ドチザメ

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ドチザメ
ドチザメ
ドチザメ Triakis scyllium
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: メジロザメ目 Carcharhiniformes
: ドチザメ科 Triakidae
: ドチザメ属 Triakis
: ドチザメ T. scyllium
学名
Triakis scyllium
Müller & Henle, 1839[1][2]
和名
ドチザメ[2]
英名
Banded houndshark[1]

Triakis scyllium distmap.png

ドチザメ (Triakis scyllium) は、ドチザメ科に分類されるサメ。漢字では「奴智鮫」。

分布[編集]

太平洋北西部[1]

大韓民国中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国日本ロシアウラジオストク周辺および千島列島南部)[1]

生態[編集]

比較的水深の浅いところを好み、岩礁域や藻場にも現れる。海底近くを泳ぎ、遊泳力は強くない。しばしば海底で休んでいる姿が見られる。河口など比較的低塩分の環境にも耐える。

形態[編集]

最大全長は150cm[3]。体型は細長い流線型。吻はやや長く扁平で丸い。背側の体色は黒色から灰色で、オリーブや褐色がかることもある。体側に複数の暗色横帯や斑模様が見えることもある。腹側は白色。背鰭はやや後方に位置し、尾鰭は上葉が長く伸びて面積が広い。頭部には短い2本の鼻弁を備え、口の周りには唇のような皺がある。

生態[編集]

小魚や甲殻類、その他の底生生物を捕食する。ほとんど単独で行動し、群れることはないが、山形県飛島では5月から7月にかけて多くのドチザメが集まる[4]

胎生胎盤を形成しない卵黄依存型。産仔数は10-24尾[1]。伊豆半島近海では雄は全長93-103cm、5-6歳、雌は106-117cm、6-7歳で成熟する[1]。出生時の全長は18-20cm[1]。寿命は雄15年、雌18年[1]

2016年には、富山県魚津水族館の雌しかいなかった水槽内で幼魚が2匹生まれるという珍事が起きた(2009年と2013年に続き3度目)[5]。このことから、単性生殖を行う可能性が示唆されている[6]

人間との関係[編集]

性格は穏便で、積極的に人を襲うことはないが、噛む力(咬合力)は、それなりに強いので注意を要する。 多くの生息地で食用とされるが、日本の一部地域では食用としないこともある[1]。一方で日本でも南日本の一部地域では「モダマ」などと呼称し、食用とされることもある[1]。水族館で展示されたりスキューバダイビングで観察されることもあり、後者の一例として山形県の飛島では本種を観察できるダイビングスポットがある[1]

本種の分布域は漁業が盛んで大韓民国・中華人民共和国・日本のEEZ内でのエイ・サメ類の漁獲量および台湾のEEZ内でのサメ類の漁獲量が、資源量枯渇に伴い1950年代と比較して激減していることから、本種の生息数も減少していると考えられている[1]。刺し網漁・トロール漁・延縄漁などによっても混獲される[1]。日本では日本海側の岩礁では本種に対する漁業圧が低くなると考えられていたが、近年はこうした環境でも延縄漁が行われている[1]

日本では食用に漁獲されることはなく、各地で他の魚類に混じって混獲される程度である。食用にすることは可能であり、淡白な白身で癖がなく美味だという。

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Rigby, C.L., Walls, R.H.L., Derrick, D., Dyldin, Y.V., Herman, K., Ishihara, H., Jeong, C.-H., Semba, Y., Tanaka, S., Volvenko, I.V. & Yamaguchi, A. 2021. Triakis scyllium. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T161395A124476903. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T161395A124476903.en. Downloaded on 27 April 2021.
  2. ^ a b 本村浩之 『日本産魚類全種目録 これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名』、鹿児島大学総合研究博物館、2020年、10頁。
  3. ^ Triakis scyllium, Banded houndshark : fisheries
  4. ^ 仲谷一宏 (2011). サメ-海の王者たち-. ブックマン社. pp. 184 
  5. ^ メスしか泳いでないのになぜ? 赤ちゃんザメ誕生 富山”. 朝日新聞 (2016年8月25日). 2016年9月6日閲覧。[出典無効]
  6. ^ テレ朝ニュース-メスだけの水槽で…「ドチザメ」の赤ちゃん生まれる[出典無効][リンク切れ]

関連項目[編集]