界王

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界王(かいおう)とは、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』、およびそれを原作としたアニメ作品などに登場する架空のキャラクターたち。

本項ではその上に立つ界王神、並びに界王や界王神の従者たちについても併せて解説する。

概要

『ドラゴンボール』の作品世界において、界王と界王神たちは宇宙を管轄する存在として登場する。大界王神を頂点として、その下に東西南北の方角を司る4人の界王神がおり、さらにその下に大界王と東西南北の銀河を担当する4人の界王が存在する。作中では当初、北銀河の界王は単に「界王」と呼ばれており、全宇宙の頂点に立つ存在とされていた。その後、他にも「界王」と呼ばれる人物のほか、界王の上に立つ存在である界王神が登場したため、便宜的にこのように呼ばれるようになった。作中の舞台になっている宇宙は全部で12あるうちの「第7宇宙」に属しており、第7宇宙で起こる様々な出来事は、界王や界王神たちによって中立的な立場で見守られ続けている[1]

界王

北の界王と南の界王以外のキャラクターは原作では登場しない。

北の界王/北銀河の界王
- 八奈見乗児ZGT2話 - 12話、映画第6711121518作)、龍田直樹(超14話 - )
北の宇宙を担当する界王。登場当初は単に「界王」と呼ばれ、全宇宙の頂点に立つ存在とされていた。作中で界王とだけ表記する場合の多くは彼のことを指している。
体色は薄い青色で太目の体型をしている。長い触角状のものがついた黒い帽子と丸いサングラスを着用。ダジャレなどのギャグが好きで趣味はドライブ。彼の修行を受ける条件はダジャレで笑わすことで、当人いわく「相当なレベルのシャレでなければ笑わない」が、実際は結構単純なダジャレで笑っている。はるか銀河の彼方の様子を見たり、自身を介して全宇宙に声を伝えることができる能力を持つ。地獄の入口から「蛇の道」を果てしなく進んだところに浮かぶ、地球の10倍の重力を持つ界王星でバブルスと2人暮らしをしており、アニメではグレゴリーも含めた3人暮らしになっている。
かつて閻魔大王に武術の指導をした経験を持ち、自身も高い戦闘力を持つが[2]、地球に来襲する2人のサイヤ人であるベジータナッパは自分よりも強いと語っており、立場上の問題もあるため戦線に加わることはなかった。本編ではサイヤ人との戦いに備えて界王星を訪れた孫悟空に界王拳と元気玉を伝授し、サイヤ人との戦いで死亡したヤムチャ天津飯餃子ピッコロの指導も行った。ただし、フリーザについては恐れを抱いており、彼らにも「フリーザには絶対に関わるな」と念を押した。
セルゲームで悟空が自爆寸前のセルを界王星に連れてきたためにセルの自爆に巻き込まれ死亡し、セルゲーム後のドラゴンボールの願いで生き返ることが可能だったが、悟空に付き合うためにあえて死んだままになった。ただし、元々あの世で暮らしていたため、死んでも頭上に輪がついただけで生前と変わりなく生活している。アニメ『ドラゴンボールZ』では、死んでいることについて他の界王に馬鹿にされるシーンがあり、後に「北の界王死んじゃった記念」という不謹慎な名目であの世一武道会が開催された。そのため、他の界王たちと口論したり啀み合ったりする時も頻繁にあった。また、劇場版『ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』では他の3人の界王とともに凶悪な銀河の無法者だった「ヘラー一族」の生き残りを封印していたが、自身が死亡したため、その封印が解けたというエピソードも描かれた。魔人ブウ戦の終盤においては、元気玉の気を集めるために地球人全体に呼びかける手助けをした。
劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』では、界王星がかつては大きい星だったが、ビルスがかくれんぼで負けた腹いせに現在の大きさになるまで破壊したことが語られた。セルに破壊される前の大きさに復元しており、「この大きさがお気に入りなんですね」とウイスに言われている。また、破壊神ビルスを「強さの次元が違う」と恐れていた。
ドラゴンボール超』では、自分の能力を使えば壊れた家や車を簡単に直せるものの、暇つぶしのために自分の手作業で直している。神龍が出てくるたびに自分たち(北の界王、バブルス、グレゴリー)が生き返るのを少しだけ期待していたが、いつまで経っても生き返らせようとしないため(悟空がすっかり忘れていた)、次に神龍を呼んだら必ず生き返らせるよう悟空に言っているが、超ドラゴンボールのありかを聞き出すために神龍を呼び出した際も忘れられていて生き返ることはなかった。
『ドラゴンボールGT』では第1話に登場し、究極のドラゴンボールによって地球に危機が迫っていることを悟空たちに伝える。また、超一星龍戦において悟空が超ウルトラ元気玉の気を集めるために宇宙全体に呼びかける手助けをし、自分の伝授した元気玉が最後を飾ることを喜んでいた。
ゲーム『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』および『ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説』では原作同様に悟空の修行をつける役として登場し、お助けカードでは使用者の戦闘力を上げる効果を持つ。また、『ドラゴンボール改 アルティメット武闘伝』ではプレイヤーキャラクターとして登場する。
演じた八奈見は当初、どんな性格か見当がつかず、自分が演じるのは無理だと思い、変人と解釈して演じていたが[3]、途中からシリアスな側面を見せ始めたため、真剣そのものの界王をいかに演じ分けられるかをいつも考えていたという[4]。またそんな彼を愛らしく感じ、楽しく演じることができたと語る。
ナメック星編の時期に行われた鳥山明の漫画全般を対象にしたキャラクター人気投票では第17位にランク入りしている[5]
名前の由来は世界の王から[6]

南の界王/南銀河の界王
声 - 西尾徳(Z)、中博史(改)
南の宇宙を担当する界王。大柄な体格。性格は落ち着いているが、見栄っ張りで負けず嫌い。悟空の修行中、北の界王に南の銀河の凄い戦士であるというパポイの存在[7]を自慢しに天国を訪れるが、自らの課した合計40tの重りで修行する悟空を見て愕然とし、負け惜しみを言いながら去る。
原作では修行している悟空を見るのが初対面だが、『Z』ではあの世一武道会が行われた時に姿を見ているため台詞が異なる。『改』では、原作に近い形で修正されている。

西の界王/西銀河の界王
声 - 島田敏 
『Z』第195話で初登場。片眼鏡を着用し、サングラスを着用していない唯一の界王。北銀河の界王よりも小さい身体をしている。北の界王をライバル視し、彼のギャグを「くだらんジョーク」と言うなど衝突していた。ギャンブルが大好き。

東の界王/東銀河の界王
声 - 山本圭子 
『Z』第196話で初登場。気が強く、非常に負けず嫌い。北の界王よりさらに太った中年女性のような風貌をしている。レースが趣味であり、悟空のあの世一武道会への出場を賭けて彼と対決した。クラシックボブの金髪は実は帽子と結合した鬘で、地毛は薄毛であることに北の界王たちは驚愕していた。

大界王
声 - 槐柳二 
『Z』第195話で初登場。原作では名前のみ。
大界王星に住んでおり、東西南北4人の界王様の頂点に立つ存在。ジーパン履きにサングラス着用というファンキーで風変わりな人物。地獄(じごく)の「く」を前に持ってきて「クージゴ」と呼ぶほか、相手を「ちゃん」付けで呼び、閻魔大王も地獄と同じように閻魔の「魔」を前に持ってきて「マエンちゃん」と呼ぶ。作中の戦闘描写はないが、超サイヤ人の悟空を遥かに凌ぐスピードを持つ。セルがフリーザたちを従えて地獄で暴れまわっていることを悟空とパイクーハンに伝え、解決するよう頼んでいた。最近はトレーニングを怠けているため、悟空やパイクーハンとの修行を「疲れるから」という理由で嫌がった。

界王の従者

バブルス
声 - 龍田直樹(Z、映画第6、7、11、12、14作)、藤本たかひろ(改、超、映画第18作) 
界王星に住む猿で、北の界王のペット。重い重力に慣れており、すばしっこい動きを見せるため、界王が悟空への第1の修行として捕まえさせる対象とした。言葉は喋れず「ウッホッホ」と言うのみ。
セルの自爆の巻き添えを受け死亡するが、界王同様に元来はあの世の住人であるため生活に変化はなく、本人も気にしていない様子。
劇場版『ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』では、界王からの伝言で悟空に地獄で暴れているブロリーを退治するように伝えていた。
『GT』にも登場。
名前の由来はマイケル・ジャクソンのペットのチンパンジー「バブルス」から[6]

グレゴリー
声 - 三ツ矢雄二(Z20話 - 55話)、龍田直樹(Z188話 - 194話、映画第11作)、沼田祐介(改、超) 
『ドラゴンボールZ』第20話で初登場。界王星にてもう1人キャラクターが欲しいと、アニメ用に作者がデザインしたキャラクター。バブルス以上に凄まじいスピードで飛び回るバッタに似た生物。界王星に暮らしており、北の界王の身の回りの世話をしている。バブルスを捕まえることに成功した悟空に対し、界王が第2の修行として飛び回る彼をハンマーで叩くことを指示。後にヤムチャたちともこの修行を行うが、約1時間で全員から叩かれる羽目になる。
悟空がセルと自爆した際に界王とバブルス同様に巻き込まれて死亡するが、生活に変化はない。
劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』には、原作準拠の設定のために北の界王やバブルスと異なり登場しないが、『ドラゴンボール超』には登場している。
『GT』にも登場。
アニメオリジナルキャラクターだが、『ドラゴンボール改』にも登場し、修行の場面も収録されている。

界王神

界王神界と呼ばれる世界に暮らす者たち。界王を統べる大界王のさらに上に位置する存在で、誰もが原作におけるフリーザ程度の相手なら一撃で倒せるほどの実力を持つ。世界の運命に関わる重大な事態にはあの世とこの世に干渉することもある。約500万年前[8]、東の界王神を除く4人はいずれもブウによって吸収、あるいは殺された。西の界王神と北の界王神は原作では名前が挙がるのみで、劇中には登場しない。

劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』では、破壊神と対をなす、星や生命を生み出すきっかけを与える創造神でもあることが明かされた[1]

界王神は誰かがなれるものではなく、界王神として生まれる。3人が存在し、交代で勤めているが、現在では2人が勤めている。不慮の事故で界王神が死んだ場合、現在休止中の界王神が界王神界に植物のように生えてくる。何事もなければ、およそ7万5千年ほどが寿命といわれている[9]。アニメ『超』では、第7宇宙と対の関係にある第6宇宙にも界王神は存在することが判明した。

東の界王神
声 - 三ツ矢雄二(Z、改)、太田真一郎(超) 
東の宇宙を担当する界王神。太古に繰り広げられた5人の界王神と魔人ブウの決戦での唯一の生き残り。小柄な少年のような姿をしており、非常に真面目で控えめな性格。魔人ブウと闘った5人の界王神の中では最も若く非力だったとされているが、それでも原作におけるフリーザレベルの相手ならば一撃で倒せるだけの力を持ち、超ナメック星人のピッコロを遥かに凌ぐ実力者[10]。テレパシーなどの読心術や金縛り、物質出現能力などの不思議な力も使用できる。また戦闘では掌や眼力によって衝撃波を放ち、この技でブウ(無邪気)の気功波から悟飯を救っている。アニメではピッコロが彼の気配を感じ取り「力が入らない。戦いにくい」と精神的に圧倒されるシーンがある。
約500万年前[8]、仲間の界王神とともに魔導師ビビディが作り出したブウに戦いを挑むが敗北し、その後はビビディたちの動向を調べながら勝機をうかがう。ある時にビビディが自身の休息のためブウを玉に封印すると、すかさずビビディに戦いを挑み倒すことに成功するが、ブウが封印された玉については刺激を与えて封印が解けることを危惧してその場に放置する。やがて封印の玉はビビディの息子である魔導師バビディに奪われ、それに気付いてキビトとともに調査に乗り出す。
エイジ774の5月7日、バビディの手下と目される者を監視するべく、「シン」という偽名で第25回天下一武道会に出場する。当初は独特の雰囲気を持つ謎の人物として描かれていたが、本選一回戦のピッコロとの対戦にて自身との凄まじい実力差を感じ取ったピッコロが棄権を申し出た[11]ため一回戦を不戦勝で突破する。後に自らの素性を明らかにして、バビディによるブウの復活を阻止すべく悟空たちに協力を呼びかけ、彼らとともにバビディの元へ向かうもブウは復活し、やむを得ず孫悟飯とともにブウに立ち向かうも返り討ちにあう。その後はキビトによって救出され悟飯の実力を認めて、界王神界に伝わる伝説の剣であるゼットソードの在り処へと彼を案内する。
前述した通り戦闘力は決して低くないが、初登場時の時点でサイヤ人の戦闘力はさらにその上を行っており、衝撃波でブウに応戦するも太刀打ちできなかったが、ブウとの戦いの際には念力でブウの気弾の威力を軽減して悟飯の命を救った。また、当初の物静かさで威厳のある態度は回を追うごとに影を潜めていき、次第に安全策を取ろうとする描写や狼狽および驚愕する描写が多くなる。ゼットソードに封印された15代前の界王神の存在やドラゴンボールを知らなかった。後に、ポタラでキビトと合体して「キビト界王神」となった。
魔人ブウとの闘いの後年の時系列に当たる『超』では、地球での悟空らと破壊神ビルスの闘いの後、キビト界王神がポルンガに頼んで、元の東の界王神とキビトに分離させてほしいという願いを叶えてもらい、再び2人に戻った。東の界王神とキビト、老界王神の3人で第6・第7宇宙破壊神選抜の格闘試合を観戦に来ており、悟空らと再会した。
ドラゴンボールZ 真武道会2』では未来世界にて登場。こちらではポタラによる合体はしなかった。
ドラゴンボールZ Sparking!METEOR』では、一人称が「私」から「ボク」になり則巻アラレのファンであると設定された。
キビト界王神
声 - 三ツ矢雄二(Z、映画第18作、改)、太田真一郎(GT、超) 
ポタラで東の界王神とキビトが合体した姿。戦闘力が大幅にアップし、「これなら私も戦えます」と有頂天になるも、「もとが大したことないんだから吸収されるのがオチ」と魔人ブウに吸収されることを老界王神に危惧され戦線には立たず、悟空たちをサポートする役目に徹した。アニメでは、悟空の気を溜める時間稼ぎに、追い詰められるベジータの代わりにブウ(純粋)と戦おうとしたが、「お前さんでは時間稼ぎにもならん」と老界王神に止められた。同じポタラで悟空とベジータが合体したベジットとは異なり、性格も声も変わることはなく界王神が主人格となっている。合体後の名前は原作やアニメ本編では「界王神」と呼ばれていたが、アニメのエンディングでは「キビト界王神」、ゲームでは「キビト神」と表記されている。
魔人ブウとの闘いの後年の時系列に当たる『超』では、地球での悟空らと破壊神ビルスの闘いの後、キビト界王神がポルンガに頼み、元の界王神とキビトの2人に分離させてほしいという願いを叶えてもらい、再び2人に戻った[12]
『GT』ではベビー戦で悟空を窮地から救出するが、誤って彼をスゴロク空間に落とす。その後、ベビーの卵を浄化するために必要な超神水が天界の神殿にあることを知り、ベビーに寄生されたデンデとミスター・ポポに追い駆け回されながらも超神水を手に入れトランクスたちを浄化する。大猿アレルギーらしく、大猿に近づくと蕁麻疹が出るとのこと(合体前のどちらかの体質だったのか合体してアレルギーになったのかは不明)。また、超一星龍戦では「早く逃げましょう」と発言し、老界王神に叱られている。また、老界王神からは「キビト」と呼ばれることもあった。
15代前の界王神
声 - 野本礼三(Z、GT)、岩永哲哉(Zでの青年期)、田の中勇(『ドラゴンボールZ3』〜『レイジングブラスト』)、田中亮一(映画第18作、『アルティメットブラスト』、改、超)
現代の東の界王神の祖先。「老界王神」、「大界王神」とも呼ばれることがある。かなりのスケベで、神眼によって女性の着替えや入浴を覗けると公言した[13]。かつては美青年だったと自称しているが、ポタラで魔法使いの老女と合体をし、老人の姿になり様々な能力も身に付ける。しかし約7500万年前[8]に、「やたらめったら強くて悪いヤツ(詳細は後述)」によりゼットソードに封印された。本人いわく「わしの恐ろしさにビビって」とのこと。他空間を鮮明に映し出す水晶玉を持ち、物質出現魔術などの魔術を使える。ゼットソードを振るえるようになった悟飯が、東の界王神いわく「宇宙一硬い金属」というカッチン鋼を試し斬りして折ったため封印から解放される。儀式として腕を上下に振りながら相手の周囲を5時間動き回り、パワーアップに20時間費やす方法で悟飯の潜在能力を限界以上に引き出した。なお、アニメにおけるこの際の奇妙な掛け声は『Z』で声を担当した野本がアドリブで演じたもの[10]。また、悟飯がピンチになった際に、悟空を生き返らせるため自らの命を悟空へ渡して死亡した(封印を解かれた時点で残る寿命は1000年程度にまでなっていた)。だが、元々界王神界にいたため、その場で頭上に輪が付いた状態で肉体ごと復活。その後、ポルンガへの願いで地球の人々とともに生き返り輪が消えた。
本当に凄い人物か悟空に試しにいきなり気弾を撃たれた際は、直撃し怒り出し口汚い言葉で罵倒したり[13]、悟飯のパワーアップが済んでいるにも拘らずピンチになるまで、秘密にしておく[14]、など気まぐれな部分も多いが、かなりの知識人でドラゴンボールのことを知っており、ドラゴンボールについては「自然の摂理を無視した、いわば反則技みたいなもの。真面目なナメック星人だけに許されたもの」と語っており、あまり好意的に捉えてはいない[15]。しかし、デンデの「正しいことに使って何が悪い」という言葉を受け入れ使用を承諾した[16]
連載終了後の劇場版『神と神』発表後に作者のコメントで、ゼットソードに封印したのは破壊神ビルスであることが判明した。創造神と破壊神という間柄もあり、もともとあまり仲が良くなかったが、1000年に一度ずつお互いの世界に行って開かれる調整会議で些細なことで言い合いになり、ゼットソードに封じ込められた[9]とのこと。その後『超』の第3話でもビルスにゼットソードに封印されたと老界王神本人が語っている。
『超』では、東の界王神やキビトと共に第6・第7宇宙破壊神選抜格闘試合を観戦に来ており、悟空らと再会した。
『GT』では、東の界王神にベビーと戦い敗れた悟空を救出させる。魔人ブウ編では超サイヤ人(当初は「スーパーなんとか」と呼んでいた)のことを「邪道」と評していたが、悟空に巨大な碾きをひかせ、腰を刺激、悟空の生えかけていた尻尾を、スー五郎の変化した大きなやっとこで引っ張り出し潜在能力を引き出す方法を考え、超サイヤ人4へのきっかけを作る。ドラゴンボールのマイナスエネルギーの存在も知っており、魔人ブウ編でドラゴンボールの使用を躊躇ったのは、マイナスエネルギーが大幅に増加してしまうのを恐れたためとされている。
大界王神
声 - 辻村真人 
東西南北4人の界王神の頂点に立つ存在。界王神を統括し、全世界を管理していた[17]。東の界王神いわく「太っているが温和な性格」。かつてブウに吸収された結果、ブウは無邪気で太ったブウに変化し、ビビディの制御しやすい性格となった。吸収後の生存は不明だが、吸収されて長年の年月が経ってから悟空らが魔人ブウの体内に潜入した際にはその姿はなかった。現在は大界王神がいないため、東の界王神が代理を務めている[17]
アニメではブウに殺されそうになった東の界王神を助けてブウ(南の界王神吸収)に戦いを挑み、相手に光を当てて分解し爆破する能力を使うも、再集合したブウの肉片に包み込まれて吸収される。
ゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』では、プレイヤーカードとして使用可能。アニメではほとんど台詞がなく口調も不明だったが、『ヒーローズ』では温厚で丁寧な口調で話す。
南の界王神
声 - 曽我部和恭(Z)、増谷康紀(ドラゴンボールヒーローズ)、稲田徹(改)
5人の界王神の中で一番強く逞しい。かつてブウ(純粋)に吸収された結果、ブウは大柄で筋肉質な体型に変化した。吸収したブウ(善)をベジータにより引き離されたブウ(悪)がブウ(純粋)に変化する際にもその姿を経由した。吸収後の生存は不明だが、吸収されて長年の年月が経ってから悟空らが魔人ブウの体内に潜入した際にはその姿はなかった。
アニメでは西の界王神のイタズラに困らされ、追いかけ回されていた。また、西の界王神と北の界王神を殺害したブウ(純粋)と戦い、その左腕を引きちぎるが、腕を再生され千切った腕から吸収される。
ゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』では、プレイヤーカードとして使用可能。『ヒーローズ』のカードの紹介によると、逞しいが穏やかな性格。
西の界王神
声 - 鶴ひろみ 
『Z』第277話に登場。原作では名前のみ。『改』では「西の女界王神」と表記。
女性のような容姿をしており、お転婆な側面を持ち南の界王神にイタズラを仕掛けていた。魔導師ビビディ率いるブウ(純粋)と闘い、敗れて戦死する。
ゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』では、プレイヤーカードとして使用可能。
北の界王神
声 - 堀之紀 
『Z』第277話に登場。原作では名前のみ。
小柄な肥満体型で初老の容姿をしている。剣を持ってブウ(純粋)と闘うも、敗れて戦死する。
ゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』では、プレイヤーカードとして使用可能。勝利台詞からも界王神としては年長らしい。

界王神の従者

キビト
声 - 青森伸 
東の界王神に仕える側近。東の界王神とともに第25回天下一武道会へ出場する。大柄な中年男性のような姿をしており、当初界王神界の者として高慢な態度をとり、超サイヤ人の力も信用しないなど下界の人間を軽蔑していた様子だった。「カイカイ」という呪文で界王神界と下界の星々との間を瞬間移動でき、他者の回復や服を出現させる特殊能力を持つほか、作中での戦闘描写はないが戦闘力はかなり高く、悟飯も超サイヤ人にならないと苦戦するほど[10]の実力者[18]。しかし、通常時の悟飯が振り回すことのできたゼットソードを持ち上げることはできず、徐々に彼らの驚異的な強さの前に驚く様子が目立つようになり、最終的には悟飯を「すばらしい救世主」と認めている[14]
バビディの宇宙船を突き止めた際にダーブラに殺されるが、ヤムチャらによる神龍への「今日死んだ者を生き返らせる」願いで蘇生。その後、界王神と再会し悟飯を連れて界王神界に戻り、修行をさせ地球へ送り返した。最後の別れの際には悟飯の依頼で彼の服装を悟空と同じ道着に変えた。その際、「山吹色」のことを「惑星ポポルに生息するカエルのフンの色」と言っていた[14]。ポタラの効能実演のために東の界王神と合体して一心同体となった
魔人ブウとの闘いの後年の時系列に当たる『超』では、地球での悟空らと破壊神ビルスの闘いの後、キビト界王神がポルンガに頼み、元の界王神とキビトの2人に分離させてほしいという願いを叶えてもらい、再び2人に戻った。東の界王神たちと共に第6・第7宇宙破壊神選抜格闘試合を観戦に来ており、悟空らと再会した。
『ドラゴンボールZ 真武道会2』では未来世界にて登場。ゲーム版ではほとんど登場せず、出てきても出番が少なかったが『ドラゴンボールヒーローズ』ではプレイヤーカードとして使用でき、東の界王神と合体することが可能。
鳥山明は会話でストーリーを展開しやすくするために界王神に付き人をつけたと語っており、キビトはあえて強面にして実は大したことはないパターンにしたかったという[19]
名前の由来は「付き人」から[6]

第6宇宙の界王神

いずれも『ドラゴンボール超』オリジナル。

第6宇宙の界王神
声 - 増谷康紀[20]
第6宇宙を代表する界王神。太った体型をしている。付き人とともに第6・第7宇宙破壊神選抜格闘試合を見に来ており、人間と仲良くしている第7宇宙の界王神たちに驚いている。

第6宇宙の界王神の付き人

付き人[21]
声 - 田中一成
第6宇宙の界王神の付き人。痩せた体型をしている。

ゲームオリジナル

時の界王
ドラゴンボールオンライン』に登場。トランクスにタイムパトロールの任を命じる[22]
時の界王神
声 - 伊藤かな恵 
ドラゴンボール ゼノバース』と『ドラゴンボールヒーローズ』に登場。見た目は幼い少女だが、年齢は7500万歳以上。破壊神ビルスには全く頭が上がらない。
クロノア
声 - 伊藤かな恵
『ドラゴンボールヒーローズ』に登場。7500万年前の時の界王神。7500万年前当時は界王の座についていた。
界王神アバター
『ドラゴンボールヒーローズ』に登場。時の界王神に仕えており、ヒーロー、エリート、バーサーカーの3種類が存在する。

界王神界

界王神たちが住む世界。空間の規模はあの世とこの世を合わせた空間の約10分の1。世界全体が衛星のように、あの世とこの世の周りを一定の周期で周回しており、世界全土を見守りバランスをとっている。原則的にあらゆる神の頂点に立つ界王神とその付き人、界王神から許可されたもの以外の立ち入りは許されない世界であるが、瞬間移動を使えば許されていない者でも侵入することが可能で、既に死んでいる者でも肉体を持っていれば入ることができる。空はピンク色で、中心にはめったなことでは壊れない頑丈な界王神星が存在している[23]。界王神星は界王神界に存在する唯一の惑星であり、そのまわりには無数の小さな太陽が存在している。

『GT』では、スゴロク空間に閉じ込められていた宇宙タヌキの「スー五郎」と「スー小五郎」親子が登場し、物語の中盤以降は界王神界の住人となった。

この世とあの世を構成する大きな玉の下方には魔界王神が存在しており、悪を司っている。力については界王神が上回っているとされる[24]

界芯星

あの世かこの世のどこかにあるといわれている、界王たちが生まれ育った巨大な界王星のような星。人口は約80人。ここに生えている巨大な界樹に生る木の実から芯人が生まれてくる。芯人たちに男女の性別はないが、そのメンタリティは人間に近い。芯人の平均寿命は約7万5千歳[24][25]。学校のような城で様々なことを学びつつ、のんびり暮らしている。

どこかで界王が亡くなると、次の界王が芯人の中からくじ引きで選ばれる[26]。ただし、界王神だけは滅多に実らない特別な金の木の実から生まれた芯人が選ばれる[24]

芯人の中には時として邪悪な心を持つ者も存在し、そういった者たちは魔界王の元に行く。魔界王の詳細は不明。

テーマソング

北の界王のみ。

シャレれば命の泉わくわく!!
シャレれば命の泉わくわく!!2
共に 歌: 八奈見乗児(界王)/ 作詞・作曲・編曲:岩崎文紀

脚注

  1. ^ a b 「NEW WORLD 果てしなく広がる神々の世界」『ドラゴンボール超全集1』集英社、2013年2月10日、18-19頁 ISBN 978-4-08-782496-4
  2. ^ 週刊少年ジャンプ』1989年31号掲載「究極戦士大集合!!カード」には戦闘力3500と掲載されている。
  3. ^ ジャンプ・コミック出版編集部編「天下一声優陣 其之二 ナレーション/界王役 八奈見乗児」『テレビアニメ完全カイド「DRAGONBALL」〜天下一伝説〜』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2004年7月2日、ISBN 4-08-873705-9、176頁。
  4. ^ 週刊少年ジャンプ特別編集「鳥山明THE WORLDアニメ設定資料館 ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦」『鳥山明THE WORLD アニメ・スペシャル』集英社、1990年10月10日、雑誌29939-10/10、182頁。
  5. ^ 週刊少年ジャンプ特別編集『鳥山明 THE WORLD アニメ・スペシャル』108頁。
  6. ^ a b c ジャンプ・コミック出版編集部編「capsule column 5 キャラ名の由来を知りたい!」『ドラゴンボール完全版公式ガイド Dragonball FOREVER 人造人間編〜魔人ブウ編 ALL BOUTS & CHARACTERS』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2004年5月5日、ISBN 4-08-873702-4、158-159頁。
  7. ^ アニメでは同伴している。
  8. ^ a b c 「DB年代記」『ドラゴンボール大全集 7巻』16頁。
  9. ^ a b 「鳥山明先生 魔人ブウ編(秘)一問一答!」『最強ジャンプ』2014年6月号、集英社、10頁。
  10. ^ a b c 渡辺彰則編「HUMAN RACIAL DICTIONARY キャラクター事典」『ドラゴンボール大全集 7巻』集英社、1996年2月25日、ISBN 4-08-782757-7、59・63・120頁。
  11. ^ ドラゴンボール大全集2巻より。
  12. ^ コミカライズ版では、シャンパからナメック星のドラゴンボールを保護する目的で、ナメック星に先回りしてドラゴンボールを7個全て集めるが、せっかく集めたので自身の願いを叶えてもらった、という理由。
  13. ^ a b 鳥山明「其之四百七十九 ゼットソードともうひとりの界王神」『DRAGON BALL 第40巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1995年3月3日、ISBN 4-08-851499-8、94頁。
  14. ^ a b c 鳥山明「其之四百九十六 絶体絶命大大大ピンチ!!」『DRAGON BALL 第41巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1995年6月2日、ISBN 4-08-851500-5、145・149・151頁。
  15. ^ 鳥山明「其之五百九 全宇宙を賭けた試合」『DRAGON BALL 第42巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1995年8月9日、ISBN 4-08-851090-9、93-94頁。
  16. ^ 鳥山明「其之五百十三 ベジータの考え」『DRAGON BALL 第42巻』151頁。
  17. ^ a b 鳥山明「鳥山先生ウラ話SPECIAL」『DRAGON BALL フルカラー 魔人ブウ編6』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2014年7月9日、ISBN 978-4-08-880112-4、228頁。
  18. ^ 第25回天下一武道会本選一回戦の組み合わせ抽選で彼とグレートサイヤマン(悟飯)との対戦が決まった際、悟空は悟飯に警告の言葉を送り、試合での対戦前に悟飯は彼を「適当にごまかして勝てる相手じゃなさそう」と評していた。
  19. ^ 『30th Anniversary ドラゴンボール超史集』集英社、2016年1月26日、ISBN 978-4087925050、91頁。
  20. ^ y_masutaniのツイート(701080105695621120)
  21. ^ 「月刊ドラゴンボールパーク」『Vジャンプ』2016年3月号、集英社、120頁。
  22. ^ “「ドラゴンボールオンライン」の実現に必要だった二つのフュージョンとは? ICON2009で行われたNTL高宮氏の講演を紹介”. 4Gamer.net. (2009年12月3日). http://www.4gamer.net/games/038/G003825/20091203021/ 2016年2月22日閲覧。 
  23. ^ 悟空と魔人ブウ(純粋)が全力で戦っても壊れなかった程。
  24. ^ a b c ジャンプ・コミック出版編集部編「マンガ「DRAGON BALL」の真実 トリヤマはこう考えていたよスペシャル part2」『DRAGON BALL 超エキサイティングガイド キャラクター編』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2009年3月4日、ISBN 978-4-08-874804-7、92頁。
  25. ^ 『ドラゴンボール大全集』では、界王神は少なくとも500万年以上は生きているとされている。
  26. ^ 北の界王については、界王の座を譲っていない模様。