フンボルトペンギン

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フンボルトペンギン
フンボルトペンギン
フンボルトペンギン Spheniscus humboldti
保全状況評価
VULNERABLE (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svg
分類
: ペンギン目 Sphenisciformes
: ペンギン科 Spheniscidae
: フンボルトペンギン属 Spheniscus
: フンボルトペンギン S. humboldti
学名
Spheniscus humboldti
Meyen, 1834
英名
Humboldt Penguin
Humboldt Penguin.png
フンボルトペンギンの生息域

フンボルトペンギン(学名:Spheniscus humboldti)は、フンボルトペンギン属に属するペンギン。一般的に亜種はいないとされているが、異議を述べる学者[誰?]もいる。体長約70cmと中型。

種小名の humboldti および和名のフンボルトはドイツの地理学者であるアレクサンダー・フォン・フンボルトに由来する。

分布[ソースを編集]

フンボルト海流が流れ込む南アメリカの沿岸地域に暮らしており、主にペルーフォカ島(南緯5度)からチリアルガロボ(南緯33度)にかけて繁殖しているほか、南緯42度のチロエ島にも繁殖地がある[1]

生態[ソースを編集]

一生を巣と海を往復して過ごす。トンネルを掘り巣にするほか、海岸の洞窟や丸石の間などを利用するが、ときには地表面にも巣を作るときがある[1]。卵を2個産み、40日ほどで孵化する[1]

Sibley分類体系上の位置[ソースを編集]

シブリー・アールキスト鳥類分類
ミズナギドリ上科 Procellarioidea

生息の現状[ソースを編集]

本来の生息地である南米では、産卵場の環境破壊、餌のの乱獲など人為的影響やエルニーニョなどにより個体数の減少が続き[1]、野生種は2005年には約1万羽にまで減少したとされる。国際自然保護連合 (IUCN) のレッドリストで絶滅の危機が増大している「危急」 (VU - Vulnerable) に指定されている。また、ワシントン条約付属書Iに指定されており、取引が厳しく制限されている。

人間との関係[ソースを編集]

フンボルトペンギンは、南アメリカ沿岸地域の温帯に生息しており[1]、日本の気候で飼育しやすいため、水族館や動物園で見かけることが多い[2]。日本はでもっとも飼育頭数の多いペンギンであり、飼育頭数は70以上の施設で1600羽を超えているといわれ、日本におけるペンギンの飼育頭数の約1割を占める[2]。この数は世界的にみても大きな数である。飼育しやすい日本の気候に加え、孵卵器で雛を孵す技術や病気の治療法が確立させ、順調に繁殖させてきた背景がある。[3]

一方で、絶滅危惧種であるフンボルトペンギンであるが、日本の動物園では増えすぎが問題となっている。そのため、現在は産卵された卵の9割を石膏や紙粘土などで作った擬卵とすりかえて繁殖を抑制する事態になっているという[3]。もっとも、他の国々では飼育しにくいペンギンであるといわれ、日本の様に大量に増えて飼われている国の方が珍しい。このような経緯で、2006年現在ではチリの飼育担当者が来日して研修を受けたり、チリへ孵卵器を送るなど、日本の繁殖技術を南米に移植する動きが出ている。[4]

画像[ソースを編集]

参考文献[ソースを編集]

  1. ^ a b c d e 藤原幸一 『ペンギンガイドブック』 阪急コミュニケーションズ2002年、118-119頁。ISBN 4484024152
  2. ^ a b Penguin Library フンボルトペンギン”. HOSHIZAKI. 2016年7月1日閲覧。
  3. ^ a b “絶滅危惧のフンボルトペンギン、日本では“増え過ぎ””. 読売新聞. (2006年7月9日) 
  4. ^ “フンボルトペンギン:絶滅の危機、救いたい チリの飼育担当者、都内で研修”. 毎日新聞. (2006年2月5日) 

関連項目[ソースを編集]

  • 下関市立しものせき水族館(山口県下関市) - 2Fの「フンボルトペンギン特別保護区」は、チリ国立サンチアゴ・メトロポリタン公園よりフンボルトペンギンの生息域外重要繁殖地として指定を受けている。

外部リンク[ソースを編集]