Heaven?

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Heaven? 』(ヘブン)は、佐々木倫子による日本漫画。『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて1999年40号から2003年29号まで断続的に全45話が連載された。単行本は全6巻(小学館ビッグコミックス)、小学館文庫版は全4巻。

ロワン ディシー」(この世の果て)という名のレストランで繰り広げられる、風変わりなオーナーと、それに振り回される従業員たちによる物語。

あらすじ[編集]

フレンチレストランで働いている伊賀観は、ある日ふとした事件がきっかけで黒須仮名子と出会う。黒須は新たにフレンチレストランを開業するために従業員を探しており、伊賀は黒須の語る理想のレストラン像に惹かれて黒須の店で働くことを決める。翌日、集合時間の24時に店を訪れる伊賀だが、地図に書いてあったその場所は見渡す限りの墓地。牡丹畑の遥か向こうに辛うじて建物を見つけると、そこには伊賀と同じく黒須にスカウトされた6人の従業員がいた。最悪の立地、4日後に控えたオープン、フレンチの経験のないサービス陣、黒須の存在など幾多もの課題を抱えながらも「ロワン ディシー」はオープンする。

登場人物[編集]

伊賀 観(いが かん)
主人公。「ロワン ディシー」シェフドラン。営業スマイルができない上に、融通も利かないが、理不尽な客への毅然とした態度を買われスカウトされた。サービス陣では唯一のフレンチ経験者であるものの、その年数は未だ3年と決して一人前ではない。物語冒頭と結末では上品な老紳士の姿で登場する。オーナー・黒須仮名子を初めとする「ロワン ディシー」の個性的な面々の暴走を軌道修正するクッション役を務めるなど苦労は絶えない。オーナーに負けず劣らず強引な母親が長崎にいる。怒ることは滅多に無いと言われ、ピンチの際には超人的な感覚を発揮する。因みに「観」と言う名前には本人によると「観念」「諦観」の意味を持つらしい。
黒須 仮名子(くろす かなこ)
「ロワン ディシー」オーナー。美人だが、他の追随を許さぬほど利己的でワンマンな性格。たまに本質を突く発言をするが、大抵は思いつきなので周囲を振り回すことが多い。三流とはいえミステリー作家であり、小金を持っている模様。交友関係を文芸界に広く持っているが詳細は全く描かれなかったので、上記の性格以外は謎に包まれている女性である。小説家だが今はたまにしか書いてない。前に当たった小説で小金をつかみ、逃避場所である「ロワン ディシー」をオープンした。執筆時のペンネームは黒須真名。後に、唯一小説を書いていた出版社・河音公論は経営破綻する。
堤 計太郎(つつみ けいたろう)
「ロワン ディシー」店長。以前は牛丼屋に5年間勤め、社長にも期待されていたが、賄いで毎日食べる牛丼に飽きたため転職した。スケールの小さい節約と有能な企画力で「ロワン ディシー」の経営に尽力する。フレンチ経験なし。そろばんを片手に経理を担当している。
山懸 重臣(やまがた しげおみ)
「ロワン ディシー」ソムリエ定年退職した元銀行役員で、かつては神童と呼ばれるほど賢く、東京大学出身。銀行では出世街道をひた走っていたが、趣味の資格取得に没頭するあまり上司に嫌われ窓際族に。フレンチ経験は無く、ソムリエの資格取得に必要な5年間の飲食店勤務年数を得るため、「ロワン ディシー」に勤務する。営業畑の人間らしく、厭味な客のあしらいもうまいが、時には自分が年寄りであることも利用して人を丸め込みラクをする老獪かつお茶目な人柄。
川合 太一(かわい たいち)
「ロワン ディシー」コミドラン。元美容師見習いだがシャンプーに飽きて転職。飲食に関連する店での勤務経験は一切ない。いつもニコニコし明るいが、軽い性格で覚えも悪く、時にはスタッフの怒りを買う。天性の無邪気さと甘え上手で川合ファンの女性客も多い。霊感が強く、「ロワン ディシー」にいる幽霊に、水の入ったコップを差し出す姿がたまに見られる。また、趣味のトレーディングカードを店のあちこちに隠したり、店先にビワや焼き栗を植えるなど子供じみた行動をよくとっている。大変に伊賀に懐いている。
小澤(おざわ)
「ロワン ディシー」シェフ。三つ星レストランに勤めていたこともある一流シェフだが運がなく、在籍する店は次々につぶれてしまう(過去7回)。その反面、彼の味を評価するファンが付いている。前の店は経理に金を持ち逃げされてつぶれた。縁起が悪いため他のオーナーはあまり雇いたがらず、黒須に目をつけられた。店がつぶれるのがトラウマになっていて、弱気になると味付けも薄くなる。料理方針はオーナーの気分に左右されて衝突するが、苦労人のためなんとか乗り切っている。なお、厨房担当には2名のアシスタントがいるが、名前は不明である。
鱸(すずき)
「ロワン ディシー」の近くにある石材店の店主。黒須にスカウトされたスタッフが初めて店を訪れた時、全員が彼に道を聞いた。以来、「ロワン ディシー」の常連となる。なぜかカウンター席で黒須の隣になることが多く、黒須のワインの好みもいつしか覚えてしまった。しかし黒須の隣に座る時は、いつもビクビクしている。妻と小学生の娘・息子がいる。描き下ろし「鱸石材店の休日」にて彼の生活が描かれている。

書誌情報[編集]

佐々木倫子 『Heaven?』 小学館

関連項目[編集]