パプリカ

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パプリカ
Capsicum1.jpg
さまざまな色のパプリカ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: トウガラシ属 Capsicum
: トウガラシ C. annuum
栽培品種 : パプリカ C. annuum 'grossum'
学名
Capsicum annuum L. 'grossum'
和名
パプリカ
英名
bell pepper

パプリカナス科多年草であるトウガラシ属トウガラシ栽培品種。または香辛料のこと。日本では肉厚で辛みが無く甘いCapsicum annuum 'grossum'の品種を呼ぶ。日本で流通する果実の多くは赤色や黄色、橙色であるが、紫色、茶色などの品種もある。また着色料(パプリカ色素)としても使われる。

特徴[編集]

Cachi 02.jpg

唐辛子の主な辛み成分のカプサイシン劣性遺伝子のため、ピーマンシシトウガラシと同じく果実に辛みをもたないトウガラシの栽培品種である。パプリカは肉厚で部屋数が3–4室に分かれた綺麗なベル形を形成する品種である。パプリカの果実はやや大型となり、辛みが無い、もしくはほとんど無い。

果皮はやや硬いが、果肉は豊富な果汁を含み肉厚で糖度が高い。果実は加熱調理するほか生でも食べられる。栄養素の構成もピーマンに似るが、ビタミン様物質の一種であるビタミンPを含んでいる。ビタミンPはビタミンCを壊れにくくし、またその抗酸化作用の性質を高める効果をもつため、加熱調理してもビタミンCが失われにくい。

利用・生産[編集]

パプリカの品種をつくり育てたのはハンガリーで、現在も一大産地として知られる。ハンガリー料理にパプリカは欠かせない存在で、シチュー料理グヤーシュをはじめ、数多くの料理に用いられ、かつては国をあげてパプリカを生産保護していた程であった。アメリカでの主な産地はカリフォルニア州テキサス州。その他の主な生産国として、韓国オランダニュージーランドなどがある。日本国内でも、宮城県熊本県などで生産されている。 日本ではかつてはオランダからのパプリカの輸入が多かったが、近年はオランダの種子と施設を導入した韓国産が増えている[1]

香辛料[編集]

香辛料としてのパプリカは、唐辛子を粉末状にしたものであり辛味のあるものもある。日本で野菜として流通しているパプリカとは別品種で日本では辛味のないタイプが一般的[2]。唐辛子にも似た独特の風味を持つが、味や風味が穏やかなため、大量に投入しても料理の味を損なわないと言われる。鮮やかな赤色で、黒く焦がさない限りは調理しても赤みを保つため、料理を彩る色彩としても用いられる。

名称[編集]

パプリカは、コロンブスによってヨーロッパへ持ち帰られた。この時、当時のヨーロッパで胡椒が珍重されていたことから、"pepper"(胡椒および唐辛子の意味)の名が付けられた。

果実の呼び名は国毎に異なり、「胡椒」(black pepper) と「唐辛子」(chili pepper) のどちらかで呼ばれている。イギリスでは単純にpepper及び、その色合いに合わせて: "red pepper": "green pepper"だが、イギリス連邦では: "capsicum"(唐辛子)と呼んでいる。アメリカ合衆国では果実と品種を: "bell pepper"と呼んでいるが、その色合いに合わせて: "red pepper": "green pepper"などの呼び名も通じる。ロシアではブルガリアの胡椒を意味する: "болгарский перец (bolgarskiy perets)"。フランスは例外でピーマンと一括りにされ: "poivron"(ポワヴロン)と呼ばれている。

この果実から作られる香辛料は"paprika"と呼ばれる。これは、唐辛子全般を指すクロアチア語由来のハンガリー語が転用された呼び名である。日本では品種も果実も香辛料も全てパプリカと呼ばれている。

関連項目[編集]

ハンガリー料理 - パプリカを使った料理が多い

外部リンク[編集]

  1. ^ 韓国のパプリカの生産および輸出状況-海外情報−2015年11月 2016-04-18閲覧
  2. ^ S&B エスビー食品株式会社 2016-04-18閲覧