長崎ペンギン水族館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
長崎ペンギン水族館
Nagasaki Penguin Aquarium
NPA070224.jpg
施設情報
正式名称 長崎ペンギン水族館[1]
前身 長崎水族館
専門分野 ペンギン
事業主体 長崎市
管理運営 一般財団法人長崎ロープウェイ・水族館(指定管理者[2]
開館 2001年4月22日
所在地 851-0121
長崎県長崎市宿町3番地16
位置 北緯32度45分29.3秒 東経129度56分48.6秒 / 北緯32.758139度 東経129.946833度 / 32.758139; 129.946833座標: 北緯32度45分29.3秒 東経129度56分48.6秒 / 北緯32.758139度 東経129.946833度 / 32.758139; 129.946833
テンプレートを表示

長崎ペンギン水族館(ながさきぺんぎんすいぞくかん)は、長崎県長崎市宿町にある市立の水族館

概要[編集]

1959年に開館した「長崎水族館」を前身とする。長崎水族館は1998年3月31日に一旦閉館したが、規模を縮小した上で2001年4月22日に「長崎ペンギン水族館」として開館した。2015年現在で世界一[3]となる9種類のペンギンを飼育し、名の通りペンギン飼育をメインにおいた水族館である。他に魚類甲殻類なども多数飼育している。マスコットキャラクターは「アバちゃん」。

また水族館に加え、水族館前の日見川河口域と海岸を活かした「自然体験ゾーン」があるのも特徴である。第1駐車場から水族館までは約250mの遊歩道となっているが、ここには雑木林などの里山を再現したビオトープが整備されている。

水族館[編集]

館内は順路に沿って歩いて観覧する。順路は途中で2階へ上り、再び1階へ下りてくる。昇降は階段とエレベーターで可能。

1階[編集]

クエ
総合案内所
カタクチイワシ円形水槽 
カタクチイワシの群れが泳ぐ。
亜南極ペンギンプール 
2階の亜南極ペンギン水槽の水中部分。水深4m・水量200tのプール内をペンギンが飛ぶように泳ぐ様子が見られる。日時限定で「水中飛行~お魚キャッチ~」という水中給餌ショーが行われる[3]
長崎の海水槽 
水深3m・水量120tの水槽にマアジギンガメアジマダイクエホンソメワケベラツバメウオハリセンボンシロザメドチザメアカエイウツボなど長崎県近海で見られる約40種200点以上の魚が展示されている[4]
多目的室 
長崎の海水槽に隣接している。時期によって様々な企画の展示が行われる。
温帯ペンギン 
中庭部分にマゼランペンギンフンボルトペンギンケープペンギンの3種類のペンギンが飼育されている。
タッチプール 
ボウシュウボラ、イシダタミヤドカリ、イトマキヒトデ、マナマコなどの生物に手で触れることができる。また、脇には長崎水族館時代から設置されていたオサガメ剥製が設置されており、甲羅の上に座ることもできる。
ペンギン広場 
ペンギンの散歩などがここで行われる。
ペンギンショップ 
売店と軽食・喫茶。軽食・喫茶は出口の外側にあり、入館前または退館後に利用可能。売店は出口の内側となっている。いずれも水族館の直営ではない。

2階[編集]

オオウナギ
ポスト水槽 
小分けされた水槽にタツノオトシゴヘコアユガンガゼクマノミサンゴセミエビハナデンシャなどが飼育されている。
クラゲ水槽 
ミズクラゲが飼育されている。
ズームアップ水槽 
ボタンでカメラを操作して、水槽に展示された生物を画面越しに間近で見ることができる。
長崎の魚水槽 
サンゴ礁岩礁干潟などを再現した複数の水槽があり、それぞれの生息域に応じた生物が見られる。長崎では見られないものもいる。
亜南極ペンギン 
1階の亜南極ペンギンプールの水上部分。キングペンギンイワトビペンギンマカロニペンギンジェンツーペンギンヒゲペンギンの5種類のペンギンが見られる。マカロニペンギンは別の仕切られたスペースで飼育されている。
プラー・ブック水槽 
メコン川だけに生息する巨大魚プラー・ブック(メコンオオナマズ)を展示[5]1992年タイ政府から長崎市に寄贈された個体が20年以上飼育されている[4]。この水槽前では写真撮影の際のフラッシュは禁止。
展望テラス
人鳥(ペンギン)情報室 
パネルやパソコンによるペンギンのデータベース。全18種類の現生ペンギンに加えて、絶滅した太古のペンギンの情報も収録。
バーチャルシアター 
3Dシアター。映像視聴のほか、塗り絵で自分でデザインしたペンギンや魚をスクリーン内の水槽で泳がせることができる。
コガタペンギン 
コガタペンギンが飼育されている。このエリアでは写真撮影の際のフラッシュは禁止。
ペンギングッズギャラリー 
古今東西のペンギングッズ(ペもの)を展示。ペンギングッズ蒐集家・永井憲三氏のコレクションが中心で、美術館のような趣きとなっている。

自然体験ゾーン[編集]

ふれあいペンギンビーチ 
2009年7月11日オープン[4]。飼育場しか知らないペンギンを自然の海で泳がそうという世界初[4]の試みで、水族館に隣接する自然体験ゾーンの海浜部をネットと柵で囲い、その中に時間限定で十数羽のフンボルトペンギンを展示する[6]。総面積は約3,700m2
カヤック受付(海洋体験館) 
期間・日時限定でカヤックに乗れる(有料)。
ビオトープ 
第1駐車場から水族館までの日見川左岸部の遊歩道に整備され、西から順に「棚田・草地」「渓流・落葉樹林」「小川・常緑樹林」「池・海岸林」が再現されている[4]。水場にはガマ(ヒメガマ)、イネハッカなどの植物が植えられ、メダカカダヤシが泳ぐ。樹木はハゼノキアラカシヤマザクラなどがある。ビオトープの下は河口域と海岸部だが、石段や石垣が組まれていて水際まで降りることができ、汽水域タイドプールの多様な生物が観察できる。

ペンギン飼育[編集]

長崎ペンギン水族館では、前身の長崎水族館時代からペンギン飼育を継続している。かつては長崎港を母港とした捕鯨船団があり、多くのペンギンはこれらの捕鯨船によって長崎水族館にもたらされた経緯がある。最初に飼育されたペンギンは1959年8月南氷洋から運ばれてやってきた4羽のヒゲペンギンであった[4]

2015年現在ではキングペンギンイワトビペンギンマカロニペンギンジェンツーペンギンヒゲペンギンマゼランペンギンフンボルトペンギンケープペンギンコガタペンギンの9種類・約180羽を飼育し、うち7種類の繁殖に成功している。このほか、長崎水族館時代にはエンペラーペンギンアデリーペンギンを飼育していたこともある[7]

飼育・繁殖技術については長崎水族館時代から多くのノウハウを持ち、「長崎方式」として世界にも知られている[4]。飼育しているペンギンの約7割が繁殖したもので、繁殖賞や長期飼育記録もある。また、現在は各地の動物園・水族館で行われているペンギンのパレードは旧長崎水族館が発祥となっている。

飼育されていた著名なペンギン[編集]

ぎん吉 
オスのキングペンギン。サウス・サンドウィッチ諸島で仲間23羽とともに大洋漁業の捕鯨母船・第二日新丸に捕獲され[7]、そのうち11羽の仲間[8]とともに1962年4月27日に旧長崎水族館に来館。長崎水族館閉館後も長崎ペンギン水族館で引き続き飼育され、2002年2月11日に老衰で死亡した。この39年9ヶ月15日は人間でいえば100歳を超える高齢で、ペンギンの世界最長飼育記録となっている。捕鯨船に乗って渡来した国内最後のペンギンであった。2018年現在でも館内のペンギンショップでは「ぎん吉セット」という飲食メニューや「ぎん吉のぬいぐるみ」が販売されているなど親しまれている。上嘴中央の凸部が目立つ特徴から、当初は「鼻曲り」という名だった[7]
ペペ 
メスのキングペンギン。「ぎん吉」と「ペル[9]」との間に国内初のキングペンギン3世として1977年9月24日に誕生。長崎水族館閉館後も父親「ぎん吉」とともに長崎ペンギン水族館で引き続き飼育されたが、2012年8月20日に老衰で死亡した。子孫はなく、商業捕鯨に由来する国内最後のペンギンであった。
フジ 
長崎水族館時代に飼育されていたエンペラーペンギン。1964年3月に来館し1992年8月28日に死亡するまで飼育され、絵本にもなるなど親しまれていた。この28年5ヶ月はエンペラーペンギンの国内最長飼育記録となっている。ヒナだった「ペギー」を自らの抱卵嚢(卵やヒナを抱くための下腹部の窪み)に頻繁に誘い込んでいたという[7]
ペギー 
長崎水族館時代に飼育されていたメスのキングペンギン。「ぎん吉」とともに来館した「ぺん吉」と「ぎん子」の間に国内初の繁殖成功例として1965年9月2日に誕生。「ぎん吉」とともに来館した「極夫」と夫婦になったが、産んだ卵はいずれも孵化に成功しなかった[7]。性格は消極的で、極度の水泳嫌いだった[7]。妹に「ペル」「エンビ」、弟に「ローラ」がいた[7]。27年5ヶ月生きた。

なお、現在はこれら4羽は全て剥製となって、「ぎん吉」と「ペペ」は水族館の1階に、「フジ」と「ペギー」は2階にそれぞれ展示されている。

利用[編集]

交通機関
長崎駅前東口バス停(土曜日の10時11分以降および日祝は長崎駅前南口バス停。2014年4月1日現在)から、長崎県営バスの網場(あば)行き、または春日車庫行きに乗車し、「ペンギン水族館前」で下車。
中央橋バス停(長崎駅前東口および長崎駅前南口は経由しない)から、長崎バス80番系統の潮見町行きに乗車し、「ペンギン水族館」で下車する。本数は長崎県営バスより少ない。
逆に長崎市街へ向かう際は「日見公園前」バス停で乗車する。
運賃は2014年4月1日現在で長崎駅からは240円、中央橋からは210円、蛍茶屋バス停からは170円である。
鳥栖方面からは、長崎自動車道長崎芒塚ICから約5分。長崎芒塚ICは長崎市街方面からは流出できない。
長崎市街方面からは、国道34号経由で約20分。
駐車場は第1駐車場と第2駐車場がある。第1駐車場から水族館までの遊歩道では自然体験ゾーンを楽しめる。第2駐車場は水族館までの距離が近い。
料金(2014年4月1日現在)
おとな510円、こども300円。15人以上の団体はおとな410円、こども240円。2011年4月1日より年間パスポート発売。おとな1,230円、こども720円。
駐車場やカヤック、売店などは別料金が必要だが、自然体験ゾーンは無料。
営業時間
9:00~17:00(8月のみ9:00~18:00)
年中無休

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 長崎ペンギン水族館条例
  2. ^ 指定管理者導入施設
  3. ^ a b リーフレット「長崎ペンギン水族館ガイド」より。
  4. ^ a b c d e f g パンフレット「世界一の長崎ペンギン水族館物語」(2015年7月発行版)より。
  5. ^ 国内で展示されているのは他にアクア・トトぎふのみ。
  6. ^ 展示の開始前・終了後にペンギンたちが館内を通って飼育場とビーチを往来する様子も観察できる。
  7. ^ a b c d e f g 白井和夫『ペギーちゃん誕生』昭和堂印刷出版事業部 1976年
  8. ^ このうち4羽は来館5日~67日後にアスペルギルス症で死亡。残りの7羽は「ぺん吉」「ぎん子」「かん子」「極夫」「南子」「いさむ」「なみえ」と命名された。「極夫」は来館時まだヒナであった。この7羽も1966年1996年にかけて全て死亡した。
  9. ^ 国内繁殖2例目(後述する「ペギー」の妹)として生まれたメスのキングペンギン。

外部リンク[編集]