満年齢

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満年齢(まんねんれい)とは、年齢や年数の数え方の一つである。生まれた日や基点となる最初の年を「0歳」、「0年」から数え始め、以後1年間の満了ごとにそれぞれ1歳、1年ずつ年を加えていく考え方。ある基点からの経過年数を表す基数年である。本稿においては主に年齢に関する事柄について記述する。単に(まん)ともいう。

期間計算の原則[編集]

まず「満了」とは、期間中の全時間が満たされ、その期間が終了することである。よって、「1年間の満了」とは1年間の最後の日の全24時間まで経過することである。「最後の日」とは起算日応当日からみると前日であるため、期間の満了は起算日応当日の前日となる[1]。次に「起算日」は、初日を省いて翌日とするのが原則である[2]。つまり、期間は「初日の翌日に応当する日の前日」に満了するため、結果的に1年間の満了は初日と同月同日になる。結婚記念日創立記念日など、日常生活上の多くの記念日が「n年間の満了日」と一致するのはこのためである。

期間計算の例外[編集]

年齢計算にあっては例外的に初日(出生日)を起算日とする[3]。この関係で誕生日前日を以て満了日となり、誕生日前日に年を取ることになる。

法令上の扱い[編集]

年齢計算にあっては例外的に初日(出生日)を起算日とするため、毎年誕生日前日の午後12時をもって1歳を加えることになる。その上で各法令における年齢制限規定について、日を単位とする場合は時刻の部分(午後12時)を切り捨てるため、その効力は誕生日前日の初め(午前0時)から発生している。一方、時刻を単位とする場合、その効力は誕生日前日の午後12時になるまで(すなわち誕生日を迎えるまで)発生しない[4][5]。単位を見分けるときは、「×歳に達した日」など「日」という文言が用いられている場合は日単位[6][7]、「×歳以上」「×歳に満たない者」など「日」という文言が用いられていない場合は時刻単位[8][9][10]と解するのが一般的[11][12][13]である。なお、法令によっては「×歳に達した日の翌日」という規定がある[14][15]。これは2月29日生まれの者に配慮した表現にすぎず、単純に「×歳の誕生日」と同じ意味である。

周年[編集]

満年齢の類似として「生誕○周年」という言い方がある。「周年」とは「ある物事が始まってからそれだけの年数が経過したこと」(ある基点からの経過年数)を表し、「満」で勘定する。満年齢が死亡とともにカウントを停止するのに対し、「生誕○周年」は死亡後もカウントを続ける。また、満年齢が一般人も含め広く用いられるのに対し、「生誕○周年」は、それを多くの人が祝賀するほどの歴史上の人物や大物であることが一般的である。このほか、物故者について死亡から1年を経過した日(祥月命日)は「一周忌」と呼ぶ。[16]

脚注[編集]

  1. ^ 民法第143条第2項「週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。」
  2. ^ 初日は、それが午前0時から始まるものでない限り丸1日分を取れないため。民法第140条「日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」
  3. ^ 年齢計算ニ関スル法律第1項「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」
  4. ^ 「前日午後12時」と「当日午前0時」は時刻としては同じだが、属する日は異なる。
  5. ^ 昭和52年(ネ)2291 東京高裁判決(後に最高裁で確定)
  6. ^ 国民年金法第10条第1項第1号「(略)六十歳に達する日の属する月の前月までの期間」
  7. ^ 児童手当法第3条第1項「この法律において『児童』とは、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者をいう。」
  8. ^ 民法第731条「男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。」
  9. ^ 少年法第2条第1項「この法律で『少年』とは、二十歳に満たない者をいい、『成年』とは、満二十歳以上の者をいう。」
  10. ^ 少年法第51条第1項「罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科する。」
  11. ^ 昭和54(行ケ)2 選挙無効請求事件 昭和54年11月22日大阪高等裁判所判決。一般的な解釈のほか後述の公選法における例外が明示(後に最高裁で確定)
  12. ^ ただし公職選挙法第9条では選挙権を有するのは「年齢満20年以上の者」と本来時刻単位であるところ次条で被選挙権に関する年齢は「選挙の期日により算定する」と日単位としており、選挙権にあってもこれを類推適用して日単位で運用されているため、選挙期日(投票日)の翌日が20歳の誕生日の場合、選挙権はある。
  13. ^ ただし総務省は2009年に実施された定額給付金の加算対象について1990年2月2日生まれの者は基準日(2009年2月1日)現在19歳であるが19歳に達する時刻は午前0時であり、基準日のほとんどを18歳として過ごしていることから1990年2月2日生まれの者に限り定額給付金の給付に際しては「基準日において18歳以下の者」として取り扱うこととした(定額給付金給付事業に係る留意事項について(リンク切れ))。
  14. ^ 高等学校卒業程度認定試験規則第8条第1項「(略)その者は、十八歳に達した日の翌日から認定試験合格者となるものとする。」
  15. ^ 学校教育法第17条第1項「保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、(略)」
  16. ^ なお、「周年」は、本文にあるとおり、良い悪いの意味はなく中立の意味しか持たないため、式典の名称や挨拶の中では、追悼の場でも普通に用いられている(「東日本大震災n周年追悼式」、「阪神・淡路大震災n周年追悼式典」、「被爆n周年原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」など。)。一方で、「周年」は良い意味で記念すべきことに用いるのが一般的であるともいわれており(NHK放送文化研究所サイト「ことばQ&A」⇒「『~日目』と『~日ぶり』」の解説を参照)、追悼の場で用いることに違和感を持つ人もいる(2010年1月23日付け神戸新聞から『17日に兵庫県などが主催した「1・17のつどい-阪神・淡路大震災15周年追悼式典」で、祝い事に使われる印象もある「周年」という言葉について、一部の参加者から「遺族感情にそぐわない」との疑問の声が出ている。これまでも毎年「周年」を使っている県は「周忌と同じ意味で、ほかの災害での式典にも使われている」と説明している。(後略)』[1])。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]