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'''サッカーボーイ'''（欧字名:{{Lang|en|Soccer Boy}}、[[1985年]][[4月28日]] - [[2011年]][[10月7日]]）は、[[日本]]の[[競走馬]]、[[種牡馬]]<ref name="jbis">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000199926/ |title=サッカーボーイ |work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-08-20}}</ref>。
'''サッカーボーイ''' は[[日本]]の[[競走馬]]、[[種牡馬]]である。競走馬時代は[[1988年]]の[[マイルチャンピオンシップ]]優勝や芝コース2000[[メートル|m]]の日本レコード更新などの活躍をし、1988年には[[JRA賞最優秀短距離馬|JRA賞最優秀スプリンター]]に選出された。

[[1987年]]の[[JRA賞最優秀2歳牡馬|JRA賞最優秀3歳牡馬]]、[[1988年]]の[[JRA賞最優秀スプリンター]]である。1987年の[[阪神3歳ステークス]]（{{GI}}）、1988年の[[マイルチャンピオンシップ]]（{{GI}}）、[[中日スポーツ賞4歳ステークス]]（{{GIII}}）、[[函館記念]]（{{GIII}}）。

産駒の{{GI}}優勝馬には、[[ナリタトップロード]]（[[菊花賞]]）、[[ティコティコタック]]（[[エリザベス女王杯]]）、[[ヒシミラクル]]（菊花賞、[[天皇賞（春）]]、[[宝塚記念]]）がいる。

3歳時（1987年）もみじステークス、阪神3歳ステークスを共に大きい差をつけて勝利。1975年に同じように出世し、[[夭折]]した競走馬になぞらえて「'''[[テンポイント]]の再来'''」と称された。

== 生涯 ==

=== デビュー前 ===

==== 誕生までの経緯 ====
1966年にイギリスで生産された[[牝馬]]の[[ロイヤルサッシュ]]（父:[[プリンスリーギフト]]）は、競走馬として1戦未勝利<ref name="優駿-1988-2-146149">『優駿』1988年2月号 146-149頁</ref><ref>{{Cite web|title=ロイヤルサツシユ(GB)|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000380687/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>。イギリスで[[繁殖牝馬]]として2頭の仔を産んだ後<ref name="JBIS-ロイヤルサッシュ">{{Cite web|title=繁殖牝馬情報：牝系情報｜ロイヤルサツシユ(GB)|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000380687/broodmare/info/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-07}}</ref>、1973年に日本へ輸入された<ref name="優駿-1988-2-146149" />。その後しばらく[[北海道]][[白老町]]の[[白老ファーム|社台ファーム]]で生産を続け、1978年には、社台が種牡馬として輸入したカナダ産フランス調教馬の[[ノーザンテースト]]と交配<ref name="JBIS-ロイヤルサッシュ" />。1979年3月16日、牝馬のダイナサッシュが誕生する<ref>{{Cite web|title=ダイナサツシユ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000115357/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-07}}</ref>。

ダイナサッシュは、競走馬として9戦未勝利、その後は社台ファームで繁殖牝馬となった<ref name="優駿-1988-2-146149" /><ref>{{Cite web|title=ダイナサツシユ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000115357/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>。初年度には、社台が導入した種牡馬でフランス産フランス調教馬の[[ディクタス]]と交配。初仔を生産した後、2年目の1984年も同様の交配がなされた<ref>{{Cite web|title=繁殖牝馬情報：牝系情報｜ダイナサツシユ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000115357/broodmare/info/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>。1985年4月28日、社台ファームにて2番仔である[[栃栗毛]]の牡馬（後のサッカーボーイ）が誕生する<ref name="jbis" />。

==== 幼駒時代 ====
2番仔は、離乳まで白老町の社台ファームで過ごした。白老の大須賀康忠牧場長は「生まれたころから小さかったせいか、とくべつ大物という印象はなかった<ref name="優駿-1989-2-1011">『優駿』1989年2月号 10-11頁</ref>」と述懐している。激しい気性と高い運動能力を兼ね備えていたが、それゆえに牧柵を飛び越えたり、後ろ脚2本で歩くことがあり<ref name="優駿-2021-1-122127">『優駿』 2021年1月号 122-127頁</ref>、辻谷秋人によれば「やんちゃなエピソードに事欠かない馬<ref name="優駿-2021-1-122127" />」だったという。一方で、生まれながらに脚の不安もはらんでおり、常に[[裂蹄]]{{#tag:ref|蹄壁が割れて亀裂が入ったもの<ref>{{Cite web|title=裂蹄（競馬用語辞典）　JRA|url=https://www.jra.go.jp/kouza/yougo/w91.html|website=www.jra.go.jp|accessdate=2021-11-07}}</ref>|group="注釈"}}の危険も存在していた。離乳後は、北海道[[苫小牧市]]の[[ノーザンファーム空港牧場|社台ファーム空港牧場]]で育成<ref name="優駿-1989-2-1011" />。空港の大沢俊一牧場長によれば「長年育成の仕事をやっているけれど、乗っててその大物感に背筋がぞくぞくしてきた馬っていうのはこのサッカーボーイが初めて。みんなにはこいつは間違いなく走ると太鼓判を押してたんです<ref name="優駿-1988-2-146149">『優駿』1988年2月号 146-149頁</ref>。」と回想している。

2番仔は、[[社台レースホース|有限会社社台レースホース]]の所有となり「'''サッカーボーイ'''」との競走馬名が与えられた<ref name="jbis" />。サッカーボーイは、1987年5月、[[栗東トレーニングセンター]]の[[小野幸治]]厩舎に入厩<ref name="優駿-1988-2-146149" />。小野はサッカーボーイを2歳の時から見ており、初めて見た印象は「バランスのいい馬だなという感じ<ref name="優駿-1988-2-146149" />」だったという。

=== 競走馬時代 ===

==== 3歳（1987年） ====
8月9日、[[函館競馬場]]の[[新馬|新馬戦]]（芝1200メートル）に[[内山正博 (競馬)|内山正博]]が騎乗してデビュー。直線だけで9馬身差をつけて初勝利を挙げた<ref name="優駿-2021-1-122127" />。続く、9月27日の[[函館3歳ステークス]]（{{GIII}}）ではスタートで出遅れて4着<ref name="優駿-2021-1-122127" />。それから栗東に帰厩し、10月31日、[[京都競馬場]]のもみじステークス（OP）に出走。再び出遅れるも、最終コーナーで内側に進路をとって追い上げて、まもなく差し切り独走。後続と10馬身差をつけて、2勝目を挙げた<ref name="優駿-2021-1-122127" />。その後は、[[デイリー杯3歳ステークス]]への出走を予定していたが、裂蹄のために回避した<ref name="優駿-1988-2-146149" />。

12月20日、関西の3歳チャンピオン決定戦に位置付けられる[[阪神3歳ステークス]]（{{GI}}）に出走、単勝オッズ1.9倍の1番人気に推された。良いスタートを切って、馬群に収まり中団に位置、先頭が前半の800メートル46.1秒を通過するハイペースとなった<ref name="優駿-1988-2-146149" />。第3コーナーあたりで馬群の外に持ち出して追い上げを開始、後続勢のほとんどが苦労する中、ただ1頭サッカーボーイのみが先行勢に取り付いた<ref name="優駿-1988-2-146149" />。直線では、残り300メートル地点で逃げ粘るジンデンボーイを外から差し切ると、あとは突き放す一方となって独走、後方に8馬身差をつけて入線した<ref name="優駿-1988-2-146149" /><ref name="優駿-1988-2-12">『優駿』1988年2月号 12頁</ref>。これが3勝目となり、{{GI}}初勝利。走破タイム1分34秒5は、[[ヒデハヤテ]]が1971年阪神3歳ステークスにて樹立したコースレコードおよびレースレコード1分35秒1を0.6秒更新した<ref name="優駿-1988-2-12" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=OMGhrJdEmA4&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 1987年 阪神3歳ステークス<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}
この勝利に対して、[[ミスターシクレノン]]に騎乗し8着に敗れた[[田原成貴]]は「強いねえ、あまりスピードがありすぎて、かえってクラシックが心配になるほどやね<ref name="優駿-1988-2-146149" />」と評するなど、他の騎手もサッカーボーイの能力を高く評価する声があった<ref name="優駿-1988-2-146149" />。さらに、この8馬身差の勝ちっぷりは、1975年の同競走を7馬身差で勝利し、1977年には[[天皇賞（春）]]、[[有馬記念]]を勝利して[[JRA賞#優駿賞時代（1972-1986年）|優駿賞年度代表馬]]になるまで出世した関西馬・[[テンポイント]]を想起させ、スポーツ新聞の報道では関西のみならず、関東にも「'''テンポイントの再来'''」との見出しがつけられていた<ref name="優駿-2021-1-122127" /><ref name="優駿-1988-2-12" />。

[[美浦トレーニングセンター]]、[[栗東トレーニングセンター]]、JRA本部所属のハンデキャッパーが選定するこの年の「フリーハンデ」では、関西馬首位となる「56」を獲得<ref name="優駿-1988-2-109116">『優駿』1988年2月号 109-116頁</ref>。一方、関東馬首位は、[[朝日杯3歳ステークス]]（{{GI}}）を1分35秒6で走破して勝利した[[サクラチヨノオー]]であり、サクラチヨノオーは「55」であったことから、サッカーボーイが世代首位の評価となった<ref name="優駿-1988-2-109116" />。また「56」は、テンポイントの2歳時に並ぶ評価であった<ref name="優駿-1988-2-109116" />。ハンデキャッパーは、サッカーボーイに「56」を与えるにあたり、以下のように検討を行っている（美浦:甲佐、滝澤。栗東:小林、渡辺、吉田、朝日。JRA本部:柴田）<ref name="優駿-1988-2-109116" />。{{Cquote3|'''吉田''' （前略）サッカーボーイが近年にない活躍を見せてくれたのは大きな収穫だった。（中略）久々に関西から大物が出たという感じで、東西を通じてもこの馬が3歳ナンバーワンだろう。<br/>'''渡辺''' この馬はテンポイント級の大物と見ている。例年のトップはだいたい54キロだが、サッカーボーイは56キロの評価を与えてよい。<br/>'''滝澤''' 過去に56キロをつけた馬では[[バンブトンコート]]、[[ギャラントダンサー]]がいるが、バンブトンコートは重賞を三つ勝っているしこの2頭の実績と比べて56キロというのはつけすぎではないか。<br/>'''甲佐''' 確かにサッカーボーイのタイトルは一つだけだが、昔に比べて今の3歳は何でもかんでも重賞を使っていくということはなくなってきた。新馬を勝ってこの馬が走ると分かれば、クラシックに照準を定めて無理させないで休ませる。こうした傾向は年々顕著になっている。3歳馬に関してはタイトルとか実績だけでなく、内容が素晴らしければそれなりの評価を与えてもいいと思う。<br/>'''朝日''' サッカーボーイは内容がじつにいい、阪神3歳Sは1分34秒5で走りヒデハヤテのレコードを16年ぶりに塗り替えた。前走のオープン特別もみじ賞にしても、ことしの京都はひじょうに時計のかかる馬場で加えて重馬場だったにもかかわらず、1分36秒4で走り2着以下を10馬身突き放している。おまけに好位につけて直線抜け出すという近代競馬にマッチした脚質、この馬はテンポイント級だ。<br/>'''小林''' テンポイントも函館で新馬勝ちし関西へ帰って特別、阪神3歳Sを圧勝した。ステップも勝ち方もひじょうによく似ている。そのテンポイントが56キロの評価だったのだから、サッカーボーイも同等に並べたい。<br/>'''滝澤'''
早くから活躍する馬はふつう早熟で、3歳で花開いてそのままダウンしていくことが多いが、サッカーボーイはどんどん体重が増えているのでその心配はないだろう。戦ったメンバーは確かに弱いが、勝ちっぷり、時計面、着差を加味すれば56キロを与えてよいと思う。<br/>'''小林''' 何年ぶりかに出た関西の大物、と自信を持って言える。<br/>'''柴田''' ではサッカーボーイは56キロにしよう。}}

またこの年の[[JRA賞]]表彰では、全143票中127票を集めて、[[JRA賞最優秀2歳牡馬|JRA賞最優秀3歳牡馬]]に選出<ref name="優駿-1988-2-3638">『優駿』1988年2月号 36-38頁</ref>。次点となった関東の{{GI}}優勝馬・サクラチヨノオーの15票に大差をつける受賞であった<ref name="優駿-1988-2-3638" />。

==== 4-5歳（1988-89年） ====
3月6日の[[弥生賞]]（{{GII}}）で始動、単勝オッズ1.6倍の1番人気に推され、[[単枠指定制度]]の対象となった<ref name="優駿-1988-5-130131">『優駿』1988年5月号 130-131頁</ref>。関東の2歳チャンピオンであるサクラチヨノオーが、始動戦の[[共同通信杯4歳ステークス]]（{{GIII}}）4着から参戦し、5.5倍の2番人気となり、東西の2歳チャンピオンが顔合わせた<ref name="優駿-1988-5-130131" />。スタートからサクラチヨノオーが逃げる中、中団に位置<ref name="優駿-1988-5-98">『優駿』1988年5月号 98頁</ref>。直線では外に持ち出して、差し切りを図ったが、逃げるサクラチヨノオーを捕らえることができず、サクラチヨノオーに2馬身以上離される3着<ref name="優駿-1988-5-98" />。[[皐月賞]]の[[優先出走権]]を獲得し、出走を予定していたが、蹄の状態が悪化して[[飛節炎]]を発症したために回避した<ref name="優駿-2021-1-122127" />。


皐月賞を逃した陣営は、目標を[[東京優駿]]（日本ダービー）に切り替え、5月4日、[[トライアル競走]]である[[NHK杯 (競馬)|NHK杯]]（{{GII}}）に出走。[[河内洋]]に乗り替わり、単勝オッズ3.5倍の1番人気に推された<ref name="優駿-1988-7-144145">『優駿』1988年7月号 144-145頁</ref>。中団内側の9番手に位置し、直線で追い上げるも、[[メジロアルダン]]やマイネルグラウベンの末脚に敵わず、それらに2馬身以上遅れる4着<ref name="優駿-1988-7-144145" />。東京優駿の優先出走権を獲得し<ref name="優駿-1988-7-144145" />、続いて5月29日の[[東京優駿]]（日本ダービー）（{{GI}}）に出走。8枠22番の大外枠が割り当てられ、3歳となってからは連敗していたにもかかわらず、皐月賞優勝馬[[ヤエノムテキ]]などを押しのけ、単勝オッズ5.8倍の1番人気に推された<ref name="優駿-1988-7-130133">『優駿』1988年7月号 130-133頁</ref>。後方に位置したが<ref name="優駿-1988-7-130133" />、直線で全く伸びずに15着<ref name="優駿-2021-1-122127" />。河内は敗因を距離に求めている<ref name="優駿-2021-1-122127" />。
== 戦績 ==
年齢は旧表記（数え年齢）に統一する。


その後は、夏休みに入らず続戦し、7月3日の[[中日スポーツ賞4歳ステークス]]（{{GIII}}）に出走<ref name="優駿-2021-1-122127" />。皐月賞優勝馬のヤエノムテキも同じく続戦しており、ヤエノムテキが単勝オッズ1.8倍の1番人気、サッカーボーイはそれに次ぐ3.4倍の2番人気となり、初めて1番人気を他に明け渡した<ref name="優駿-1988-9-144145">『優駿』1988年9月号 144-145頁</ref>。また、両者はともに単枠指定制度の対象となった<ref name="優駿-1988-9-144145" />。サッカーボーイは後方に位置し、先行馬有利のスローペースの中で追走。直線では大外に持ち出して追い上げ、ヤエノムテキが2番手先行から先に抜け出していた<ref>『優駿』1988年9月号 82頁</ref>。サッカーボーイが末脚を見せてヤエノムテキに迫り、ゴール手前で半馬身差し切って先頭で入線<ref name="優駿-1988-9-144145" />。重賞2勝目となり、4歳になってから初めて勝利を挙げた<ref name="優駿-1988-9-144145" />。後に、河内はこの一戦をきっかけに「小細工は不要。少々外を回ることになっても気分良く走らせてあげればはじける馬だと分かりました<ref name="スポニチ-平松さとし">{{Cite web|title=【1988年・函館記念】河内騎手 自信の追い込み生んだ名馬の記憶 ― スポニチ競馬Web|url=https://keiba.sponichi.co.jp/news/20200716s00004048559000c|website=スポニチ競馬Web|accessdate=2021-11-08|language=ja}}</ref>」としており、その後は「他馬の騎乗依頼も来たけど“100％勝てる馬がいるから”と言って全てお断りしました<ref name="スポニチ-平松さとし" />」と述懐している。
1985年、北海道の[[白老ファーム|社台ファーム（現・社台コーポレーション白老ファーム）]]に産まれた。同期の中でもっとも小柄な仔馬だったことに加え当時から気性が激しく、後ろ脚二本で立ち上がって歩いたり、牧柵を超えて脱走を図ったりすることがあった<ref name="yushun202101-124">『優駿』2021年1月号、p.124</ref>。白老ファームの大須賀康忠牧場長には「生まれた頃から小さかったせいか、とくべつ大物という印象はなかった」<ref>『優駿』1989年2月号、p.10</ref>との感想を抱かせていたが、育成段階に入ると社台ファーム空港場長の大沢俊一に「長年育成の仕事をしてきたが、乗っていてその主の勘に背中がぞくぞくしてきたのは、サッカーボーイが初めて」と言わしめるほど非凡な走りを見せていた<ref name="yushun202101-124"/>。しかし生まれつき蹄が丈夫でなく、以降裂蹄に悩まされることとなる<ref name="yushun202101-124"/>。


続いて、8月21日の[[函館記念]]（{{GIII}}）に出走。古馬と初めての顔合わせとなったが、相手は、[[メリーナイス]]、[[シリウスシンボリ]]という2頭の東京優駿優勝馬や、[[二冠馬|牝馬クラシック二冠馬]]の[[マックスビューティ]]が出走する「夏のローカルとは思えない超豪華メンバーによる一戦<ref name="優駿-2021-1-122127" />」（辻谷秋人）であった。そんな中、古馬を押しのけて単勝オッズ2.2倍の1番人気。以下、人気はシリウスシンボリ、メリーナイスと続いた<ref name="優駿-1988-10-146147">『優駿』1988年10月号 146-147頁</ref>。後方に位置し、第3コーナーあたりで外から追い上げると、最終コーナーでは先頭のトウショウサミットに並びかけた<ref name="優駿-1988-10-146147" />。直線で先頭に立つと、好位のメリーナイスやシリウスシンボリを寄せ付けずに独走。その差を5馬身まで広げて先頭で入線、重賞2連勝となった<ref name="優駿-1988-10-146147" />。走破タイム1分57秒8は、[[ニッポーテイオー]]が1986年8月の函館記念で樹立したコースレコード・1分58秒6を0.8秒更新<ref name="優駿-1988-10-146147" />。さらに、[[サクラユタカオー]]が1986年10月の[[天皇賞（秋）]]で樹立した日本レコード・1分58秒3を0.5秒更新した<ref>『優駿』1988年10月号 140-141頁</ref>。
=== 3歳時 ===
3歳になり、[[内山正博 (競馬)|内山正博]]を鞍上に[[函館競馬場]]でデビューすると、のちに重賞を2勝するトウショウマリオを相手に9馬身差で勝利した<ref name="yushun202101-124"/>。2戦目の[[函館2歳ステークス|函館3歳ステークス]]では出遅れもあり4着に敗れたものの、3戦目のもみじ賞では、このレースもスタートで出遅れたものの4コーナーで先頭に立つと後続に10馬身差の大差をつけて勝利した<ref name="yushun202101-124"/>。続く関西の3歳チャンピオン決定戦・[[阪神3歳ステークス]]では、最後の直線200メートルだけで2着の[[ダイタクロンシャン]]に8馬身差をつけ、それまでのレースレコードを0秒6更新する1分34秒5で優勝した<ref>『優駿』2021年1月号、pp.123-124</ref>。そのあまりのスピードにある騎手からは「むしろクラシックが心配になるくらい」との声が上がり、サッカーボーイは「[[テンポイント]]の再来」もしくは「テンポイント二世」、その強烈な差し脚は「弾丸シュート」と形容されるようになった<ref name="yushun202101-124"/>。[[1987年]]の[[JRA賞最優秀2歳牡馬|JRA賞最優秀3歳牡馬]]（旧称。現在のJRA賞最優秀2歳牡馬）に選出された。


その後については、小野の菊花賞出走<ref name="優駿-1988-10-146147" />、社台ファーム牧場長の[[吉田勝己]]や社台ファーム空港牧場長の大沢は天皇賞（秋）出走をそれぞれ指向していたが<ref name="優駿-1988-10-146147" />、その前哨戦に選んだ[[京都新聞杯]]出走前に左前脚の[[球節]]を捻挫し<ref name="優駿-1989-1-8283">『優駿』1989年1月号 82-83頁</ref>、結局すべて断念。代わりに、11月20日の[[マイルチャンピオンシップ]]（{{GI}}）に出走し、単勝オッズ2.2倍の1番人気に推された。スタートから後方に位置<ref name="優駿-1989-1-8283" />。第3コーナーあたりで外から追い上げると、最終コーナーを4、5番手で通過<ref name="優駿-1989-1-8283" />。直線では、逃げ粘る先頭のミスターボーイに5馬身のリードを許していたが、大外から末脚を見せて追い上げると、残り200メートル地点でかわして、後続を突き放した<ref name="優駿-1989-1-8283" />。その差を4馬身まで広げて先頭で入線し、重賞3連勝、{{GI}}2勝目を挙げた<ref name="優駿-1989-1-8283" />。また河内にとっては、この年のJRA重賞13勝目{{#tag:ref|[[スピードヒーロー]]（[[日経新春杯]]）、サンキンハヤテ（[[セントウルステークス]]）、ヤグラステラ（[[サファイヤステークス]]）、[[アラホウトク]]（[[桜花賞]]、[[東京4歳牝馬特別|4歳牝馬特別（東）]]）、'''サッカーボーイ（中日スポーツ賞4歳ステークス、函館記念、マイルチャンピオンシップ）'''、[[オグリキャップ]]（[[ペガサスステークス]]、[[毎日杯]]、[[ニュージーランドトロフィー4歳ステークス]]、[[高松宮記念 (競馬)|高松宮杯]]、[[毎日王冠]]）6頭で13勝を挙げた。<ref name="優駿-1988-12-120121">『優駿』1988年12月号 120-121頁</ref><ref>{{Cite web|title=抽出[]｜河内洋の騎手成績|url=https://db.netkeiba.com/?pid=jockey_select&id=00367&year=1988&mode=gw|website=db.netkeiba.com|accessdate=2021-11-08}}</ref>　|group="注釈"}}であり、自身が1986年に12勝を挙げて樹立した年間最多重賞勝利記録{{#tag:ref|マチカネイシン（[[小倉大賞典]]）、トーアファルコン（[[京王杯スプリングカップ]]）、エイシンリゲイン（[[サファイヤステークス]]）、[[スズカコバン]]（[[京都大賞典]]）、[[ラグビーボール (競走馬)|ラグビーボール]]（[[NHK杯 (競馬)|NHK杯]]、[[高松宮記念 (競馬)|高松宮杯]]）、[[メジロラモーヌ]]（[[4歳牝馬特別 (西)|4歳牝馬特別（西）]]、[[桜花賞]]、[[東京4歳牝馬特別|4歳牝馬特別（東）]]、[[優駿牝馬]]、[[ローズステークス]]、[[エリザベス女王杯]]）6頭で12勝を挙げた。<ref name="優駿-1988-12-120121" />|group="注釈"}}を更新した<ref name="優駿-1988-12-120121" /><ref>『優駿』1989年1月号 124-125頁</ref>。レースについて河内は「（前略）坂の下りからの行きっぷりがよかったので、4コーナーで勝てると思った<ref name="優駿-1989-1-8283" />」と述懐している。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=r8iiGCwyy2w&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 1988年 マイルチャンピオンシップ<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}
=== 4歳以降 ===
4歳初戦の[[弥生賞]]は逃げた[[サクラチヨノオー]]を捉えきれず3着に敗れると、石を踏んでさらに蹄が悪化、蹄が感染症にかかる[[飛節#飛節の異常|飛節炎]]を患い、予定していた[[皐月賞]]を回避した<ref name="yushun202101-124"/>。ここでサッカーボーイ陣営は[[東京優駿|日本ダービー]]に間に合わせるため飛節炎の治療を急ぐために抗生物質を大量に使用したが症状は回復せず、逆に体調をさらに悪化させることとなった。


続いて、12月25日の[[有馬記念]]（{{GI}}）に出走。天皇賞（秋）でワンツー、[[ジャパンカップ]]でツースリーとなった[[タマモクロス]]、[[オグリキャップ]]という芦毛の2頭が参戦し、その2頭にサッカーボーイを加えた3頭が、単枠指定制度の対象となった<ref name="優駿-1989-2-138141">『優駿』1989年2月号 138-141頁</ref>。人気はタマモクロスが単勝オッズ2.4倍の1番人気、オグリキャップ3.7倍の2番人気、そしてサッカーボーイは4.8倍の3番人気であった<ref>{{Cite web|title=有馬記念｜1988年12月25日 |url=https://db.netkeiba.com/race/198806020809/|website=db.netkeiba.com|accessdate=2021-11-08}}</ref>。枠入り後、サッカーボーイは[[発馬機]]内で暴れて、歯を折り、[[鼻血]]を出した<ref name="優駿-1989-2-138141" />。それからスタートは出遅れ、最後方に位置<ref name="優駿-2021-1-122127" />。直線では大外に持ち出して追い上げるも、先に抜け出したオグリキャップやタマモクロスには届かず、その2頭に2馬身離された4位で入線<ref name="優駿-1989-2-138141" />。2頭に半馬身差離されて3位入線の[[スーパークリーク]]が、[[メジロデュレン]]の進路を妨害したため失格となり、サッカーボーイは繰り上がって3着となった<ref name="優駿-1989-2-138141" />。（競走に関する詳細は、[[第33回有馬記念]]を参照。）
それでも陣営はダービーを目指すため調整し、内山に代わり鞍上に[[河内洋]]を迎え<ref group="注">当初は回避した皐月賞から河内に乗り替わる予定であった。</ref>、ダービートライアルの[[NHK杯 (競馬)|NHK杯]]に挑んだが4着、東京優駿（日本ダービー）でも単勝1番人気に推されたが、8枠22番の大外枠での出走であったことも要因となり、サクラチヨノオーの15着に惨敗した。河内は敗因について距離の長さを挙げたが、その負けっぷりから「ただの早熟な馬」、「マイルまでの馬」という評価もされた<ref name="yushun202101-124"/>。


1988年の「フリーハンデ」では、有馬記念を制したオグリキャップが世代首位の「65」、東京優駿を制したサクラチヨノオーが「63」で次点となり、サッカーボーイはそれらに次ぐ「62」で世代3位の評価が与えられた<ref name="優駿-1989-2-113120">『優駿』1989年2月号 113-120頁</ref>。また、4歳以上の馬を対象に、1600メートル以下の短距離に限定した「フリーハンデ」{{#tag:ref|短距離部門では、総合部門にて評価が高かった馬は評価の対象から除外された。そのためオグリキャップのこの部門での評価は存在しない。<ref name="優駿-1989-2-113120" />|group="注釈"}}では、[[安田記念]]を制したニッポーテイオーと並んで全体首位の「63」<ref name="優駿-1989-2-113120" />。「63」は、函館記念を日本レコードで制し、マイルチャンピオンシップ2着となって「62」に評価された、ニッポーテイオー4歳時（1986年）を上回るものであり<ref name="優駿-1989-2-113120" />、ハンデキャッパーは、2頭の4歳時を比べたとき、サッカーボーイの方が優れているとの結論に至った<ref name="優駿-1989-2-113120" />。また1988年のJRA賞表彰では、全172票中104票を集めて、[[JRA賞最優秀スプリンター]]に選出<ref name="優駿-1989-2-3339">『優駿』1989年2月号 33-39頁</ref>。以下、次点のニッポーテイオーは36票、[[ダイナアクトレス]]が14票、[[シンウインド]]が7票で続いた<ref name="優駿-1989-2-3339" />。
春の[[クラシック (競馬)|クラシック]]は不本意な成績に終わったが、[[中日スポーツ賞4歳ステークス]]では勝ちパターンに持ち込んでいた皐月賞優勝馬[[ヤエノムテキ]]を並ぶ間もなく差し切り勝利した。次走の[[函館記念]]では[[メリーナイス]]、[[シリウスシンボリ]]の2頭のダービー馬に加えて[[牝馬]]クラシック[[二冠馬]]の[[マックスビューティ]]が出走してきたが、サッカーボーイは道中後方でレースを進めると3コーナー手前から前へ進出して4コーナーで先頭に立ち、2着のメリーナイスに5馬身差をつけて当時の日本レコードとなる1分57秒8を記録して優勝した<ref>『優駿』2021年1月号、p.126</ref>。このレコードタイムは日本初の1分57秒台であり、現在も[[函館競馬場]]のコースレコードである。


5歳となった1989年には、[[マイラーズカップ]]から始動する予定であったが[[骨折]]<ref>{{Cite web|title=サッカーボーイ 派手な馬体と勝ち方でファンを魅了|url=https://jra-van.jp/fun/memorial/1985103538.html|website=JRA-VAN|accessdate=2021-11-08|language=ja}}</ref>。その後は「砂のぼり」と呼ばれる蹄の病気が右後脚を襲ったが<ref name="優駿-1989-9-101102">『優駿』1989年9月号 101-102頁</ref>、8月には函館競馬場に入厩し、UHB賞や[[毎日王冠]]で復帰する予定だった<ref name="優駿-1989-9-101102" /><ref name="優駿-1989-9-97100">『優駿』1989年9月号 97-100頁</ref>。さらに、天皇賞（秋）を目標としていたが<ref name="優駿-1989-9-97100" />、再び脚部不安となり、結局復帰することなく競走馬を引退した<ref>『優駿』1989年11月号 14-15頁</ref>。
陣営は秋の目標として[[菊花賞]]を考えていたが、[[京都新聞杯]]の前になって右前脚を捻挫したことによりクラシック路線を断念した<ref name="yushun198901-134135">『優駿』1989年1月号、pp.134-135</ref>。目標をマイルチャンピオンシップに切り替えたあとは、管理する[[小野幸治]]が「中間の具合はよかったので今回も自信はあった」という状態で当日を迎えた<ref name="yushun198901-134135" />。レースでは後方4番手あたりを追走していたが、3コーナーの坂の下りから外々を周ってあっという間に先団に取りつき、直線入り口では先頭から5馬身差まで接近する。残り1ハロンの地点で内埒一杯を粘るミスターボーイに大外から並びかけると一瞬のうちにトップに立ち、あとは後続を引き離す一方の4馬身差でゴールインした<ref name="yushun198901-134135" />。鞍上の河内は本レースに対して「前半はちょっと置かれたけど、それほど心配はしていなかった。坂の下りからの行きっぷりがよかったので、4コーナーで勝てると思った」と振り返っている。また、河内はこの勝利により年間重賞13勝の新記録を達成した<ref>『優駿』1989年1月号、pp.125</ref>。


=== 種牡馬時代 ===
次走は[[第33回有馬記念]]に出走。[[タマモクロス]]と[[オグリキャップ]]の対決が注目されたこのレースでサッカーボーイはこの2頭とともに[[単枠指定制度|単枠指定]]を受け、3番人気に支持された<ref name="yushun202101-127">『優駿』2021年1月号、p.127</ref>。ゲートで暴れて鉄枠に顔を強くぶつけて出血するアクシデントがあり、スタートで後方に遅れて最後の直線でも最後方に位置していたが、直線で脚を伸ばし、3位入線の[[スーパークリーク]]が前年覇者の[[メジロデュレン]]への進路妨害で失格（当時は[[降着制度]]がなかった）したこともあり繰り上がりの3着に入った<ref name="yushun202101-127"/>。
引退後は、[[社台スタリオンステーション]]で種牡馬となった<ref name=":1" />。産駒からは、[[菊花賞]]を勝利した[[ナリタトップロード]]、[[秋華賞]]を勝利した[[ティコティコタック]]、菊花賞・[[天皇賞（春）]]・[[宝塚記念]]を制した[[ヒシミラクル]]が誕生<ref>{{Cite web|title=種牡馬情報：BMS成績｜サツカーボーイ｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000179021/sire/bms/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>。[[ブルードメアサイアー]]としての産駒には[[安田記念]]を勝利した[[ツルマルボーイ]]、[[天皇賞（春）]]を勝利した[[マイネルキッツ]]、[[全日本2歳優駿]]を勝利した[[ヴァケーション (競走馬)|ヴァケーション]]がいる<ref>{{Cite web|title=種牡馬情報：BMS成績｜サツカーボーイ｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000179021/sire/bms/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>。


[[2000年]]からは[[ブリーダーズスタリオンステーション]]に移動した<ref name=":1">{{Cite web|title=サッカーボーイ、白老Ｆへ移動|url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/42628|website=競馬ブック|accessdate=2021-11-11}}</ref><ref name=":0">{{Cite web|title=サッカーボーイ、シンジケート解散社台SS荻伏へ {{!}} 馬産地ニュース {{!}} 競走馬のふるさと案内所|url=https://uma-furusato.com/news/50476.html|website=uma-furusato.com|accessdate=2021-11-08}}</ref>。[[2006年]]末、種牡馬シンジケートを解散<ref name=":0" /><ref>{{Cite web|title=サッカーボーイがシンジケート解散 |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=17462|website=netkeiba.com|accessdate=2021-11-08|language=ja}}</ref>。以後は社台グループの所有馬として種牡馬生活を続行する。[[2007年]]シーズンは社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬生活を送ったが<ref name=":0" />、2007年[[8月25日]]に生まれ故郷である白老ファームに移動した<ref name=":1" /><ref>{{Cite web|title=社台スタリオンステーション荻伏が閉鎖 |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=22913|website=netkeiba.com|accessdate=2021-11-08|language=ja}}</ref>。その後は、社台スタリオンステーションに繋養されたが、2011年になって競走馬時代から続く[[蹄葉炎]]がさらに悪化<ref name="日刊-死亡"/>、[[10月7日]]、社台スタリオンステーションで蹄葉炎のため、26歳で死亡した<ref name="日刊-死亡"/><ref>{{Cite web|title=快速馬サッカーボーイ逝く　26歳|url=http://www.daily.co.jp/newsflash/2011/10/07/0004530920.shtml|website=daily.co.jp|date=2011-10-7|accessdate=2021-11-08|publisher=デイリースポーツ|archiveurl=https://web.archive.org/web/20111007124113/http://www.daily.co.jp/newsflash/2011/10/07/0004530920.shtml|archivedate=2011-10-07}}</ref>。
翌年も現役を続行したサッカーボーイだったが、春初戦に予定していた[[マイラーズカップ]]への調整中に骨折。秋にはトレセンに帰厩し[[毎日王冠]]に登録したものの、再び脚部不安を発症。そのまま現役引退が発表され、結局古馬になってからは1走もできなかった。


=== サッカーボーイとオグリキャップ ===
サッカーボーイが夏に快進撃を続けていたころ、同期のオグリキャップが[[高松宮記念 (競馬)|高松宮杯]]、[[毎日王冠]]で[[古馬]]を撃破する快進撃を続けていた。オグリキャップがマイル路線を進んでいればマイルチャンピオンシップでの対決の可能性もあったものの、オグリキャップは天皇賞（秋）から[[ジャパンカップ]]と進んだため、結局両馬はともに適距離とは言い難い[[有馬記念]]まで対決することはなかった。サッカーボーイの[[主戦騎手]]で、オグリキャップにも数戦に渡って騎乗した河内洋は、両馬の比較について「1600mならオグリキャップ、2000mならサッカーボーイ」と語ったことがある。サッカーボーイは前述の通り2000mの函館記念をレコード勝ちし、オグリキャップは6歳春に1600mの[[安田記念]]でレコード勝ちしている。


なお、この2頭に1歳上のタマモクロスを加えた3頭の1987年から1988年の軌跡は『昭和最後の名勝負』というタイトルで[[ポニーキャニオン]]よりビデオ化されている。


== 競走成績 ==
== 競走成績 ==
以下の内容は、netkeiba.com<ref name="netrcd">{{Cite web|url= https://db.netkeiba.com/horse/result/1985103538/ |title=netkeiba サッカーボーイの競走成績|publisher=Net Dreamers Co., Ltd.|accessdate=2019-08-20}}</ref>およびJBISサーチ<ref name="jbisrcd">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000179021/record/ |title=サッカーボーイ 競走成績|work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-08-20}}</ref>の情報に基づく。
以下の内容は、[[netkeiba.com]]<ref name="netrcd">{{Cite web|url= https://db.netkeiba.com/horse/result/1985103538/ |title=netkeiba サッカーボーイの競走成績|publisher=Net Dreamers Co., Ltd.|accessdate=2019-08-20}}</ref>およびJBISサーチ<ref name="jbisrcd">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000179021/record/ |title=サッカーボーイ 競走成績|work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-08-20}}</ref>の情報に基づく。


{|style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
! 競走日 !! 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離（馬場） !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />（人気） !! 着順 !! タイム<br />（上り3F） !! 着差 !! 騎手 !! 斤量<br />[kg]!! 1着馬（2着馬）!!馬体重<br />[kg]
! 競走日 !! 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離（馬場） !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />（人気） !! 着順 !! タイム<br />（上り3F） !! 着差 !! 騎手 !! 斤量<br />[kg]!! 1着馬（2着馬）!!馬体重<br />[kg]
|-
|-
63行目: 93行目:
| [[函館競馬場|函館]]
| [[函館競馬場|函館]]
| [[新馬|3歳新馬]]
| [[新馬|3歳新馬]]
|
|
| 芝1200m（不）
| 芝1200m（不）
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72行目: 102行目:
| {{0}}1:14.5（39.2）
| {{0}}1:14.5（39.2）
| -1.5
| -1.5
| [[内山正博 (競馬)|内山正博]]
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| 53
| 53
| （トウショウマリオ）
| （トウショウマリオ）
80行目: 110行目:
| [[函館競馬場|函館]]
| [[函館競馬場|函館]]
| [[函館2歳ステークス|函館3歳S]]
| [[函館2歳ステークス|函館3歳S]]
| GIII
| {{GIII}}
| 芝1200m（重）
| 芝1200m（重）
| 12
| 12
88行目: 118行目:
| |{{0}}4着
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| {{0}}1:12.9（37.2）
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| 内山正博
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| （ディクターランド）
| （ディクターランド）
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|-
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| [[京都競馬場|京都]]
| もみじ賞
| もみじ賞
106行目: 136行目:
| {{0}}1:36.4（36.8）
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| -1.6
| 内山正博
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| （ラガーフラッグ）
114行目: 144行目:
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| 芝1600m（良）
| 芝1600m（良）
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| 内山正博
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| （[[ダイタクロンシャン]]）
| （[[ダイタクロンシャン]]）
131行目: 161行目:
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| [[東京競馬場|東京]]
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| 芝2000m（良）
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| 東京
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| [[NHK杯 (競馬)|NHK杯]]
| GII
|{{GII}}
| 芝2000m（稍）
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| 16
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| 56
| マイネルグラウベン
| マイネルグラウベン
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| 東京
| 東京
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| [[東京優駿]]
| GI
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| 芝2400m（良）
| 芝2400m（良）
| 24
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| 15着
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| 57
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182行目: 212行目:
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| GIII
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| 芝1800m（良）
| 芝1800m（良）
| 11
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| {{0}}1:48.9（34.1）
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| 芝2000m（良）
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| 芝1600m（良）
| 17
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| 河内洋
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| [[中山競馬場|中山]]
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*枠番・馬番の太字は単枠指定を示す。
*枠番・馬番の太字は'''[[単枠指定制度|単枠指定]]'''を示す。
*{{Color|darkred|R}}はレコードタイム樹立を示す。


== 引退後 ==
== 種牡馬成績 ==
引退後は[[社台スタリオンステーション]]で種牡馬入りした。その際には「内国産種牡馬は繋養しない」という方針を貫いていた当時の[[社台グループ]]総帥[[吉田善哉]]と、「サッカーボーイは種牡馬として絶対に成功する」と主張した[[吉田勝己]]（吉田善哉の次男）の衝突があった。当時の社台スタリオンでは四冠馬[[ミスターシービー]]を唯一の例外として、当時の社台生産馬の出世頭だった[[アンバーシャダイ]]ですらグループ外の牧場に繋養されるなど、種牡馬のラインアップは輸入馬で固められていた。このとき善哉は「内国産馬と輸入馬との間にはまだまだ大きなレベル差がある」と主張したが、これに対し勝己が「天下の社台ファームが内国産種牡馬を育てられないようでは情けない」と主張し、この勝己の熱意に善哉が折れたことと引退した[[1989年]]に父・ディクタスが死亡し、その後継という点からサッカーボーイの社台スタリオン入りが決まったというエピソードがある。こうしてサッカーボーイはGI昇格後の阪神3歳ステークス勝利馬で種牡馬になった数少ない馬の1頭となった。


=== 主な産駒 ===
種牡馬入り後は4頭のGI馬をはじめ多数の重賞馬を輩出し、勝己の相馬眼が当たった結果となった。[[2000年]]からは[[ブリーダーズスタリオンステーション]]に移動した。甥の[[ステイゴールド]]がブリーダーズスタリオンステーションにスタッド入りした際にサッカーボーイがステイゴールドを威嚇したというエピソードもある。

[[2006年]]末、種牡馬シンジケートを解散。以後は社台グループの所有馬として種牡馬生活を続行する。[[2007年]]シーズンは社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬生活を送ったが、2007年[[8月25日]]に生まれ故郷である白老ファームに移動、[[2008年]]シーズンからふたたび社台スタリオンステーションにて種牡馬生活を送った。

サッカーボーイ自身は現役時代にマイルから中距離で活躍したが、血統はサンクタスに遡る長距離血統で、（ただし、父ディクタスはマイラーであるが、サンクタスは長距離のＧ１を制したステイヤーであり、曾祖父にあたるファイントップの産駒にはサンクタス以外に、[[仏オークス]]優勝馬ファインパール、[[凱旋門賞]]優勝馬で、引退後種牡馬として日本に輸入され3冠馬ミスターシービーの母の父となった[[トピオ]]がいる）[[ヒシミラクル]]、[[ナリタトップロード]]、[[キョウトシチー]]、[[アイポッパー]]、[[ゴーゴーゼット]]など長距離馬を多数輩出し、中央競馬で1600メートルの重賞を勝ったのはブルーイレヴン1頭である。牝馬の代表産駒は[[秋華賞]]馬[[ティコティコタック]]がいる。また母の父としても[[ツルマルボーイ]]（安田記念）、[[チョウサン]]（[[毎日王冠]]）、[[メジロマイヤー]]（[[きさらぎ賞]]、[[小倉大賞典]]）、[[マイネルキッツ]]（[[天皇賞|天皇賞･春]]）を送り出し成功している。

[[2011年]][[10月7日]]、繋養先の社台スタリオンステーションで蹄葉炎のため死亡した。[[馬齢]]26歳<ref>[http://www.daily.co.jp/newsflash/2011/10/07/0004530920.shtml 快速馬サッカーボーイ逝く 26歳] デイリースポーツオンライン 2011年10月7日閲覧</ref>。

=== おもな産駒 ===
[[ファイル:Narita Top Road 19991226R1.jpg|thumb|180px|ナリタトップロード（1996年産）]]

[[ファイル:Hishi Miracle 20041031P1.jpg|thumb|180px|ヒシミラクル（1999年産）]]
*1991年産
*1991年産
**[[キョウトシチー]]（[[東京大賞典]]、[[浦和記念]]、[[白山大賞典]]2回、[[東海ステークス|ウインターステークス]]、[[エルムステークス|シーサイドステークス]]）
**[[キョウトシチー]]（[[東京大賞典]]、[[浦和記念]]、[[白山大賞典]]2回、[[東海ステークス|ウインターステークス]]、[[エルムステークス|シーサイドステークス]]）<ref>{{Cite web|title=キョウトシチー｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000249570/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**[[ゴーゴーゼット]]（[[アルゼンチン共和国杯]]、[[日経新春杯]]）
**[[ゴーゴーゼット]]（[[アルゼンチン共和国杯]]、[[日経新春杯]]）<ref>{{Cite web|title=ゴーゴーゼット｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000245366/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**[[ツルマルガール]]（[[朝日チャレンジカップ]]）
**[[ツルマルガール]]（[[朝日チャレンジカップ]]）<ref>{{Cite web|title=ツルマルガール｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000245665/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*1992年産
*1992年産
**サウンドバリヤー（[[愛知杯]]）
**サウンドバリヤー（[[愛知杯]]）<ref>{{Cite web|title=サウンドバリヤー｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000258928/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*1996年産 [[ファイル:Narita Top Road 19991226R1.jpg|thumb|180px|ナリタトップロード（1996年産）]]
*1996年産
**[[ナリタトップロード]]（'''[[菊花賞]]'''、[[弥生賞]]、[[阪神大賞典]]2回、[[京都記念]]、[[京都大賞典]]、[[きさらぎ賞]]）
**[[ナリタトップロード]]（'''[[菊花賞]]'''、[[弥生賞]]、[[阪神大賞典]]2回、[[京都記念]]、[[京都大賞典]]、[[きさらぎ賞]]）<ref>{{Cite web|title=ナリタトップロード｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000304230/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*1997年産
*1997年産
**[[ティコティコタック]]（'''[[秋華賞]]'''）
**[[ティコティコタック]]（'''[[秋華賞]]'''）<ref>{{Cite web|title=ティコティコタック｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000317100/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*1998年産
*1998年産
**スーパージーン（[[新潟記念]]）
**スーパージーン（[[新潟記念]]）<ref>{{Cite web|title=スーパージーン｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000324045/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**アブクマドリーム（[[黒潮盃]]、[[戸塚記念]]、[[東京湾カップ]]）
**アブクマドリーム（[[黒潮盃]]、[[戸塚記念]]、[[東京湾カップ]]）
*1999年産[[ファイル:Hishi Miracle 20041031P1.jpg|thumb|180px|ヒシミラクル（1999年産）]]
*1999年産
**[[ヒシミラクル]]（'''菊花賞'''、'''[[天皇賞]]（春）'''、'''[[宝塚記念]]'''）
**[[ヒシミラクル]]（'''菊花賞'''、'''[[天皇賞]]（春）'''、'''[[宝塚記念]]'''）<ref>{{Cite web|title=ヒシミラクル｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000617546/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**カッツミー（[[ラジオNIKKEI賞|ラジオたんぱ賞]]）
**カッツミー（[[ラジオNIKKEI賞|ラジオたんぱ賞]]）<ref>{{Cite web|title=カッツミー｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000617176/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**ウエノマルクン（[[東京記念]]）
**ウエノマルクン（[[東京記念]]）<ref>{{Cite web|title=ウエノマルクン｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000616500/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*2000年産
*2000年産
**ブルーイレヴン（[[関屋記念]]、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]）
**ブルーイレヴン（[[関屋記念]]、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]）<ref>{{Cite web|title=ブルーイレヴン｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000707129/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**[[アイポッパー]]（[[ステイヤーズステークス]]、阪神大賞典）
**[[アイポッパー]]（[[ステイヤーズステークス]]、阪神大賞典）<ref>{{Cite web|title=アイポッパー｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000701724/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*2003年産
*2003年産
**イエロージャケット（[[若草賞]]、[[スプリングカップ (名古屋競馬)|スプリングカップ]]）
**イエロージャケット（[[若草賞]]、[[スプリングカップ (名古屋競馬)|スプリングカップ]]）<ref>{{Cite web|title=イエロージャケット｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000758130/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*2006年産
*2006年産
**マルブツコンバット（[[OROカップ|桂樹杯]]）
**マルブツコンバット（[[OROカップ|桂樹杯]]）<ref>{{Cite web|title=マルブツコンバット｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000990949/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*2007年産
*2007年産
**リュウノボーイ（[[オパールカップ]]、[[絆カップ]]、[[シアンモア記念]]）
**リュウノボーイ（[[オパールカップ]]、[[絆カップ]]、[[シアンモア記念]]）<ref>{{Cite web|title=リュウノボーイ｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001043679/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
**ハートオブストーン（[[尾張名古屋杯]]）
**ハートオブストーン（[[尾張名古屋杯]]）<ref>{{Cite web|title=ハートオブストーン｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001040783/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
==== ブルードメアサイアーとしての主な産駒 ====
[[2005年]]の[[JRA賞最優秀父内国産馬]]部門に無効票が2票投じられたが、これは馬名のイメージから[[ハットトリック_(競走馬)|ハットトリック]]を本馬の産駒と誤認したものである。
*[[ツルマルボーイ]]（'''[[安田記念]]'''、[[金鯱賞]]、[[中京記念]]） - 父[[ダンスインザダーク]]<ref>{{Cite web|title=ツルマルボーイ｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000329607/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>

*[[マイネルキッツ]]（'''[[天皇賞（春）]]'''、[[日経賞]]、[[ステイヤーズステークス]]） - 父[[チーフベアハート]]<ref>{{Cite web|title=マイネルキッツ｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000756733/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
=== ブルードメアサイアーとしてのおもな産駒 ===
*[[チョウサン]]（[[毎日王冠]]） - 父ダンスインザダーク<ref>{{Cite web|title=チョウサン｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000739260/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*[[ツルマルボーイ]]（[[安田記念]]、[[金鯱賞]]、[[中京記念]]） - 父[[ダンスインザダーク]]
*[[マイネカンナ]]（[[福島牝馬ステークス]]） - 父[[アグネスタキオン]]<ref>{{Cite web|title=マイネカンナ｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000801396/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*[[マイネルキッツ]]（[[天皇賞（春）]]、[[日経賞]]、[[ステイヤーズステークス]]） - 父[[チーフベアハート]]
*[[メジロマイヤー]]（[[きさらぎ賞]]、[[小倉大賞典]]） - 父[[サクラバクシンオー]]<ref>{{Cite web|title=メジロマイヤー｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000619693/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*[[チョウサン]]（[[毎日王冠]]） - 父ダンスインザダーク
*クリールカイザー（[[アメリカジョッキークラブカップ]]） - 父[[キングヘイロー]]<ref>{{Cite web|title=クリールカイザー｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001107653/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*[[マイネカンナ]]（[[福島牝馬ステークス]]） - 父[[アグネスタキオン]]
*アールスター（[[小倉記念]]）- 父:[[ロードカナロア]]<ref>{{Cite web|title=アールスター｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001203567/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*[[メジロマイヤー]]（[[きさらぎ賞]]、[[小倉大賞典]]） - 父[[サクラバクシンオー]]
*[[ヴァケーション (競走馬)|ヴァケーション]]（'''[[全日本2歳優駿]]'''、[[平和賞 (船橋競馬)|平和賞]]、[[秋の鞍 (名古屋競馬)|秋の鞍]]） - 父[[エスポワールシチー]]<ref>{{Cite web|title=ヴァケーション｜JBISサーチ（JBIS-Search）|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001229736/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2021-11-08}}</ref>
*クリールカイザー（[[アメリカジョッキークラブカップ]]） - 父[[キングヘイロー]]
*アールスター（[[小倉記念]]）- 父[[ロードカナロア]]


== 血統 ==
== 血統 ==
{{競走馬血統表
{{競走馬血統表
|name = サッカーボーイ
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*甥（全妹の仔）に[[ステイゴールド]]、近親に[[バランスオブゲーム]]、[[ドリームパスポート]]、[[スノードラゴン]]、[[ショウナンパンドラ]]がいる。
=== 血統背景 ===
父ディクタスはフランス産馬。[[ジャック・ル・マロワ賞]]などに勝利すると、種牡馬としてもフランス[[リーディングサイアー|サイアーランキング]]2位に入るなど活躍し、1981年に[[社台グループ]]により輸入された。ファイントップの子孫は世界でもほぼ勢力を失っており、本馬が孤軍奮闘している状態である。母は未勝利だが、本馬の甥（本馬の全妹の仔）に[[ステイゴールド]]、近親に[[バランスオブゲーム]]、[[ドリームパスポート]]、[[スノードラゴン]]、[[ショウナンパンドラ]]がいる。

== エピソード ==
直前で回避した[[第40回毎日王冠]]は、[[オグリキャップ]]、[[イナリワン]]、[[メジロアルダン]]と人気・実績馬が顔を揃えた。当初の予定ではサッカーボーイを含めた4頭が[[単枠指定制度|単枠指定]]を受け、史上初の「4頭単枠指定」となるはずだった。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注}}
<references group="注釈" />

=== 出典 ===
=== 出典 ===
{{Reflist}}
{{Reflist}}


== 参考文献・出典 ==
== 参考文献 ==
*「[[優駿]]」（日本中央競馬会）1988年2月号-5月号
*『[[優駿]]』（[[日本中央競馬会]]）
**1988年2月号
***「【第39回阪神3歳ステークス詳報】8馬身差の弾丸シュート、サッカーボーイ」
*「優駿」（日本中央競馬会）2021年1月号
***「JRA賞年度代表馬・各部門最優秀馬決定!」
**辻谷秋人「未来に語り継ぎたい名馬59 レコード駆けの弾丸シュート サッカーボーイの底知れぬ魅力」
***「【1987年度フリーハンデ決定】サッカーボーイは久しぶりの関西の大物。あのテンポイントと同等の評価で56キロ。」
***松村光雄（フジ新聞社）「【今月の記録室】農林水産省賞典 第39回阪神3歳ステークス（{{GI}}） サッカーボーイ」
**1988年5月号
***石井誠（[[報知新聞]]）「【今月の記録室】第25回報知杯弥生賞（{{GII}}） サクラチヨノオー」
**1988年7月号
***天野保彦（[[日刊スポーツ]]）「【今月の記録室】第55回日本ダービー（{{GI}}）サクラチヨノオー」
***[[山田康夫]]（[[日本放送協会]]）「【今月の記録室】<ダービー・トライアル>第36回NHK杯（{{GII}}） マイネルグラウベン」
**1988年9月号
***山口梅治（[[中日スポーツ]]）「【今月の記録室】第2回中日スポーツ賞4歳ステークス（{{GIII}}） サッカーボーイ」
**1988年10月号
***瀬上保男（[[読売新聞]]）「【今月の記録室】ローカル競馬で好タイム続出 サッカーボーイは2000メートル1分57秒8の日本新」
***渡辺久和（[[スポーツニッポン]]）「【今月の記録室】農林水産省賞典 第24回函館記念（{{GIII}}）」
**1988年12月号
***瀬上保男（読売新聞）「【今月の記録室】河内洋騎手 年間重賞12勝のタイ記録」
**1989年1月号
***「【第5回マイルチャンピオンシップ詳報】この弾丸シュート、新しいマイルチャンピオン、サッカーボーイ」
***瀬上保男（読売新聞）「【今月の記録室】河内洋騎手 年間重賞13勝の新記録」
***寺田文雄（[[デイリースポーツ]]）「【今月の記録室】第5回マイルチャンピオンシップ（{{GI}}） サッカーボーイ」
**1989年2月号
***中村正也「【中村正也の撮る<牧場の冬景色>】北海道・白老 サッカーボーイの故郷 社台ファーム・白老」
***「1988年度JRA賞決定 年度代表馬にタマモクロス」
***「1988年度フリーハンデ決定」
***有吉正徳（[[東京中日スポーツ]]）「【今月の記録室】第33回グランプリ 有馬記念（{{GI}}）」
**1989年9月号
***「【全調査 秋をめざす有力馬たち】5歳以上有力馬の近況 第100回天皇賞はオールスター・キャスト」
***紺野真（[[東京スポーツ]]）「【全調査 秋をめざす有力馬たち】菊花賞戦線は、ウィナーズサークルに"鋭""鈍""爽"の三頭が挑むぞ。」
**1989年11月号
***「【第100回天皇賞有力馬】 役者は揃った。10月29日、名勝負が歴史を飾る。」
**2021年1月号
***辻谷秋人「【未来に語り継ぎたい名馬物語 59】サッカーボーイの底知れぬ魅力」


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2021年11月11日 (木) 06:45時点における版

曖昧さ回避 この項目では、競走馬について説明しています。曲については「サッカーボーイ (曲)」をご覧ください。
サッカーボーイ
欧字表記 Soccer Boy[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 牡[1]
毛色 栃栗毛（尾花栗毛）[1]
生誕 1985年4月28日[1]
死没 2011年10月7日（26歳没）[2]
父 ディクタス[1]
母 ダイナサッシュ[1]
母の父 ノーザンテースト[1]
生国 日本の旗 日本（北海道白老町）[1]
生産者 社台ファーム[1]
馬主 （有）社台レースホース[1]
調教師 小野幸治（栗東）[1]
厩務員 内田忠[3]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牡馬（1987年）[1]
JRA賞最優秀スプリンター（1988年）[1]
生涯成績 11戦6勝[1]
獲得賞金 2億1993万2000円[4]
勝ち鞍
GI 阪神3歳ステークス 1987年
GI マイルチャンピオンシップ 1988年
GIII 中日スポーツ賞4歳ステークス 1988年
GIII 函館記念 1988年
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サッカーボーイ（欧字名:Soccer Boy、1985年4月28日 - 2011年10月7日）は、日本の競走馬、種牡馬[1]。

1987年のJRA賞最優秀3歳牡馬、1988年のJRA賞最優秀スプリンターである。1987年の阪神3歳ステークス（GI）、1988年のマイルチャンピオンシップ（GI）、中日スポーツ賞4歳ステークス（GIII）、函館記念（GIII）。

産駒のGI優勝馬には、ナリタトップロード（菊花賞）、ティコティコタック（エリザベス女王杯）、ヒシミラクル（菊花賞、天皇賞（春）、宝塚記念）がいる。

3歳時（1987年）もみじステークス、阪神3歳ステークスを共に大きい差をつけて勝利。1975年に同じように出世し、夭折した競走馬になぞらえて「テンポイントの再来」と称された。

生涯

デビュー前

誕生までの経緯

1966年にイギリスで生産された牝馬のロイヤルサッシュ（父:プリンスリーギフト）は、競走馬として1戦未勝利[5][6]。イギリスで繁殖牝馬として2頭の仔を産んだ後[7]、1973年に日本へ輸入された[5]。その後しばらく北海道白老町の社台ファームで生産を続け、1978年には、社台が種牡馬として輸入したカナダ産フランス調教馬のノーザンテーストと交配[7]。1979年3月16日、牝馬のダイナサッシュが誕生する[8]。

ダイナサッシュは、競走馬として9戦未勝利、その後は社台ファームで繁殖牝馬となった[5][9]。初年度には、社台が導入した種牡馬でフランス産フランス調教馬のディクタスと交配。初仔を生産した後、2年目の1984年も同様の交配がなされた[10]。1985年4月28日、社台ファームにて2番仔である栃栗毛の牡馬（後のサッカーボーイ）が誕生する[1]。

幼駒時代

2番仔は、離乳まで白老町の社台ファームで過ごした。白老の大須賀康忠牧場長は「生まれたころから小さかったせいか、とくべつ大物という印象はなかった[11]」と述懐している。激しい気性と高い運動能力を兼ね備えていたが、それゆえに牧柵を飛び越えたり、後ろ脚2本で歩くことがあり[4]、辻谷秋人によれば「やんちゃなエピソードに事欠かない馬[4]」だったという。一方で、生まれながらに脚の不安もはらんでおり、常に裂蹄[注釈 1]の危険も存在していた。離乳後は、北海道苫小牧市の社台ファーム空港牧場で育成[11]。空港の大沢俊一牧場長によれば「長年育成の仕事をやっているけれど、乗っててその大物感に背筋がぞくぞくしてきた馬っていうのはこのサッカーボーイが初めて。みんなにはこいつは間違いなく走ると太鼓判を押してたんです[5]。」と回想している。

2番仔は、有限会社社台レースホースの所有となり「サッカーボーイ」との競走馬名が与えられた[1]。サッカーボーイは、1987年5月、栗東トレーニングセンターの小野幸治厩舎に入厩[5]。小野はサッカーボーイを2歳の時から見ており、初めて見た印象は「バランスのいい馬だなという感じ[5]」だったという。

競走馬時代

3歳（1987年）

8月9日、函館競馬場の新馬戦（芝1200メートル）に内山正博が騎乗してデビュー。直線だけで9馬身差をつけて初勝利を挙げた[4]。続く、9月27日の函館3歳ステークス（GIII）ではスタートで出遅れて4着[4]。それから栗東に帰厩し、10月31日、京都競馬場のもみじステークス（OP）に出走。再び出遅れるも、最終コーナーで内側に進路をとって追い上げて、まもなく差し切り独走。後続と10馬身差をつけて、2勝目を挙げた[4]。その後は、デイリー杯3歳ステークスへの出走を予定していたが、裂蹄のために回避した[5]。

12月20日、関西の3歳チャンピオン決定戦に位置付けられる阪神3歳ステークス（GI）に出走、単勝オッズ1.9倍の1番人気に推された。良いスタートを切って、馬群に収まり中団に位置、先頭が前半の800メートル46.1秒を通過するハイペースとなった[5]。第3コーナーあたりで馬群の外に持ち出して追い上げを開始、後続勢のほとんどが苦労する中、ただ1頭サッカーボーイのみが先行勢に取り付いた[5]。直線では、残り300メートル地点で逃げ粘るジンデンボーイを外から差し切ると、あとは突き放す一方となって独走、後方に8馬身差をつけて入線した[5][13]。これが3勝目となり、GI初勝利。走破タイム1分34秒5は、ヒデハヤテが1971年阪神3歳ステークスにて樹立したコースレコードおよびレースレコード1分35秒1を0.6秒更新した[13]。

映像外部リンク
1987年 阪神3歳ステークス
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

この勝利に対して、ミスターシクレノンに騎乗し8着に敗れた田原成貴は「強いねえ、あまりスピードがありすぎて、かえってクラシックが心配になるほどやね[5]」と評するなど、他の騎手もサッカーボーイの能力を高く評価する声があった[5]。さらに、この8馬身差の勝ちっぷりは、1975年の同競走を7馬身差で勝利し、1977年には天皇賞（春）、有馬記念を勝利して優駿賞年度代表馬になるまで出世した関西馬・テンポイントを想起させ、スポーツ新聞の報道では関西のみならず、関東にも「テンポイントの再来」との見出しがつけられていた[4][13]。

美浦トレーニングセンター、栗東トレーニングセンター、JRA本部所属のハンデキャッパーが選定するこの年の「フリーハンデ」では、関西馬首位となる「56」を獲得[14]。一方、関東馬首位は、朝日杯3歳ステークス（GI）を1分35秒6で走破して勝利したサクラチヨノオーであり、サクラチヨノオーは「55」であったことから、サッカーボーイが世代首位の評価となった[14]。また「56」は、テンポイントの2歳時に並ぶ評価であった[14]。ハンデキャッパーは、サッカーボーイに「56」を与えるにあたり、以下のように検討を行っている（美浦:甲佐、滝澤。栗東:小林、渡辺、吉田、朝日。JRA本部:柴田）[14]。

「
吉田 （前略）サッカーボーイが近年にない活躍を見せてくれたのは大きな収穫だった。（中略）久々に関西から大物が出たという感じで、東西を通じてもこの馬が3歳ナンバーワンだろう。
渡辺 この馬はテンポイント級の大物と見ている。例年のトップはだいたい54キロだが、サッカーボーイは56キロの評価を与えてよい。
滝澤 過去に56キロをつけた馬ではバンブトンコート、ギャラントダンサーがいるが、バンブトンコートは重賞を三つ勝っているしこの2頭の実績と比べて56キロというのはつけすぎではないか。
甲佐 確かにサッカーボーイのタイトルは一つだけだが、昔に比べて今の3歳は何でもかんでも重賞を使っていくということはなくなってきた。新馬を勝ってこの馬が走ると分かれば、クラシックに照準を定めて無理させないで休ませる。こうした傾向は年々顕著になっている。3歳馬に関してはタイトルとか実績だけでなく、内容が素晴らしければそれなりの評価を与えてもいいと思う。
朝日 サッカーボーイは内容がじつにいい、阪神3歳Sは1分34秒5で走りヒデハヤテのレコードを16年ぶりに塗り替えた。前走のオープン特別もみじ賞にしても、ことしの京都はひじょうに時計のかかる馬場で加えて重馬場だったにもかかわらず、1分36秒4で走り2着以下を10馬身突き放している。おまけに好位につけて直線抜け出すという近代競馬にマッチした脚質、この馬はテンポイント級だ。
小林 テンポイントも函館で新馬勝ちし関西へ帰って特別、阪神3歳Sを圧勝した。ステップも勝ち方もひじょうによく似ている。そのテンポイントが56キロの評価だったのだから、サッカーボーイも同等に並べたい。
滝澤 早くから活躍する馬はふつう早熟で、3歳で花開いてそのままダウンしていくことが多いが、サッカーボーイはどんどん体重が増えているのでその心配はないだろう。戦ったメンバーは確かに弱いが、勝ちっぷり、時計面、着差を加味すれば56キロを与えてよいと思う。
小林 何年ぶりかに出た関西の大物、と自信を持って言える。
柴田 ではサッカーボーイは56キロにしよう。
」

またこの年のJRA賞表彰では、全143票中127票を集めて、JRA賞最優秀3歳牡馬に選出[15]。次点となった関東のGI優勝馬・サクラチヨノオーの15票に大差をつける受賞であった[15]。

4-5歳（1988-89年）

3月6日の弥生賞（GII）で始動、単勝オッズ1.6倍の1番人気に推され、単枠指定制度の対象となった[16]。関東の2歳チャンピオンであるサクラチヨノオーが、始動戦の共同通信杯4歳ステークス（GIII）4着から参戦し、5.5倍の2番人気となり、東西の2歳チャンピオンが顔合わせた[16]。スタートからサクラチヨノオーが逃げる中、中団に位置[17]。直線では外に持ち出して、差し切りを図ったが、逃げるサクラチヨノオーを捕らえることができず、サクラチヨノオーに2馬身以上離される3着[17]。皐月賞の優先出走権を獲得し、出走を予定していたが、蹄の状態が悪化して飛節炎を発症したために回避した[4]。

皐月賞を逃した陣営は、目標を東京優駿（日本ダービー）に切り替え、5月4日、トライアル競走であるNHK杯（GII）に出走。河内洋に乗り替わり、単勝オッズ3.5倍の1番人気に推された[18]。中団内側の9番手に位置し、直線で追い上げるも、メジロアルダンやマイネルグラウベンの末脚に敵わず、それらに2馬身以上遅れる4着[18]。東京優駿の優先出走権を獲得し[18]、続いて5月29日の東京優駿（日本ダービー）（GI）に出走。8枠22番の大外枠が割り当てられ、3歳となってからは連敗していたにもかかわらず、皐月賞優勝馬ヤエノムテキなどを押しのけ、単勝オッズ5.8倍の1番人気に推された[19]。後方に位置したが[19]、直線で全く伸びずに15着[4]。河内は敗因を距離に求めている[4]。

その後は、夏休みに入らず続戦し、7月3日の中日スポーツ賞4歳ステークス（GIII）に出走[4]。皐月賞優勝馬のヤエノムテキも同じく続戦しており、ヤエノムテキが単勝オッズ1.8倍の1番人気、サッカーボーイはそれに次ぐ3.4倍の2番人気となり、初めて1番人気を他に明け渡した[20]。また、両者はともに単枠指定制度の対象となった[20]。サッカーボーイは後方に位置し、先行馬有利のスローペースの中で追走。直線では大外に持ち出して追い上げ、ヤエノムテキが2番手先行から先に抜け出していた[21]。サッカーボーイが末脚を見せてヤエノムテキに迫り、ゴール手前で半馬身差し切って先頭で入線[20]。重賞2勝目となり、4歳になってから初めて勝利を挙げた[20]。後に、河内はこの一戦をきっかけに「小細工は不要。少々外を回ることになっても気分良く走らせてあげればはじける馬だと分かりました[22]」としており、その後は「他馬の騎乗依頼も来たけど“100％勝てる馬がいるから”と言って全てお断りしました[22]」と述懐している。

続いて、8月21日の函館記念（GIII）に出走。古馬と初めての顔合わせとなったが、相手は、メリーナイス、シリウスシンボリという2頭の東京優駿優勝馬や、牝馬クラシック二冠馬のマックスビューティが出走する「夏のローカルとは思えない超豪華メンバーによる一戦[4]」（辻谷秋人）であった。そんな中、古馬を押しのけて単勝オッズ2.2倍の1番人気。以下、人気はシリウスシンボリ、メリーナイスと続いた[23]。後方に位置し、第3コーナーあたりで外から追い上げると、最終コーナーでは先頭のトウショウサミットに並びかけた[23]。直線で先頭に立つと、好位のメリーナイスやシリウスシンボリを寄せ付けずに独走。その差を5馬身まで広げて先頭で入線、重賞2連勝となった[23]。走破タイム1分57秒8は、ニッポーテイオーが1986年8月の函館記念で樹立したコースレコード・1分58秒6を0.8秒更新[23]。さらに、サクラユタカオーが1986年10月の天皇賞（秋）で樹立した日本レコード・1分58秒3を0.5秒更新した[24]。

その後については、小野の菊花賞出走[23]、社台ファーム牧場長の吉田勝己や社台ファーム空港牧場長の大沢は天皇賞（秋）出走をそれぞれ指向していたが[23]、その前哨戦に選んだ京都新聞杯出走前に左前脚の球節を捻挫し[25]、結局すべて断念。代わりに、11月20日のマイルチャンピオンシップ（GI）に出走し、単勝オッズ2.2倍の1番人気に推された。スタートから後方に位置[25]。第3コーナーあたりで外から追い上げると、最終コーナーを4、5番手で通過[25]。直線では、逃げ粘る先頭のミスターボーイに5馬身のリードを許していたが、大外から末脚を見せて追い上げると、残り200メートル地点でかわして、後続を突き放した[25]。その差を4馬身まで広げて先頭で入線し、重賞3連勝、GI2勝目を挙げた[25]。また河内にとっては、この年のJRA重賞13勝目[注釈 2]であり、自身が1986年に12勝を挙げて樹立した年間最多重賞勝利記録[注釈 3]を更新した[26][28]。レースについて河内は「（前略）坂の下りからの行きっぷりがよかったので、4コーナーで勝てると思った[25]」と述懐している。

映像外部リンク
1988年 マイルチャンピオンシップ
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

続いて、12月25日の有馬記念（GI）に出走。天皇賞（秋）でワンツー、ジャパンカップでツースリーとなったタマモクロス、オグリキャップという芦毛の2頭が参戦し、その2頭にサッカーボーイを加えた3頭が、単枠指定制度の対象となった[29]。人気はタマモクロスが単勝オッズ2.4倍の1番人気、オグリキャップ3.7倍の2番人気、そしてサッカーボーイは4.8倍の3番人気であった[30]。枠入り後、サッカーボーイは発馬機内で暴れて、歯を折り、鼻血を出した[29]。それからスタートは出遅れ、最後方に位置[4]。直線では大外に持ち出して追い上げるも、先に抜け出したオグリキャップやタマモクロスには届かず、その2頭に2馬身離された4位で入線[29]。2頭に半馬身差離されて3位入線のスーパークリークが、メジロデュレンの進路を妨害したため失格となり、サッカーボーイは繰り上がって3着となった[29]。（競走に関する詳細は、第33回有馬記念を参照。）

1988年の「フリーハンデ」では、有馬記念を制したオグリキャップが世代首位の「65」、東京優駿を制したサクラチヨノオーが「63」で次点となり、サッカーボーイはそれらに次ぐ「62」で世代3位の評価が与えられた[31]。また、4歳以上の馬を対象に、1600メートル以下の短距離に限定した「フリーハンデ」[注釈 4]では、安田記念を制したニッポーテイオーと並んで全体首位の「63」[31]。「63」は、函館記念を日本レコードで制し、マイルチャンピオンシップ2着となって「62」に評価された、ニッポーテイオー4歳時（1986年）を上回るものであり[31]、ハンデキャッパーは、2頭の4歳時を比べたとき、サッカーボーイの方が優れているとの結論に至った[31]。また1988年のJRA賞表彰では、全172票中104票を集めて、JRA賞最優秀スプリンターに選出[3]。以下、次点のニッポーテイオーは36票、ダイナアクトレスが14票、シンウインドが7票で続いた[3]。

5歳となった1989年には、マイラーズカップから始動する予定であったが骨折[32]。その後は「砂のぼり」と呼ばれる蹄の病気が右後脚を襲ったが[33]、8月には函館競馬場に入厩し、UHB賞や毎日王冠で復帰する予定だった[33][34]。さらに、天皇賞（秋）を目標としていたが[34]、再び脚部不安となり、結局復帰することなく競走馬を引退した[35]。

種牡馬時代

引退後は、社台スタリオンステーションで種牡馬となった[36]。産駒からは、菊花賞を勝利したナリタトップロード、秋華賞を勝利したティコティコタック、菊花賞・天皇賞（春）・宝塚記念を制したヒシミラクルが誕生[37]。ブルードメアサイアーとしての産駒には安田記念を勝利したツルマルボーイ、天皇賞（春）を勝利したマイネルキッツ、全日本2歳優駿を勝利したヴァケーションがいる[38]。

2000年からはブリーダーズスタリオンステーションに移動した[36][39]。2006年末、種牡馬シンジケートを解散[39][40]。以後は社台グループの所有馬として種牡馬生活を続行する。2007年シーズンは社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬生活を送ったが[39]、2007年8月25日に生まれ故郷である白老ファームに移動した[36][41]。その後は、社台スタリオンステーションに繋養されたが、2011年になって競走馬時代から続く蹄葉炎がさらに悪化[2]、10月7日、社台スタリオンステーションで蹄葉炎のため、26歳で死亡した[2][42]。


競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[43]およびJBISサーチ[44]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 格 距離（馬場） 頭
数		 枠
番		 馬
番		 オッズ
（人気）		 着順 タイム
（上り3F）		 着差 騎手 斤量
[kg]		 1着馬（2着馬） 馬体重
[kg]
1987.08.09 函館 3歳新馬 芝1200m（不） 7 6 6 02.2（01人） 01着 01:14.5（39.2） -1.5 0内山正博 53 （トウショウマリオ） 438
0000.09.27 函館 函館3歳S GIII 芝1200m（重） 12 6 8 06.2（03人） 04着 01:12.9（37.2） -0.7 0内山正博 53 （ディクターランド） 442
0000.10.31 京都 もみじ賞 OP 芝1600m（重） 9 3 3 02.3（01人） 01着 01:36.4（36.8） -1.6 0内山正博 53 （ラガーフラッグ） 438
0000.12.20 阪神 阪神3歳S GI 芝1600m（良） 10 3 3 01.9（01人） 01着 01:34.5（36.2） -1.3 0内山正博 54 （ダイタクロンシャン） 452
1988.03.06 東京 弥生賞 GII 芝2000m（良） 11 6 8 01.6（01人） 03着 02:01.5（35.5） -0.4 0内山正博 55 サクラチヨノオー 458
0000.05.08 東京 NHK杯 GII 芝2000m（稍） 16 7 14 03.5（01人） 04着 02:02.4（35.8） -0.4 0河内洋 56 マイネルグラウベン 454
0000.05.29 東京 東京優駿 GI 芝2400m（良） 24 8 22 05.8（01人） 15着 02:28.0（36.8） -1.7 0河内洋 57 サクラチヨノオー 448
0000.07.03 中京 中日スポーツ賞4歳S GIII 芝1800m（良） 11 5 6 03.4（02人） 01着 01:48.9（34.1） -0.1 0河内洋 56 （ヤエノムテキ） 444
0000.08.21 函館 函館記念 GIII 芝2000m（良） 14 8 13 02.2（01人） 01着 R1:57.8（35.6） -0.8 0河内洋 56 （メリーナイス） 440
0000.11.20 京都 マイルCS GI 芝1600m（良） 17 7 14 02.2（01人） 01着 01:35.3（35.2） -0.7 0河内洋 55 （ホクトヘリオス） 458
0000.12.25 中山 有馬記念 GI 芝2500m（良） 13 3 5 04.8（03人） 03着 02:34.3（35.5） -0.4 0河内洋 55 オグリキャップ 454
  • 枠番・馬番の太字は単枠指定を示す。
  • Rはレコードタイム樹立を示す。

種牡馬成績

主な産駒

ブルードメアサイアーとしての主な産駒

血統

サッカーボーイの血統（ファイントップ系 / Lady Angela5×4） （血統表の出典）
父

*ディクタス
Dictus
1967 栗毛
フランス
父の父
Sanctus
1960 鹿毛 		Fine Top Fine Art
Toupie
Sanelta Tourment
Saranella
父の母
Doronic
1960 鹿毛 		Worden Wild Risk
Sans Tares
Dulzetta Bozzetto
Dulcimer
母

ダイナサッシュ
1979 鹿毛
北海道早来町 		*ノーザンテースト
Northern Taste
1971 栗毛 		Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
母の母
*ロイヤルサッシュ
Royal Sash
1966 鹿毛 		Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Sash of Honour Prince Chevalier
Sylko F-No.1-t


脚注

注釈

  1. ^ 蹄壁が割れて亀裂が入ったもの[12]
  2. ^ スピードヒーロー（日経新春杯）、サンキンハヤテ（セントウルステークス）、ヤグラステラ（サファイヤステークス）、アラホウトク（桜花賞、4歳牝馬特別（東））、サッカーボーイ（中日スポーツ賞4歳ステークス、函館記念、マイルチャンピオンシップ）、オグリキャップ（ペガサスステークス、毎日杯、ニュージーランドトロフィー4歳ステークス、高松宮杯、毎日王冠）6頭で13勝を挙げた。[26][27]　
  3. ^ マチカネイシン（小倉大賞典）、トーアファルコン（京王杯スプリングカップ）、エイシンリゲイン（サファイヤステークス）、スズカコバン（京都大賞典）、ラグビーボール（NHK杯、高松宮杯）、メジロラモーヌ（4歳牝馬特別（西）、桜花賞、4歳牝馬特別（東）、優駿牝馬、ローズステークス、エリザベス女王杯）6頭で12勝を挙げた。[26]
  4. ^ 短距離部門では、総合部門にて評価が高かった馬は評価の対象から除外された。そのためオグリキャップのこの部門での評価は存在しない。[31]

出典

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  5. ^ a b c d e f g h i j k l 『優駿』1988年2月号 146-149頁
  6. ^ “ロイヤルサツシユ(GB)”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。
  7. ^ a b “繁殖牝馬情報：牝系情報｜ロイヤルサツシユ(GB)”. www.jbis.or.jp. 2021年11月7日閲覧。
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  19. ^ a b 『優駿』1988年7月号 130-133頁
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  21. ^ 『優駿』1988年9月号 82頁
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  63. ^ “チョウサン｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。
  64. ^ “マイネカンナ｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。
  65. ^ “メジロマイヤー｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。
  66. ^ “クリールカイザー｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。
  67. ^ “アールスター｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。
  68. ^ “ヴァケーション｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2021年11月8日閲覧。

参考文献

  • 『優駿』（日本中央競馬会）
    • 1988年2月号
      • 「【第39回阪神3歳ステークス詳報】8馬身差の弾丸シュート、サッカーボーイ」
      • 「JRA賞年度代表馬・各部門最優秀馬決定!」
      • 「【1987年度フリーハンデ決定】サッカーボーイは久しぶりの関西の大物。あのテンポイントと同等の評価で56キロ。」
      • 松村光雄（フジ新聞社）「【今月の記録室】農林水産省賞典 第39回阪神3歳ステークス（GI） サッカーボーイ」
    • 1988年5月号
      • 石井誠（報知新聞）「【今月の記録室】第25回報知杯弥生賞（GII） サクラチヨノオー」
    • 1988年7月号
      • 天野保彦（日刊スポーツ）「【今月の記録室】第55回日本ダービー（GI）サクラチヨノオー」
      • 山田康夫（日本放送協会）「【今月の記録室】<ダービー・トライアル>第36回NHK杯（GII） マイネルグラウベン」
    • 1988年9月号
      • 山口梅治（中日スポーツ）「【今月の記録室】第2回中日スポーツ賞4歳ステークス（GIII） サッカーボーイ」
    • 1988年10月号
      • 瀬上保男（読売新聞）「【今月の記録室】ローカル競馬で好タイム続出 サッカーボーイは2000メートル1分57秒8の日本新」
      • 渡辺久和（スポーツニッポン）「【今月の記録室】農林水産省賞典 第24回函館記念（GIII）」
    • 1988年12月号
      • 瀬上保男（読売新聞）「【今月の記録室】河内洋騎手 年間重賞12勝のタイ記録」
    • 1989年1月号
      • 「【第5回マイルチャンピオンシップ詳報】この弾丸シュート、新しいマイルチャンピオン、サッカーボーイ」
      • 瀬上保男（読売新聞）「【今月の記録室】河内洋騎手 年間重賞13勝の新記録」
      • 寺田文雄（デイリースポーツ）「【今月の記録室】第5回マイルチャンピオンシップ（GI） サッカーボーイ」
    • 1989年2月号
      • 中村正也「【中村正也の撮る<牧場の冬景色>】北海道・白老 サッカーボーイの故郷 社台ファーム・白老」
      • 「1988年度JRA賞決定 年度代表馬にタマモクロス」
      • 「1988年度フリーハンデ決定」
      • 有吉正徳（東京中日スポーツ）「【今月の記録室】第33回グランプリ 有馬記念（GI）」
    • 1989年9月号
      • 「【全調査 秋をめざす有力馬たち】5歳以上有力馬の近況 第100回天皇賞はオールスター・キャスト」
      • 紺野真（東京スポーツ）「【全調査 秋をめざす有力馬たち】菊花賞戦線は、ウィナーズサークルに"鋭""鈍""爽"の三頭が挑むぞ。」
    • 1989年11月号
      • 「【第100回天皇賞有力馬】 役者は揃った。10月29日、名勝負が歴史を飾る。」
    • 2021年1月号
      • 辻谷秋人「【未来に語り継ぎたい名馬物語 59】サッカーボーイの底知れぬ魅力」

外部リンク

 
表彰・GI勝ち鞍
（旧）最優秀3歳牡馬
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
最優秀2歳牡馬
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
    *2 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施
    *3 1986年は2頭同時受賞
啓衆社賞
最良スプリンター
優駿賞
スプリンター賞
最優秀スプリンター
JRA賞
最優秀スプリンター
最優秀短距離馬
阪神3歳ステークス
1940年代

第1回 ウイザート

1950年代

第2回 ミネハル / 第3回 テツノハナ / 第4回 ワカクサ / 第5回 ヤシマアポロ / 第6回 ライデンオー / 第7回 トサモアー / 第8回*1 ミスオンワード / 第9回 メイジミドリ / 第10回 インターナシヨナル / 第11回 コダマ

1960年代

第12回 リユウライト / 第13回 チトセハーバー / 第14回 コウタロー / 第15回 プリマドンナ / 第16回 エイトクラウン / 第17回 ニホンピローエース / 第18回 タイギヨウ / 第19回 マーチス / 第20回 リキエイカン / 第21回 タニノムーティエ

1970年代

第22回 ロングワン / 第23回 ヒデハヤテ / 第24回 キシュウローレル / 第25回 キタノカチドキ / 第26回 ライジン / 第27回 テンポイント / 第28回 リュウキコウ / 第29回 バンブトンコート / 第30回 タマモアサヒ / 第31回 ラフオンテース

1980年代
1990年代
阪神3歳牝馬ステークス
1990年代
2000年代
阪神ジュベナイルフィリーズ
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 「京都3歳ステークス」の競走名で施行
   

国際競走指定前：
第01回（1984年） ニホンピロウイナー
第02回（1985年） ニホンピロウイナー
第03回（1986年） タカラスチール
第04回（1987年） ニッポーテイオー
第05回（1988年） サッカーボーイ
第06回（1989年） オグリキャップ
第07回（1990年） パッシングショット
第08回（1991年） ダイタクヘリオス
第09回（1992年） ダイタクヘリオス
第10回（1993年） シンコウラブリイ
第11回（1994年） ノースフライト
第12回（1995年） トロットサンダー
第13回（1996年） ジェニュイン
第14回（1997年） タイキシャトル

国際競走指定後：
第15回（1998年） 日本の旗 タイキシャトル
第16回（1999年） 日本の旗 エアジハード
第17回（2000年） 日本の旗 アグネスデジタル
第18回（2001年） 日本の旗 ゼンノエルシド
第19回（2002年） 日本の旗 トウカイポイント
第20回（2003年） 日本の旗 デュランダル

国際G1昇格後：
第21回（2004年） 日本の旗 デュランダル
第22回（2005年） 日本の旗 ハットトリック
第23回（2006年） 日本の旗 ダイワメジャー
第24回（2007年） 日本の旗 ダイワメジャー
第25回（2008年） 日本の旗 ブルーメンブラット
第26回（2009年） 日本の旗 カンパニー

第27回（2010年） 日本の旗 エーシンフォワード
第28回（2011年） 日本の旗 エイシンアポロン
第29回（2012年） 日本の旗 サダムパテック
第30回（2013年） 日本の旗 トーセンラー
第31回（2014年） 日本の旗 ダノンシャーク
第32回（2015年） 日本の旗 モーリス
第33回（2016年） 日本の旗 ミッキーアイル
第34回（2017年） 日本の旗 ペルシアンナイト
第35回（2018年） 日本の旗 ステルヴィオ
第36回（2019年） 日本の旗 インディチャンプ
第37回（2020年） 日本の旗 グランアレグリア
第38回（2021年） 日本の旗 グランアレグリア
第39回（2022年） 日本の旗 セリフォス
第40回（2023年） 日本の旗 ナミュール

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