手続 |
|---|
| 被疑者/被告人・弁護人 国選弁護制度・被害者 司法警察職員・検察官 裁判所/裁判官 刑事訴訟法・刑事訴訟規則 |
| 捜査 |
| 強制処分・令状主義 逮捕・勾留 捜索・差押え・検証 被害届・告訴・告発・自首 |
| 起訴 |
| 公訴・公訴時効・訴因 起訴便宜主義・起訴猶予 検察審査会・付審判制度 保釈・公判前整理手続 |
| 公判 |
| 罪状認否・黙秘権 証拠調べ・証拠 自白法則・伝聞法則 違法収集証拠排除法則・補強法則 論告/求刑・弁論 裁判員制度・被害者参加制度 |
| 判決 |
| 有罪・量刑・執行猶予 無罪・疑わしきは罰せず 公訴棄却・免訴 控訴・上告・再審 一事不再理 |
| 刑法・刑事政策・少年保護手続 |
公訴(こうそ)とは、広義には公益を目的とした訴えをいい、狭義では検察官による国家刑罰権の発動を求める訴えをいう。私人が自己の権利を主張して起こす私訴に対する概念である。公訴を提起することを起訴と呼ぶ。
これに対して、刑事訴訟法262条所定の手続は準起訴手続ないし付審判請求と呼ばれる。もっとも、付審判の請求に理由があるとして裁判所が事件を審判に付したときには、その事件について公訴があったとみなされ(刑事訴訟法267条)、裁判所の指定する弁護士が検察官の職務を行う。
なお、検察審査会法改正により2009年5月以降は、検察審査会が2回、起訴相当と議決した場合、裁判所の指定する弁護士が、原則として公訴を提起するものとされ、準起訴手続と同様の仕組みが導入された。
目次 |
公訴の提起手続[編集]
公訴の提起は、裁判所に起訴状を提出してする(刑事訴訟法256条1項)。起訴状には被告人の氏名、公訴事実、罪名を記載しなければならない(同条2項)。公訴事実は訴因を記載し、できる限り日時、場所及び方法をもって特定しなければならないとされるが(同条3項)、このように訴因主義を取ることで、審判の対象や被告人の防御範囲を限定できるメリットがある。また、裁判官に予断を与えるのを防止するため、起訴状にそうした予断を来すおそれがある余事記載や、証拠その他の書類などを添付することは許されない(起訴状一本主義と呼ばれる。同条6項。なお、これに違反した起訴は同法338条4号により公訴棄却となる[1])。
裁判の迅速化のため、検察官は公訴の提起と同時に略式手続や即決裁判手続の請求を行うこともできる。
公訴に関する諸原則[編集]
国家訴追主義・起訴独占主義[編集]
詳細は「国家訴追主義」を参照
起訴は検察官のみがすることができるという原則(刑事訴訟法247条)。例外として準起訴手続である付審判制度と検察審査会による起訴議決制度が存在する。
起訴便宜主義[編集]
詳細は「起訴便宜主義」を参照
検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況(示談の成立など)により訴追(ここでは、起訴と同義)を必要としないときは、公訴を提起しないことができるとする原則(刑事訴訟法248条)。一定の場合に起訴を強制する起訴法定主義に対する概念。
起訴状一本主義[編集]
公訴提起に際しては起訴状のみを提出し、証拠を提出してはならないとする原則(刑事訴訟法256条6項)。事件を担当する裁判官に対してあらかじめ被告人を真犯人と決め付ける予断を与えてはならないという、予断排除の原則と有機的に結びついている。万が一にも起訴状以外の証拠が裁判官の目に触れた場合、その刑事訴訟は終了することになる。ひとたび予断を抱いた裁判官の記憶を消し尽くすわけにもいかないからである。
変更主義[編集]
検察官は、第一審の判決があるまで公訴を取り消すことができる(刑事訴訟法257条、変更主義)。
脚注[編集]
- ^ 最大判昭和27年4月5日
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 検察庁
- 刑事事件の手続きの流れ(検察庁)