「在日ブラジル人」の版間の差分
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彼らの幼い子供(幼児)を預かる所(託児所・保育所)は個人宅で個人経営しているケースが多い。 |
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このような例がマスコミに好んで報道されるため、多くのブラジル人が日本社会になじめないとの間違った印象が普及するケースがある。日本の学校に順応できたブラジル人子弟はとりわけ話題にならないので、多数派でありながら知られてはいない。 |
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== その他 == |
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2011年5月25日 (水) 03:35時点における版
総人口 | |
---|---|
三十五万人 | |
居住地域 | |
東海地方、群馬県 | |
言語 | |
ブラジルポルトガル語、日本語 | |
宗教 | |
カトリック、プロテスタント、仏教 |
在日ブラジル人(ざいにちブラジルじん)とは、日本に3ヶ月以上暮らしているブラジル国籍の者である。大半は日系ブラジル人であったが、現在は非日系ブラジル人も多い。
沿革
1990年の入国管理法の改正により急速に増えていった。現在約30万人いるとされる。最近は日本国籍を取得する者が増えているが、ブラジルは国籍離脱を認めていないため二重国籍となる。その数は数万人に達するという。
生活
マスコミなどが日本語を話せない者が多いと報道している。しかし、多くのベテラン移住者は日常生活に必要な日本語が話せ、一部にはポルトガル語会話が困難になる人もいる(聞けても話しづらい)。しかしながら、読み書きは会話と比べると非常に難しい。当然のことながら、新入ブラジル人には日本語が困難な人が多い。日系であっても文化的にはブラジル人であり、日本から見れば外国で生まれ、外国で育ち、外国の学校で学んだ外国人である。また、日本国内のみで話される独特のポルトガル語のスタイルが生まれつつある。いわば、ポルトガル語の日本方言である。この現象は、ブラジル国内のみで話される独特の日本語、日本語のブラジル方言たるコロニア語の発生に類似する。
出稼ぎ労働者が多い。特にブラジル人労働者を多く受け入れている自治体はブラジリアンタウンと呼ばれる。日本各地のブラジリアンタウンには、在日ブラジル人向けのブラジル料理店(ブラジリアンレストラン)やブラジルのビデオなど生活雑貨を取り扱う店が数多くある。岐阜県可児市など在日ブラジル人向けを中心にブラジル野菜を栽培・生産している場所もある。
もともとは出稼ぎを目的にして日本へ渡航したが、その後日本での定住を望む人が多く、永住権を得てやがては日本国籍を獲得していくケースがある。日本国籍の取得にはブラジル国籍の放棄を日本政府に宣言しなければならない。その宣言は日本では有効であるが、日本語で書かれておりしかもブラジル国内で公式に登録されていない書類はブラジルでは無効である。したがって、ブラジルから見れば日本国籍を取得した「元ブラジル人」は、「元」ではなく正式な「現」ブラジル人である。ひとたびブラジルの領土を踏むと、日本のパスポートで入国しても、ブラジルの国民鑑識手帳を持つ限り国内では一般のブラジル人と何の区別もない。ブラジル人には二重国籍を持つ人が少なからずおり、彼らは海外のパスポートで出入国しブラジルの国内では国民鑑識手帳で生活する。もちろんブラジルのパスポートも取れるが、その場合米国やカナダへの入国が困難になる。
日本各地のキリスト教の教会が在日ブラジル人の生活支援をしている。在日ブラジル人のうち約20万人がカトリック教徒だが、日本国内ではカトリック教会よりプロテスタント教会のほうが数が多い。そのため在日ブラジル人の中には改宗する者が少なからずいるという。
ブラジルはサッカー大国であるため広く海外に人材を派遣しており、Jリーグでプレーする外国籍選手に占めるブラジル人の割合が高い。アマラオやシジクレイのように長期に渡って日本で選手生活を送る者もいる(Category:在日ブラジル人のサッカー選手を参照)。また、日本各地にブラジリアン柔術やカポエイラの道場があり、在日ブラジル人が多数在籍している。
ブラジルは徴兵制を採っているため、成年になってから来日した男性はブラジル軍で兵役経験がある者がいる。しかし、ブラジルでの兵役勤務率は徴兵者のうち10%未満に過ぎない。ブラジルの陸海空軍はその規模においても装備においても、日本の陸海空自衛隊に及ばない。空軍ではとりわけその差が顕著である。
人口分布
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労働力としての受け入れという観点から、在日ブラジル人は大都市には集中せずに、機械工業の集積地に集中している。特に東海地方、北関東、甲信地方などに集中しており、東京にはその都市規模から考えるとブラジル人は非常に少ないのが特徴である。
都道府県別ブラジル人人口
都道府県 | 2009 |
---|---|
愛知県 | 67,162 |
静岡県 | 42,625 |
三重県 | 18,667 |
岐阜県 | 17,078 |
群馬県 | 15,324 |
神奈川県 | 13,091 |
埼玉県 | 12,301 |
滋賀県 | 11,384 |
長野県 | 10,938 |
茨城県 | 10,200 |
栃木県 | 7,710 |
千葉県 | 6,004 |
東京都 | 4,439 |
山梨県 | 4,318 |
大阪府 | 3,986 |
広島県 | 3,808 |
兵庫県 | 3,564 |
富山県 | 3,313 |
福井県 | 2,393 |
石川県 | 1,547 |
岡山県 | 1,490 |
島根県 | 1,122 |
新潟県 | 693 |
奈良県 | 686 |
京都府 | 558 |
福島県 | 383 |
香川県 | 331 |
福岡県 | 326 |
愛媛県 | 257 |
沖縄県 | 256 |
山口県 | 221 |
北海道 | 193 |
宮城県 | 187 |
岩手県 | 175 |
山形県 | 169 |
和歌山県 | 106 |
大分県 | 95 |
熊本県 | 65 |
徳島県 | 48 |
鹿児島県 | 46 |
宮崎県 | 44 |
鳥取県 | 36 |
長崎県 | 33 |
青森県 | 32 |
佐賀県 | 21 |
高知県 | 18 |
秋田県 | 13 |
合計 | 267,456 |
子弟教育
多くのブラジル人子弟は、苦労しながらも日本の学校に通い日本社会に順応している。しかしながら、一部では彼らが暮らしている近所にある日本の学校や日本国内にあるブラジル学校に通わない不就学児がいる。[1] また日本の公立中学校への通学者の中には授業についていけず退学届を提出し受理され、その後フリーターになど社会的不安定な身分になってしまうケースがある。これらは現在社会問題となっている。
彼らの幼い子供(幼児)を預かる所(託児所・保育所)は個人宅で個人経営しているケースが多い。
このような例がマスコミに好んで報道されるため、多くのブラジル人が日本社会になじめないとの間違った印象が普及するケースがある。日本の学校に順応できたブラジル人子弟はとりわけ話題にならないので、多数派でありながら知られてはいない。
その他
在日ブラジル人のブラジル国政選挙での在外投票者は1万人ほどである。
世界的不況のためブラジル本国へ帰国する者が数多くいる。そういった者たちのため日本政府や岐阜県などはブラジルへの渡航費の助成をしている。
人物
団体
- 在日ブラジル人学校協会
- ブラジル友の会(NPO法人)岐阜県美濃加茂市
- 関西ブラジル人コミュニティ(NPO法人)兵庫県神戸市
- 報道機関
- アイピーシー(テレビ局)
- インターナショナルプレス(新聞)
- トゥード・ベン(雑誌)
脚注
- ^ * 佐久間孝正『外国人の子どもの不就学 -異文化に開かれた教育とは-』勁草書房、2006年、ISBN 9784326298860
参考文献
- 梶田孝道・丹野清人・樋口直人『顔の見えない定住化-日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク』名古屋大学出版会、2005年
- 寺尾智史「地方都市における多言語表示 : 美濃加茂市における南米出身者向け表示を事例として」『神戸大学留学生センター紀要』15, pp.25-49, 神戸大学留学生センター、2009年3月
- 「〈特集〉ブラジル移民100年―デカセギ20年」『オルタ』2008年1月号、アジア太平洋資料センター。
関連項目
- ブラジル系日本人
- ブラジル学校
- 外国人労働者
- 保見団地
- 外国人集住都市会議
- ブラジリアンタウン
- 駐日ブラジル大使館
- 日本の国際関係
- 虹の架け橋教室
- 在外ブラジル人
- 労働者の家 (在日ブラジル人)
- 日本ブラジル交流年
外部リンク