ミント
ミント | ||||||||||||||||||
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![]() ホースミントの花と葉
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Mentha L. | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
ハッカ | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Mint | ||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
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ミント(女無天、mint)は、シソ科ハッカ属(ミント属、メンタ属)の総称。多くの種は多年草だが、一年草の種も存在する。ユーラシア大陸原産。名称は、ギリシャ神話で植物に変身したニンフであるメンテー(Μίνθη)に由来する。
和名はハッカ(薄荷)だが、この名はミントの1種ニホンハッカを意味することもある。
特徴[編集]
繁殖力が旺盛であり、零れ種と地下茎により繁殖する。畑地に地植えすると駆除が容易ではなくなり、雑草扱いされることもある。
利用[編集]

葉は、爽快味および冷涼感を与えるメントールに富むため、ハーブとして料理、カクテルや菓子、薬用酒などの材料となるほか、精油(エッセンシャルオイル)は香料として食品や歯磨き粉に添加されたり、アロマテラピーや消臭や虫除けに用いられる[1]。モロッコでは緑茶と生のミントを混ぜた茶を飲む。精油はハッカ油、メントールの結晶はハッカ脳の名称で市販され、かつて北海道北見市が世界的な産地であったことから、北海道内の土産屋の定番商品となっている。
ミントから精油を取るには、ミントの全草を蒸気釜に隙間無く充填し、釜内に高圧水蒸気を吹き込む。排出される蒸気を冷却した後、水と分離した上澄みのオイル部分を採取する(水蒸気蒸留)。
医療用途[編集]
伝統医療でも用いられており、漢方薬(生薬名:薄荷葉(はっかよう))としても清涼、解熱、発汗、健胃などの目的で用いられる[1]。
科学的研究では、ハッカ油は過敏性腸症候群(IBS)の症状を改善しうる(may improve)と報告されている[1]。消化不良も改善しうるとの研究結果があるがエビデンスは限定される[1]。
かつて、ミントはデザイナーフーズ計画のピラミッドで3群に属しており、3群の中でも、キュウリ、オレガノ、タイム、アサツキと共に3群の中位に属するが、癌予防効果のある食材であると位置づけられていた[2]。
種類[編集]
変種が出来やすく600種を超えると言われるほど多種多様な種がある。
ペパーミント系とスペアミント系[編集]
主に
などに分けられる。
ペパーミント系は香りが強く、メントールの含有量も多い。東アジア原産のニホンハッカ(和種薄荷(わしゅはっか))もここに含まれる。チューインガムやキャンディに多く用いられる。
スペアミント系の香りは比較的弱く、甘い香りがある。チューインガム、歯磨き粉などに用いられる。スペアミントの香りの主体はl-カルボンである。日本には江戸時代にオランダハッカが渡来した。
初摘みミント[編集]
その年、花が咲く前最初に刈り取ったミントをいう。雑味が少なくフレッシュな香りが特徴的。およそ6月から9月の間に花が咲くので、収穫時期はそれと同じくらいか少し前。花が咲くとエネルギーがそこに注力し、香りが弱くなってしまうことからこの概念が生まれた。初摘みミントを使ったチューインガム[3]、お酒、香りを楽しむオイル[4]、餃子[5]などが商品化されている。
主な種[編集]
- Mentha aquatica - ウォーターミント、ミズハッカ (Water Mint, Marsh Mint)
- Mentha arvensis - コーンミント、ヨウシュハッカ (Corn Mint, Wild Mint, Field Mint)
- Mentha asiatica - アジアンミント (Asian Mint)
- Mentha australis - オーストラリアンミント (Australian Mint)
- Mentha canadensis - ニホンハッカ (Japanese Peppermint)
- Mentha cervina - ハーツペニーロイヤルミント (Hart's Pennyroyal)
- Mentha citrata - ベルガモットミント、ベルガモットハッカ (Bergamot Mint)
- Mentha crispata - Wrinkled-leaf Mint
- Mentha cunninghamia
- Mentha dahurica - Dahurian Thyme
- Mentha diemenica - Slender Mint
- Mentha gattefossei
- Mentha gentilis
- Mentha grandiflora
- Mentha haplocalyx - タイワンハッカ
- Mentha japonica - ヒメハッカ
- Mentha kopetdaghensis
- Mentha laxiflora - フォレストミント (Forest Mint)
- Mentha longifolia - ホースミント (Horse Mint)
- Mentha nemorosa - Large Apple Mint, Foxtail Mint, Hairy Mint, Cuban Mint
- Mentha pulegium - ペニーロイヤルミント、メグサハッカ (Pennyroyal)
- Mentha requienii - コルシカミント (Corsican Mint)
- Mentha royleani
- Mentha sachalinensis
- Mentha satureioides - Native Pennyroyal
- Mentha spicata - スペアミント、ミドリハッカ (Spearmint, Curly Mint)
- Mentha suaveolens - マルバハッカ、アップルミント (Apple Mint, Pineapple Mint)
- Mentha vagans - Gray Mint
主な雑種[編集]
- Mentha × gracilis - ジンジャーミント (Ginger Mint)
- Mentha × piperita - ペパーミント、セイヨウハッカ (Peppermint)
- Mentha × rotundifolia (M. longifolia × M. suaveolens) - マルバハッカ(M. suaveolensもマルバハッカという)(False Apple-mint)
- Mentha × smithiana (M. aquatica × M. arvensis × M. spicata) - Red Raripila Mint
- Mentha × villosa (M. spicata × M. suaveolens; syn. M. cordifolia) - ケンタッキーカーネルミント、ボールズミント
- Mentha × villosonervata (M. longifolia × M. spicata) - Sharp-toothed Mint
脚注[編集]
- ^ a b c d Peppermint Oil (Report). アメリカ国立補完統合衛生センター. (2012-04). D365 .
- ^ 大澤俊彦、「がん予防と食品」『日本食生活学会誌』 2009年 20巻 1号 p.11-16, doi:10.2740/jisdh.20.11
- ^ ロッテ - GREEN GUM、ロッテ、グリーンガム、2014年5月16日閲覧。
- ^ マイナビニュース、マイナビニュース、2014年5月19日閲覧。
- ^ R25、R25、2014年5月16日閲覧。