山村貞子

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山村貞子(やまむら さだこ)は鈴木光司原作及びその映像化作品『リング』シリーズに登場する架空の人物。超能力者

原作の描写によれば、色白黒髪で長身華奢で大人びた顔立ちの美少女である一方、半陰陽者という身体的特徴を持つ。

しかし映画版『リング』では、白のワンピースに顔を覆い隠す長い髪で映画の終盤まで一切素顔を見せず、最後の一瞬にもの凄い形相で白目だけを剥きながらテレビから這い出る怪物として描かれ、非常にインパクトがあったことからバラエティ番組などではパロディが作られた。

なお、モデルになっているのは、明治に実際にあった「千里眼事件」の御船千鶴子長尾郁子であるとされる。

目次

[編集] 概要·略歴


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


山村貞子が生きる世界は、実は現実世界の様々なシミュレーションを行うために、巨大なコンピュータ内に現実と同じ条件をプログラムして作られた、「ループ」と呼ばれる仮想の地球であり、貞子、浅川や高山ら登場する人物はコンピュータ上に生きる人間として登場する(この設定は『リング』『らせん』では明らかにされておらず、原作最終巻『ループ』にて初めて読者に明かされた)。

[編集] 誕生から最初の死亡まで

  • 1950年(原作では1947年)、伊豆大島の差木地に生まれる。母親は千里眼を持っていた山村志津子、父親は志津子の信奉者であり心理学者の伊熊平八郎(当時既に妻子ある身であった)。両性具有である半陰陽者。劇中では『睾丸性女性化症候群』と説明されている(映画・連続ドラマではこの半陰陽者の設定はない)。
  • 1956年(原作では1955年)、母親である志津子の超能力の公開実験が行われるが失敗に終わる(映画では、この時に実験をイカサマだと言った記者が変死している)。実験はインチキであるとマスコミに叩かれることとなった。その後これが原因となり志津子は、三原山の火口に身を投げて自殺(映画では精神を病んで自殺)してしまう。
  • 小学校4年生のときに三原山の噴火を予知。校内で有名に(原作のみ)。
  • 1968年(原作では1965年)、成長した貞子は東京の劇団「飛翔」に入団。音響担当者の遠山と恋仲になるも、浮世離れした個性や、演出家の変死など様々な怪事象を引き起こしたため、舞台『黒い服を着た女』(映画『リング0 バースデイ』では『仮面』)主演後に退団(映画『リング0 バースデイ』では、飛翔の劇団員たちとの確執から怪物化し、団員を次々と超能力で殺害。そんな貞子を憐れんだ父親の伊熊によって井戸に突き落とされる。故に天然痘ウィルスのキャリアとなる設定はない)。
  • 1966年、結核を罹った父親が入院した南箱根療養所で、父の担当だった長尾城太郎医師によって強姦され井戸に突き落とされて殺された。このとき長尾は天然痘ウィルスのキャリアで、貞子は死の直前に天然痘に感染している。
  • 1998年(原作では1996年)、浅川和行、高山竜司らによって井戸から掘り出される(映画『リング2』では、検死解剖の結果、死亡時期が1~2年前であることが判明、すなわち貞子は井戸の中で30年近く生存していたという設定が追加されている)。

[編集] 再生から消滅まで(貞子の呪い)

  • 殺された貞子の怨念は成仏することなく残り、さらに人類が初めて根絶した感染症である天然痘の怨念も加わり、観たものは一週間後に死ぬという呪いのビデオテープを生み出した。呪いのビデオは、貞子自らの遺伝子情報を映像によって表現したものだが、この遺伝子はビデオを見た者の網膜から身体に侵入し、1週間後に心臓周辺の冠状動脈に肉腫を発生させ心筋梗塞を誘発して殺害するという、一種のウィルス(天然痘ウィルスにそっくりな塩基配列で、劇中では通称リングウィルスと呼ばれる)としての特性を持っていた。貞子はビデオテープを見た者に、「死にたくなければ増殖(=ダビングさせて世に伝染させていく)することに手を貸す」よう強要し、怨念の拡散による無差別攻撃を開始する。
  • だが最初にビデオを見た4名の若者が悪戯でビデオの一部を消去してしまったため、リングウィルスの遺伝情報が不完全になり、さらに不完全なままでダビングを繰り返されたことで突然変異を起こしてしまう(後述)。結局ビデオテープの複製による伝染計画は少数の犠牲者を出した時点で頓挫してしまったため、貞子は、先の4名の変死事件を追ってきた新聞記者の浅川和行とその兄の浅川順一郎を利用し、浅川に呪いのビデオ事件を記事化(小説化。劇中でもこの小説は『リング』という題名)させ、出版物によって世に流布しようとする(読むと感染する)。
  • 一方、先に浅川と共に呪いの解除に奔走した高山竜司は、結局リングウィルスによって死亡してしまうが、高山の恋人だった高野舞は、彼の遺した呪いのビデオを見てしまう。だが彼女が見たビデオは、不完全な状態でダビングを繰り返されたために突然変異を遂げていたもので、彼女の体内に侵入したウィルスは心臓へは向かわずに子宮へ侵入、さらにはその日が彼女の排卵日だった偶然が重なり、ウィルス(すなわち貞子の遺伝子)は卵子に受精、高野の子宮を使って図らずも貞子は現世に再生を果たす(受精から短期間で臨月に至り、さらに出産後は1週間程度で成人の山村貞子に成長した)。しかも単なるクローン再生ではなく、生前の記憶も持ったままという、完全な復活であった。やがて浅川の出版した『リング』が映画化されることになり、劇団経験のある貞子は、主人公の一般公募に応募し主役の座を射止める。貞子は映画に自分の遺伝子情報を念写した(すなわちリングウィルスを仕込んだ)ため、作品を鑑賞することは初期の呪いのビデオを見るのと同じ効果となった。尚、復活した際に出会った安藤満男には自分のことを舞の姉、高野真砂子(たかの まさこ)と偽り、正体を隠して接触し、彼の行動を監視していた。
  • 高野から貞子が再生した際にリングウィルスは更なる突然変異を遂げ、以後、小説だけでなく、これを扱ったテレビドラマや映画、あるいはインターネットなど、浅川の出版した『リング』を扱ったメディアや作品等を見ただけで感染するようになってしまった。更にはこれらを見た者が排卵日の女性だった場合、その卵子に受精、やはり短期間で産まれ、たちまち成人の山村貞子に成長するようになった(その際、宿主にされた女性は出産直後に死亡する)。また、もともと半陰陽者である貞子は、再生した際に完全な両性の生殖能力を持つに至り、自らの精子を自らの卵子に受精させることで、自分で自分を産み出すことも出来るようになった。これにより山村貞子は、「他の女性を媒体に·又は自分だけでも/増殖が可能」という、全く新しいタイプの人類に進化し、無限に自らのクローンを増殖させ、ついにはループ内の生命を駆逐してしまった(ループ内の生命は全て山村貞子1人だけの遺伝子に収斂してしまった)。
  • 一方、ウィルスによって死んだ高山竜司は、死の直前に自分がいる世界が仮想現実であることに気付いていた。絶命する直前、彼はループの責任者に現実世界への蘇生を求め、これが了承されたことで、彼は二見馨という人物として現実世界へ人工的に甦りを果たしていた。だが高山の現実世界への復元過程で彼が感染していたリングウィルスが現実世界に持ち込まれてしまい、「転移性ヒトガンウィルス」として実際の人類を脅かし始める。やがて二見=高山は、自分が現実世界へ蘇生する際にリングウィルスを持ち込んでしまったと同時に、自分の体がこのウィルスへの完全な抗体を偶然に完成させたことを知り、リングウィルスを駆除する方法をもって再びループ内に戻る。ループ内時間でリングウィルスが世に蔓延する直前の時期に戻った高山は、直ちにワクチンを作成してリングウィルスを無効化、遂に呪いは解除された。さらに高山は、世に増殖していたクローン貞子を急激に老化させ死に至らしめる新ウィルスを開発、遂に山村貞子は滅び去り、ループ内世界は救われた。そして現実世界でも高山の抗体情報を元にワクチンが作られ、人類は滅亡から救われた。

[編集] 映画版の貞子

映画は『リング』と『らせん』が同時に、大筋は同じストーリー・設定で映画化され、のちに映画オリジナルのストーリーで『リング』の続編として『リング2』が作られた。その後、劇団時代の貞子を描いた『バースデイ』の「レモンハート」を基に、ほとんどオリジナルのストーリーで、原作にはない設定も加えて『リング0 バースデイ』が作られた。

『リング』シリーズを映画化した作品はすべてホラー映画として作られており、貞子は原作よりもさらに怪物的に描かれている。原作にはない設定・エピソードとしては、『リング』では、志津子の実験の際に記者を変死させており、さらに呪いのビデオを見て1週間の期限が来た者の前に直接出現し、長髪を振り乱し狂った目を剥いて襲ってくる化け物(素顔は不明)といった演出で描かれていた。『リング2』では井戸の中で30年近く生きていたという設定が加わっている。また、遺骨の頭蓋骨を粘土で復元した顔で登場する。前作でも断片的に語られた呪殺した人間の姿を借りる能力もある。『リング0 バースデイ』では、原作では父親である伊熊平八郎が、自分は貞子の父親ではないと語り、海から現れた異形の怪物がそれであるかのように映画では描かれた(この設定は『リング』の時より断片的に語られており、ビデオの「しょーもんばかり…ぼうこんがくるぞ」(水遊びばかりしてると化け物が来るぞ)と伊豆方言のメッセージに現れている。これについては脚本家の高橋洋もインタビューで発言している)。また幼少時に貞子は2人に分裂し、一方は志津子に似た普通の子供で、もう一方は本物の父親に似た化け物じみた邪悪な存在であったため、伊熊は後者を隔離し薬漬けにして成長を止め、自分の家の2階に幽閉したといったエピソードが加わっている。人間の貞子も治癒能力や不確定な予知能力・霊能力などの超能力を持つ。映画では、長尾城太郎は登場せず、貞子を殺害するのは父親の伊熊平八郎の役割となっている。また、原作では端役であった山村敬が金儲けのために志津子を利用する間接的な元凶として描写される。

『らせん』では『リング』と異なる恐怖の存在であり、素顔を見せ、淫靡で蟲惑的な魔性の女として描かれている。復活時にも貞子本人ではなく、受胎した高野舞の姿をコピーして復活する(後に連続ドラマでもこの設定を応用)。こちらでも超能力などを使える描写がある。安藤孝則・高山竜司を出産するが、もとが半陰陽者(睾丸性女性化症候群)ではないため、どのような身体のメカニズムかは不明。また、呪いのビデオを見るのが高野舞ではなく安藤満男となっており、彼との肉体関係を介して舞がリングウイルスに感染する手順となっている。原作のリングウイルスや自己増殖の設定もアレンジされ存在する。両作共通して井戸が欠けているが、先にそういう描写に設定したのが『らせん』である。

[編集] 単発ドラマ版の貞子

原作にほぼ忠実に作られたドラマ『リング~事故か!変死か!4つの命を奪う少女の怨念』での貞子。

原作通りに半陰陽者(睾丸性女性化症候群)であり、官能的な悲劇のヒロインの要素が強い。素顔を見せている。父親の伊熊平八郎が金儲けのために山村親娘を売るマッドサイエンティストになっており、娘の貞子とも肉体関係を持っている。「呪いのビデオ」を介しての登場シーンも高山に謎の言葉を言う描写となっている。

[編集] 連続ドラマ版の貞子

連続ドラマ版『リング〜最終章〜』『らせん』に登場する貞子。貞子を含め、周囲の人間関係などの設定がもっとも大きく変更されている。

『リング〜最終章〜』での変更点は、死亡前に『劇団飛翔』の団員、森山修平との間に男児を設けており、それが「高山竜司」であること。さらに彼女が死亡する井戸は箱根パシフィックランドや伊豆のペンションではなく、東和泉女子学園の校舎内に存在する。

[編集] 登場作品

『リング』シリーズの作品は、長編の『リング』、『らせん』、『ループ』と3編収録の短編集『バースデイ』から成る。貞子に関する内容でいえば、『リング』では(直接の描写ではなく記録や証言の形で)生前の貞子と呪いのビデオが、『らせん』では貞子の再生と呪いの拡大が、『ループ』と『バースデイ』収録の「ハッピー・バースデイ」では、呪いの完成と解除がそれぞれ描かれている。

[編集] 外部リンク

  • the ringworld - Fansite covering all aspects of the Ring series.