筆談
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筆談(ひつだん)とは、目の前にいる人と会話によってではなく、互いに文字を書いて意思を伝え合うことである。
耳や口の不自由な人と手話によらずに会話をする場合や、そのほか会話が成り立たない特殊な状況(水中など)、韓国人、中国人、日本人など漢字を使う国の人と漢字を使う国の人同士(かつ、相手の話す言語がわからない場合)が会話をする場合などにも行われる。
ほかにも、言語の異なる人同士のコミュニケーションにも用いられる。例えば英語の読み書きは出来るが会話・ヒアリングが出来ない日本人が筆談で英語圏の人間と意思疎通を図るといったことがよく行われる。
盗聴されている場合は、筆談という形で相手に内容を悟られない手段をとることがある。
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[編集] 漢字による別言語話者の筆談
[編集] 利点
- 中国では漢字を理解している人が多いため、日本人が漢字で書いても中国人に通じることが多い。
[編集] 欠点
- 日本で作られた和製漢字や、韓国で作られた韓国国字を使っても相手の国に通じない。
- 漢字で書いても国によっては違う意味になってしまうことがある。
- 中国や日本との漢語表記の差異がある。たとえば「湯」の字は日本語では「温めた水」という意味だが、現代中国語は「スープ」の意味である。
- 韓国では、表音文字のハングルが使われ、漢字の使用頻度はあまり高くない、また漢字教育をほとんど受けていない世代もいるため、漢字の読み書きが出来る韓国人は少数派になっている。
- 中国では簡体字と繁体字、日本では新字体と旧字体と二つあり、繁体字と旧字体は同じ形をした漢字であるが、簡体字と新字体は同じ形をした漢字ではないため、簡体字や新字体を使っても相手の国に通じない場合がある。
- 近代以前の筆談は共通文語(=漢文)の知識の上で行われたため、通用性が高いが、現代の筆談はそれぞれ国の国語に含まれている漢語の語彙に基づくものであるため、相手国の言語について理解できなければ、単語の域に限られる。
[編集] 中国や日本や朝鮮との漢語表記の差異
| 英語 | 日本語 | 朝鮮(韓国)語 | 中国(北京)語 |
|---|---|---|---|
| letter | 手紙 | 片紙 | 信 |
| tissue | 塵紙 | 休紙 | 草紙、廁紙、衛生紙、手紙 |
| gift | 贈り物 | 膳物 | 贈品 |
| bill | 勘定 | 外上 | 帳單 |
| dining table | 食卓 | 食卓 | 餐桌 |
| cheque | 小切手 | 手票 | 支票 |
| name card, business card |
名刺 | 名銜/啣 | 名片 |
| maid | 女中 | 食母 | 女傭 |
| prohibit, cancel | 禁止、取消 | 禁止, 取消 | 禁止, 取消 |
| study | 勉強 | 工夫 | 學習 |
| mathematics | 算数 | 数學 | 数學 |
| very | 大変 | 大端 | 非常 |
| prisoner | 囚人 | 囚徒 | 囚犯 |
| side room | 脇部屋 | 舍廊, 斜廊 | 側房 |
[編集] 日本と中国と北朝鮮・韓国の漢字の使われ方
| 漢字 | 日本語での意味 | 朝鮮(韓国)語での意味 | 中国(北京)語での意味 |
|---|---|---|---|
| 彼 | 彼(かれ) | (あの、あちら) | 相手 |
| 他 | 他(ほか) | (ほか) | 彼 |
| 鮎[1] | あゆ | なまず | なまず |
| 鰹[1] | かつお | カムルチー | おおうなぎ |
| 萩[1] | はぎ | カワラヨモギ | よもぎ |
| 何時 | なんじ | いつ | いつ |
| 工夫 | よい考えや方法を見つけ出す | 勉強 | 時間 |
これは中国が漢字を伝えるときに、誤解した可能性もあると思われる。
[編集] 繁体字と簡体字と新字体との差異
| 繁体字 | 簡体字 | 新字体 | 解説 | |
|---|---|---|---|---|
| 新字形 | ||||
| 對 | 对 | 対 | 記号化の僅かな差 | |
| 寫 | 写 | 写 | ||
| 處 | 处 | 処 | ||
| 圓 | 圆 | 円 | 簡: 部分の簡化、新体: 記号化 | |
| 澤 | 泽 | 沢 | 簡: 単純簡化、新体: 複雑部の置換 | |
| 廣 | 廣 | 广 | 広 | 新形: 減画、簡: 削除、新体: 記号化 |
| 過 | 過 | 过 | 過 | 新形: 減画+筆画交換、簡: 記号化、新体: 減画 |
| 龜 | 龜 | 龟 | 亀 | 残存部(日)の数 |
[編集] 英語圏等での筆談時の注意点
英語は知っているが話せない(発音・ヒアリングが出来ない)日本人が筆談で現地の人と意思疎通を図るということは海外旅行などでよく行われるが、文字の表記について一部注意を要する。
[編集] 主な注意
- 数字の「1」と「7」の書き分け。活字の数字は世界共通だが手書きの数字の書き方は必ずしも同じではない。

