函館競馬場

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函館競馬場
メインスタンド
メインスタンド
施設情報
所在地 北海道函館市駒場町12-2
座標 北緯41度46分59.2秒
東経140度46分33.9秒
座標: 北緯41度46分59.2秒 東経140度46分33.9秒
開場 1896年
所有者 日本中央競馬会
管理・運用者 日本中央競馬会
コース
周回 右回り
馬場 芝・ダート
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函館競馬場(はこだてけいばじょう)は、北海道函館市にある中央競馬競馬場である。

競馬場概要[編集]

函館競馬場付近の空中写真(1976年撮影の3枚を合成作成)
左下に函館競輪場が見える
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成
  • 所在地:函館市駒場町12-2[1]
  • 駐車場:有料(開催時1000円、パークウインズ時500円)[1]
  • 入場料金:一般席100円、A指定席(226席)1500円、B指定席(267席)1000円[† 1][2]
  • 在宅投票システム:詳細記事を参照
  • 電話投票用競馬場コード:02#

ホースマンの始祖の一人とされる函館大経時任為基、および有志らが設立した函館共同競馬会によって、1896年に開場。現存する日本の競馬場では最も長い歴史をもつ[3]

1955年からホッカイドウ競馬も開催[4]していたが、1997年に門別競馬場が開設されたことに伴い、1998年にホッカイドウ競馬の開催を終了[4][† 2]し、以降は中央競馬のみの開催となった。

JRAでは、非開催時も場外発売所(場外発売時は「パークウインズ函館」と呼称)として使用している[† 3]

2010年より供用を開始した新スタンドには「展望デッキ[5]」が設置され、函館山や函館市内を一望できる。あわせて改修していたパドックも使用開始され、馬の脚元付近の視点から見ることができる「ダッグアウトパドック」が新たに採用された。

ダートコースの内側には調教用のウッドチップコースが設けられている[6]。これはかつて中央競馬に所属していたアラブ系競走馬の調教コースだったものを改修してできたもので、JRAの競馬場内にある調教施設としては函館競馬場にのみ設置されている[† 4]。このため札幌競馬開催中でも函館競馬場に滞在して調教を行う馬も存在する。このほか近隣の湯の川温泉を源泉とする「馬温泉所」も設けられており、夏季には札幌・函館開催に出走する競走馬が利用する他、冬季には競走馬総合研究所・常磐支所(いわゆる「馬の温泉」)の実質的な分室として機能する[7]。さらに中央競馬の競馬場では唯一となる、競走馬用の手術室も設けられている[8]2011年大井競馬場内に手術室も含めた二次診療施設が設けられた[9]ため「国内唯一」ではなくなっている)。

函館市の「避難所」に指定されており、大規模地震の発生時は駐車場が避難所として利用される[10]

コース概要[編集]

芝コース・ダートコースともに第2コーナーから第3コーナーにかけて3.5mの高低差があり、主要4場(中山・東京・京都・阪神)を除くローカル開催の競馬場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)では最大の数値(芝コースの高低差3.5mは中京と並んで最大)となっている[11]。正面直線の中ほどからやや1コーナー寄りに設置されているゴール板から第2コーナーまでなだらかに下り、その後第3コーナーあたりまで上り勾配が続き、最後は直線に向けてなだらかに下る[11]

芝コースは第4コーナーからゴールまでの直線が262.1m(A・Bコース)しかなく、中央競馬を開催する競馬場では最も短い[11][† 5]1994年のコース改修工事でスパイラルカーブが導入され、コーナーが曲がりやすくなった。あわせて、芝コースに用いる芝も札幌競馬場と同様に100%洋芝へ変更された[12][† 6]。コース改修後最初の開催は1開催(当時の9月開催)限定で行われ、芝コースは芝の育成・保護のため使用せず、ダートコースのみで行った[† 7]

洋芝コースはパワーとスタミナを要するとされ[13]、馬により適性も異なるため道外の競馬場で結果を残せなかった馬が函館競馬場や札幌競馬場で好走する例がみられる。また、北海道の南端に位置する函館は梅雨前線の影響を受け雨にたたられやすい[11]うえ、耐久性に乏しい[11]洋芝は開催の後半になると内側の芝に傷みが目立つ[11]ようになり、タイムを要するコースコンディションとなることが多い[11]。このため、近年は函館・札幌の洋芝コースに対する適性が馬券検討の際にある程度重視されるようになった[13]

障害コースは2014年現在設置されていない[† 8]

芝コース[編集]

  • 1周距離:Aコース1626.6m、Bコース1651.8m、Cコース1676.9m[11]
  • 直線:Aコース・Bコース262.1m、Cコース264.5m[11]
  • コース幅員:Aコース29m、Bコース25m、Cコース21m[11]
  • 出走可能頭数(フルゲート):1000mは14頭、1700mは12頭、その他は16頭(いずれもAコース使用時)[16]
  • 距離設定:1000m、1200m、1700m、1800m、2000m、2600m[11]

ダートコース[編集]

現在行われている中央競馬について記す。

  • 1周距離:1475.8m[11]
  • 直線:260.3m[11]
  • コース幅員:20m[11]
  • 出走可能頭数(フルゲート):1700mは13頭、その他は12頭[16]
  • 距離設定:1000m、1700m、2400m[11]

中央競馬の開催[編集]

2015年は6月20日から7月26日まで2回・12日開催予定[17]。全て第3場開催として扱われるが、一般競走も含め多くのレースで関東(美浦)所属と関西(栗東)所属の馬や騎手が混在する。

重賞競走[編集]

2014年現在は、以下の3競走が施行されている。

GIII
  • 函館スプリントステークス - 短距離重賞競走整備の一環として、1994年に創設。創設から第3回までは札幌競馬場で「札幌スプリントステークス」の名称で施行。第4回から函館競馬場での施行に変更され、名称も現名称となった。
  • 函館記念 - 1965年に創設された、ハンデキャップの重賞競走。2006年からサマー2000シリーズの第2戦に指定。
  • 函館2歳ステークス - 1969年に創設。2014年現在、2歳馬の重賞競走としては中央競馬で最初に施行される。

発売する馬券の種類[編集]

○…発売 ×…発売なし

単勝 複勝 枠番連複 枠番連単 馬番連複 馬番連単 ワイド 3連複 3連単
×

レコードタイム[編集]

出典:JRA公式サイト 中央競馬レコードタイム 函館競馬場

  • †は基準タイム。
  • 2014年7月20日終了現在

芝コース(2歳)[編集]

距離 タイム 競走馬 性別 斤量 騎手 記録年月日
1000m 0:57.2 ハギノトップレディ 52kg 上野清章 1979年8月12日
1200m 1:09.3 クリスマス 54kg 丸山元気 2013年6月30日
1700m 1:43.8 ウインストーン 53kg 菅原隆明 1986年8月30日
1800m 1:51.0 マイネルサクセサー 54kg 柴山雄一 2014年7月19日

芝コース(3歳以上)[編集]

距離 タイム 競走馬 性齢 斤量 騎手 記録年月日
1000m 0:57.0 ソロシンガー 牝4 53kg 四位洋文 1997年6月22日
1200m 1:08.0 テイエムオオタカ 牡3 54kg 藤田伸二 2011年6月19日
1700m 1:41.0 ケイシュウリイダー 牡4 57kg 田島良保 1983年8月14日
1800m 1:46.0 ボールドノースマン 牡4 56kg 柴田政人 1988年8月7日
2000m 1:57.8 サッカーボーイ 牡3 56kg 河内洋 1988年8月21日
2600m 2:39.4 ゴールデンハインド 牡4 57kg 藤田伸二 2010年7月25日

ダートコース(2歳)[編集]

距離 タイム 競走馬 性別 斤量 騎手 記録年月日
1000m 0:58.6 タイセイロバリー 54kg 勝浦正樹 2012年7月7日
1700m 1:48.1 パブロワ 54kg 丸山元気 2013年8月11日

ダートコース(3歳以上)[編集]

距離 タイム 競走馬 性齢 斤量 騎手 記録年月日
1000m 0:57.7 エピグラフ 牡3 54kg 松永幹夫 2000年7月23日
1700m 1:42.0 フリートストリート 牡4 56kg 内田博幸 2013年8月24日
2400m 2:32.8 リアライズブラザー 牡3 54kg 岩田康誠 2013年7月27日

歴史[編集]

旧メインスタンド
改修前のパドックと旧メインスタンド

函館における競馬開催は、1875年6月15日に函館招魂社(現在の函館護国神社)例大祭の際に行われた祭典競馬がルーツであるとされる。現在の場所に競馬場が設置される前の1883年から1896年までは函館市海岸町の函館海岸町競馬場で競馬が開催されていた。

  • 1896年 - 函館共同競馬会によって柏野(現駒場町)に建設された。開設時のコースは1周550(約1000メートル)。
  • 1903年 - コース長を660間(1200メートル)に拡張[18]
  • 1909年 - コース長を880間(1600メートル)に拡張[19](馬券黙許時代に合わせた拡張)
  • 1910年 - 函館共同競馬会を函館競馬倶楽部に改称。以後は政府補助金による開催となる。(春・秋の2場所各2日間開催)
  • 1923年 - 競馬法実施によって馬券発売開始。年2場所、1場所の開催を3日間とする。この年以降競馬開催日は年を経るにつれ増えていく。
  • 1930年 - 馬場やスタンドなど設備を大幅に更新する。
  • 1936年 - 障害コース設置。障害競走開始
  • 1937年 - 函館競馬倶楽部を解散し日本競馬会へ合流[18]
  • 1944年 - 3月、戦争によって開催中止(戦争中で制約は大きかったが1943年までは競馬は行われている)[20]
    • 4月、軍の施設になり高射砲陣地になる[20]
  • 1946年 - 進駐軍競馬開催。
  • 1947年 - 日本人による函館競馬再開。
  • 1948年 - 新競馬法により国営競馬となる。
  • 1954年 - 日本中央競馬会設立に伴い、日本中央競馬会函館競馬場となる[18]
  • 1955年 - 道営競馬(現在のホッカイドウ競馬)が函館開催を開始。
  • 1970年 - メインスタンド設置[21]
  • 1981年 - 「馬温泉所」を開設[22]
  • 1991年 - 馬番号連勝複式勝馬投票券(馬連)を中央競馬で初めて発売開始。
  • 1994年 - 馬場改修[21]
  • 1996年 - 施行100周年の記念競走が施行された。
  • 1998年 - ホッカイドウ競馬が函館開催を終了。
  • 2004年 - 薄暮競走を中央競馬で初めて開催[† 9]
  • 2008年
    • ホッカイドウ競馬の場外発売を終了。
    • メインスタンドの全面改築工事に入る[21]
  • 2010年 - スタンド改築工事が竣工。

アクセス[編集]

市電[編集]

路線バス[編集]

上記のほか、2014年は開催時のみ、競馬場より各方面に有料の臨時バスを運行する[23]

  • 函館駅前行(深堀町・五稜郭・中の橋経由)
  • 函館空港行(湯倉神社前・戸倉町・湯川団地北口経由)

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 指定席料金には入場料100円が含まれる。
  2. ^ 競馬法第19条では、地方競馬(平地・ばんえい含む)の競馬場数を北海道では6箇所まで、その他の都府県では2箇所までと定めている。1997年当時は北見・旭川・岩見沢・帯広・札幌・函館で地方競馬開催権を保持しており、門別競馬場で競馬を開催するためにはいずれかの競馬場で競馬開催をやめる必要があった。
  3. ^ かつてはホッカイドウ競馬も場外発売所(函館場外発売所)として使用していたが、スタンド改築工事に伴い2008年に場外発売を終了し、以降はAiba函館港町にて引き続き場外発売を行っている。スタンド改築後も、ホッカイドウ競馬の場外発売を再開する予定はない。
  4. ^ 地方競馬のホッカイドウ競馬では、門別競馬場の馬場内にウッドチップコース、敷地内に冬季も利用可能な屋内坂路調教コースがある。
  5. ^ ただし、第4コーナーから第1コーナーまでの正味の直線距離は札幌競馬場よりも長くなっている。
  6. ^ 芝コース改修前の路盤は芝の生育を最優先に考え、野芝に畑の黒土という構成であったが、この路盤では晴天が続くとカラカラに乾いた硬い馬場になり、逆に雨が降ると水はけが悪いために泥んこの不良馬場になっていた。1988年に函館記念 (JRAGIII) でサッカーボーイが記録した芝2000mのレコードタイム(1分57秒8)は当時の日本レコードとなる破格のタイムであったが、この硬い馬場もひとつの要因である。
  7. ^ 当時8月にあった第1回開催相当分は3回札幌開催として振り替えられ、函館記念も札幌競馬場で施行された。
  8. ^ 1930年に、本馬場の内側に練習馬場が設けられた。1935年10月からは本馬場の内側で障害走路の工事が始まり、1936年6月に8の字型の障害走路が完成した。この障害走路は9つの障害があり、この年から障害競走が行われるようになった。しかし、1943年秋の開催を最後に、時局の悪化により競馬が中止となり、競馬場は軍に徴用されて荒廃した。1946年に米軍が競馬場を簡易的に復旧し、夏から秋にかけて土曜日・日曜日に競馬を行なった[14]。この頃にアメリカ陸軍が作成した函館の地図には、当時の競馬場が描かれている[15]。この地図には、通常の楕円走路の外側に、1コーナーから大きく外側に出て、現在の厩舎地区を外寄りに通る走路が描かれている。(競馬場の敷地形状は、当時の名残である)
  9. ^ 薄暮競走はその後札幌競馬場などでも行われるようになった。2011年以後は東日本大震災を受けた節電・省エネの対策のため薄暮開催を見合わせ、通常時間帯で行われている。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 函館競馬場:アクセス・営業時間案内 - 日本中央競馬会、2014年7月25日閲覧
  2. ^ 函館競馬場:指定席 - 日本中央競馬会、2014年7月25日閲覧
  3. ^ 函館競馬場 - 日本中央競馬会、2014年7月25日閲覧
  4. ^ a b 協会のあゆみ・年表 - 函館馬主協会、2014年8月4日閲覧
  5. ^ 函館競馬場:主な施設 - 日本中央競馬会、2014年7月25日閲覧
  6. ^ 函館競馬場:全体マップ - 日本中央競馬会、2014年7月25日閲覧
  7. ^ はじめまして、函館競馬場です! - 馬の温泉だより・2008年4月10日
  8. ^ もう一つの函館競馬場にしかないもの、それは… - 馬の温泉だより・2012年7月13日
  9. ^ 地方競馬初 二次診療施設の設置について”. 特別区競馬組合 (2011年7月11日). 2013年7月2日閲覧。
  10. ^ 避難所マップ(函館市街) (PDF) - 函館市、2014年10月14日閲覧
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 函館競馬場”. 日本中央競馬会. 2014年6月28日閲覧。
  12. ^ 通年緑化とオーバーシード法の技術開発 - JRA競走馬総合研究所、2014年7月23日閲覧
  13. ^ a b "野芝"か"洋芝"か、それが問題だ(前編) - ガラスの競馬場、2014年7月19日閲覧
  14. ^ 『日本競馬史』3巻p313-353「函館競馬場」p334-335,p336,p340-341
  15. ^ http://www.lib.utexas.edu/maps/ams/japan_city_plans/txu-oclc-6560348.jpg
  16. ^ a b 平成26年競馬番組一般事項(III:出走可能頭数 - 函館競馬場) (PDF) - 日本中央競馬会、2014年7月21日閲覧
  17. ^ 平成27年度開催日割 (PDF) - 日本中央競馬会、2014年11月15日閲覧
  18. ^ a b c 日本中央競馬会1968、342-347頁。
  19. ^ 日本中央競馬会1968、328頁。
  20. ^ a b 日本中央競馬会1972、688頁。
  21. ^ a b c 函館新聞社・函館競馬場のスタンドなど全面改築へ
  22. ^ “馬の温泉”効果で一変したアンコイルド - 馬三郎タイムズ・2013年7月16日
  23. ^ 競馬場お帰りシャトルバス運行時刻表 (PDF) - 函館バス、2014年7月25日閲覧

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参考文献[編集]

  • 日本中央競馬会『日本競馬史』第3巻、日本中央競馬会、1968年
  • 日本中央競馬会『日本競馬史』第6巻、日本中央競馬会、1972年


関連項目[編集]

外部リンク[編集]