朝比奈沙羅

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獲得メダル
日本の旗 日本
女子 柔道
世界柔道選手権
2017 マラケシュ 無差別
2017 ブダペスト 78kg超級
世界団体
2017 ブダペスト 70kg超級
グランドスラム
2016 東京 78kg超級
2017 パリ 78kg超級
2017 エカテリンブルグ 78kg超級
2017 東京 78kg超級
2014 東京 78kg超級
2012 東京 78kg超級
ユニバーシアード
2015 光州 78kg超級
世界ジュニア
2014 フォートローダーデール 78kg超級
世界ジュニア団体
2014 フォートローダーデール 70kg超級
世界カデ
2011 キエフ 70kg超級

朝比奈 沙羅(あさひな さら、1996年10月22日 - )は、東京都出身の日本人女子柔道選手。階級は78kg超級。身長176cm。体重135kg。握力は右51kg、左48kg。バスト133cm。リーチ180cm。血液型はA型。組み手は右組み。段位は四段。得意技は払腰支釣込足。現在は東海大学に在学[1][2][3]

経歴[編集]

柔道は小学校2年の時にアテネオリンピックの100kg超級決勝で鈴木桂治タメルラン・トメノフ小外刈で破った試合に感銘を受けたことがきっかけで、講道館にある春日柔道クラブで始めた。道場の2年先輩にはベイカー茉秋、1年先輩にはウルフ・アロンがいた。一方で、水球の選手であった父親の影響を受けて、水球、競泳バスケットボールなどにも取り組んでいた[2][4][5]。小学校5年の時には全国少年柔道大会の団体戦で3位になった[1]

渋谷教育学園渋谷中学2年の時には全国中学校柔道大会の70kg超級で優勝した[1]全日本選抜少年柔道大会団体戦でも同級生の柿澤史歩などとともに活躍して同校初の全国優勝へ導いた[1]。3年になると16歳以下の世界一を決める大会である世界カデに出場して、決勝では地元ウクライナの身長2mにも達するエリザベータ・カラニナ払巻込からの袈裟固で破るなど、5試合をオール一本勝ちして優勝を飾った[2][6]。その直後の全国中学校柔道大会では3回戦で敗れて2連覇はならなかった[1]。続く講道館杯では準々決勝で世界選手権無差別3位である近畿大学3年の橋口ななみ大外巻込で破るなどして、中学生ながら5位となった[1]

渋谷教育学園渋谷高校へ進学直後に初出場した全日本柔道選手権大会では、準決勝で山梨学院大学4年の山部佳苗に払腰で敗れたものの、わずか15歳にして3位に入る健闘を見せた[7]金鷲旗では2位だった。インターハイでは団体戦で2位に終わったものの、個人戦では決勝で富士市立高校2年の滝川真央を2-1の判定で破って、1年生ながら優勝を飾った[8]。続く全日本ジュニアでも優勝した[9]。講道館杯では2回戦でJR東日本白石のどかに敗れた[1]。12月にはグランドスラム・東京に出場すると、準決勝でロンドンオリンピック金メダリストであるキューバのイダリス・オルティス大腰で敗れたものの、16歳にして3位入賞を果たした[10]。2013年2月にはヨーロッパオープン・ソフィアでシニアの国際大会初優勝を飾った[11]。3月の高校選手権無差別では、決勝で新田高校2年の月波光貴穂を合技で破って優勝を飾った[12]。2年の時には8月のインターハイ準決勝で滝川に技ありで敗れて2連覇はならなかった[1]。11月の講道館杯では高校2年にして優勝を果たした[1]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で綜合警備保障田知本愛に指導2で敗れるなどして5位にとどまった[1]。2014年3月には右足小指を骨折して暫く戦列を離れていた。3年の時には復帰戦となった9月の全日本ジュニア決勝で大阪体育大学2年の山本沙羅を合技で破って2年ぶり2度目の優勝を飾った[13]。10月の世界ジュニアでは準決勝で指導3勝ちした以外は全て一本勝ちして優勝を飾った[14]。団体戦でも決勝のフランス戦を始め全試合に一本勝ちしてチームの優勝に貢献した[15][16]。11月の講道館杯では準決勝まで全て一本勝ちすると、決勝では山梨学院大学4年の井上愛美を指導3で破って2連覇を達成した[17]。12月のグランドスラム・東京では、準決勝で田知本愛を指導2で破るも、決勝では三井住友海上稲森奈見大内刈で敗れて2位にとどまった[1]

2015年4月には東海大学へ進学した[1]。7月にはユニバーシアードに出場すると、決勝で地元韓国の金珉程を大学に入ってから身に付けたという大腰で破って優勝を飾った[18][19]。団体戦では決勝の韓国戦で2-2となった場面で登場すると、個人戦に続いてキムに隅落で勝利してチームを優勝に導いた[20][21]。9月の全日本ジュニアではオール一本勝ちして2年連続3度目の優勝を果たした[22]。11月の講道館杯決勝では昨年のグランドスラム東京で敗れた稲森を有効で破り、今大会3連覇を達成した[23]。続くグランプリ・チェジュでは、5試合をオール一本勝ちしてIJFワールド柔道ツアー初優勝を飾った[24]。12月のグランドスラム・東京では準々決勝でフランスのマリーヌ・エルと対戦すると、反則負けの対象となる立ち姿勢から体を捨てた脇固めを仕掛けて7位だった。今回の結果により冬季ヨーロッパ遠征に参加できず、リオデジャネイロオリンピック代表の座も遠のいた[1][25]

2年の時には4月の選抜体重別準決勝で大学の8年先輩である田知本愛を有効で破るも、左足を骨折した。それでも決勝には出場するが、ミキハウス山部佳苗に指導2で敗れて2位にとどまった[26]。復帰戦となった10月の学生体重別では決勝で帝京大学の月波をGSに入ってから内股の技ありで破って優勝した[27]。11月の講道館杯では決勝で南筑高校1年の素根輝を有効で破って、女子では史上初となる今大会の4連覇を達成した[28]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で山部に合技で一本勝ちすると、決勝でも素根をGSに入ってから指導2で破って、今大会5度目の出場にしてようやく初優勝を果たした[29]。2017年2月のグランドスラム・パリでは準決勝でリオデジャネイロオリンピック金メダリストである地元フランスのエミリ・アンデオルを横四方固で破ると、決勝でも山部に反則勝ちして今大会オール一本勝ちで初優勝を飾った[30]

3年の時には4月の体重別初戦でミキハウスの山本沙羅に敗れた[31]。続く全日本選手権では最初の2試合をGSに入ってから勝利すると、準々決勝では2週間前に敗れた山本との再戦になり、GSを含めて11分45秒もの戦いの末に大内返で有効を取って雪辱した。準決勝では三井住友海上高山莉加を終盤になってから払腰で破ると、決勝では田知本から指導2を取った後の終盤に払巻込の有効で破り今大会初優勝を成し遂げて、世界選手権代表に選出された[32][33]。5月のグランドスラム・エカテリンブルグでは決勝でドイツのヤスミン・キュルブスを払巻込の技ありで破って優勝した[34]。9月の世界選手権では準々決勝までの3戦を一本勝ちすると、準決勝ではトルコのカイラ・サイトをGSに入ってから支釣込足の技ありで破った。決勝では于頌と対戦すると、指導1を先取しながらGSに入ってから指導2を取り返されて銀メダルにとどまった[35]世界団体では決勝のブラジル戦でマリア・アルテマンを横四方固で破ったのを始め全勝してチームの金メダルに貢献した[36]。なお、9月いっぱいで東海大の柔道部を退部した。関係者によると、「強化方針に対する考え方の相違」などが理由だという。ここ最近は柔道部にほとんど顔を見せていなかった。今後は同大に在学しながらも、フリーの立場で独自に練習を続けるという[37]。本人によれば、退部理由は東京オリンピック後に医学部へ進学できるように、「勉強含めて自分の時間が欲しかった」からだと述べている[38]。11月の世界選手権(無差別)では準決勝で過去3戦全敗だったオルティスを縦四方固で破ると、決勝では世界ランキング2位であるボスニアヘルツェゴビナのラリサ・ツェリッチから支釣込足で2度技ありを取った後に崩上四方固で破るなどオール一本勝ちして優勝を飾った。また、今大会を優勝したことで1000万円以上の賞金を獲得した。さらには、高藤直寿近藤亜美に続いて史上3人目の世界カデ、世界ジュニア及びシニアの世界選手権の3カテゴリを制することにもなった[39][40][41]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で稲森を技ありで破ると、決勝では素根に反則勝ちして大会2連覇を飾った[42][43][44]。2018年1月には東京オリンピックで金メダルを獲得したら、続くグランドスラム・東京にオリンピックチャンピオンにのみ与えられるゴールドゼッケンを付けて出場した後に引退する予定であることをあきらかにした[45]

世界ランキング[編集]

IJF世界ランキングは4650ポイント獲得で2位(18/2/5現在)[46]

  • 世界ランキングの年度別変遷
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
順位 39 48 35 30 25 2

(出典[1]JudoInside.com)。

人物[編集]

  • 愛知学院大学で歯科麻酔学を教えている麻酔歯科医の父親と歯科医の母親の影響もあって、将来は医学部を目指している[49]。2015年に東海大学の医学部を受験したものの合格はならなかった。そのため東海大学の体育学部に進学した。2020年の東京オリンピックまでは柔道に専念するという。その後は再び医学部を目指す予定[50][51]

戦績[編集]

(出典[1]JudoInside.com)。

有力選手との対戦成績[編集]

(2018年2月現在)

対戦成績
国籍 選手名 内容
日本の旗 田知本愛 3勝2敗
日本の旗 山部佳苗 1勝2敗
日本の旗 素根輝 3勝
キューバの旗 イダリス・オルティス 1勝3敗
中華人民共和国の旗 于頌 1敗
フランスの旗 エミリ・アンデオル 3勝
大韓民国の旗 金珉程 5勝

(参考資料:ベースボールマガジン社発行の近代柔道バックナンバー、JudoInside.com等)。

IJFワールド柔道ツアーにおける獲得賞金一覧[編集]

大会 開催日 順位 獲得賞金
グランドスラム・東京2012 2012年12月5日 3位 1,500ドル
世界ジュニア 2014年10月25日 優勝 1,600ドル
グランドスラム・東京2014 2014年12月7日 2位 2,400ドル
グランプリ・チェジュ 2015年11月28日 優勝 2,400ドル
グランドスラム・東京2016 2016年12月4日 優勝 4,000ドル
グランドスラム・エカテリンブルグ2017 2017年5月21日 優勝 4,000ドル
世界選手権 2017年9月2日 2位 12,000ドル
世界選手権(無差別) 2017年11月12日 優勝 95,000ドル(10万ユーロ)
グランドスラム・東京2017 2017年12月3日 優勝 4,000ドル
9大会 163,300ドル
  • 日本選手の場合は、獲得賞金の半分は全柔連の取り分となっていたが、2013年3月からは競技者規定が改訂されて、賞金は全額選手が受け取れることになった[52]。2014年7月からはIJF主催の各大会でコーチにも賞金が支給されるようになったために、選手の賞金が従来の2割減となった[53]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「柔道全日本強化選手名鑑 2017」近代柔道 ベースボールマガジン社、2017年4月号
  2. ^ a b c 「解体新書 朝比奈沙羅」近代柔道 ベースボールマガジン社、2015年1月号 28頁-31頁
  3. ^ 朝比奈沙羅選手が特別昇段”. 講道館. 2017年12月28日閲覧。
  4. ^ 柔道期待の星 朝比奈沙羅さん(14) 読売新聞、2011年9月10日
  5. ^ 朝比奈沙羅 柔道で五輪と医師の夢 中日スポーツ、2015年9月2日
  6. ^ 2011 Cadet WC - Kiev
  7. ^ 15歳の朝比奈、初出場で3位 全日本女子 時事通信 2012年4月15日
  8. ^ 柔道78キロ超級 1年生朝比奈沙羅がインハイ制覇 スポーツニッポン 2012年8月7日
  9. ^ 期待の15歳 女子78キロ超級で朝比奈が初優勝 スポーツニッポン 2012年9月9日
  10. ^ 女子高生朝比奈3位にも悔し涙/柔道 日刊スポーツ 2012年12月2日
  11. ^ 16歳の朝比奈が優勝=柔道欧州オープン 時事通信 2013年2月4日
  12. ^ 女子無差別級は朝比奈がV スポーツニッポン 2013年3月19日
  13. ^ 大器の朝比奈が復活V「休んでいても強いんだぞと」/柔道 サンケイスポーツ 2014年9月14日
  14. ^ Junior World Championships
  15. ^ 世界ジュニア 日本が男女とも団体V 産経新聞 2014年10月27日
  16. ^ Junior World Championships, Fort Lauderdale 2014 DAY 5
  17. ^ 17歳阿部が初優勝=朝比奈は連覇-講道館杯柔道 時事通信 2014年11月8日
  18. ^ 柔道の原沢、朝比奈が金 ユニバーシアード  日刊スポーツ 2015年7月4日
  19. ^ 朝比奈、新たな武器で金=ユニバーシアード・柔道女子 時事通信 2015年7月4日
  20. ^ 日本、柔道団体は男女とも金 光州ユニバ 日本経済新聞 2015年7月8日
  21. ^ 大将朝比奈、金もたらす=成長示した日本女子-ユニバーシアード・柔道女子 時事通信 2015年7月8日
  22. ^ 朝比奈、鍋倉ら優勝=男子は向、小川が連覇-全日本ジュニア柔道 時事通信 2015年9月13日
  23. ^ 朝比奈が3連覇=阿部は3位-講道館杯柔道 時事通信 2015年11月7日
  24. ^ Jeju Grand Prix 2015
  25. ^ グランドスラム東京2015
  26. ^ 平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  27. ^ 朝比奈、復帰戦飾る=全日本学生体重別柔道 時事通信 2016年10月1日
  28. ^ 朝比奈、女子初の4連覇=男子73キロ級は立川制す-柔道講道館杯 時事通信 2016年11月12日
  29. ^ 女子78キロ超級は朝比奈が初優勝 柔道グランドスラム東京大会 日本経済新聞 2016年12月4日
  30. ^ 【柔道】78キロ超級の朝比奈がGS2連勝、リオ女王も倒し「1つ1つタイトルを」 パリ大会 サンケイスポーツ 2017年2月13日
  31. ^ 平成29年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  32. ^ 柔道全日本女子選手権 朝比奈が初優勝 NHK 2017年4月16日
  33. ^ 朝比奈ら選出=世界選手権代表出そろう-柔道女子 時事通信 2017年4月16日
  34. ^ 女子は朝比奈、梅木らが優勝 男子は長沢がV/柔道 サンケイスポーツ 2017年5月21日
  35. ^ 柔道世界選手権 女子78キロ超級 朝比奈が銀メダル NHK 2017年9月3日
  36. ^ 日本が男女混合団体で金メダル 決勝でブラジルを圧倒 産経新聞
  37. ^ 異例!?朝比奈沙羅、東海大柔道部を9月末に退部 独自で練習し東京五輪目指す/柔道 サンケイスポーツ 2017年10月8日
  38. ^ 朝比奈沙羅が茶髪姿を披露、五輪後医学部受験も視野 - 柔道 日刊スポーツ 2017年11月8日
  39. ^ 比奈が優勝=世界無差別級柔道 時事通信 2017年11月13日
  40. ^ 朝比奈沙羅オール一本勝ちV 異例の賞金1000万 日刊スポーツ 2017年11月14日
  41. ^ Asahina dominates the Open World
  42. ^ 小川、男子100キロ超級制す=朝比奈は連覇-柔道GS東京 時事通信 2017年12月3日
  43. ^ 朝比奈、ライバル対決は指導で決着「互角だった。うかうかしていられない」/柔道 サンケイスポーツ 2017年12月3日
  44. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  45. ^ 朝比奈沙羅「あと3年」で引退決断その裏に両親の姿 日刊スポーツ 2018年1月15日
  46. ^ World ranking list
  47. ^ 柔道の全日本女子選手権で初優勝した朝比奈沙羅(あさひな・さら)さん
  48. ^ 「朝比奈沙羅」 に関するテレビ情報
  49. ^ 15歳4強朝比奈は医学部志望 日刊スポーツ 2012年4月15日
  50. ^ 【柔道】世界ジュニア王者・朝比奈が医学部受験の意向 スポーツ報知 2014年11月7日
  51. ^ 朝比奈、医学部受験失敗は「いい経験になった」 体育学部で進学へ/柔道 サンケイスポーツ 2015年2月16日
  52. ^ 競技者規定 - 財団法人 全日本柔道連盟
  53. ^ Judo Grand Slam, Tyumen 2014

外部リンク[編集]