別科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

別科(べっか、: short-term course)とは、当該種別の学校入学できる資格を有する者に対して、簡易な程度において、特別の技能教育を施すことを目的とする学校の課程である。サーティフィケート取得を目的とし、修業年限は1年以上で、卒後進路は基本的に就職である[1]

日本[編集]

日本の学校教育法(以下「法」)では、第58条にて高等学校(第70条にて中等教育学校の後期課程、第82条にて特別支援学校に準用)、第91条にて大学短期大学を含む)に設けることができる条文があるが、高等専門学校専修学校の条項では触れられていない。

後期中等教育における別科[編集]

高等学校の別科は法第58条第3項に基づき、第57条の高等学校入学資格者(「高校受験#入学資格」を参照)が対象となる(第70条にて中等教育学校の後期課程に、第82条にて特別支援学校に準用)。

学制改革直後、旧制の青年学校本科に相当する課程として、農業、家政の別科が置かれた学校が多かったが、全日制高校の増設や進学率の向上で尽く廃止された。

横浜市立横浜商業高等学校には、現在も理容、美容の別科が設置されている。


2018年5月1日現在別科の高校生は147人である。

中等以降高等以前教育における別科[編集]

大学の別科は法第91条第3項に基づき、第90条第1項の大学入学資格者(「大学受験#受験資格」を参照)が対象となるが、高等教育ではなく中等以降高等以前教育に位置づけられ、修了時に学位は発行されない[1]

高等教育に設置されている別科としては、以下のものが比較的よく見られる。

  • 留学生別科 - 日本語を母語としない人が日本語を学ぶ課程
  • 農業別科 - 農産物、果樹栽培法等を学ぶ課程

留学生別科[編集]

留学生別科とは、大学における教育の一環として学校教育法に位置づけられた正規の教育課程で、当該種別の学校入学できる資格を有する者に対して、すなわち日本の大学の留学生・研究生・研究員に対し、準備教育として日本語及び日本事情・日本文化その他必要な科目を教育することを目的とした教育機関である 。

多くの別科では日本文化・日本事情を日本語で教えるが、日本の大学では、主に国立大学に設置されてある留学センターのほかに、留学生用に留学生別科を設置してある大学も多い。設置している大学については以下の通りである(一部「募集停止中」のものを含む)。

留学生別科以外の別科[編集]

大学に設置されている、留学生別科以外の別科を以下に記す。

その他[編集]

専修学校であるあいち情報専門学校に別科が設けられているが、これはサポート校に近い。

また、辻調理師専門学校辻製菓専門学校の別科(通信教育講座)や、専門学校清水とき・きものアカデミアの別科は、技術を身につける公開講座に近い(資格や受験資格などは一切取得できない)。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d UNESCO (2008年). “Japan ISCED mapping”. 2015年10月31日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]