マララ・ユサフザイ

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マララ・ユサフザイ
Malala Yousafzai
ملاله یوسفزۍ
生誕 1997年7月12日(17歳)[1][2]
パキスタン カイバル・パクトゥンクワ州ミンゴラ英語版
国籍 パキスタンの旗 パキスタン
肩書き 元 スワート県子供会議議長
任期 2009 - 2011
宗教 イスラム教徒
宗派 スンニ派
受賞 シモーヌ・ド・ボーボワール賞英語版(2013年)
サハロフ賞(2013年)
補足
マララ・デー英語版(7月12日)[3]

マララ・ユサフザイ英語: Malala Yousafzaiパシュトー語: ملاله يوسفزۍMalālah Yūsafzay1997年7月12日 - )は、パキスタンフェミニスト人権運動家。女性。マララ・ユスフザイとも表記される[3]カイバル・パクトゥンクワ州ミンゴラ英語版生まれ。

来歴[編集]

スンニ派の家庭に生まれる。父親のジアウディン(en:Ziauddin Yousafzai)は地元で女子学校の経営をしており、娘のマララは彼の影響を受けて学校に通っていた。彼女は数学が苦手だったが、医者を目指していた。2007年に武装勢力パキスタン・ターリバーン運動(TTP)が彼女たちが住むスワート渓谷英語版スワート県英語版)の行政を掌握し恐怖政治を開始し、特に女性に対しては教育を受ける権利を奪われるどころか、いつTTPに命を奪われるか分からない状況になってしまった。2009年、11歳の時にTTPの支配下にあったスワート渓谷で恐怖におびえながら生きる人々の惨状をBBC放送の依頼でBBCのウルドゥー語ブログにペンネームで投稿してターリバーンによる女子校の破壊活動を批判、女性への教育の必要性や平和を訴える活動を続け、欧米から注目された[4][5]

一方、アメリカのパキスタンに対する軍事干渉には批判的な見解を示し、2013年10月にアメリカのオバマ大統領と面会した際は、無人機を使ったアメリカのテロ掃討作戦をやめるよう求めた[6]

2009年、TTPがパキスタン軍の大規模な軍事作戦によってスワート渓谷から追放された後、パキスタン政府は彼女の本名を公表し、「勇気ある少女」として表彰した。その後、パキスタン政府主催の講演会にも出席し、女性の権利などについて語っていたが、この事によってTTPから命を狙われる存在となる。

銃撃事件[編集]

2012年10月9日、通っていた中学校から帰宅するためスクールバスに乗っていたところを複数の男が銃撃。頭部と首に計2発の銃弾を受け、一緒にいた2人の女子生徒と共に負傷した[7]

この事件についてTTPが犯行を認める声明を出し、彼女が「親欧米派」であり、「若いが、パシュトゥーン族が住む地域で欧米の文化を推進していた」と批判[8]、彼女に対するさらなる犯行を予告した[9]。わずか15歳の少女に向けられたこの凶行に対し、パキスタン国内はもとより、潘基文国際連合事務総長[10][11]やアメリカのヒラリー・クリントン国務長官など[12]世界各国からも非難の声が上がった。アンジェリーナ・ジョリーは事件を受け、パキスタン、アフガニスタンの少女のために5万ドル(約400万円)を寄付した。寄付金は、パキスタン、アフガニスタンにおける女性教育のために闘った女性、少女を表彰する賞の創設などに使われるという[13][14]

2013年11月10日、ホワイトハウスでオバマ大統領一家と会談

10月13日、容疑者とみられる5人が逮捕された[15]

彼女は首都イスラマバード近郊のラーワルピンディーにあるの病院で治療を受け、10月14日には試験的に短時間だけ人工呼吸器を外すことに成功した[16]10月15日、さらなる治療と身の安全確保のため、イギリスバーミンガムの病院へ移送された[16]。翌16日には筆談で「ここはどこの国?」と質問し、19日には病院職員に支えられながらではあるが、事件後初めて立ち上がった[17]

銃弾は頭部から入り、あごと首の間あたりで止まっていて、外科手術により摘出されたものの、頭部に感染症の兆候があったが[17]、奇跡的に回復し、2013年1月3日に約2カ月半ぶりに退院した。家族とともにイギリス国内の仮の住まいでリハビリをしながら通院を続け[18]、2月2日に再手術を受けた[19]

2013年1月9日シモーヌ・ド・ボーボワール賞英語版を受賞した[20]。同年7月12日国際連合本部で演説し、銃弾では自身の行動は止められないとして教育の重要性を訴えた[3]。国連は、マララの誕生日である7月12日をマララ・デー英語版と名付けた[3]。また、同年10月10日にはサハロフ賞を受賞した[21]

2013年、フランス・ストラスブールでのサハロフ賞受賞式にて

2014年9月12日、パキスタン軍はマララ襲撃に参加したイスラム過激派10人を逮捕したと発表した[22]。ただし、パキスタン・ターリバーン運動から分離した過激派ジャマトゥル・アハラールは、「あの襲撃には3人が関与し、うち1人は殉死し、2人は生きている」として軍の発表を否定している。また、パキスタン・ターリバーン運動の指導者マウラナ・ファズルッラーが襲撃を命じたとの説も否定している[23]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “Taliban Say They Shot Teenaged Pakistani Girl Who Exposed Their Cruelty”. NPR. http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2012/10/09/162573135/taliban-say-they-shot-14-year-old-pakistani-girl-who-exposed-their-cruelty 2012年10月14日閲覧。 
  2. ^ Adam B. Ellick (2009年). Class Dismissed (documentary). The New York Times.. http://www.nytimes.com/video/2012/10/09/world/asia/100000001835296/class-dismissed.html 2012年10月11日閲覧。 
  3. ^ a b c d 「銃撃のマララさん国連演説」『産経新聞』 2013年7月13日付け、東京本社発行14版、8面。
  4. ^ “Diary of a Pakistani schoolgirl”. BBC News. (2009年1月19日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/7834402.stm 
  5. ^ “Pakistani girl, 13, praised for blog under Taliban”. BBC News. (2011年11月24日). http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-15879282 
  6. ^ “オバマ大統領夫妻と面会=政治を意識、米批判も-マララさん”. 時事通信社. (2013年10月12日). http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013101200099 2013年10月12日閲覧。 
  7. ^ “武装勢力批判の14歳少女 銃撃される”. 毎日新聞. (2012年10月10日). http://mainichi.jp/select/news/20121011k0000m030036000c.html 
  8. ^ “パキスタンでタリバン批判の14歳少女、下校途中に銃撃され重傷”. ロイター. (2012年10月10日). http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE89903620121010 
  9. ^ “タリバン批判の14歳少女、銃撃受け重体”. 産経新聞. (2012年10月10日). http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/asia/597864/ 
  10. ^ “「凶悪、ひきょう」 国連の潘事務総長、14歳少女銃撃を非難 - MSN産経ニュース”. 産経新聞. (2012年10月11日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/121011/erp12101108560001-n1.htm 
  11. ^ “UN chief strongly condemns ‘heinous and cowardly’ attack on Pakistani schoolgirl”. UN News Service (United Nations). (2012年10月10日). http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=43255&Cr=pakistan&Cr1= 2012年10月11日閲覧。 
  12. ^ “Malala Yousafzai: Reward offered for arrest of attackers”. BBC News. (2012年10月10日). http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-19901277 2012年10月11日閲覧。 
  13. ^ Urgent Note from Tina Brown and Angelina Jolie”. 2012年10月18日閲覧。
  14. ^ “アンジェリーナ・ジョリー、パキスタンの少女襲撃事件受け5万ドル寄付”. シネマトゥデイ. (2012年10月18日). http://www.cinematoday.jp/page/N0046924 
  15. ^ “女性権利訴えた少女銃撃、5人逮捕…パキスタン”. 読売新聞. (2012年10月13日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20121013-OYT1T00823.htm 
  16. ^ a b “銃撃された少女、英国へ=救急機で搬送―パキスタン”. 時事通信. (2012年10月15日). http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012101500543 
  17. ^ a b “英国頭部銃撃の少女、回復進む パキスタンから搬送”. 毎日新聞. (2012年10月21日). http://mainichi.jp/select/news/20121021k0000e030116000c.html 
  18. ^ “タリバンに頭撃たれた少女が退院、女児教育権求め活動”. AFPBBニュース. (2013年1月15日). http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2919000/10053530 
  19. ^ “Girl shot by Taliban in stable condition after two operations to reconstruct skull and restore hearing”. ニューヨーク・ポスト. (2013年2月3日). http://www.nypost.com/p/news/international/hearing_shot_reconstruct_taliban_hmXZQyLBdo3PVCtzsLVM8O?utm_source=SFnewyorkpost&utm_medium=SFnewyorkpost 2013年7月14日閲覧。 
  20. ^ “パキスタン銃撃少女に賞 女性の権利向上たたえる”. (2013年1月10日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/130110/asi13011011310000-n1.htm 2013年1月11日閲覧。 
  21. ^ マララさんにサハロフ賞、欧州議会が授与決定 産経ニュース 2013年10月10日
  22. ^ QASIM NAUMAN (2014年9月13日). “パキスタン軍、マララさん襲撃グループを逮捕”. ウォール・ストリート・ジャーナル. http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970203714004580150884096529138 2014年9月13日閲覧。 
  23. ^ Gohar ABBAS (2014年9月13日). “女性の教育権訴えたマララさんの襲撃犯10人を逮捕、パキスタン”. AFPBB News. http://www.afpbb.com/articles/-/3025842 2014年9月13日閲覧。 

外部リンク[編集]