ネビュラ賞

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ネビュラ賞(ネビュラしょう、ネビュラ・アウォーズ The Nebula Awards)は、アメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) が主催し、アメリカ合衆国内で前暦年に刊行された英語のSF(スペキュレイティブ・フィクション)/ファンタジー作品を対象に授与する文学賞。ネビュラとは星雲のこと。

SF・ファンタジー作品に与えられる賞としてはヒューゴー賞と知名度を二分する。ヒューゴー賞は(ワールドコンに登録した)ファンの投票によって選ばれる賞であるのに対し、ネビュラ賞はSFWA会員(作家、編集者、批評家など)の投票によって選ばれる点が異なる。

1966年の第1回以降、毎年続いている。2008年までは過去2年以内の作品が対象となったが、2009年以降は前年の作品のみが対象となるよう規約が改定されている。そのほか、幾度か規約の改定が行われている。

同じ作品が、ネビュラ/ヒューゴー両賞を同時受賞する例も少なくない。そのような作品は「ダブル・クラウン」と呼ばれる。

概要[編集]

ネビュラ賞はSFWAが主催し、SF(スペキュレイティブ・フィクション)/ファンタジー作品を対象に授与する文学賞である。受賞者には、輝く渦巻き状の星雲と、惑星を象った宝石を埋め込んだ透明なブロックのトロフィーが授与されるが、賞金はない。[1] このトロフィーのデザインはケイト・ウィルヘルムのスケッチに基づきJ・A・ローレンスが手がけたもので、第1回以降変更されていない。

選考対象となるのは、アメリカ国内で前暦年に刊行された英語の作品である。SFやファンタジーの定義は明文化されていないので、どの作品を対象とするかは推薦者・投票者の裁量に任される[1]

ネビュラ賞の候補作・受賞作はSFWAの会員によって選ばれるが、SFWA会員以外の著作も対象となる。候補作は毎年11月15日から翌2月15日まで、SFWA会員の推薦を受け付け(10人以上の推薦があった作品が暫定候補作リストに載り、その中から最終候補作が投票によって選ばれる[2])、得票の多い順に6作(同票数の場合は超過あり)が最終候補作となる。

 SFWA会員による本投票は3月に行われ、5月に開催されるネビュラ賞セレモニーで受賞作が発表・授与される。会員は自作を推薦することを禁じられている。候補を辞退することはできる。本投票の結果が同数となった場合、推薦数の多い方が受賞作となる[3]

歴史[編集]

第1回ネビュラ賞は1966年、1965年の刊行作品を対象として行われた。これは1965年にSFWAの会計担当だった作家ロイド・ビッグル・ジュニアが提案した「受賞作をアンソロジーとして刊行し、その売り上げを資金として賞を開催する」というアイデアに基づいている[4]。このアイデアはアメリカ探偵作家クラブ主催のエドガー賞(MWA賞)を範としており、授賞式開催はエドガー賞とヒューゴー賞を手本としていた。

第1回は長編部門、中長編部門、中編部門、短編部門の4部門で行われた。これらの部門は現在まで続いている。脚本を対象とする部門は、1974-78年に「Best Dramatic Presentation and Best Dramatic Writing」の名で、2000-09年には「Best Script」の名でそれぞれ行われたが、2009年にネビュラ賞からは廃止されて新たにブラッドベリ賞となった[4]

1970年には「受賞なし」という選択肢が追加された。1971年の短編部門と77年のスクリプト部門で、実際に「受賞なし」となったことがある[1]

2009年以前のネビュラ賞では、刊行の翌暦年までを受賞対象とする決まりになっていた(つまり、2年前の刊行作品に受賞することがあった)。

また、当初は対象時期が昨12月-11月とされていたが、1980年受賞分からは暦年が区切りとなった。また同時に、SFWAの委員会が候補作を追加する権利を認められた。また、同一作品のマスマーケット・ペーパーバック版(ハードカバー版よりも数ヶ月以上遅れて刊行されることもある)の刊行も対象となった。これらの規則のために、2007年にはすべての受賞作を2005年刊行作品が占めるという現象が起こった。2010年受賞分からは前暦年のみが対象となり、またペーパーバック版も対象から外された[4]


部門[編集]

小説部門の分類における分量の目安は、ヒューゴー賞の小説部門と同じである。

現在の部門名 開始年 対象、備考
長編小説部門 (Best Novel) 1966- 40001語以上(ノヴェル)
中長編小説部門 (Best Novella) 1966- 17501〜40000語(ノヴェラ)
中編小説部門 (Best Novelette) 1966- 7501〜17500語(ノヴェレット)
短編小説部門 (Best Short Story) 1966- 7500語未満(ショート・ストーリー)
スクリプト部門 (Best Script) 1974–1978, 2000–2009 映画やテレビの脚本

ネビュラ賞セレモニーでは、ネビュラ賞以外にもいくつかの賞や栄典が授与される。

そのうち、毎年行われる賞は2つある。2006年に始まったヤングアダルト作品を対象とするアンドレ・ノートン賞と、2010年にスクリプト部門を置き換える形で始まったブラッドベリ賞は、SFWA会員の投票によって選定される[4][5][6]

1975年開始のデーモン・ナイト記念グランド・マスター賞は「サイエンス・フィクションないしはファンタジーにおける生涯の功績」を讃える賞である。1995年には、功労賞としての「名誉作家」(Author Emeritus)号と、SFWAへの貢献を讃えるケビン・オドネル・ジュニア賞が制定された。2009年には、スペキュレイティブ・フィクションに多大な影響を与えた物故作家に贈るソルスティス賞が制定された。この4つは毎年行われるとはかぎらない[7][8]

客注[編集]

  1. ^ a b c Franson; DeVore, A History of the Hugo, Nebula and International Fantasy Awards, pp. 9–11.
  2. ^ About the Nebula Awards”. The Locus Index to SF Awards: About the Awards. Locus Publications. 2011年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月12日閲覧。
  3. ^ Nebula Rules”. Science Fiction and Fantasy Writers of America (SFWA) (2011年10月). 2011年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月12日閲覧。
  4. ^ a b c d "Nebula", The Encyclopedia of Science Fiction, 3rd ed., 2011–2013.
  5. ^ "Norton Award Blog Tour". SFWA. Retrieved 2013-04-27.
    The Blog Tour preface (linked) incorporates a pertinent excerpt from the Nebula Awards rules.
  6. ^ Ray Bradbury Award”. Locus (2009年1月15日). 2012年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月18日閲覧。
  7. ^ "About the SFWA Grand Master Award". The Locus Index to SF Awards: About the Awards. Locus Publications. Retrieved 2013-04-27.
  8. ^ Solstice Award”. SFWA. 2012年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月18日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]