Brave (ウェブブラウザ)

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Brave
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Brave 0.8.2のスクリーンショット
Brave 0.8.2のスクリーンショット
開発元 Brave Software
初版 2019年11月13日 (17か月前) (2019-11-13)[1][2]
最新版 [±]
Desktop1.22.71 / 2021年4月1日 (28日前) (2021-04-01)[3][4]
Android1.22.71 / 2021年4月1日 (28日前) (2021-04-01)[3][5]
iOS1.23.1 / 2021年2月27日 (2か月前) (2021-02-27)[3][6]
最新評価版 [±]
Desktop, Beta1.24.57 / 2021年4月9日 (20日前) (2021-04-09)[7]
Desktop, Developer1.24.56 / 2021年4月8日 (21日前) (2021-04-08)[7]
Desktop, Nightly1.25.6 / 2021年4月9日 (20日前) (2021-04-09)[7]
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
CJavaScriptC++
使用エンジン BlinkV8
対応OS WindowsmacOSLinuxAndroidiOS
種別 ウェブブラウザ
ライセンス
公式サイト brave.com ウィキデータを編集
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Brave(ブレイブ)は、Brave Softwareによって開発されているウェブブラウザである[8]Chromiumをベースとしており、WindowsmacOSLinuxiOSAndroid版が存在し[9]オープンソースで開発されている[10]広告ブロック機能を標準装備し、ブロックした広告の代わりにBraveが別の広告を挿入し、その収益をウェブサイト、Brave、広告代理店、ユーザーの4者に分配するという特異なビジネスモデルを持つ[11]。広告をブロックすることによって、高いパフォーマンスを実現できることも売りにしている[12]

ビジネスモデル[編集]

Braveは新しいビジネスモデルを構築しようとしている。Braveはデフォルトで広告をブロックし、その代わりに「控えめな」広告を配信している。Braveの配信する広告は、配信されるWebコンテンツとは別に、通知または背景画像として新しいタブに表示される。また、それらを表示するかどうかはユーザー自身が決めることができ、表示を選択した場合は広告料の70%がユーザーに分配される。なお、Braveの配信する広告を受け取る頻度もユーザー自身が調整できる。ウェブサイトが分配を受けるためにはBraveプロジェクトに参加する必要があり、審査を受けなければならない[11]。Braveはすべての広告をブロックするわけではなく、トラッキングを行わず、パブリッシャーのデータのみを使用する広告はそのまま表示される。Braveが挿入する広告は、ブラウザのパフォーマンスに大きく影響せず、個人データを使うターゲティングも行わないものに限られる[8]。また、ユーザーがウェブサイトに対して寄付を行うシステムもある。これらの決済にはBrave Paymentという匿名のシステムが利用される[9]。このビジネスモデルが成り立つためには、1000万人から1500万人ほどのBraveのユーザーがいなければならないと考えられている[10]。2020年11月時点での月間アクティブユーザー数は2050万人と公称している[13]

機能[編集]

Brave Shields[編集]

セキュリティ保護機能。主な機能は[14]:

  • 広告とトラッカーを除去。
  • サードパーティのcookieをブロック。
  • Cookie以外による追跡(フィンガープリント)を阻止。
  • サイトが対応している場合に接続をHTTPSへ変更。
  • 悪意あるコード(無断で仮想通貨のマイニングを行うなど)の実行を阻止。

Brave Shieldsは、サイト別に手動で無効にすることができる。

同期チェーン[編集]

独自の同期機能があり、Braveブラウザに保存したブックマークやパスワードなどを、複数のPCやスマートフォン間で同期できる[15]。同期データはブラウザ側で暗号化されてから、Braveの同期サーバーに保存される[16]。同期用のパスフレーズを入力あるいはQRコードを読み取ることで、新しいPCやスマートフォンを同期チェーンに参加させることができる。必要であればいつでも同期チェーンから離脱することで同期を無効にでき、サーバー上の同期データも削除される[15][16]

プライベートブラウジングモード[編集]

Braveでは、プライベートブラウジングモード時に検索履歴を保存しない検索エンジンDuckDuckGoを使用することでプライバシー性を高めている[17][18]

拡張機能[編集]

Chromiumベースの利点としてGoogle Chrome向けの拡張機能を利用できる[19]

歴史[編集]

2015年、JavaScriptの開発者として知られるブレンダン・アイクがBrave Softwareを設立し、Braveの開発を始めた[10]。2016年2月にはiOS版とAndroid版がリリースされた[20]

Brave Softwareは、2016年8月にシードラウンドで450万ドルを調達した[12]。2017年6月にはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)によって、わずか30秒の間に3500万ドルを調達した。この額は、ICOによる資金調達としては2017年6月時点で過去最高額であった[21]

StatCounterおよびNet Marketshareによると、2017年1月から11月の上位10ブラウザの世界シェア合算値は98%を超える。しかしBraveはランクインしておらず、シェア0.3%未満のUnknown (ブラウザ不明) に含まれていると見られる[22][23]

2021年3月3日、オープン検索エンジンTailcatの買収を発表し、独自の検索エンジン「Brave Search」を展開していく方針を発表した[24]

反響[編集]

その特異なビジネスモデルには否定的な声もある。2016年4月には十数社の新聞社がBraveの広告システムを違法行為だとする声明を発表した[12]。Braveに協力しないことを表明しているウェブパブリッシャーも存在する[25]。一方、TechCrunchの記事では、ウェブサイトに元からあった広告をブロックして自らの広告は見せるというシステムを偽善と断じるのは簡単だとした上で、Braveは広告ブロッカーによってウェブサイトのビジネスが成り立たなくなることを防ごうとしているのであって、金儲けのためではないと擁護している。ただし、この手法でユーザーやパブリッシャーを満足させられるかどうかについては否定的な意見を述べている[8]

問題と派生[編集]

アドレスバーでの検索時に、いくつかのURLに対する自動補完機能で、初期状態で選択されるURLにアフィリエイトコードが付加されたこと、およびそのことが明示されなかったことが問題となった[26]。ただし、検索クエリへのアフィリエイトコードの追加は主要なウェブブラウザのすべてで行われている[27]。一部の開発者は「トークン無し、広告ウェア無し、アフィリエイト広告リンク無し」をモットーとしたBraveを基にしたBold Browser[28]を立ち上げたが、開発は停滞している。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Brave Launches Next-Generation Browser that Puts Users in Charge of Their Internet Experience with Unmatched Privacy and Rewards”. Brave Software (2019年11月13日). 2019年11月21日閲覧。
  2. ^ Release Channel v1.0.0”. GitHub (2019年11月13日). 2019年11月21日閲覧。
  3. ^ a b c Brave Release Notes”. Brave Software. 2021年4月9日閲覧。
  4. ^ Release Notes topics”. 2021年4月9日閲覧。
  5. ^ Google Play”. 2021年4月9日閲覧。
  6. ^ App Store”. 2021年1月30日閲覧。
  7. ^ a b c Releases”. Brave Software. 2021年4月9日閲覧。
  8. ^ a b c Ha, Anthony (2016年1月21日). “JavaScriptの作者でMozillaの元CEOが広告ブロック機能のあるブラウザBraveを立ち上げ”. TechCrunch. 2017年11月14日閲覧。
  9. ^ a b c-bou (2017年9月4日). “世界のブラウザから - プライバシーを意識した高速ブラウザ「Brave」を試す”. マイナビニュース. 2017年11月14日閲覧。
  10. ^ a b c logx_tm (2016年1月21日). “広告をブロックしつつコンテンツ提供者やユーザーに利益を分配するブラウザ「Brave」が目指す新しい仕組みとは”. GIGAZINE. 2017年11月14日閲覧。
  11. ^ a b 大村奈都 (2016年4月11日). “ブラウザを使うだけでビットコインがもらえる?”. ITmedia. 2017年11月14日閲覧。
  12. ^ a b c Perez, Sarah; 木村拓哉 (2016年8月3日). “広告をブロックするブラウザのBraveが450万ドルを調達 創業者は前Mozilla CEOのBrenden Eich”. TechCrunch. 2017年11月14日閲覧。
  13. ^ Brave、アクティブユーザー数が月間(MAU)で2,000万人、日別(DAU)では700万人に”. Brave Software. 2021年4月16日閲覧。
  14. ^ What is "Shields"?”. Brave Software. 2021年4月16日閲覧。
  15. ^ a b How do I set up Sync?”. Brave Software. 2021年4月14日閲覧。
  16. ^ a b Brave Sync v2”. Brave Software. 2021年4月14日閲覧。
  17. ^ “Making Private Browsing Mode More Private” (英語). DuckDuckGo Blog. (2018年1月16日). https://spreadprivacy.com/duckduckgo-brave-private-tabs/ 2018年11月28日閲覧。 
  18. ^ “Brave and DuckDuckGo Partner to Improve Privacy on the Web | Brave Browser” (英語). Brave Browser. (2017年12月14日). https://brave.com/brave-and-duckduckgo-partner-to-improve-privacy-on-the-web/ 2018年11月28日閲覧。 
  19. ^ Brave: プライバシーを重視した高速かつ安全な次世代ブラウザ” (日本語). Brave Browser. 2020年4月23日閲覧。 “BraveはChromeと同じすべての拡張機能とテーマが動作します。Braveは他の多くのブラウザ同様、オープンソースのChromiumコードをベースにしているので、お気に入りの拡張機能をBraveでも使用できます。”
  20. ^ Shankland, Stephen (2016年3月8日). “「Brave」ブラウザの提供開始--有害な広告に対抗する新技術と課題”. CNET News. 2017年11月14日閲覧。
  21. ^ Jon, Russell; Atsushi Yukutake (2017年6月2日). “Mozilla前CEOが設立したBraveが30秒で3500万ドル調達――テック界に広がるICOの可能性”. TechCrunch. 2017年11月14日閲覧。
  22. ^ Browser Market Share Worldwide”. StatCounter. 2017年12月4日閲覧。
  23. ^ Browser Market Share”. Net Marketshare. 2017年12月4日閲覧。
  24. ^ プライバシーに焦点を当てたブラウザ「Brave」、独自の検索エンジンを展開”. iPhone Mania (2021年3月4日). 2021年3月4日閲覧。
  25. ^ Shankland, Stephen (2016年9月5日). “広告ブロックブラウザ「Brave」、好きなサイトにビットコインで寄付が可能に”. CNET News. 2017年11月15日閲覧。
  26. ^ Gerard, David (2020年6月6日). “The Brave web browser is hijacking links, and inserting affiliate codes” (英語). Attack of the 50 Foot Blockchain. 2020年12月14日閲覧。
  27. ^ Brave (2020年6月9日). “On Partner Referral Codes in Brave Suggested Sites” (英語). Brave Browser. 2020年12月14日閲覧。
  28. ^ Bold Browser” (英語). GitHub. 2020年12月14日閲覧。

外部リンク[編集]