Brave (ウェブブラウザ)

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Brave 0.8.2のスクリーンショット

Brave(ブレイブ)は、Brave Softwareによって開発されているウェブブラウザである[1]Chromiumをベースとしており、WindowsmacOSLinuxiOSAndroid版が存在し[2]オープンソースで開発されている[3]広告ブロック機能を標準装備し、ブロックした広告の代わりにBraveが別の広告を挿入し、その収益をウェブサイト、Brave、広告代理店、ユーザーの4者に分配するという特異なビジネスモデルを持つ[4]。広告をブロックすることによって、高いパフォーマンスを実現できることも売りにしている[5]

歴史[編集]

2015年、JavaScriptの開発者として知られるブレンダン・アイクがBrave Softwareを設立し、Braveの開発を始めた[3]。2016年2月にはiOS版とAndroid版がリリースされた[6]

Brave Softwareは、2016年8月にシードラウンドで450万ドルを調達した[5]。2017年6月にはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)によって、わずか30秒の間に3500万ドルを調達した。この額は、ICOによる資金調達としては2017年6月時点で過去最高額であった[7]

StatCounterおよびNet Marketshareによると、2017年1月から11月の上位10ブラウザの世界シェア合算値は98%を超える。しかしBraveはランクインしておらず、シェア0.3%未満のUnknown (ブラウザ不明) に含まれていると見られる[8][9]

ビジネスモデル[編集]

Braveは新しいビジネスモデルを構築しようとしている。Braveはデフォルトで広告をブロックし、その代わりに「控えめな」広告を挿入できる。それを表示するかどうかはユーザーが決めることができ、表示した場合は広告料の一部がユーザーに分配される。分配の比率はウェブサイトが55%、Braveと広告代理店、ユーザーは各15%ずつである。ウェブサイトが分配を受けるためにはBraveプロジェクトに参加する必要があり、審査を受けなければならない[4]。Braveはすべての広告をブロックするわけではなく、トラッキングを行わず、パブリッシャーのデータのみを使用する広告はそのまま表示される。Braveが挿入する広告は、ブラウザのパフォーマンスに大きく影響せず、個人データを使うターゲティングも行わないものに限られる[1]。また、ユーザーがウェブサイトに対して寄付を行うシステムもある。これらの決済にはBrave Paymentという匿名のシステムが利用される[2]。このビジネスモデルが成り立つためには、1000万人から1500万人ほどのBraveのユーザーがいなければならないと考えられており、実現の可能性は未知数である[3]

プライベートブラウジングモード[編集]

Braveでは、プライベートブラウジングモード時に検索履歴を保存しない検索エンジンDuckDuckGoを使用することでプライバシー性を高めている[10][11]

反響[編集]

その特異なビジネスモデルには否定的な声もある。2016年4月には十数社の新聞社がBraveの広告システムを違法行為だとする声明を発表した[5]。Braveに協力しないことを表明しているウェブパブリッシャーも存在する[12]。一方、TechCrunchの記事では、ウェブサイトに元からあった広告をブロックして自らの広告は見せるというシステムを偽善と断じるのは簡単だとした上で、Braveは広告ブロッカーによってウェブサイトのビジネスが成り立たなくなることを防ごうとしているのであって、金儲けのためではないと擁護している。ただし、この手法でユーザーやパブリッシャーを満足させられるかどうかについては否定的な意見を述べている[1]

マイナビニュースの記事では、2017年9月時点のBraveは確かに高速であるとしている。ただし、拡張機能のような仕組みがないので、速いのは当然であるとも記している[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Ha, Anthony (2016年1月21日). “JavaScriptの作者でMozillaの元CEOが広告ブロック機能のあるブラウザBraveを立ち上げ”. TechCrunch. 2017年11月14日閲覧。
  2. ^ a b c c-bou (2017年9月4日). “世界のブラウザから - プライバシーを意識した高速ブラウザ「Brave」を試す”. マイナビニュース. 2017年11月14日閲覧。
  3. ^ a b c logx_tm (2016年1月21日). “広告をブロックしつつコンテンツ提供者やユーザーに利益を分配するブラウザ「Brave」が目指す新しい仕組みとは”. GIGAZINE. 2017年11月14日閲覧。
  4. ^ a b 大村奈都 (2016年4月11日). “ブラウザを使うだけでビットコインがもらえる?”. ITmedia. 2017年11月14日閲覧。
  5. ^ a b c Perez, Sarah; 木村拓哉 (2016年8月3日). “広告をブロックするブラウザのBraveが450万ドルを調達 創業者は前Mozilla CEOのBrenden Eich”. TechCrunch. 2017年11月14日閲覧。
  6. ^ Shankland, Stephen (2016年3月8日). “「Brave」ブラウザの提供開始--有害な広告に対抗する新技術と課題”. CNET News. 2017年11月14日閲覧。
  7. ^ Jon, Russell; Atsushi Yukutake (2017年6月2日). “Mozilla前CEOが設立したBraveが30秒で3500万ドル調達――テック界に広がるICOの可能性”. TechCrunch. 2017年11月14日閲覧。
  8. ^ Browser Market Share Worldwide”. StatCounter. 2017年12月4日閲覧。
  9. ^ Browser Market Share”. Net Marketshare. 2017年12月4日閲覧。
  10. ^ “Making Private Browsing Mode More Private” (英語). DuckDuckGo Blog. (2018年1月16日). https://spreadprivacy.com/duckduckgo-brave-private-tabs/ 2018年11月28日閲覧。 
  11. ^ “Brave and DuckDuckGo Partner to Improve Privacy on the Web | Brave Browser” (英語). Brave Browser. (2017年12月14日). https://brave.com/brave-and-duckduckgo-partner-to-improve-privacy-on-the-web/ 2018年11月28日閲覧。 
  12. ^ Shankland, Stephen (2016年9月5日). “広告ブロックブラウザ「Brave」、好きなサイトにビットコインで寄付が可能に”. CNET News. 2017年11月15日閲覧。

外部リンク[編集]