呪怨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

呪怨』(じゅおん)は、1999年に発売された清水崇監督・脚本によるホラーのビデオ作品。また、それを原作とする2003年1月25日に単館系で公開されたホラー映画。劇場版は、2003年8月23日に続編が公開された。

タイトルは“つよい恨みを抱いて死んだモノの呪い。 それは、死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。 その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。”という意味である。

東映ビデオよりビデオ作品として発売されており、その怖さが一部のホラーマニアの間で伝説化するまでに評価されていた。評価の高まりに応える形で映画化。CMや予告編で恐怖をあおる描写の上手さが一般のホラーファンの話題になり、公開された後も口コミなどでじわじわとファンを増やした。ビデオ版、劇場版ともに2003年にDVD化されている。

韓国などでもヒットしており、2004年と2006年にはサム・ライミプロデュース、清水崇監督によるハリウッド版リメイク『The Grudge』『The Grudge2』(日本版タイトル『THE JUON/呪怨』『呪怨 パンデミック』)が製作された。

2009年には10周年を記念し、同年5月12日からアメリカでハリウッド版リメイク第3作である『The Grudge3』がソフト販売開始されること(劇場未公開)、同年6月27日から日本で劇場版最新作『呪怨 白い老女』と『呪怨 黒い少女』の2作が同時公開されること、同年夏にWii用ゲームソフト『恐怖体感 呪怨』が発売されること、が発表されている。ただし、これらの作品において清水崇は原案と監修を担当しており、これまでの作品のように監督や脚本として直接的に携わっていない。

目次

[編集] 概要

  • 佐伯伽椰子の発する「ア、アアアア、アアアアアアア」という声は、すべて監督である清水崇の声である。
  • 当初、呪怨のタイトルは「呪怨霊」であったが、清水崇の意向により「霊」が外され現在のタイトルになった。
  • ハリウッド版リメイク『The Grudge』は米国で撮影される予定だった。
  • 米国人役者が日本に来て一番驚いたのは、「ホラー映画にもかかわらずポルノ描写がまったく無い(もしくはそういった描写がないようにスタッフが気をつかっている)点」だったという。
    • これは一般的に、ハリウッドのホラー映画では前半にポルノ描写を含んだいわゆる「主人公達においしい」シーンを盛り込みつつ、中盤以降にホラー描写を一気に持ってくる(これにより多くの観客は前半での自分勝手な主人公達に嫌悪感を抱き、後半以降主人公達が酷い目にあってもあまり不快に感じなくなるという効果もある)という、ある種ジェットコースター的なストーリーの映画が多く存在するからである。
  • Jホラーでは、霊の直接的な露出を避ける傾向にあるが、『呪怨』シリーズでは直接的な霊の登場がかなり多く、どれも恐ろしいものばかりである。清水監督は「笑われるほどに幽霊を出しまくるのが呪怨のコンセプトである」と語っている。霊の登場シーンを見てそのあまりの過激さに爆笑してしまうような人も少なくない。
  • 伽椰子の声や俊雄の姿は見るものに強烈なインパクトを残し、『リング』の貞子と並んでコントパロディキャラが多い。
  • 伽椰子と俊雄以外の幽霊もサブキャラで登場している。

注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 話の概略

この世に強い怨念を残して死んだ佐伯伽椰子が、その呪いを人々に伝播させるオムニバス形式のドラマである。

伽椰子は大学時代の同級生・小林俊介に片思いし、後年になって自分の息子・佐伯俊雄が通う小学校教師になっていたことを知る。伽椰子は元来思い込みが強いストーカー気質だったせいもあり、学生時代から俊介への想いを大学ノートに綴り続けていたのだが、教師になった俊介に再会したことで思い入れが再燃焼。より狂信的にノートへの書き込みを始める。伽椰子の夫である佐伯剛雄は、伽椰子のノートを偶然見てしまったことから、嫉妬に狂って暴力を振るうようになる。ある日、遂に剛雄は猛烈な虐待の果てに伽椰子を惨殺。カッターで彼女の喉や全身を切り裂き、2階に一時放置した。実はこの時点では伽椰子は絶命に至っておらず、半死半生のまま這って階段下まで降りて逃げたのだが、追ってきた剛雄にとどめを刺された。この現場を2階の手すりの間から目撃していた俊雄は、押入れに隠れる(俊雄も父の連日の虐待で傷付いていた)。押入れに隠れている最中に俊雄は、母親によって向こう側の世界に連れて行かれたという(清水崇監督の談話より)。剛雄は数日後に伽椰子に呪い殺され、変死体で発見された。

劇中で俊雄がミャーと猫の鳴き声をあげるのは、可愛がっていた黒猫の「マー」を、父親が殺したことが関係しており、虐げられた弱い者同士の霊が惹かれあって、俊雄とマーが一体化したためである(以上は、小説版の記述より。映像では詳しく触れられていない)。

また、2人目の子供(女の子)を熱望していた剛雄だが、なかなか伽椰子が妊娠しないことを不審に思って産婦人科を訪れた際、自らが「乏精子症」である事実を知る。担当医の「妊娠する確率は数%です」との発言に、俊雄の父親が自分ではないという妄想に取りつかれる(実際には伽椰子の男性経験は剛雄のみで、俊雄の父親は紛れもなく剛雄であった)。嫉妬に狂った剛雄が前述の伽椰子の日記を見つけ、俊雄という名前が小林俊介の「俊」と自分の「雄」を取って付けられたものであると判断した剛雄は、これまで可愛がっていた息子にも憎悪の感情を剥き出しにするようになった(俊雄の名付けに関しては、普段は自己主張などしない伽椰子が、この件だけは頑として譲らなかった点から、やはり小林への思いを捨てきれず、その感情を息子へ転化しようとしていたと思われる)。そして剛雄の妄想は肥大化し、俊雄の父親が小林であるという結論に達する。Vシネマ1作目のラストで小林に電話をかけた剛雄が「これまで先生の代わりに育ててきた」と発言していることからも、それがうかがえる。

以後佐伯家は無人の物件となり、次々と入居者が引っ越してくるが、その家人や親族、事件の捜査をした刑事たち全てが伽椰子の呪いで死んでゆくことになる。

  • 東映ビデオからリリースされたVシネマ版2作と、劇場版2作の合計4タイトルはすべてストーリーが繋がっている。
    • Vシネマ版は、伽椰子と小林俊介、佐伯剛雄の3人を巡る怨念の解明、佐伯家に引っ越してきた一家と仲介した不動産屋の悲惨な顛末を描写したもの。
    • 劇場版1作目は新たに佐伯家に越してきた一家と、介護施設から派遣されてきた女性スタッフの話がメイン。
    • 劇場版2作目は怪奇物のTV特番のために、いわく付きの佐伯家を取材に訪れたTVクルーと女優一行に伽椰子の呪いが降りかかる。
    • Vシネマ版の2作目エピローグで、無人の佐伯家2階に上がりこんで遊んでいた女子高生たちの話は、映画の方へ受け継がれている。

※『学校の怪談G』(スペシャルドラマ、のちにビデオ化)の中に収録の短編「片隅」には伽椰子が、「4444444444」には俊雄が登場してそれぞれが被害者を出しており、そのエピソードはVシネマ版のストーリーにも繋がっている。なお、これら両エピソードはハリウッドリメイク版第1作『THE JUON/呪怨』のDVDソフトに映像特典として収録された。

[編集] 呪怨(ビデオ版)

1999年ビデオオリジナル作品、劇場未公開。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

[編集] 呪怨2(ビデオ版)

1999年。ビデオオリジナル作品、劇場未公開。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 監督・脚本:清水崇
  • 監修:高橋洋
  • プロデューサー:一瀬隆重、高島正明、加藤和夫
  • 撮影:木次信仁
  • 音楽:ゲイリー芦屋
  • 照明:岡秀雄
  • CGディレクター:是枝勉、
  • ノンリニアワーク編集:スタジオ・プラスエー

[編集] 呪怨(劇場版)

2003年1月25日公開。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

主題歌:推定少女「鍵が開かない」

[編集] キャッチコピー

  • 総毛立つ快感。

[編集] 呪怨2(劇場版)

2003年8月23日公開。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

主題歌:推定少女「間違い」

[編集] キャッチコピー

  • 身の毛もよだつ絶頂。

[編集] 呪怨 白い老女

2009年6月27日公開。R-15指定作品。DVDは2009年8月7日発売予定。

『呪怨(ビデオ版)』が『学校の怪談G』の短編作品とのあいだに関連性を持つ作品であるように、本作も『怪談新耳袋劇場版』の一篇「姿見」(三宅隆太監督、2004年8月公開)とのあいだに関連性をもつ。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 原案・監修:清水崇
  • プロデューサー:一瀬隆重
  • 監督・脚本:三宅隆太
  • 撮影:金谷宏二(J.S.C)
  • 照明:藤川達也
  • 美術:井上心平
  • 編集:深沢佳文
  • 録音:竹中泰
  • CG:本田貴雄
  • 音響効果:志田博英
  • 音楽:ゲイリー芦屋
  • 製作:東映ビデオ CELL
  • 製作プロダクション:オズ

[編集] キャッチコピー

  • 呪いつづけて、10周年。

[編集] 呪怨 黒い少女

2009年6月27日公開。DVDは2009年9月21日発売予定。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 原案・監修:清水崇
  • プロデューサー:一瀬隆重
  • 監督・脚本:安里麻里
  • 撮影:早坂伸(J.S.C)
  • 照明:藤川達也
  • 美術:井上心平
  • 編集:深沢佳文
  • 録音:竹中泰
  • 特殊造形:百武朋
  • CG:本田貴雄
  • 音響効果:志田博英
  • 音楽:ゲイリー芦屋
  • 製作:東映ビデオ CELL
  • 製作プロダクション:オズ

[編集] キャッチコピー

  • 怨みつづけて、10周年。

[編集] 書籍情報

[編集] 小説(ノベライズ)

ビデオ版『呪怨』『呪怨2』と劇場版『呪怨』を小説化。オリジナル要素も多い。
劇場版『呪怨2』を小説化。巻末は袋閉じ仕様。
劇場版『呪怨 白い老女』を小説化。
劇場版『呪怨 黒い少女』を小説化。

[編集] 漫画

[編集] その他

『呪怨(2)』の謎を解読するファンブック(=「謎本」)。特製付録は「伽椰子さん&俊雄くんシール」。

[編集] 恐怖体感 呪怨(ゲーム版)

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています
恐怖体感 呪怨
ジャンル ホラー
対応機種 Wii
開発元 フィールプラス
発売元 AQインタラクティブ
人数 1-2人
メディア Wii用12cm光ディスク
発売日 2009年夏予定
価格 未定
対象年齢 CERO: 審査予定
  

2009年夏にゲーム版「恐怖体感 呪怨」が発売予定。内容はWiiリモコンを懐中電灯に見立てて暗闇を探索する、というもの。

清水崇も「恐怖アドバイザー」として製作に参加する。

[編集] その他

  • 清水崇デザインのTシャツがMARS SIXTEENより発売。
  • “呪怨の家”の住所は「東京都練馬区寿町4-8-5」という設定になっているが、実際にはそのような地名は存在しない。なお、東京都府中市内に、寿町という地名が存在する。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク